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2008-09-18

[] リーマン・AIG後の金融危機いろいろ(9/15-23)

前回ベアースターンズの時と同じくメモ。

日本時間9/15早朝にリーマン・ブラザーズがチャプターイレブン(日本でいう民事再生法)適用申請し、メリルリンチがバンク・オブ・アメリカ(BOA)に吸収合併された後の流れを追います。

一部省略している部分がありますので、詳細はリンク先を当たってください。

米リーマン組成CMBS、投資家が深刻な不利益受ける可能性高まる(9/16)

リーマン・ブラザーズ・ホールディングスが経営破たんしたことで、同社が日本で組成した商業用不動産ローン担保証券(CMBS)に投資した多くの投資家が深刻な不利益を受ける可能性が高まっている。

(略)

アレンジャーをリーマン・ブラザーズから変更して、マーケットメークすることで、価格が低くなることを抑える方法も考えられるが、「CMBSは情報の開示が不十分な案件が多く、組成に携わった証券会社でないと仕組みそのものを把握できない面があり、アレンジャーの交代は容易ではない」(大手証券)との指摘が出ていた。

 マーケットでは、CMBSで資金を調達した債務者にも不利益が出るとみている。債務者の影響について、ある外資系証券のクレジットアナリストは「CMBSはリファイナンスを前提に組成されるケースがほとんどで、アレンジャーのリーマン・ブラザーズがいなくなると、債務者が当初描いていたようなリファイナンスが組めなくなる」とみている。

日本国内ではリーマンは国債の有力引き受けだったため

米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破綻を受け、日本の財務省が発行を予定していた国債のうち1287億円分が発行できない異例の事態が起こったことが17日、明らかになった。日本法人のリーマン・ブラザーズ証券が落札した2年物国債と政府短期証券(FB)について、落札代金が期日の16日までに払い込まれなかったためだ。2年債で約817億円、FBで約470億円が未発行となる。

 22日に払込期日を迎える5年債と10年債でも同社が一部を落札しており、国債発行へのリーマン破綻の影響は広がる可能性が大きい。債券市場では「未発行による一時的な歳入欠陥が2500億円程度に達する可能性がある」との見方も出ている。

債券マーケットは決済ができないそうで、メチャクチャだそうです。

参照:ドラめもん2008/9/17〜9/26

がんばってください、とか言いようがありません。

結局、22日のリーマンの分はフェイルになりました。

短期市場:レポ金利が高止まり、リーマン絡みの決済懸念で運用側慎重(9/22)

短期金融市場では、国債を担保にした資金調達手段であるレポ(現金担保付債券貸借)取引に資金が流れづらくなっている。リーマン・ブラザーズ証券の民事再生法適用に伴う取引停止で、決済不能(フェイル)が続いているため、運用側が取引に慎重になっているのが背景。日本銀行は連日、大量の資金供給を実施しており、国内銀行の無担保コールレートは急低下しているが、高止まりしているレポとの金利格差は一段と拡大している。

レポ取引では、2営業日後に始まる翌日物(スポットネクスト物)が、短期金利の実質的な上限である日銀補完貸付(ロンバート型貸出)金利0.75%付近に上昇したまま、下がらなくなっている。半期ごとの国債決済の集中日となった 22日の当日物(T+0)も0.70%付近に急上昇した。

一方、国内金融機関同士の無担保コール翌日物取引は誘導目標0.50%で始まり、0.30%から0.10%まで急低下した。国債の大量償還や日銀の資金供給を受けて、国内銀行の手元資金がだぶついているためだ。ただ、外国銀行や証券会社の調達水準は0.55−0.65%と水準が二極化しており、取引も限られた。

東短リサーチの寺田寿明研究員は、レポ市場が機能していないと指摘したうえで、「コールの金利がどんなに下がっても、レポには資金が流れない。先週からフェイルが続いているうえ、信用収縮の影響も出てきている」という。

