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2011-02-13

新藤兼人監督『石内尋常高等小学校 花は散れども』(2008年)

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石内尋常高等小学校 花は散れども [DVD]

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温情の厚い小学生教師(柄本明)と教え子たちとの長い年月の交流を描いた新藤兼人作品。豊川悦司が演じる売れない脚本家は、新藤兼人自身を投影しているようでもある。


人物の描き方は、喜劇映画かとおもうほどデフォルメされていて、そのオーバーな演出に、たじろいでしまう。思い出すのは、黒澤明の遺作『まあだだよ』だ。あの抑制のきかない演出には、これが黒澤明の作品だろうか、とびっくりしたものだけど、 こちらはもっとひどいかもしれない。


15歳の高等小学校の生徒が30年後、同窓会で集まる。それなら、みな45歳のはずである。その老け方の不自然さ。60歳くらいに見える。むかしは老けが早かったのかとおもえば、豊川悦司大竹しのぶは、若い。先生の奥さんを演じる川上麻衣子など、最後まであまり歳をとらない。老け方のバランスが悪すぎる。


描きたいテーマはわかるし、ところどころで惹かれるシーンはあるのに、演出が安定しない。すばらしい経歴をもつ大映監督の作品をあまり否定したくないが、これは年齢のせいだろうか、と首をかしげながら見た。


tougyoutougyou 2011/02/13 14:21 beatleさん、この新藤作品のメイキングをNHKで見た時に、役者により大げさにするように演出しているのを見て、豊川悦司や大竹しのぶは大変だと思いました。
一番可哀想だったのは大杉蓮でした。彼の理想の監督は小津安二郎ですから、新藤監督に言われて更に自分で考えて大げさに演じていたのは、まさに、それこそが役者の悲劇だと思ったものでした。
新藤さんはやはり優れた脚本家で、それを超一流がやるといい作品が出来るといのが私の変わらない考えです。

でも、糖尿病になって、殆ど歩けなくなっても撮り続ける姿は感動的でした。
小津、溝口、成瀬等は60歳前後で亡くなっているのだから、自分は幸せだというニュアンスのことも言っていました。

鯨岡平八郎鯨岡平八郎 2011/02/13 22:16 この前作の「ふくろう」を最近見ました
新藤兼人監督91才の時の作品です

舞台は1980年代の開拓村の
たった一軒残った古い家の中だけです

一軒家に住んで男を殺していく母娘って
筋書きはかつての監督の作品
「鬼婆」「藪の中の黒猫」と通じます

実はこの映画、満州からの引揚者に国から
あてがわれた「開拓村」という
電気も水道もなかった不毛の地
あの上九一色村に暮らし「棄民」と
いわれた人達の国や自治体への
怒りが原作の元になってるんですねぇ

「原爆の子」「第五福竜丸」
「さくら隊散る」「裸の十九才」と反骨の
社会派映画を撮ってきた監督らしい

舞台を見てるような映画なのですが
妙にリアリティーを感じてしまうのは
モスクワ映画祭で主演女優賞を取った
大竹しのぶの演技の素晴らしさでしょうか

9人の男達を殺して行くストーリーを
監督はコミカルに描いていきます
まるで人に媚びることを拒絶するかの
ように楽しんで撮ってます

幸せな映画人生だったんですねぇ〜

shinya-sshinya-s 2011/02/14 03:18 「石内尋常高等小学校 花は散れども」、僕も以前ブログで感想を書きました。
beatleさんの感想を読んで大笑いしました(笑)

僕は早い段階であの世界観を受け入れて(いや、ある意味諦めて)、まるで演技を初めたばかりのレッスン生のような(過剰な表面的な役作り)演技を面白がって観ました。

ところで、実は今日とある養成所の卒業公演を観て来たのですが、この作品を思い出しました(いや、流石にもっと酷かったですが)。
もうぐっちゃぐちゃ(笑
でもなんだかとても楽しめたのです。
それは幼さや単純さが良く作用したのだと思うのですが、とにかく何故か割かし楽しめたのです。
「石内尋常高等小学校 花は散れども」にも何かそういう、新藤監督の少年少女のような単純でひた向きな想いを感じました・・・というのは新藤監督を贔屓しすぎでしょうか?(笑

