M事件当時の報道

新聞の縮刷版なるものを初めて見た。普通に図書館にあるものなのだと最近になって調べて知った。見てると終わらない、何時間でも読んでいられる。
とりあえず近場の図書館だと、平成元年(1989年)のものは朝日新聞しか置いてなかった。他は気が向いたら。
オタクやコミケ関連の報道を確認しようかと思ったんだけど、新聞には直接そっちに繋げているような記事は見あたらない。


事件は10日に大きく動き、新聞での関連報道は夕刊から始まる。そして大きく扱われることになる11日の朝刊、社会面。

この時点で、アニメ・マンガの人という方向性が示されている。でも一週間程度の朝日新聞をざくざくっと斜め読みした範囲では、この方面でピックアップされてたのはこの程度。
直後しばらくはホラー・スプラッタ作品の方が注目されてたし、放送中止になった映画があったことは新聞でも伝えられている。
『世間』が『オタク』非難の方向に流れたのがどのへんからなのか、新聞ではどうにも分からない。
新聞というのは一応は硬い方のメディアだから、当時の空気を掴むにはテレビじゃないと難しいようだ。あとはタイムラグのある雑誌類か。雑誌はある程度国会図書館にあるだろうけど、テレビ番組、それもワイドショーとなると、記録を残そうとしてる外部の組織が見当たらないね。


宮崎勤の移送は朝のワイドショーで生中継された。これを見ていた自分はなにか考えることがあったのか、それとも余所事ではないという空気を感じたのか予感があったのか。その辺がよくわからない。後にああやっぱりかという感想を抱くことにはなったので、オタクと呼ばれるものに結びつけるような印象付けが事前にあったのかもしれない。
中継の際、報道陣に囲まれ車から警察署へと移動する宮崎勤へ投げられた言葉が印象に残っている。ざわめく中でもはっきりと聞こえる大きな声で「死ね!」
この件を取り上げたのが、ゆうきまさみはてしない物語(ニュータイプ連載のエッセイ漫画)だったと思う。
その周囲にいたのはほとんどが移送を聞きつけた報道関係者で、偶然で居合わせる一般の人はそうそういないはず。その中にひとり、大声で叫んだ男がいる。その行為に周りの人は反応しない。
たとえ正義感であっても、褒められることではない。人ごみの中で発言者が誰なのかはまったく分からず、匿名といってもいい状況の安全圏から発していい言葉ではない。
あとは批判の内容が思考停止してるのなんのてな感じ。パトレイバーを連載していた時期だからこその意見かもしれない。


コミケ後のテレビ欄、民放のみ。月曜日14日から金曜日18日まで。映像発掘の材料にならんかな、ならんよな。

見てました見てました、早朝のZZ再放送と夏休み放送の飛影、ヒエイじゃなくトビカゲ。あとシュラトを録画保存。
もっと情報量があったような気がしてたが、こんなもんなのか。
ザッピングしながら見ていたので、「ここに10万人の宮崎勤」発言がどの番組だったのかまでは分からないけど、朝のワイドショーだったのは確か。昼から夕方までは出かけていたし、夜の番組は見ていないはずだから。他番組でも言っていた可能性までは知らない。
個人的には、16日のフジテレビ、おはよう!ナイスデイ「殺害目的で幼女誘拐?宮崎勤凶悪犯の素顔とコミック誌で作られた虚像・今田勇子」が気になります。こんな見出しつけられたら釣られちゃいます。
妙なのは、ワイドショーでコミケのことがどう扱われるのか気にしてて、当時の自分がチェックしようとして見ていたこと。


あと一点、見つけたもの。8月18日の声(投稿欄)

良質アニメも度超すと危険 東京都 高橋克雄(アニメ作家 56歳)

このタイミングでこの投稿が載るってことは、ちょっと前の時期になにやらあったみたいな。