2010-08-30 ヘルシアを試してみることにした
■[健康?]ヘルシアを試してみることにした
減量を決意して10日余り。毎日体重を計測して記録し、ウィークデーは早朝の約30分間ウォーキングをしています。万歩計も購入して入浴時と睡眠時以外は常に携帯しています。とりあえず意識的な努力はこれくらいにして、しばらく様子を見ようかと考えていますが、花王が「脂肪を消費しやすくする」というフレコミで販売しているヘルシアという高濃度茶カテキン飲料にも注目してみました。特定保健用食品(いわゆるトクホ)というお墨付きがあります。
ヘルシアのサイトを見ると、以下のような実験結果が示されています。
■高濃度茶カテキンのはたらき(ヘルシア・花王)



国立健康・栄養研究所の「健康食品」の安全性・有効性情報というサイトにはヘルシア緑茶に関するもう少し詳しい実験結果が載っています。詳細はこちらを見ていただくとして、ヒトに対する有効性の実験の部分だけ抜粋します。
有効性に関する評価
【ヒト試験】
研究1:
対象:普通体重から肥満(1度)に属する27〜47歳の健常人男子23名。方法:2群の並行群間比較試験。被験者に1日当たり120mgまたは480mg の茶カテキンを500mlの飲料形態で12週間摂取させた。CT撮影像より求めた腹部脂肪面積を指標とした体脂肪量並びに、体重、ウエスト周囲長などの身 体計測値を指標とした評価および血液成分の評価を行った。結果:茶カテキンを12週間摂取した結果、120mg摂取群(コントロール群)では、試験前と比 較して、体重、BMI、血中インスリンのみ低下を認めた。一方、480mg摂取群では体重、BMI、ウエスト周囲長、体脂肪率、腹部脂肪面積、血中総コレ ステロール、血中グルコース、血中インスリン,血中PAI-1に有意な低下を認めた。また、BMIが25以上の被験者では、コントロール群に比べ、 480mg摂取した群で、BMI(体重)および内臓脂肪面積が有意に低くなった。以上から茶カテキンによる体脂肪低減効果がヒトにおいて認められた (1)。
研究2:
第1試験
対象:普通体重から肥満(1度)の26〜52歳の健常人男子27名。方法:1日当たり茶カテキン100mg摂取群(コントロール群、9名)、560mg摂 取群(10名)および900mg摂取群(10名)の3群のダブルブラインド並行群間比較試験を実施した。340ml若しくは500mlの飲料形態で1日に 1本、12週間連続して被験者に摂取させた。4週毎に身体測定およびCT撮影による腹部脂肪面積の測定を行った。結果:コントロール群に対し、茶カテキン 560mg摂取群および900mg摂取群では、内臓脂肪面積が有意に低減し、茶カテキン摂取量が多くなるに従い効果が大きくなる傾向が認められた(2)。
第2試験
対象:普通体重から肥満(1度)に属する25〜48歳の健常男子17名。方法:1日当たり茶カテキン150mg摂取群(コントロール群、8名)および 580mg摂取群(9名)の2群の並行群間比較試験を実施した。容量500mlの飲料形態で1日に1本、20週間連続して被験者に摂取させた。4週毎に身 体測定およびCT撮影による腹部脂肪面積の測定を行った。結果:20週間摂取することによって、コントロール群に比べ、茶カテキン580mg摂取した群 は、内臓脂肪面積、皮下脂肪面積およびウエストヒップ比が有意に低減した(2)。
第3試験
対象:24〜49歳までの健常男子38名(BMI24.3〜34.6)。方法:1日当たり茶カテキン130mg摂取群(コントロール群、12名)、 540mgの緑茶飲料摂取群(13名)ならびに540mgの烏龍茶飲料摂取群(13名)の3群のダブルブラインド並行群間比較試験を実施した。容量 340mlの飲料形態で1日に1本、12週間連続して被験者に摂取させた。試験開始前および12週目に身体測定およびCT撮影による腹部脂肪面積の測定を 行った。結果:緑茶、烏龍茶とも、茶カテキン540mgを12週間摂取することにより、内臓脂肪面積がコントロール群に対し有意に低減することを確認した (2)。
