biaslookの日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2014-02-10

[] こどもの哲学

「むかし神童、今ただの人。」という言葉がある。これは神童が馬鹿になったからなのか、それとも伸びなかったからなのか。僕はずっと疑問だった。

また、サヴァン症候群のように記憶力が非常によい人は「賢い」のか。これも、人の脳についてずっと考えてきたことだ。


最近、数学者の詳細な伝記を多数読んで、その理由が少し分かった。幼少期の賢さや記憶力と、文明文化を発達させてきた人間としての賢さには違いがあるようだ。歴史的な数学者のほとんどは認知能力がそれほど高くなく理解も遅い。しかし、彼らは自分の中で消化する能力が高く、「意味」を理解し、それを使って未解決問題を解いたり、新しい世界を創りだしていった。


この能力を鍛える手段の1つが「こどもの哲学」である。

これは、1970年頃のマシュー・リップマンの「こどものための哲学」を嚆矢とする。しかし、その実践方法は様々であり、「ため」という単語を抜いた「こどもの哲学」という言葉もある。日本では大阪大学臨床哲学講座の本間直樹先生が実践されている。本間先生は「哲学」というよりは「意味の探求」であると考えられているようだ。

哲学というと、なんとなく身構えてしまうが、古代ギリシャの哲学Physisをみると「世界は何からなっているか」が基本である。これは、幼児がする馬鹿らしい質問とよく似ている。つまり、幼児こそ哲学する価値があるのだ。


ここで僕は内田伸子先生の共有型しつけを思い出した。内田先生の論文を読んで、僕は子供からの発語数が語彙力に影響をあたえると思っていた。しかし、「こどもの哲学」の論文をよむと、共有型しつけが哲学をしているのだ。リアルな世界での意味の理解こそが語彙獲得に関係するのだ。このことは『幼児の語彙学習を促す要因に関する研究』(田村隆宏)を読んで、なおさら実感した。


ここ10年ほど、早期教育が流行となっており、フラッシュカードを使用して語彙数を増やす家庭が増えてきた。しかし、人間の賢さが「リアルな世界の意味の理解」にあるとしたら、フラッシュカードは有害としかならない。確かにフラッシュカードは語彙数の増加に役に立つかもしれない。だが、意味は理解できないだろう。リアルな世界にあるコップを見て「コップ」という言葉を覚えたとすると、コップの「手に持つ」「飲むため」「液体を入れる」「液体が漏れない」という意味を理解できるのだ。言葉そのものには価値がない。リアルな世界との結びつきがあって初めて言葉は価値をもつのだ。


巷で流行している早期教育を受けた児童が、大人になったときに子供時代の賢さほどの業績を残せないのは、「意味」を無視して認知能力が高くIQが高くなっただけだからなのだ。


つらつらと述べてきたが、僕は幼児や小学生が形而上学的な哲学をすることには反対だ。そうではなく、コミュニケーションにより「意味の探求」を日常の中で行うことが役に立つと思っている。

フィールズ賞を受賞した広中平祐は幼少時になんでも疑問をもち、母親に聞いても分からないことがあれば近所の偉い人に聞きにいった。本で調べたのでなく、コミュニケーションにより知識をえたということがポイントだ。幼い広中平祐と偉い人との間で「哲学」がなされたのであろう。


幼児期から「意味の探求」という哲学を自分の中であたためてきた子供は、大人になったときに初めてその意味を活用できるのだろう。「意味」を活用できるまで急がず、子供をあたたかく見守っていきたい。


<参考論文>

何が思考を呼び求めるのか? : こどもと哲学のあいだ』PDF 本間直樹

小学校で哲学する : オスカル・ブルニフィエの相互質問 法を用いた授業』PDF 本間直樹、高橋綾

「どっちに入るかな?」フラフープを利用した授業から : 小学校で哲学する(2)』 PDF 本間直樹、高橋綾

見ることを学ぶ、こどもたちに』PDF 高橋綾

YouTube『こどもの哲学/金澤さんとの対話』本間直樹

M.リップマンの「子供のための哲学」における探究力』PDF

『自分がそうとしか生きられない「生きやすさ」を目指す』本間直樹

「自由になるために」臨床哲学 本間直樹インタビュー


これとよく似たことが虹色教室通信に書いてあったと、ふと思い出した→『幼児がよく考えるようになるステップ<見る><見た後で><聞く><聞いた後で><感じる>』(虹色教室通信)

