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2012-04-08
■観たドラマ雑感 2012年冬季
13歳のハローワーク
別に13歳のハローワークを原作としなくてもよかったような、世にも奇妙な物語的なタイムスリップものでSFとして優れたところはないし、いい加減なところもあったけど、コメディ的な部分がよく出来ていて大いに楽しめた作品でした。とにかく配役が神懸かり的で、役者の魅力を引き出していて、特に子役が輝いていた。三上や社長のその後が描かれなかったのは残念。
聖なる怪物たち
最終回はすごい駆け足的で司馬先生の「みんな守りたいものがあった」というお説法で解決しちゃうし、看護士の平井と兄のエピソード放置という散々な内容で、打ち切りだったのかなと思ってしまいました。
あと三恵が代理母を受けた理由も、予測はできるけどしっかり描かれなったし、日向が惚れてやっちゃったというくだりもいらなかったんじゃとか、雑なところも多々。他にも司馬先生は一面的な人物なのに、素晴らしい医者であることをみせるのに時間をかけすぎていたりして、話を絞れば2時間ドラマで十分足りたのでは。
タイトロープの女
ワイヤー工場を舞台とした、朝ドラ的熱い工場再生物語に昼ドラ的ドロドロを少し足したような内容。一面的じゃないくせのある魅力的な人物ばかりで、主役二人もよかったんですが、個人的には笹野高史さんと、本田博太郎さん演じる工場創設メンバーがお気に入り。
ドラマ部分は今期の中では一番よかったんですが、舞台が現代なのに、昔からあるようなカラーワイヤーがさも今までになかったものとして扱われたりして少々リアリティが薄かったのは残念なところ。
妄想捜査~桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活
原作未読。妄想捜査とあるけど、主人公が妄想で事件を解決するわけでなはく、事件解決はヒロイン担当で、妄想はネタとして扱われるコメディもの。とにかく荒唐無稽な展開&設定だが、それが面白さに必ずしも繋がってないような所が多々。この世界の現実が非現実的なので桑潟准教授の妄想が霞んで活きてないし、キャラが耳島に負けているという(笑)。
耳島をメインとした話が欲しかったし、ヒロインと部長以外のミス研メンバーの影が薄いのも残念。個人的にネタのヒット率は低く、瞬間的面白さでは、佐藤隆太繋がやってるビールのCMの走る長友ネタ以下のものが多かった。
撮らないで下さい!!グラビアアイドル裏物語
何を血迷ったか、全くアイドルに詳しくないのに最後まで観てしまった。フェイクドキュメント形式で、本人が本人を演じていて、アイドルユニットオーディションの密着取材を通じ、アイドルの本質?に迫る内容。
それぞれの個性は出ているものの、展開がパターン化してしまっている部分もあり、アイドルという職業についての言及が似たり寄ったりなところはあったけど、業界ものとして興味深く観れた。あと、全員の演技がとても自然で演じてる感がほとんどなかったのには感心した。台本がない部分があり、本音を語らせていたりするところもあるのだろうか。
一つ引っかかったのは、グラビアアイドルの頂点を目指す的なこと言ってた人がいた点で、何がどうなればトップに立ったといえるのか全然分からないし、昔ならまだしも今そんなこと考える人いるのかなと疑問に思った。
2011-12-26
■輪るピングドラム 最終回によせて
東海地方では明日が最終回の『輪るピングドラム』。僕の関心は、高倉家や苹果がどうなるかにはほとんどなく、眞悧やKIGAがどう処理、昇華されるのか。世界観がある程度納得できる形で示されるかにあります。
説明するまでもないでしょうが、この作品はオウムや酒鬼薔薇聖斗を意識させる設定、表現が出てきます。しかし、これらの現実の事件が作品において直接的に重要な意味をなすわけではなく、90年代後半を表す象徴として使われているものと思われます。眞悧が言う「呪い」というのは、この時代が現代に残している(かもしれない)呪いでもあり、そこにはエヴァも含まれているでしょうし、自身の作品「ウテナ」も含まれており、もっと言えば眞悧は幾原監督自身の一面が投影されているのでは。
