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2008-07-06

ひまわりの陰で

 気象庁が6〜8年後に打ち上げを予定している気象衛星「ひまわり」後継機2基の調達の見通しが立たず、30年以上も日本の空を宇宙から見守ってきた気象衛星が消えてしまうかもしれない事態に直面している。

 現行2基の予算の7割を分担した国土交通省航空局が計画から外れることになったため、管理運用を含め1基400億円とされる予算の確保が気象庁だけでは難しいためだ。

(略)

 ひまわりは故障に備えて2基体制で、現行の6号と7号はともに2015年に寿命を迎える。衛星の製造は5年かかるため、8、9号の関連費用を来年度予算に盛り込む必要がある。

 6、7号の時は、気象以外に航空管制機能を搭載することで旧運輸省航空局の予算を捻出(ねんしゅつ)した。だが、国交省は「次世代の管制通信方式が議論中」との理由で、後継機では航空管制機能の相乗りを見合わせた。同庁は民間との相乗りを模索したが、協力は得られなかった。

読売「気象衛星が消滅の危機、「ひまわり」後継機に予算集まらず」

確かに気象衛星がなくなるかもしれないというのは重大な問題ではあるのでしょうけれども、報道のトーンやはてなブックマークでの反応を見ても見落としているのでは、と思われてならないのが航空機管制の問題。

日本の空が過密状態で管制官が激務である、とはよく知られた話(ちょっと前の日航ニアミス事故の控訴審での管制官逆転有罪判決を機にあれこれ語られていたように記憶しています)。そんな中で航空管制機能が失われるとは、航空管制実務にはまったくの素人なのでwebmasterにはよくわかりませんが、少なくともそれで航空管制の効率性が程度はともあれ損なわれるのは否めないはず。

にもかかわらず、気象衛星としての機能がなくなることに比べて何ら問題視されていないというのはどういうことなのでしょう? 次世代方式が議論中であったとしても、次世代が決まらないから現世代の管制もしません、というわけにはいかないのでは? 航空管制単機能衛星ならば5年未満で製造可能だということでない限り、次世代方式が決まってから衛星を作り始めても管制衛星が提供する機能の空白期間が生じるのは避けられません。

仮にひまわりが失われても日本の航空管制に何ら悪影響がないというのであっても、それはそれで問題です。2基800億円の7割を単純計算して560億円の航空関連予算が、まったく存在に意味のないひまわりの航空管制機能搭載に費やされていたとすれば、世間でよく騒がれる「税金の無駄遣い」もここに極まれりでしょう。

このあたりの事情に詳しい方がいらっしゃいましたら、ぜひともご教示いただきたく存じます。

isikaribetu07isikaribetu07 2008/07/06 14:24 私自身は詳しくもなんともありませんが、下のエントリが参考になるのではないでしょうか↓
http://smatsu.air-nifty.com/lbyd/2008/07/post_e23e.html
少々穿ちすぎなのかなという印象もあるので、別の立場からの見解も読みたいと思いますが。
個人的には、立ち上げ・発展期には無駄に思えたとしても、全て自前で航空管制システムを構築したいという欲求は理解できなくもないです。

規制業種規制業種 2008/07/06 22:39 bewaadさんが査定される時の参考になることを期待して。現在のMTSATで運用されている機能は、以下の報道発表にあるとおり、レーダーの届かない洋上における管制間隔の短縮です。国内はレーダー管制なので、衛星は特に必要ないのです。
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha07/12/120718_.html
特にこの衛星が効果を発揮しているのは、東アジアから北米に向かうNOPACやPACOTSと呼ばれるルートで、ここは過密な路線で中国・韓国発の航空機のため、成田や関空出発機が良い高度を取れないという問題がありました。
http://www.mlit.go.jp/koku/02_topics/01_juyou/img/14_nopac.pdf
気象衛星の機能がアジア地域へ貢献していることはご指摘の通りですが、航空管制も特に中国などの東アジア地域に大きく貢献している性質のものなのです。

nabezo-rnabezo-r 2008/07/07 00:00 予算は必要なものから減らされるのですね。

kmori58kmori58 2008/07/07 06:15 国防予算から出せないんでしょうか?

弥生弥生 2008/07/07 08:08 ○kmori58様
出かけ間際に見つけたので、簡潔に一言だけで失礼しますが、日本の宇宙開発には国会で『平和利用』を付帯決議が付けられていると聞きます。国防という事は軍事予算であるわけで、『平和利用』という制約を逸脱している気がします。

もちろん、「『平和利用』とは何か」という根本的な問題がクリアでないので、解釈次第というところなのでしょうが。

nabezo-rnabezo-r 2008/07/07 23:24 災害対策で基金積んでたりしない?
それって積みすぎの部分は埋蔵金じゃないかと思ったりして。

規制業種規制業種 2008/07/09 23:07 上記の投稿では航空管制が中断してもいいのか、の質問に答えられていないので補足を。5年で寿命が尽きるのは、観測装置の軸受けなので、航空管制用のトランスポンダや姿勢制御用噴射剤は10年程度の寿命が期待できます。なので、航空局側としてはICAOでの議論を見極めてからでも遅くないわけです。

bn2islanderbn2islander 2008/07/11 22:54 >規制業種さん
今回まな板の上に上がっている気象衛星は、10年後の気象衛星なのです。衛星寿命が尽きているので、航空管制も期待できないわけです。

なお、個人的には気象衛星の問題を官に着せるのは大間違いで、政に着せるべきだと思います。

kumakuma1967kumakuma1967 2008/07/13 18:08 きしょーえーせーの予算なんて、すでに10年前に打ち切りになってるからないわけで、今ひまわりの画像があるのはかんりょーのみなさんがいっしょーけんめーに予算をりゅーよーしてくれたからなんですよねー。

bewaadbewaad 2008/07/19 02:16 >isikaribetuさん、規制業種さん、bn2islanderさん
情報提供ありがとうございました。

>nabezo-rさん
きっと構造改革が足りないからでしょう!

あと、災害対策基金は地方公共団体のものでは?(cf.災害対策基本法第101条)

>kmori58さん
あっちはあっちでMDでそれなりの分を食われて苦しい状況ですから・・・。

>弥生さん
災害対応ですとか、いろいろ理屈をつけることは可能ではないかと存じます。

>kumakuma1967さん
そのうち流用の責任を問う声が・・・。

加えて、trackback元のエントリでのご指摘、ありがとうございました。

nabezo-rnabezo-r 2008/07/19 04:31 そうですね。本当に不必要なものへの支出が止まるまで、必要なものも含めてガンガン支出を減らせばよいのですね。支出がゼロになれば、この手の問題もゼロになりますからね!

災害対策基金は確かに地方でしたね。要するになんか予算流用しちゃうのではないかという事で。その辺は皆さん得意な方が多いですから。嫌味じゃなくて、本当にそうやって国が回っている部分があるなぁと思う事があります。

bewaadbewaad 2008/07/25 04:17 >nabezo-rさん
小泉イズムですね!

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