The Dry Days RSSフィード Twitter

2012-04-25

[]花冷えに

花冷えに揺すられてゐるつる薔薇の掛かるをり家のひな鳥のいろ

はなびえに ゆすられてゐる つるばらの かかるをりやの ひなどりのいろ

2012-04-09

[]君なくに

君なくにさびしさびしを掻き集めあひの影点せかたはらの雪

きみになくに さびしさびしを かきあつめ あひのかげさせ かたはらのゆき

[]春されば

春されば毀れるほどの花ならば君の枕に微睡みもせむ

はるされば こぼれるほどの はなならば きみのまくらに まどろみもせむ


──木蓮の花びらを集めよう

[]ながくしの

ながくしのふる夜かざねの一つだにわれつま先に撓む雪なる

ながくしの ふるよかざねの ひとつだに われつまさきに たわむゆきなる


──あの人をひきとめて

2011-11-22

[]水底も

水底も天に似たりと六六魚眠りを断てよ冬の雷

みなそこも あめににたりと りくりくぎよ ねむりをたてよ ふゆのいかづち

2011-10-17

[]「なんのために」という問いにたいして、時代から腑に落ちるだけの答えをあたえられないのに

しかし、まわりの超個人的なもの、つまり、時代そのものが、外見はいかに眼まぐるしく動いていても、内部にあらゆる希望と将来を欠いていて、希望も将来もないとほうにくれた内情をひそかに現わし、私たちが意識的にか無意識にか、とにかくどういう形かで時代にむけている質問──私たちのすべての努力と活動の究極的な超個人的な絶対的な意味についての問いにたいして、時代がうつろ沈黙をつづけているだけだとしたら、そういう事態による麻痺的な影響は、ことに問いをしている人間がまじめな人間である場合には、ほとんど避けられないであろう。そして、そういう麻痺作用は、個人の心情と倫理的部分からただちに肉体と有機体の部分にもおよぶであろう。「なんのために」という問いにたいして、時代から腑に落ちるだけの答えをあたえられないのに、初めから提供されているものの域をこえた仕事をする考えになるには、世にまれな、そして、英雄的な倫理的孤独と自主性、もしくは、頑健無比な生活力のいずれかを必要とした。


──魔の山岩波文庫

2011-10-03

[]見も知らぬ

見も知らぬ都夢見む十五の頃金木犀物語綴づ

みもしらぬ みやこゆめみむ じうごのころ きんもくせいの ものがたりとづ


──結び目を解くのがこわい