そんな時代の呪縛をどう解放するかというところに注目したい、のですが、ここまでの話でほとんどテーゼが開示されており、うっかり見てしまった最終回のタイトルがド直球すぎて大体予想出来てしまいますし、それはそこまで新しいものではないのではないかという思いもあります。
2011-10-05
■Fate/Zero 1話 感想
久々のufotableのTVシリーズ。個人的に期待している方向と違うタイプの作品で、Fateシリーズ完全初心者でしたが視聴。
ネットで少し補足を見ながらでないと把握しきれない部分がある内容でした。構成を年代順にせず、例えば逆年代順にして、ウェイバーのエピソードを最初に持ってくるだけでも世界観に入りやすくなるのではないかと思うのですが、ただエピソードが羅列してあるだけで、初見でもそれぞれのキャラに魅力を感じて貰おうとするような工夫に乏しい感じがしました。まあ、掘り下げはこれからに期待します。
設定に関しては、なんか雑なところがある印象を持ちましたが、多分これはあまり重要ではなく、お飾り的なものだと思うので、あまり深く考えないで、とりあえずバトルとドラマをメインに楽しむ姿勢で視聴していきたいです。
2011-09-13
■仮面ライダーOOO 総評「オーズ と まどマギ と 欲望 と 願い」
設定が雑なところもあったり、脱線が少しあって中だるみしているのに最後が駆け足的になってしまっていたり、予定調和の大団円的な終わり方で物足りないところもありますが、全体としてはとても楽しめました。また、普通に見て面白いだけでなく、批評しがいのある作品でもあると思います。
特に「魔法少女まどか☆マギカ」との共通点をいくつか見いだすことができ、実際両作品を絡めた二次創作ネタが多く作られていたので、同様に両作品を絡めた感想なり批評が出てくると思って楽しみにしていたのですが、今のところそういう批評はtwitterに極短い簡易なものが数件、ブログに一件あった程度でした。探し方が悪くて、あってもスルーしてしまっている可能性もありますが、単にまだ出てきていないだけなのか、そもそもまどマギを批評していたような層はオーズを見ていないのか。
我が儘ながら、私はまどかの感想でも書いたように、批評を書きたい欲望よりも読みたい欲望の方が強いので、何方か頑張って書いてくれると嬉しいなという感じなんですが、簡単に私が思ったことを書きます。
結論だけ言いますと、オーズという作品は「魔法少女まどか☆マギカ」の全体的な作品性を少し否定しているような側面があって、特にまどかの結末を否定している(まどかの想いは否定していない)と感じます。まどかは願い(オーズ的には欲望)を肯定しましたが、全体的に見ると後ろ向きというか、変に絶望感が漂っていて私は「魔法少女まどか☆マギカ」という作品をあまり好きになれませんでした。
一方、オーズはより強い欲望の肯定、正確には自分への欲の肯定があります。まどマギにはほとんどこれがなかった。正義感でさえも欲望に含まれ、自分の生き方の問題に回収されるという側面もあり、正義はどこにあるんだ感がある部分もありますが、この作品では他人を犠牲にしてでも欲望を満たそうとする者は基本的には淘汰されています(アンク含む)。
まず大きな例外は鴻上会長です。ウヴァの暴走によってビルごと吹き飛んだと思っていたんですが、ケロりとしていた。鴻上の目的はよく分からないところもあるのですが(そもそも鴻上の会社は何をしている会社?)、欲望による世界の再生を謳っています。鴻上はどちらかといえば社会的な領域の中での欲望の必要性を表していて、ここにはある種の残酷さも含みますが、社会、人類の発展のためには何らかの犠牲の発生はやむを得ず、人々が欲望をなくしてしまったら何も生まれないし、変わらない、未来がないということを突きつけます。
そして、その中で映司たち始め、人々の個の領域の中での欲望のあり方が描かれていきます。映司が欲したもの、それは力。その力は、途中で意識するようにアンク及びメダルを利用して手に入れますが、欲望が強くなっていき、周りが見えなくなり自分を見失っていきます。自分の手の届く範囲、欲望がコントロールできる程度の力、どんなに遠くてもどんな人にも届く力。まどかは結果的に後者を選び、神になった。映司は後者を選ぼうとして神になりかけたが、人間として世界と再び向き合うことになった。映司は何でも一人で抱え、自分の手、力で世界を変えることにこだわったが、最後に仲間、他人の力を頼ってもいいんだと真の気付きを得た。手の届く範囲は他人の手を借りて広げることができるし、欲望、願いが間違った方向にいっても修正してくれる。そんな存在、あるいは場の必要性が描かれると同時に、私たちのあり方が問われる。それが欲望による世界の歪みを正す一つの道であることを示しています。