まあと言っても僕もストレスは感じたのですが(大笑い
周りがアレだから豊川さんなんかの芝居は「何格好付けてんだ」なんて思っちゃう程だし、周りがアレでも六平さんの芝居はやっぱり大袈裟に見えちゃいました。
それに「演出が安定しない」為か、やっぱり観ていてハマらないんですよね。
だからこの作品は僕にとって、「素敵な部分も沢山あるけど、好きに分類されない作品」といった具合です。
しかし途中でちょこっと出てきた木場勝巳さんと三谷昇さんは最高でした(笑)

beatle001beatle001 2011/02/14 15:01 tougyoさん
>、この新藤作品のメイキングをNHKで見た時に、役者により大
>げさにするように演出しているのを見て、豊川悦司や大竹し
>のぶは大変だと思いました。

>一番可哀想だったのは大杉蓮でした。彼の理想の監督は小津
>安二郎ですから、新藤監督に言われて更に自分で考えて大げ
>さに演じていたのは、まさに、それこそが役者の悲劇だと
>思ったものでした。

以前にも、tougyouさんがこの映画の感想で、上記とほぼ同じようなことを書かれていたのを記憶していました。映画を見て、なっとくしてしまいました。大杉蓮はピカの被爆者を演じていましたが、あんまりオーバーなので、被爆の問題を考える前に、なんとかこの演技をとめてもらえないものか、とおもってしまいました。

新藤兼人作品は実験的なテーマを持つ作品が多いので、演技が多少おおげさでも、「実験室を見る」感覚で、なっとくしていました。でも、今回は許容範囲を超えていました(笑)。

殿山泰司は、周囲が激しい演技をしているなかでも、それを緩和させるようなぼそぼそした演技をやっていて、彼の存在が、新藤兼人作品のなかで、結構大きいことも改めて思います。

beatle001beatle001 2011/02/14 15:29 鯨岡平八郎さん、ぼくも新藤兼人監督の『ふくろう』は見ました。そして、乾いたコメディ感覚に惹かれました。

そのとき、以下のような感想を書いています。
http://d.hatena.ne.jp/beatle001/20080915/1221433898

>実はこの映画、満州からの引揚者に国から
>あてがわれた「開拓村」という
>電気も水道もなかった不毛の地
>あの上九一色村に暮らし「棄民」と
>いわれた人達の国や自治体への
>怒りが原作の元になってるんですねぇ

映画が生まれた背景というか動機は、鯨岡平八郎さんのコメントではじめて知りました。ありがとうございます。なるほど、とおもいました。

>舞台を見てるような映画なのですが
>妙にリアリティーを感じてしまうのは

おっしゃるように、『ふくろう』は舞台を見ているようなおもしろさがありますね。

以前、田中絹代演じる長女がアメリカから帰ってきて、兄弟姉妹のなかで起こる確執を描いた『悲しみは女だけに』も、舞台のような濃密な作品でした(もっとも、これはもともと舞台ようにつくられたものの映画化のようですが)。

>一軒家に住んで男を殺していく母娘って
>筋書きはかつての監督の作品
>「鬼婆」「藪の中の黒猫」と通じます

以上あげてくださった2つの作品はとても好きです。

『鬼婆』は、ずっとむかし、監督の名前も知らぬまま見て、凄い作品だとおもいました。こういう生(もしくは性)を、よぶんなことを剥ぎ取り、観念を具象化して表現できることでは、小説家の坂口安吾の「桜の森の満開の下」や「夜長姫と耳男」などを連想しました。

『ふくろう』には、そういう先行の作品と共通するような感覚がありますね。

beatle001beatle001 2011/02/14 15:39 shinya-sさん
>それは幼さや単純さが良く作用したのだと思うのですが、
>とにかく何故か割かし楽しめたのです。
>「石内尋常高等小学校 花は散れども」にも何かそういう、
>新藤監督の少年少女のような単純でひた向きな想いを感じ
>ました・・・というのは新藤監督を贔屓しすぎでしょう
>か?(笑

