2月25日*1は、ジョージ・ハリスン67回目の誕生日です。しばらく、ジョージの好きな作品をアップしていきます。
「アンノウン・デライト」は、アルバム『ゴーン・トロッポ』(1982年)に収録されている美しいバラード。
温情の厚い小学生教師(柄本明)と教え子たちとの長い年月の交流を描いた新藤兼人作品。豊川悦司が演じる売れない脚本家は、新藤兼人自身を投影しているようでもある。
人物の描き方は、喜劇映画かとおもうほどデフォルメされていて、そのオーバーな演出に、たじろいでしまう。思い出すのは、黒澤明の遺作『まあだだよ』だ。あの抑制のきかない演出には、これが黒澤明の作品だろうか、とびっくりしたものだけど、 こちらはもっとひどいかもしれない。
15歳の高等小学校の生徒が30年後、同窓会で集まる。それなら、みな45歳のはずである。その老け方の不自然さ。60歳くらいに見える。むかしは老けが早かったのかとおもえば、豊川悦司や大竹しのぶは、若い。先生の奥さんを演じる川上麻衣子など、最後まであまり歳をとらない。老け方のバランスが悪すぎる。
描きたいテーマはわかるし、ところどころで惹かれるシーンはあるのに、演出が安定しない。すばらしい経歴をもつ大映画監督の作品をあまり否定したくないが、これは年齢のせいだろうか、と首をかしげながら見た。
☆