まどかには残念ながらそんな存在はおらず、ほむらは引き止めようとしたが力が及ばなかった。ふと、この作品はまどかたちの結末を否定しているというよりむしろ、まどかが神になったことや他のキャラの行動を無邪気に肯定しているようなファンのあり方を否定している面があるのではないかと思いました。そして、それは42話の比奈の言葉と、最終回前の47話で知世子さんが比奈に語った言葉に集約されているのではないかと感じました。
さて、ここからはベタに不満などを少し書いていきます。
鴻上会長が最終回で語った世界の状況について。鴻上は「この飽和し、伸び悩む世界」と言いましたが、この作品で世界状況の描写はなかったように記憶しています。私たちが生きる現実世界のことをそのまま表しているのかもしれませんが、唐突すぎますし、鴻上が謳う世界の再生の必要性が伝わってこないので、ある程度はちゃんとその世界観を描いて欲しかったです。
次に真木博士について。面白いキャラではあるが、人物的にはあまり魅力がなく、ネタ要員、やられ要員になってしまっている感じがして、ラスボスとしてはしょぼすぎるところが。もう少し人物像を掘り下げて、ラスボスとしてもっと魅力的にするか、ラスボスにするのではなく、知世子さんや伊達さんによって心変わりし味方になる、あるいは心変わりしかけたところでグリード化し暴走して悲しい結末を迎えるというような展開がよかったなと思います。
最後は映司が進んだ道について。ラストで映司は旅をしていますが、その目的は何なのか?当初の夢であった世界の子どもたちを救う活動を再びしていれば、わかりやすく成長が見える終わり方になると思うのですが、そうはしなかった。最後のつぶやきからするとアンクを復活させようとしている?でも、それだと自分に生きる力を与えてくれた特定の存在のため(だけ)に生きてゆくという意味ではほむらとほとんど一緒で、個人的にはそれはどうなの?という、すごくもやもやした終わり方でした。こういうのは現代的な何かを表しているのでしょうか。アンクの割れたメダルを握りしめ旅をするというのは、アンクとの強い絆を感じさせ、やや女性ファン向けサービス的なところがあったりするのかもしれませんが。
簡単にと書いておきながら、こんな分量になってしまいました。新しく始まったフォーゼは、あと数話見たらお腹一杯になる感じがしているので、よほどストーリーかテーマが魅力的なものになりそうでなかったら見なくなるかもしれません。
2011-07-14
■輪るピングドラム 1話感想
最後のシーンを除けば、休日の朝にやっていてもおかしくないような話&女児向けアニメ的なギミックで構成されていて、シンプルといえばシンプルな内容。なので、色々と深読みできる要素はありますが、話については1話の段階では特に語ることがないというか、語りようがありません。
演出については、アニメにしか出来ないことを追究しようとしている感じで、遊園地的な楽しさ、華やかさがあり、飽きさせない作りとなっています。また、話の展開、流れが唐突な部分はあるものの、それをあまり気にさせず、視聴者を引き込む形に持っていくパワーのある演出になっていると思います。
ただ、ウテナを知らなかったり、アニメを見慣れていないような方、普通に物語を楽しみたいような方には、ある種この過剰な装飾は却って物語に入り込むのを阻害している面があるのではないかとも思います。特に回想の時に入る、電車の電子掲示板風の案内は、物語世界外の異質なもので、スタッフの存在を意識してしまい、冷めさせてしまうことも考えられます。
声優については、冠葉役の木村昴君が、感情が高ぶるシーンでジャイアンになってしまっていること以外は文句はありません。他のシーンでは全く気にならないので、もう少し頑張れば、頑張れさせればなんとかなるんじゃないかと思うのですが。
今後の展開について、3人、あるいは2人を中心とした内面的問題が主軸になり、その心の革命が描かれていくのかという予感もあるのですが、それではウテナとあまり変わらないので、それとは全く違う新しい幾原ワールドを見せて欲しいなと思います。