2011-07-07
■[自閉症](続)自閉症と睡眠:睡眠リズムを整えて自閉症を予防?
一昨日のエントリ、■自閉症に関する科学報道についてに関連して、lessorさんからトラックバックを頂戴した。こちらの記事も是非ご覧になってみてください。
■「睡眠リズムは脳に大切」で終わらせたくない人たち- lessorの日記
http://d.hatena.ne.jp/lessor/20110706/1309960100
発達障害の発症に乳幼児期の睡眠が関係しているのではないかという研究は他にもあって、これまでも報道されたことがあるらしい。
■【記事】乱れた睡眠、幼児の脳発達に悪影響?…5歳児調査 - カイパパ通信blog☆自閉症スペクタクル
http://kaipapa.livedoor.biz/archives/46391.html
睡眠リズムが整っていることは一般的に良いことだと思う。一般に睡眠が乱れているよりは整っている方がベターだろう。乳幼児期に睡眠リズムが乱れていれば子どもの発達に影響することもあるかもしれない。可能性はあるだろう。だから自閉症と睡眠の関係を研究する意味は否定しないし、むしろ続けてもらいたいという気持ちもある。さらに自閉症児に睡眠障害があった場合、家族全体のQOLを改善するという側面からも、これを治療して改善することに意味があるだろう。でも医師や病院がこういう宣伝の仕方をするのはなんだかなあという印象を抱いた。↓
■子どもの睡眠と発達医療センター-兵庫県立総合リハビリテーションセンターリハビリテーション中央病院
http://www.hwc.or.jp/hospital/kodomo/syouni_suimin_top.html
脳科学研究の進歩とともに、乳・幼児期における子供たちの睡眠(質・量・リズム)発達が脳の発育・発達、ひいては学習意欲や学力に大きく関係していることが明らかになりました。また、乳・幼児期の睡眠障害は子どもたちの運動や言葉の発達を遅らせ、注意欠陥多動性障害(ADHD)やコミュニケーション障害をもたらし、自閉症とよく似た症状を呈することが報告されています。更に、乳・幼児期の睡眠障害は成人に至るまで持続してしまう可能性が現実のこととして心配されています。
また学童期以降における「不登校状態や引きこもり」は「こころ」の問題としてカウンセラーに全てが一任されるべきものではなく、睡眠の質・量・リズムの障害による「脳機能低下」という医学的な問題が潜んでいることが明らかになっており、医療が深くかかわるべき大きな問題と認識されてきました。
「子どもの睡眠と発達医療センター」では以下にお示しするような取り組みを充実させることにより、子どもたちにも広がる様々な睡眠問題、特に「朝起きることができず不登校状態にある」、あるいは赤ちゃんの時から夜間睡眠中にしばしば目を覚まし、良く泣き、不機嫌である、などの睡眠問題と関連した「運動発達」「言葉やコミュニケーション発達」に問題を抱えた子どもさんたちとご家族の不安や苦しみを「ご本人」「ご家族」「私たち医療スタッフ」のチームワークで解決すること、更にはこのような問題の出現を予防することを目指しています。
断定的な表現はたくみに(?)避けているのでセーフかアウトかは人によって判断が分かれるかもしれない。おそらく法律などの客観的な基準はクリアしているのだろう。だから「なんだかなあ」と表現したのである。だが、これでは藁をもつかみたいと思ってさまよっている親をカモにする不安商法みたいだとも言いたくもなる。つまり、自閉症(とよく似た症状)、ADHD、コミュニケーション障害、不登校、ヒキコモリ、学力低下などが乳幼児期の睡眠によって引き起こされることが明確になっているという誤認を親に与えて不安を増幅させ、この病院に行けばそれを予防してもらえると期待させるような内容であると思う。
医師たちがそういう信念やある種の意気込みを持って治療に当たるのは自由だが、まだ根拠があいまいなものを(県立)病院が宣伝材料として看板に掲げるのは「積極的」すぎるのではないか。どこかのアンチエイジングのクリニックみたいだ。もちろんそのことに関して十分な証拠が認められているというのであれば、こういった看板を掲げることに対して文句を言う筋合いはあまりなく、せいぜい品があるとかないとか、好きだとか嫌いだとか言う程度である。しかしそうではなかろう。
さて、この病院のセンター長は三池輝久氏という医師で、熊本大学医学部教授、熊本大学医学部附属病院長、日本小児神経学会理事長などを歴任した大物だそうである。大物ゆえに一般人への影響力が計り知れない。したがってあえてここで批判的に取り上げる意味があるだろうと感じた。日本小児神経学会というと過去にはわりと自閉症に対して冷静なコメントを出したことがあるのだけれどどういうことだろう。「どのような集団にも・・・」ということなのか?
