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beatleの「探検隊日記」 このページをアンテナに追加

2011-06-05

[]成瀬巳喜男監督『驟雨』(1956年05:45




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『驟雨』は、「しゅうう」と読む。にわか雨のこと。



やっぱりおもしろい。


テーマとしては、『めし』1951年)のリメイクのようにもおもえるが、この作品は『めし』よりもユーモラスに、夫婦の軋轢が描かれている。


夫婦の、もっといえば男女の考え方のちがいが、ふたりの衝突の原因になるが、この夫婦は互いを決定的に嫌いになったわけではない。


しかし、、、


隣に若い夫婦引っ越してくる。


<隣の芝生は青く見える>のことわざとおり、隣の若い夫(小林圭樹)は、貞淑で家事を怠らない原節子に魅力をかんじ、そういう妻の家庭くささに少しうんざりしている佐野周二は、隣の生活感をかんじさせない妻(根岸明美)に、新鮮な刺激を受けている。


露骨ではなく、誰でもすこし身に覚えのある、軽い浮気心が自然に挿入されている。



場所世田谷区梅が丘。垣根のある、ふつうの一軒家がいくつも並んでいて、朝になるとそれぞれの家から夫が出てきて、それを妻が送り出す。


1951年の、平均的な日本のサラリーマン夫婦の朝の光景なのかもしれないが、このどこかの一軒からマスオさんを送り出すサザエさんが出てきても、おかしくない。


そんなのんびりした映画風景に惹かれてしまう。



ラスト・シーンが素晴らしい。理詰めで夫婦の衝突の問題を解決するのではなく、無言の映像でこの夫婦未来を想像させる。


子供が遊んでいた紙風船がとんでくる。それを夫が打ち・・・妻へ送る・・・それを妻が夫へ打ち返す。夫から妻へ、妻から夫へ・・・紙風船を打ちあう夫婦の姿は、それまでのいさかいの修復を予感させて、突然おわってしまう。



この<話の途中>でいきなり終わるのは、成瀬巳喜男の特長の1つだ。


映画がおわっても登場人物たちの時間は続いていく、ということをかんじさせて、余韻がのこる。映画がおわれば、そこで描かれた問題は全部解決してしまうわけではない。


この意味でも『驟雨』はすばらしいが、成瀬巳喜男の代表作といわれる『浮雲』(1955年)は、ラストシーンに関して、最後がくどくど描かれている点で、成瀬巳喜男作品らしくない。

tougyoutougyou 2011/06/06 12:53 この頃が成瀬巳喜男は絶好調ですね。
未見ですが、beatleさんの感想を読ませていただいて、早く観たくなりました。

beatle001beatle001 2011/06/07 11:47 tougyouさん、成瀬巳喜男いいですねえ。見直しても味わい深い作品がおおいです。しかし『驟雨』や『秋立ちぬ』などの名作がなぜかレンタル屋さんなどでも在庫していないので残念です。

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