3つのヒト試験(第1〜第3試験)の結果から、茶カテキン摂取量と12週目の内臓脂肪量との間に高い負の相関性が確認された(2)。
研究3:
対象:普通体重から肥満(1度)に属する22〜53歳の健常女子43名。方法:1日当たり茶カテキン30mg摂取群(コントロール群、22名)および 560mg摂取群(21名)の2群のダブルブラインド並行群間比較試験を実施した。容量340mlの飲料形態で1日に1本、8週間連続して被験者に摂取さ せた。身体測定、CT撮影による腹部脂肪面積の測定および問診票の記録は4週毎。血液検査は0および8週目に実施した。結果:初期BMI22以上の女性被 験者は茶カテキン560mgを8週間摂取することにより、内臓脂肪面積がコントロール群に対し有意に低減することを確認した(3)。
研究4:
対象:BMI24〜30の30〜65歳の男女80名(男性43名、閉経後女性37名)。方法:1日当たり茶カテキン130mg摂取群(コントロール群、男 性23名、女性18名)および590mg摂取群(男性20名、女性19名)の2群のダブルブラインド並行群間比較試験を実施した。容量340mlの緑茶飲 料形態で1日に1本、12週間連続して被験者に摂取させた。また摂取終了後12週目まで追跡調査を行った。身体測定、CT撮影による腹部脂肪面積および血 中成分の測定を行った。身体計測(体重、ウエスト長、ヒップ長、体脂肪率)、循環器計測(血圧、心拍数)および問診は4週毎に実施し、CTは0,12およ び24週目(摂取終了後12週目)に実施した。血液検査および尿検査は0,8,12,20および24週目に実施した。結果:摂取期間終了時(12週後)の 腹部全脂肪,腹部内臓脂肪、腹部皮下脂肪、体重、BMI、体脂肪率、体脂肪量およびヒップ周囲長の全ての項目に関し、初期値からの絶対値変化量および相対 値において、カテキン群がコントロール群に対して統計的に有意な低減効果を有することを確認した(4)。
出典:
(1) T.Hase,et.al., J. Oleo Science,50(7):599(2001)
(2) T.Nagao et.al., J. Oleo Science,50(9):717(2001)
(3) 大塚和弘ら,栄養−評価と臨床, 19(3):365(2002)
(4) 土田隆ら, Prog. Med., 22(9):2189(2002)
被験者はいずれも軽度の肥満ですなので、それ以外の人への効果は未確認ということがわかります。ヘルシアのサイトのQ&Aにも、「体脂肪が気になる方にお勧めします。ただし、美容・痩身を目的としたものではありません」と書かれています。その割にCMの出演者が皆、痩せすぎと言っていいほどの体系なのですが・・・ここら辺はやはり営利企業のご愛嬌なのか?現在の私のBMIは約23なので、効き目があるかどうかは不明です*1。あと、この実験は、医薬品の臨床試験などと比べて、被験者の数が圧倒的に少ないということです。これはトクホなので、コスト面から見て仕方ないのでしょう。
というわけで素朴な疑問
- 肥満は、先進国ではわりと深刻な健康問題。本当に効果があるのなら、製薬会社が放っておかず、とっくに医薬品として販売されているのではないか?
- なくなったという脂肪はどこに行ったの?「体重の増減=摂取カロリー−消費カロリー」が原則。脂肪を燃やしても、摂取カロリーと消費カロリーが変わらなければ、その分摂取した脂肪以外のカロリーが余って、結局体内に貯蔵されるはずでは?基礎代謝が上がったりするのかなあ?