リーマンが民事再生法を申請したことで、16日以降に発生した同社との決済がフェイルを繰り返している。日本国債清算機関(JGBCC)を経由した取引は、同機関がリーマンに代わって国債や資金の受け渡しをしているが、金融機関から決済資金を回収しているうえ、フェイルが他の取引に連鎖している取引は解決に手間取っており、レポでの資金運用を手控える銀行が増えている。

国内大手銀行の資金担当者によると、リーマンのレポ取引は2兆円以上あるとみられるうえ、フェイルの連鎖をほどくのはかなり大変な作業だという。取引相手のカウンターパーティーリスクも意識され始めており、レポ市場に資金が戻るのは当面先になるだろうとの見方を示した。

リーマン証券の資産保全に伴う突然の取引停止が、市場に大きな影響を与えている。1997年に経営破たんした山一証券の場合、日銀が特別融資を行いながら残っている取引を処理。同年に破たんした三洋証券の場合はフェイルも発生したが規模は小さく、今回のリーマン破たんに伴うフェイルは過去に経験のない状況だ。

日銀は保有国債を貸し出す国債補完供給を実施したうえ、大量の即日資金供給も継続。5営業日連続で供給された翌日物資金の合計は12兆5000億円に達する。レポに直接働きかける国債買い現先オペも3営業日連続で合計4兆4000億円実施し、過去最大規模の流動性の調節を行っている。

セントラル短資の金武審祐執行役員は、「邦銀のインターバンクレートだけみていると資金供給オペは必要ないが、レポ市場の影響で外銀のコールレートやオペレートが高くなっている。レートの二極化で、日銀は難しい金融調節を迫られている」と指摘する。

日銀が実施した本店供給担保オペ1兆5000億円(期日9月24日)の平均落札金利は0.726%、国債買い現先オペ1兆6000億円(期日10月3日)の平均金利も0.736%と高水準で、「証券会社の資金手当てが思うように進まず、日銀オペに需要が集中している」(セントラル短資・金武氏)という。

一方、大量の資金が国内銀行に偏在しており、準備預金の積み上げが急速に進ちょく。無担保コール翌日物の急低下につながっており、日銀は手形売り出しオペによる資金吸収1兆8000億円(期日9月30日)も実施した。市場参加者によって資金を供給したり吸収したりするツイストオペを行っている。

リーマン破たんが全国の銀行に波及−回収不能の恐れ2500億円(9/17)

大手行では三井住友フィナンシャルグループは与信9億8000万米ドル(約 1022億円)と債券約5億円を保有。このうち100億円程度の損失を見込んでいる。三菱UFJフィナンシャル・グループは与信で約2億3500万ドルの影響を予想する。600億円の融資とデリバティブ関連債権93億円を保有するあおぞら銀ではリチャード・レイトンCFOが「予想損失額は27億円」と述べた。