いや、shinya-sさん、好きな監督や俳優はひいきしたくなるのが自然ですから、いっぱいひいきしてください(笑)。それが自然ですし。

「少年少女のような単純でひた向きな想いを感じました」というのは、一方ではほんとうかもしれないですね。

映画や小説の見方は、ひとつに決められない、と、もともとおもっています。

2011-02-12

吉田大八監督『パーマネント野ばら』(2010年)

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パーマネント野ばら [DVD]

パーマネント野ばら [DVD]






離婚したなおこ(菅野美穂)が、一人娘ももをつれて、海の見えるふるさとへ帰ってくる。


仲のよかったおさななじみとの交流も復活する。


みっちゃん(小池栄子)も、ともちゃん(池脇千鶴)も、それぞれ夫の浮気ギャンブルで苦しんいる。


なおこは二人の悩みを知り、いっしょに心の痛みをわかちあうが、じつは彼女のなかにも、心にかかえた恋の哀しみがあった。


高知の美しい風景のなかで、おさななじみたちとのあたたかい交流が描かれていく・・・のかと思いきや、じつはこの物語には<仕掛け>が用意されていた。


いままでも映画に使われたことのある<仕掛け>で、新しいものではないが、「ああ、そうなんだ」と、なっとくして見終えることができた。

tougyoutougyou 2011/02/14 22:12 beatleさん、この映画は少し前に観てちょっとコメントを自分のブログにほぼ同じ印象で書きました。
管野美穂はいい女優になりましたね。

インドの本場でヨガも本格的にやっていて、ビートルズも行ったところへの旅のドキュメンタリーが面白かったです。 中谷美紀もインドですから、やはり魅力があるのですね。

beatle001beatle001 2011/02/15 05:57 はい、tougyouさんのブログを拝見したのが見るキッカケになりました(笑)。菅野美穂がいいですね。インドはひとを磨くなにかがあるのでしょうか。

2011-02-06

深川栄洋監督『白夜行』(上映中)

| 05:59 | 深川栄洋監督『白夜行』(上映中) - 旧・かぶとむし日記 を含むブックマーク




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仕事がおわった2月5日の朝、午前8時35分からの初回上映を、極貧荘のある東武練馬映画館へ見にいく。さすがにこの早い時間から見る観客はすくなかった。

昭和55年から平成10年までの19年にわたる壮絶なドラマを、時代考証に基いたリアリティあふれる映像で描き出している。ミステリアスな主人公の雪穂役は堀北真希最後まで本心を見せない雪穂を見事に演じ切った。もう一人の主人公である亮司役には高良健吾感情を露わにしない彼が心情を吐露するシーンでは、素晴らしい演技を見せる。また、刑事の笹垣を演じた船越英一郎の演技が作品に深みを与え、原作にはなかった“父性愛”の要素をプラスしている。


(「goo映画」の解説から



ミステリー作品としては、昨年見た『告白』や『悪人』*1比較してしまうが、このふたつの作品ほど強い力は感じない。


告白』や『悪人』には、ミステリーをはみだすようなリアリティがあったが、『白夜行』には、それは感じられなかった。


堀北真希は、この主人公の<悪女>をすっかりものにして演じきっているというより、<がんばって演じている>という印象が拭いきれない。清楚なイメージの強い彼女が、この役を消化するのは、まだむずかしいのかもしれない。


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でも、堀北真希の美しさを、大きなスクリーンで見る価値はあった。


女子高校生から、美しいおとなの女性へ成長していく。その輝きが、周囲の男性の心を溶かしてしまう。<悪女>までの達者な演技は感じられなくても、それをなっとくさせてしまう美しさは、映画の魅力になっている。


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前半では陰の薄かった高良健吾*2は、ラスト近くで印象に残るシーンが連続する。


そして、バンドベースドラムみたいに、映画全編に深みを与えているのは、刑事役の船越英一郎ではないか、とおもう。彼が、もうひとりの主人公である。

*1:『悪人』はミステリーはいえないかもしれないが。

*2:しかし、高良健吾は、ダルビッシュ投手とにていないだろうか。

tougyoutougyou 2011/02/06 14:47 この原作のヒロイン役には、外見的にも堀北真希はちょっと悪女的な要素が少ないので損をしているかもしれないですね。 TVの方で演じた綾瀬はるかの方が映画を観た人々の中でも評判がいいのですが、綾瀬は見事に演じていました。