KAKEN - 哲学対話における反省的・協働的思考:学年と専門を横断する対話学習 プログラム研究

映像記録を活用して対話経験を理解する大阪府立池田高等学校での対話授業の試みから』PDF

幼稚園児と哲学する 自然教材での遊びの開発可能性に関する教育方法的考察-』PDF 

映画『ちいさな哲学者たち


子どもは小さな哲学者 合本版

子どもは小さな哲学者 合本版

幼児の語彙学習を促す要因に関する研究

幼児の語彙学習を促す要因に関する研究

2013-09-27

[] 幼稚園選びの注目点

関西では10月初旬に幼稚園入園申し込み受け付けが始まる。これまで2箇所の園を参観させていただいた。その際に、僕が注目したところを記す。


(1)自由保育と一斉保育

主任の先生への質問「自由保育と一斉保育(設定保育)の割合はどれくらいですか?」

お茶の水女子大学の内田伸子先生の研究では、自由保育のほうが国語力がつくとのこと。自由であるゆえに自分から考えて発言する必要があるのだから、国語力がつくのは当然のこと。

しかし、僕は自由保育万能主義というわけではない。自由ではなく放任になってしまっている園もある。質問に対して、先生がどのように答えるか、がポイントだ。


(2)文字教育

「文字教育はどのようにされてますか?」

幼児期健忘が終わる5歳3ヶ月頃までは文字を教えてはならない(自然に覚える場合を除く)。子供から「この文字はなんていうの?」と聞かれた場合に教えるのは可であるが、間違った読み方をしていても見ているだけがよい。歴史に名を残すような数学者や理論物理学者はイメージで考えて結論を出し、言葉を使って論理で人に説明する。言葉は他人との交流や、知識の吸収にだけ使われる。思考は言葉ではなくイメージである。ゆえに、早すぎる文字の習得は有害である。


(3)体力作り

「体力作りには何をされてますか?」

ランニングや跳び箱などの特定の訓練に主体をおくのではなく、お外での自由遊びのなかで体力がつくように努めるのが理想。トップクラスのスポーツ選手は幼少時には言われた通りの真似でなく、自分でなにか一工夫することが多いらしい。


(4)4歳の壁、9歳の壁

「最近、4歳の壁、9歳の壁が話題になってますが、なにか対処されてますか?」

4歳の壁というものを、先生との話し合いのなかで今回初めて知る。「心の理論」に近いもののように思うが、僕もよく分かっていない。


これらの質問はきっかけであり、これに対して先生がどのような答えをしてくれたかを見た。

2つの幼稚園ともに主任の先生はしっかりしていたが、担任の先生は若いため、子供への接し方が未熟のように感じた。しかし、どこの幼稚園も未婚の先生が多いので、未熟であることはしょうがないと思う。


(番外編)トイレの清潔度。

トイレが典型的であるが、園の隅々まで丁寧に掃除してあると、子供の心が落ち着きやすい。そうなると、先生はガミガミ言う必要がなくなり、子供はのびのびと過ごすことができる。2箇所しか見てないので普遍的な基準か不明だが、我が家では結果的にトイレの掃除が行き届いた幼稚園を選んだ。

2013-08-11

[] 子供に国語力をつけるため、日本語学を学ぶ。

学習心理学には大きく分けて構成主義と行動主義という2つがあり、僕はそのうちの社会的構成主義の立場をとっている。行動主義を簡単にいえば、人間の脳は生まれたときは白紙であり、ドリルやワークなどの繰り返しにより教育をしようという立場。構成主義は、人間の知識はすべて構成されるものであるという立場。

その構成主義のうち社会的構成主義は、社会が知識の構成において本質的な役割をもつとする。その視点から考えると、10歳未満の子供の国語力は会話力によって伸びると思う。つまり、身近な大人が国語力をつける必要があるのだ。


