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Goddess Life Nostalgia

2007-04-14 ああっ好きになった理由

「いつ見ても、綺麗よねぇ〜」

と、藤見千尋さんが言った。


 余裕で間に合った、出勤時間だった

そんな今日、珍しく千尋さんが先に出勤していた

「綺麗よねぇ〜」と言う言葉に反応した俺は

その言葉が、当然ベルダンディーに向けられていると

確信していたのだが…


「違うわよ〜このBMWの事よ〜」と何故か千尋さんは赤面

ちゃんと整備しているのは当然として、この時代のBMWに

乗って様になるのは森里くんのお父さん位の年齢なのに…


「そう言えば聞いてなかったわよね?この子との出会いを…」

興味深そうに、しかもワクワクした顔付きで尋ねてくる



そう言えば…ご近所さんであった、あのお兄さんは元気かなぁ...



 桂馬さんのバイクにタンデムして、時々寄った近所の家には

色んなバイクのパーツやら、骨組みだけの物やら、そして車もあった

その中でも銀色の車、それはまだ塗装前だったのだが、古いポルシェ

356の姿もあった。

桂馬さんは、そのお兄さんといつも話しに夢中になって

俺の存在を忘れていたかのようだったが、でもそれが俺にとっては

とても好都合だった。


「例のキャブを手に入れたんだ」とか

「あそこのステーは自作するしかないな」とか

今ではとても良く分かる話なのだが、その時はまったく理解できなかった

大人同士の会話…と言うよりも、なぜかドキドキさせるものがあった


時が止まったかのようなガレージ、でもそこに息づくもの達は

とても幸福そうだった

「螢一くんは、車とバイクだったら、どっちが好きかい?」

お兄さんは笑いながら、いつも尋ねてくる

「…ボクは、どっちも好きだよ!」


そして…そして、いつかは自分の手で動かしてみたいと思った。


桂馬さんのマチレスの後ろで、風を感じていたあの頃

まるで父さんが自由に風を操るみたいだ、と思った

バイクのひとつひとつの部品が、まるで自分の身体のように動く

行きたい所へ自由に行ける、自分が思った通りにだ!


バイクも車もね、心が動かしているんだ」

それは桂馬さんも言っていた言葉だった

その言葉意味が分かるまで、少し時間はかかったけど

それでもその言葉には、特別な意味があると感じていた。


*** *** *** ***


そのガレージの隅に、古いバイクがあった

BMWと言う自動車メーカーが作ったバイク

その昔、飛行機も作っていた会社だとお兄さんは教えてくれた

「そうだ、君がバイクの免許を取得したら、これを譲ってあげよう」


飛行機を作っていた会社が作ったバイク


何故かその言葉に、自分の未来が開かれたような気がした。




 突然の事故だった

お兄さんが運転していたバイクに、車が突っ込み

彼を撥ねてしまった。

悪質なひき逃げ事故だった、そしてお兄さんは帰らぬ人となってしまった


「…なんでだよ」

もっと教えてほしい事、話したい事が山のようにあった

桂馬さんも、鷹乃さんも、とても残念そうにしていたが

「世の中には、どうにもならない事もある」

と言って、お兄さんが安らかに眠るのを祈念していた


お兄さんのお母さんが言った

「もし良ければ、あの子の形見の…」

息子が大切にしていたバイクを受け取ってほしい

カズオが螢ちゃんの為に、修理してたのよ…」


BMW R−50はガレージで密かに眠っていた

俺はシートをはがし、その姿を見たとたん


泣いてしまった。


  やあ、待ってたよ螢一くん

  これを早く君に届けたくて

  誕生日とも、記念日とも違うけど

  このバイクを渡す時が記念日になれば いいな


そこに確かにお兄さんが居たから...




 ああっ好きになった理由 その1 by belldan Goddess Life.



申し訳ない…簡略的にうまく纏められなかった(^^;

その2は、また後日に。