アイドル的な女の子も二十代半ばで、どれだけ優れた監督といい作品をつくりだせるかで、将来が大きく変わりますから、頑張って欲しいですね。 「白夜行」の続編の「幻夜」(TVドラマ)でヒロインを深田恭子も頑張っていましたが、やはりもうひと息という感じでした。

beatle001beatle001 2011/02/07 14:10 tougyouさん
>この原作のヒロイン役には、外見的にも堀北真希はちょっと
>悪女的な要素が少ないので損をしているかもしれないですね。
>TVの方で演じた綾瀬はるかの方が映画を観た人々の中でも評
>判がいいのですが、綾瀬は見事に演じていました。

そうでしたか。綾瀬はるかもやったのですね。テレビ版では見ようもありませんが、ちょっと見てみたい気はします。

>アイドル的な女の子も二十代半ばで、どれだけ優れた監督と
>いい作品をつくりだせるかで、将来が大きく変わりますから、
>頑張って欲しいですね。

おっしゃるとおりです。

旬なときは、作品が多少出来が悪くても人気で観客が集まりますけど、それだけだと結局消費されて終わってしまいますね。地味でもいい作品に出ていると、自然と演技力に周囲の注意が集まってきて、人気の一過性の時代を過ぎても、やっていけるので、若いときの監督や作品との出会いは大切だとおもいます。

2011-01-26

市川崑監督『おとうと』(1960年)

| 14:46 | 市川崑監督『おとうと』(1960年) - 旧・かぶとむし日記 を含むブックマーク





おとうと [DVD]

おとうと [DVD]






山田洋次監督の『おとうと』が、この作品にインスピレーションを受けて制作された、というので、見る。


結論からいうと、予想以上におもしろかった。


市川監督の『おとうと』を見ると、山田洋次監督がどのようなところにインスピレーションを受けたか、わかる。


映画の後半は、状況的にも、ふたつの作品がほとんど重なる。ラストシーンは、インスピレーションというより、もっとリメイクに近い。


ただおもしろさのみどころは、ふたつの作品はちがう。


市川崑版のみどころの中心は、姉の岸景子だが、山田洋次版は、笑福亭鶴瓶が、映画を仕切っている。


市川版の『おとうと』には、<おとうと>役の川口浩に、鶴瓶のような華やかな見せ場はない。


弟の性格設定が、ふたつの映画から受ける印象のちがいになっている。


<姉弟>のつながりを描く映画としては、いっしょに暮らしながら、継母の独善に苦しみ、互いを守りあうという、市川版の<姉弟>のほうが、ムリがなく細やかで、共感の度合いも強い。





独善的な母を演じる田中絹代の演技が強く印象に残った。


森雅之は、この作品でもウケの演技が卓越している。目立たない演技がすごい。


いまの役者でいえば、それに匹敵するのは、加瀬亮だろう。山田洋次監督が蒼井優の惹き立て役に加瀬亮を起用したのも、なっとくしてしまう。

tougyoutougyou 2011/01/28 23:37 >森雅之は、この作品でもウケの演技が卓越している。目立たない演技がすごい。

ポジの三船敏郎、ネガの森雅之と言われることがありますが、このふたりがいなかったら、日本映画の黄金時代の輝きは霞んでいたかもしれないですね。 ほんものの役者の凄さは、将棋の大山名人と一緒で、受けの見事さにあるのでしょうね。 山田洋次監督のは未だ観ていないので観たら、私も比較してみたいと思います。

beatle001beatle001 2011/01/30 14:54 tougyouさん
>ほんものの役者の凄さは、将棋の大山名人と一緒で、
>受けの見事さにあるのでしょうね。 

受けの演技は、一見目立ちませんね。だから、どうしても派手に前へ出るほうへ、目をとられてしまいます。

でも、何度か見ているうちに、ハッと気づきますね。この俳優何気ないところで光っているなあ、って。森雅之もそうでした。そして、最近加瀬亮の演技に注目しています。加瀬亮の出演する映画が楽しみです。