しかし、いざ「大人の国語力って何?」といわれても悩むところだろう。

その答えは日本語学にある。


まず、日本語の文法について述べる。日本語は自然言語であるゆえに、完全に正しい文法というものは存在しない。国文法としては三大文法があり、そのうちのひとつの橋本文法は学校文法として習うことが多い。しかし、三大文法の他に三上・寺村文法というものがあり、日本語学としての文法はこちらである。この文法は、日本語学校で外国人に教える時に使われる文法である。話し言葉に適用する場合に、最も適した文法だと思う。そこで、三上・寺村文法を学ぶことを勧める。


注意する必要があるのは、あらゆる文法というのは所詮手段であり、本当の国語力と完全に合致するわけではないことだ。ゆえに、幼い子供に自然言語と完全には一致しない文法を教えて、その文法に適応させることは、大人になったときに逆に適応障害を起こす危険性があると思う。あくまでも、親が学んで会話の補助とするだけのものである。


では、日本語学を学ぶための本を列挙していこう。


言語学 第2版』風間 喜代三(東京大学出版会)

初めて言語学を学ぶのに分かりやすい本。日本語学だけに興味がある人はパスしてもよいが、今後、外国語を学ぶときにも役に立つ。

言語学 第2版



『24週日本語文法ツアー』益岡 隆志(くろしお出版)

『基礎日本語文法・改訂版』益岡 隆志、田窪 行則(くろしお出版)

「24週〜」が羅針盤的役割のガイドブック。「基礎〜」が文法事項がまとめてあるだけの無味乾燥な本。前者の本を一通り読んだあとに、後者の本を時々眺めるというのがよいと思う。「24週〜」だけでもよい。

24週日本語文法ツアー

基礎日本語文法・改訂版



『日本語文型辞典』グループジャマシイ(くろしお出版)

今回のイチオシ本。

辞典ですから分厚いし重い。しかし、大人が日本語力をつけるには、最も適した本。手許において、毎日少しずつ読んでいけば、日本語力がアップすることは間違いない。ちなみに、僕も読んでる最中です。以下に抜粋。


【なんか】

1なんか <物事>

「なにか」のくだけた言い方で、話しことばに用いる。→【なにか】

 a なんか

 (1)誕生日にはなんか買ってやろうと思っています。

  それとはっきり指し示すことのできないものごとを表すのに用いられる。

 b なんか <様子>

 (1)彼女と話しているとなんかほっとした気持ちになる。

  「なぜかわからないが」「なんとなく」といった意を表す。

 c...かなんか

 [N/A/V なんか]

 (1)今度の休みは映画化なんか行かない?

 (2)田中君は試験が近いかなんかで忙しそうです。

  それをはっきり指し示すことはできないが、それに類したものを表す場合に用いる。

 d Nやなんか

 (1)スポーツは好きですが、野球やなんかの球技はあまり得意ではないんですよ。

  そのものやそれに類したものを表すのに用いられる。

2なんか

 a Nなんか

 (1)お酒はワインなんか好きで、よく飲んでいます。

  いろいろあるなかから主なものを取り上げて例として示す。ほかにも似たものがあるという含みがある。「など」のくだけた言い方で話しことばに用いる。

 b ∨-たりなんかして

 (1)休みの日は本を読んだりなんかして過ごします。

  いろいろあることのなかから主なものを取り上げて例として示す。ほかにも似たことをすると言う含みがある。「など」のくだけた言い方で話しことばに用いる。

 c なんか…ない

 (1)お金がないから、旅行なんか滅多にできない。

  名詞や動詞、名詞+助詞などのさまざまな成分に付き、その後に否定を表す表現を従える。そこで示されたことがらに対する否定を表すが、それと同時に「なんか」によってとりたてたものごとに対する軽蔑の気持ちや謙遜の気持ち、あるいは以外な気持ちなどの意が込められる。「など…ない」のくだけた言い方で話しことばに用いる。

日本語文型辞典



日本語学としての本はここまで。以下は、国語の辞典だが、ついでに紹介。


『基礎日本語辞典』森田 良行(角川書店)