私にも分かるように説明できる方、教えてください。
また、トクホとは言え、普通の食生活では摂取しないような大量の茶カテキンを飲んでも大丈夫なのでしょうか。調べてみたところ、まれな例で、なおかつ因果関係ははっきりしないものの、重大な肝障害になった報告があるようです。
■カナダ保健省が緑茶抽出物摂取との関連が疑われる肝毒性の事例を公表(070117)(国立健康・栄養研究所 「健康食品」の安全性・有効性情報)
2007年1月、カナダ保健省(Health Canada)は緑茶抽出物製品の摂取との関連が疑われる肝毒性の事例を公表しています。これは、因果関係は不明でも類似した被害事例が報告されやすくするため、積極的に公表しているものです。
(中略)
公表された事例は、42歳の女性が黄疸と腹部の不快を訴えて入院し、その後さらに症状が悪化して肝移植を受けたという内容です。女性は緑茶抽出物を含む 製品(カフェインは除き、カテキンを1カプセル中100?含有するもの)を1日6カプセル(カテキンとして600mg/日)、6ヶ月間摂取していました。 製品の利用目的は体重減少ですが、カナダでは承認されていません。また、女性は家庭でノミスプレー(成分不明)を使用しており、避妊用の低用量ピルの注射 (3ヶ月に1回)も受けていました。
これとは別に、因果関係は明らかにされていませんが、緑茶の水アルコール抽出物(25%のカテキンと5-10%のカフェインを含む製品)による劇症肝炎の疑いを報告した文献があります(PMID:16148563)。
緑茶抽出物を利用した製品は日本でも販売されていますが、現時点では類似の健康被害の報告は見当たりません。しかし、日本人が日常多量に摂取している茶の 成分であっても、錠剤やカプセルの形態にすると、特定成分を過剰に摂取することが懸念されます。また、水アルコールで抽出しているため、通常は摂取しない 未知の物質が抽出・濃縮され、それを摂取することで有害となる可能性もあります。
いわゆる健康食品により健康被害がおこる要因としては、
1)利用方法(日常摂取している成分であっても、過剰摂取、長期間摂取した場合)
2)利用者の体質等(小児、妊婦、高齢者、病気の方など、影響を受けやすい人が利用した場合)
3)不純物の混入(有効と表示してある成分以外に、例えば重金属、細菌など有害成分が含まれていた場合)
4)併用医薬品との相互作用(医薬品と同時に摂取したとき、医薬品の作用が増強されたり、減弱されたりした場合)
などが想定されます。このような多くの要因が健康被害の発生に関与している可能性があるため、製品の摂取と健康被害の因果関係を明確にすることは極めて困難です。
今回の件についても、製品の摂取と健康被害の因果関係は不明です。健康のためにと考え、特定成分の濃縮物の利用を考えるときは、先ずその必要性、安全性の情報を冷静に判断して対応することが肝要です。
ヘルシアを水替りに飲んでいるというような人がいるとも聞き及びますが、決められた量を守って、なおかつあまり長期間は飲まない方が無難と言えると思います。
いろいろと書き連ねましたが、いずれにしろ、毒水の多飲を止めるための代替飲料(だいたいいんりょう)として導入したコカコーラ・ゼロ・フリーの一部をヘルシアに切り替えてみたいと思います。少なくとも精神的な効果(プラセボ効果)は期待できそうです。
ところでヘルシアとは直接関係ありませんが、近頃、こんな研究が発表されたようです。
■普通の水を食前に飲むダイエット方法で、体重減少確認(内科開業医のお勉強日記)
■食事前に水を2杯飲むとやせるという研究結果が発表される(Gigazine)
被験者が高齢者に限られているので、私にも効果があるかどうか分からないことと、実験群が約7kg減っているものの、対照群も約5kg減っているので、これが実際的にどの程度意味のある差なのかといった疑問もありますが、ひょっとしたら食事前にヘルシアウォーター500mlを飲むのが効果的かも??
*1:でも腹囲は86cmでメタボの基準を突破しているのですけれど・・・。すべて毒水(第三のビール)のせい・・・
