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2008-09-08
○○派をスッキリ整理してみる。
自民党総裁選挙に当たって、経済政策を巡り○○派や××派があって、というような議論がなされています(たとえばsivadさんのところ)が、基準が明確ではなく何が違うのか混迷も見られている模様。というわけで、紛れなく分類すれば以下の通りというのがwebmasterの認識です。○○派の名称は、あれこれ価値判断を含んだレッテルも流通しているようですので、主要な総裁候補・論者の名称で次のようにします。誰がどのような議論かは、説明不要ですよね?
- 与謝野論
- 麻生論
- 中川(秀)論
- 小泉論
第一の軸
日本経済に成長余力があるのかどうかによっての見方で大別できます。成長余力などなく現状程度がせいぜい、というのが「与謝野論」、それ以外は成長余力はあるのだ、という立場となります。「与謝野論」がなぜ増税を指向するかといえば、現状程度の成長率を所与とし、現状程度の財政支出をドラスティックには変えられないと仮定すれば、増税しないことには財政赤字が発散するからです。
第二の軸
成長余力があるのにそれが達成できない原因は何かの見方で、「与謝野論」以外の論を分けることができます。供給側に問題があるのだというのが「小泉論」、需要側に問題があるのだというのが「麻生論」です。「中川(秀)論」は場合によって使い分けていますが、供給側に問題ありとするときには「小泉論」と差がなくなり、これらはいずれもこーぞーかいかくしてちーさなせーふになればせーちょーできる、というスタンスです。
第三の軸
最後の軸は、「麻生論」と需要側に問題ありとする場合の「中川(秀)論」を区別するものです。ゼロ金利近傍の環境下での金融政策に否定的な、したがって伝統的な財政政策に肯定的なのが「麻生論」で、金融政策に肯定的なのが「中川(秀)論」です。本来的にはこの区分による「中川(秀)論」においてはシニョレッジ財源を活用した財政政策にも肯定的であってしかるべきなのですが、それでは第二の軸での使い分けがあまりに恣意的なことが露見してしまうためか、ちーさなせーふと整合的なまいぞーきんのみが財源として言及されています。
一般化
第一の軸で成長余力がないとした場合、現状の財政支出を概ね妥当とする「与謝野論」とは異なり、財政支出を削減して増税を回避するという極も考えられます(もちろん折衷案もありますが、以下折衷案は略)。webmasterの見るところ、民主党の小沢路線がこれに該当します。民主党が自民党以上にこーぞーかいかくを唱えるのも、この文脈においては自然なことです。
第二の軸で供給側に問題があるとした場合、供給制約である以上いわゆるサプライサイド政策でしか対処はあり得ません。それがこーぞーかいかくなのか他の改革なのかはさておき、何らかの制度的対応を求めることとなります(改革なければ成長なし!)。日銀もこれに該当します。第三の軸にも、これら以外の選択肢はないでしょう(大瀧先生は異なるご見解でしょうけれども、政治家が唱える経済政策でそこが問題になることは想定しがたいので、本エントリの文脈では捨象してしまいます)。
以上を網羅的に列挙すれば次のとおりです。
日本経済の成長ははかばかしくありませんが・・・ ├日本経済の実力はこの程度。それを前提に政策を考えるべき。 │ ├現状の財政需要は概ね妥当で、その維持のために増税が必要。「与謝野論」 │ └現状の財政需要は妥当でなく、その是正が必要。「小沢論」 └日本経済の実力はこんなものではない。実力を発揮させる政策を考えるべき。 ├供給側に問題があるので、改革が必要。「小泉論」(場合によって)「中川(秀)論」 └需要側に問題があるので、需要喚起が必要。 ├金融緩和は限界、財政出動が必要。「麻生論」 └金融緩和にはまだ可能性が残り、非伝統的金融政策が必要。(場合によって)「中川(秀)論」
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