単語1つに解説が2頁以上ある国語辞典。言葉の微妙な使い方を学べる。

たとえば、【きり】の項目。

「1人きりで寂しく暮らしている」「人の物を借りたきり返してくれない」。物の場合は「だけ」との置き換えも可能であるが、行為・作用の例には「だけ」は使えない。

【さかさ(逆さ)】の項目は4頁にわたって、様々な「逆さ」の言葉の使い方が図とともに書いてあり、よく似た言葉「反対」「逆」「あべこべ」との違いも書かれている。

基礎日本語辞典



『明鏡国語辞典』

様々な国語辞典があるが、僕はこれが一番使いやすいと思った。好みです。

明鏡国語辞典 第二版



『チャレンジ 小学国語辞典』

小学生向けの国語辞典の中では僕はこれがよいと思ったが、書店で比較してみてください。最近、辞書引き学習が流行だが、知識は増えても知恵は増えない学習法と僕は思う。この辞典も親が読むべきで、10歳になるまでは子供の辞書引きは有害ではなかろうか。

チャレンジ小学国語辞典 第五版



『類語国語辞典』大野 晋(角川書店)

さまざまな類語辞典があるが、僕はこれ。書店で比較を勧める。

(参考)「幼児の語彙力強化のための類語リスト

類語国語辞典



『例解学習類語辞典』深谷圭助(小学館)

元・立命館小学校校長の監修。時々パラパラ読んでる。

例解学習類語辞典 似たことば・仲間のことば

2012-10-26

[] 共有型しつけの実例

内田伸子先生によると「共有型しつけ」が「強制型しつけ」より優れているという。また、ブログ「保育士おとーちゃん」を読めば、「しつけ」という考え方自体がおかしいと理解できるだろう。

しかし、日常において子供とどのように接すればよいか、これまでの育児スタイルを客観的にふりかえるのは非常に難しい。そこで、内田先生の文章に非常によい実例があったので、ここにメモしておく。以下は、下記リンク27〜41頁に書いてあることを私的にまとめただけなので、そちらを参照のこと。


お茶の水女子大学 人間発達教育研究センター 平成23年度年報

http://www.cf.ocha.ac.jp/rchde/pdf/nenpo2011.pdf 27〜41頁


しつけスタイルは学力基盤力の形成に影響するか ―共有型しつけは子どもの語彙獲得や学ぶ意欲を育てる鍵―


第1に、幼児期の語彙能力と書き能力(図形模写の能力)は、小学校の国語学力に影響する。

第2に、幼児期の語彙能力と書き能力(模写力)は小学校の語彙力に影響する。

第3に、幼児期に「子ども中心の保育」を経験した子どもは「一斉保育」の子どもよりも、小学校の国語学力と語彙力が高い。

第4に、幼児期に共有型しつけを受けた子どもは、強制型しつけを受けた子どもよりも、国語学力も語彙力も高いことが見いだされた。


母親が子どもにとっての課題の難易を敏感に察知し、必要に応じた援助や足場かけを調整することによって、子どもが自分自身で自律的に問題解決できる存在へと発達していくことが示唆されている。このとき、必要以上に大人が介入することは子どもが自律的に問題解決を阻害してしまうことになり、大人には子どもの能力に対する敏感性が求められるが、子どもの未熟な注意能力をサポートし、“興味を持つ”ことが大切だというメッセージを伝えるような支持的なサポートは一貫して重要であることも示されている。このように、いつ、どのような援助が与えられるか、という援助の質の違いは子どもの認知発達に影響することが知られている。


1.絵本の読み聞かせ場面での親子の関わり


良い例

共有型の絵本の読み聞かせ場面典型例>

絵本「きつねのおきゃくさま」(サンリード)

母:きつねさん、死んじゃった(子を見る)

子:(母と目を見合わせて悲しそうな顔をする)

母:みんなを守るためにね…ゆうきりんりんで戦ったから

子:(ページを戻して3ページ前からもう一度見ていく)

母:どうしてどうして?きつねさん 、こんなぼろぼろになって死んじゃった

子:(母と一緒にページを持ってめくる)

この事例は、子どもが、主人公のきつねが死んでしまうという、予想もしていなかった出来事に直面した場面のものである。母親が、子どもの驚きや悲しみの気持ちを受け止め、共感していることが窺える。そして、答えを明示してしまうのではなく、子どもが納得して次へ進むまで、十分に考える時間を与え、共感的に待つ様子が見られる。




悪い例

強制型の絵本の読み聞かせ場面典型例>

母:読み聞かせ終了後:分かった?(子を見る)

母:きつねさん,ほんとはどうしたかったんだっけ?(子を見る)

子:食べたかった(母を見て,小さな声で)