2011-01-09

熊切和嘉監督『海炭市叙景』(上映中)

| 10:42 | 熊切和嘉監督『海炭市叙景』(上映中) - 旧・かぶとむし日記 を含むブックマーク





f:id:beatle001:20110109103358j:image:right
東京では渋谷ユーロスペースの単館上映なので、ひさしぶりに渋谷へ。


ひとの流れをかきわけるようにして、東急本店横から少し路地へはいった、ユーロスペースへいく。





海炭市は、架空の街だが、撮影はすべて函館でおこわなれたようだ。函館市民の全面的な協力のもとに製作されている。


函館の街の風景、空気、そして、そこに住むひとたちが映される。海、造船所、路面電車、雪のかきわけられた道路など。


オムニバス形式だが、どの登場人物も海炭市に住んでいるから、街中で、都電やバスで微妙にすれちがう。


5つの挿話は、どれも暗い。

  • 造船所の人員整理で、仕事を失った兄妹(竹原ピストル、谷村美月)は、小銭をかきあつめて初日の出を見にいく。
  • 立退きを迫られた老婆(中里あき)は、それを拒否して、猫と暮らしているが、その猫が突然姿を消してしまう・・・。
  • プラネタリウムで働く男(小林薫)は、妻からも子どもからも無視されている。妻は水商売で働きはじめてから変ってしまった。時々外泊もする。子どもは、父が話しかけても、口をきかない。
  • 父親からガス屋を引き継いだ若社長(加瀬亮)は、事業がうまくいかない。いつも苛立ち、従業員を叱り、妻を殴る。その妻は先妻が残した子どもを、夫に隠れて虐待している。
  • 仕事で東京からふるさとへ帰ってきた青年は、路面電車の運転士として働く父親と会おうともしない。むかしのしこりが消えていない。心が晴れないまま、小さなバーで夜をすごす。


海炭市の街の風景を映しながら、こんな話が描かれ、街には雪が降り、路面電車が走っていく。


上映時間が長いし(152分)、内容が暗いので少し疲れた。


しかし、プラネタリウムで働く男(小林薫)の第3話から、話に動きが出てくるので、惹きこまれていく。小林薫をひさしぶりに見たが、うまい。妻から子どもからも見放された男の寂しさを、しっかりと見せてくれる。


第4話では、加瀬亮がいままでの繊細な青年役とはうってかわって、妻に暴力をふるう横暴な若社長の役を演じる。この陰険な役を、少しもオーバーでなく、自然に演じていて、すごい! 


前々から若手俳優で一番好きな男優だったが*1、こんな役柄も自然にこなすのか、と惚れ惚れしてしまった。脇役で受けの演技もうまいし、こういう、ついついオーバーアクションになりがちな役柄でも、自然に演じ分けてみせる。


疲れるが、見終えて充足感があった。いい作品だし、監督の力量も感じられる。ただ、これが単館ロードショーなのがさびしい。DVD鑑賞では、152分の集中力が持続しにくい作品かもしれない。

*1:加瀬亮は、いまや若手なんていえない十分な実績をもった中堅俳優だけど。

tougyoutougyou 2011/01/12 15:27 加瀬亮はこの監督の作品で初主演したそうですね。
この監督の娯楽作品では「フリージア」という暴力描写が一杯の警察物を見ましたが、余り好きになれませんでした。 
でも、今回のような作品もキチンと撮っている才能ある監督のようですね。
ちょっと楽しそうな『青春金属金属バット』を今度観てみます。

beatle001beatle001 2011/01/13 14:07 tougyouさん
>加瀬亮はこの監督の作品で初主演したそうですね。

tougyouさん、なんていう作品でしょうか。ぼくは、加瀬亮の初主演は是枝裕和監督の『誰も知らない』だと、思い込んでいました。

tougyoutougyou 2011/01/14 10:21 「アンテナ」という作品です。
見やすいように私のブログに貼っておきました。

beatle001beatle001 2011/01/14 10:59 tougyouさん、ブログを拝見しました。ふだんこの映画を見かけないので、ネットレンタルのリストにくわえました。ただ、借り易さのランクが★ひとつなので、いつ入荷するか頼りないかんじです。街のレンタル店でも、聞いてみます。ありがとうございました。