なお、まだ熊本大学に在籍していた頃のことであるが、こんな報道もあったようだ(izaみたいだけど)。
■慢性的な睡眠障害が、発達障害や小児慢性疲労症候群の原因に-お医者になるのは、大変ですね
http://oisha.livedoor.biz/archives/51082588.html
三池教授のもとに、3歳7カ月の息子を連れてきた母親がいた。「(息子は)言葉が遅れ、指差しができず、コミュニケーションもうまく取れない。自閉症ではないかと言われ、心配している」という。
母親は夜間の仕事に就き、息子は午後7時から午前4時まで夜間保育所に預けられていた。息子の睡眠表を書いてもらったところ、保育所ではゆっくり寝られず何度も目が覚め、昼間も不規則な睡眠になっていることが分かった。そこで三池教授は、息子に睡眠導入剤を飲ませ、毎夜、決まった時間に眠らせるようアドバイス。母親は仕事を辞めて指示に従ったところ、2カ月間で劇的に発達が進んだという。
体験談は科学的根拠にはならないが、人の「心」を動かすのはデータよりも体験談である。この記事は人の「頭」を動かすのではなく、「心」を動かすことを目的に書かれたものと言える。「溶けゆく日本人」といういかにも産経らしいシリーズの一環で書かれたものだったようで、自閉症発症と睡眠リズムに関する研究の成果が復古的な主張のネタに利用されやすい側面を持っていることを確認させられる。復古的な主張とは「自閉症が増えているのは現代人の生活が乱れているからで、伝統的な生活を取り戻せば自閉症は予防できる」みたいな主張のこと。
なお、三池医師は一般向けの本もいくつか出版しており、今年の5月には次の本を書いている。
- 作者: 三池輝久
- 出版社/メーカー: メディアイランド
- 発売日: 2011/05
- メディア: 単行本
- クリック: 18回
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どんな内容かは存じあげないが、タイトルからしてすでに。どうやら世間では発達障害の「予防」が流行っているらしい(?)。
三池輝久医師の名前は覚えておくことにしよう。
- 55 http://www.pluto.dti.ne.jp/~rinou/
- 49 http://d.hatena.ne.jp/
- 47 http://www.hatena.ne.jp/
- 37 http://search.mobile.yahoo.co.jp/onesearch?fr=m_top_y&p=自閉症 乳幼児
- 32 http://twitter.com/
- 28 http://ezsch.ezweb.ne.jp/search/?query=自閉症+睡眠&start-index=6&adpage=3&ct=1301&sr=0101&t=20111026002332&filter=1
- 24 http://b.hatena.ne.jp/hotentry/knowledge
- 17 http://search.yahoo.co.jp/search?p=自閉症 睡眠&search.x=1&fr=top_ga1&tid=top_ga1&ei=UTF-8
- 16 http://ezsch.ezweb.ne.jp/search/?sr=0101&query=自閉症児 睡眠
- 15 http://search.mobile.yahoo.co.jp/onesearch?p=自閉症+睡眠障害&fr=m_top_i&ySiD=.4.oTi1K1E15bs_Rd.sd&guid=ON