母:だけど,その前に戦って(ページ15に戻す)死んじゃったんだって。ほら。(子を見る)

子:なんで戦って?(母を見て,小さな声で)

母:んとね(ページ14に戻す),おおかみって,きつねより全然大きいでしょ。

子:うん(絵を見ている)

母:だから強いの。見て(おおかみを指さして),だって,こんな牙だってすごいんだよ,爪だって。

子:ちょっと生えてる(きつねの爪を指さす)

母:え,でもだってこんなにすごいんだよ(おおかみの爪を指さして子を見る)

子:(黙る)

この事例は、物語の余韻にひたる間もなく、母親がお話に対する理解を問うような質問を投げかける場面である。そして、子どもからの質問に対しては、説得的に説明している様子が見られる。子どもの「ちょっと生えている」というささやかな反論も、母親は受け入れようとせず、自分の考えを押して、子どもを黙らせてしまう様子が見られる。



2.パターンブロック課題での親子の関わり


良い例

共有型の問題解決場面典型例>

子:(ブロックを手に取り、置こうとする)

母:あ!あ!ぴったんこ! そこに…うんうん!

子:(もう1つ同じようにブロックを置こうとするが上手くいかずにかごに戻す)

母:いいね〜こっちはぴったりはまったよ〜。あとこのちっちゃいブロックも使ってみる?(小さいブロックを組み合わせて置く)あ!!ぴったんこ!!

子:ぴったんこ!!(母が置いたのを見て自分もかごから同じブロックを取る)

子:(母と同じようにブロックを置く)

母:ぴったんこ!!

子:ぴったんこ!!!(膝を叩いて嬉しそうにする)

この事例では、母親が、子どもが試行錯誤して自分自身で探索している間は邪魔をせず子どもの手が完全に止まったところで初めて、指示ではなく、提案し、実際にやっみせるというモデリングで援助を行っている。これにより、また子どもは自律的に問題解決が可能になる。また、この場面に一貫して使われるてみせる「ぴったんこ!」という声かけも、子どもの課題に対するモチベーションを上げ、注意を維持する支持的な機能をもつことが窺える。



悪い例

強制型の問題解決場面典型例 >

母:あと三角(ブロック)3つだよ。

子:一個・・・(三角のブロックを5つ手に取る)

母:そんなにいらないよ。あと3つだもん。

子:(ブロックを戻す)

母:のっけてごらん

子:(ブロックを置く)

子:あ、こうか・・・(三角のブロックの向きを変える)

母:うん、そうでもこうでもいいんだけどさ・・・そんなに几帳面に置くの?もういいよ。

この事例では、母親が主導権を握って問題解決が進む様子が窺える。子どもがブロックを手にとると、即座に「そんなにいらないよ」と声をかけてしまうことで、子ども自身が試行錯誤し、考える余地を奪ってしまっている。さらに、ブロックは正三角形なので、ブロックの向きを変えるという子どもなりのこだわりも、母親にとっては無意味なことで、共感するどころか、苛立った様子まで見られる。

2012-10-15

[] 幼児の語彙力強化のための類語リスト

幼児期の語彙能力と書き能力は小学校の国語能力に関係する。ただし、文字の読み書きは5歳以後のほうが想像力がゆたかになる。よって4歳以下の幼児に重要なのは、話し言葉での日本語語彙力である。

  参照:幼児期から学力格差は始まるか(内田伸子)PDF注意


語彙数の目安は、 語数=年齢×年齢×100 である

2歳:400語

3歳:900語

4歳:1600語

5歳:2500語

6歳:3600語

外国語を学び始める中学1年生の日本語語彙数は2万語。小学生国語辞典には約2万5千の単語が掲載されているので、小学校卒業までにはその8割を理解できればよいであろう。

ところで、外国語は5千〜1万語の語彙数があれば、論理だった思考ができると思う。つまり、日本語の語彙数が1万語に到達できた時点で外国語を教え始めればよい。母国語を知らずに外国語を話すことはできない。つまり、なるべく早く日本語語彙が一万語に達することができるようになればよいのだ。

そこで、子供に話しかけるための単語を『 類語国語辞典 』(角川)から抜粋してリストにした。

現在2歳過ぎの息子の口癖が「なんの音?」なので、それに答えるのに必要な動詞をおもに集めた。今後追加していく予定。



見る、<やり方をこの目でしっかと>見とる(はっきる見ること)、認める、目に留まる、目に付く、目撃、見入る、眺める、見詰める、見守る、目を凝らす、覗く(のぞく)、覗き込む、垣間見る(かいまみる)、一寸見(ちょっとみ)、見回す、顧みる(かえりみる)(振り返って後ろを見ること)、見上げる、仰ぎ見る(あおぎみる)、見下ろす、見渡す、見晴らす、見通す、<かなたを・傍らの人を>見遣る(みやる)(遠くの方を見る・視線を投げかけること)、眺める、眺め遣る(ながめやる)、眺め渡す、望む


言う、話す、語る、喋る(しゃべる)、述べる、曰く(いわく)、宣う(のたまう)、口にする、仰しゃる(おっしゃる)、仰せられる、宣う(のたまう)、申す

聞く、聞こえる、耳にする、聴きとる、耳に付く、聞き入る、聞き澄ます、耳を傾ける、耳を澄ます、耳を欹てる(そばだてる)


座る(すわる)、座する(ざする)、座り込む、腰掛ける、<椅子に腰を>掛ける、<食卓に・席に>着く、へたり込む

しゃがむ、屈む(かがむ)、<身を・腰を>屈める(かがめる)、跪く(ひざまずく)、蹲る(うずくまる)、蹲う(つくばう)

立つ、爪立つ(つまだつ)、伸び上がる、佇む(たたずむ)、立ち上がる、起き上がる、起きる


寝る(ねる)、寝そべる(ねそべる)、横たわる(よこたわる)

仰向く(あおむく)、仰ぐ(あおぐ)、反り返る(そりかえる)、反っくり返る(そっくりかえる)

俯く(うつむく)、項垂れる(うなだれる)、頷く(うなずく)、伏す(ふす)、伏せる(ふせる)、俯せる(うつぶせる)、泣き伏す(なきふす)、突っ伏す(つっぷす)、這い蹲う(はいつくばう)


歩く、歩む(あゆむ)、躙る(にじる)、這う(はう)、這い回る(はいまわる)、這いずる(はいずる)、腹這い(はらばい)

走る、駆ける(かける)、駆け出す、駆け回る、駆けずり回る、駆け巡る

跳ぶ(とぶ)、跳ねる(はねる)、飛び跳ねる、飛び回る、踊る、飛び上がる、蹴る、蹴飛ばす、足蹴にする、躓く(つまずく)、蹴躓く(けつまずく)


持つ、取る、握る、掴む(つかむ)、取り合う

撫でる(なでる)、撫で回す、撫で付ける、擦る(さする)、擦る(こする・さする)、擦れる(こすれる・すれる)

触る(さわる)、触れる(ふれる)、触れ合う、接する、押し当てる、押し付ける・差し付ける、宛行う(あてがう)ぴったりと当ててくっつけること

摘む(つむ)、摘まむ・撮む・抓む(つまむ)、捻る(ひねる)、抓る(つねる)

擽る(くすぐる)、掻く(かく)、引っ掻く、揉む(もむ)、扱く(しごく)

当たる、突きあたる、ひっかかる、ぶつかる


食べる、噛む(かむ)、齧る(かじる)、<鳥が>啄む(ついばむ)、銜える(くわえる)、ぱくつく、噛み締める、しゃぶる、舐める(なめる)、舐る(ねぶる)、舐めずる、含む、呑む(のむ)、飲み込む、吸う、啜る(すする)、吸い込む、


着る、着込む、装う(よそおう)、纏う(まとう)、羽織る、召す(めす)、<身なりをきちんと>繕う(つくろう)、<身なりを・顔を>拵える(こしらえる)


掃く(はく)、拭く(ふく)、拭う(ぬぐう)、拭き取る(ふきとる)、拭い取る(ぬぐいとる)

洗う、濯ぐ(すすぐ・ゆすぐ・そそぐ)

直す、繕う(つくろう)、修復する、補修する

飾る、飾り付ける、彩る(いろどる)、装う(よそおう)、デコレートする

建てる、組み立てる、築く

耕す、<畑を・畝を・土を深く>起こす、掘り起こす、


合計161個


参考:「できる子はできない子の4.6倍のボキャブラリーがある



類語国語辞典

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