 金融庁が16日までの公表資料をまとめ17日に発表した邦銀大手8行・グループのリーマン向け債権額は合計で3200億円だった。

【大手銀行】

三菱UFJ: 与信250億円

三井住友FG:与信100億円

りそなHD: 与信200億円

みずほFG: 与信200億円

住友信託銀行:与信 60億円

あおぞら銀行:与信 27億円

中央三井: 与信150億円

新生銀行: 与信380億円

【地域銀行】

山形銀行: 債券30億円

八千代銀行: 債券5億円

南日本銀行: 債券13億円

北越銀行: 債券20億円

北洋銀行: 債券51億円

千葉銀行: 債券50億円

常陽銀行: 債券42億円

千葉興銀: 債券20億円

七十七銀: 与信20億円

岩手銀行: 与信30億円

東邦銀行: 債券15億円

荘内銀行: 貸出金5億円

ふくおかF: 債券40億円

十六銀行: 債券10億円

八十二銀: 債券10億円

北国銀行: 債券20億円

滋賀銀行: 債券35億円

百五銀行: 債券40億円

京都銀行: 債券5億円

ほくほくFG:債券14億円

百十四銀: 債券5億円

伊予銀行: 債券35億円

四国銀行: 債券5億円

阿波銀行: 債券12億円

琉球銀行: 債券10億円

紀陽HD: 債券71億円

愛知銀行: 債券10億円

第三銀行: 債券10億円

北日本銀: 債券2億円

徳島銀行: 債券8億円

福島銀行: 債券10億円

大東銀行: 債券5億円

【生命保険会社】

日本生命保険:債券50億円、融資50億円

第一生命保険:債券80億円、株式7000万円

住友生命保険:株式・融資・債券の保有なし

明治安田生命:債券20億円

三井生命保険:債券20億円

朝日生命保険:債券100億円

【損害保険会社】

東京海上HD:非公表

三井住友HD:147億円

損保ジャパン:債券数億円

あいおい損保:株式・融資・債券の保有なし、投信やファンドは精査中

日本興亜損保:証券化商品3200万円

その他にも、テレビ朝日がリーマン債権を10億円保有していたり、色々出てきてます。

約1年1カ月前に始まった世界的な信用危機のなかで、大手金融機関は 5100億ドルを超える評価損・貸倒損失を出した。金融機関は増資や資産売却に奔走し、今月だけでも710億ドルの買収が発表された(ブルームバーグ調べ)。

リーマンやメリル,AIGは金融再編劇の始まり-“弱肉強食”の時代に(9/17)

リーマン関連リスク、米銀ではワコビアとBOAが最大−シティが指摘(9/18)

シティのアナリストの17日付リポートによれば、BOAはリーマン関連のリスク約4億ドル(約420億円)を抱える。傘下のファンドがリーマンへの債権4億9400万ドルを持つワコビアのリスクが最大だという。

アナリストらはこれによる2008年7−9月(第3四半期)1株利益への影 響はワコビアが15セント、BOAが5セント程度となると見積もっている。

PIMCOやバンガード:リーマン債で大幅損失か-史上最大の破たん劇(9/15)

投資信託会社のPIMCOアドバイザーズとバンガード・グループ、フランクリン・アドバイザーズは、米証券大手リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの破たんによって大きな損失を被りそうだ。史上最大規模の破たん劇は、投資信託業界に少なくとも860億ドル(約9兆1100億円)の損失をもたらす可能性がある。

投信各社は6月30日時点で、1430億ドル余りのリーマン債を保有していた。

債券投資家の回収率は保有債券の弁済順位によって異なるが、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)のモデルは破たんの際の回収率を全体で40%と想定している。この場合、各社の損失合計は約860億ドルとなるが、リーマンの優先債が額面1ドルにつき35セント程度(価格報告システム、トレースのデータ)で取引されていることから、回収率はさらに低くなる可能性もある。

PIMCOは少なくとも12のファンドにリーマン債を保有している。ブルームバーグ・データによれば、米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の共同投資責任者ビル・グロス氏は6月まで、リーマン債を購入していた。

最近、PIMCOのビル・グロース最高投資責任者(CIO)が表に出てきて発言しすぎだったので違和感を感じていました。そこで、1971年設立のPIMCOの過去の成績を見てみると優秀すぎました。つまり、1971年から現在まで、先進国の債券は非常に優れた商品だったわけです。しかし、これからもその流れが続くとは限りません。しかも、運用資産残高80兆円という巨体のPIMCOにとっては「PIMCO=債券」なのです。


英バークレイズ:米リーマンの北米投資銀行などの買収で合意(9/17)


英銀3位のバークレイズは17日、破たんした米証券大手リーマン・ブラザーズ・ホールディングスのニューヨーク本社を含む北米投資銀行事業を総額17億5000万ドル(約1860億円)で買収することで合意したと発表した。

(略)

北米投資銀行事業を2億5000万ドルで購入するほか、リーマンのニューヨーク本社と2つのデータセンターを 15億ドルで取得する計画。これらの事業に従事する社員はおよそ1万人で、リーマンの全従業員数の約4割に相当する。

(略)

買収資産には株式と債券の販売、トレーディングと調査事業、商品と為替、M&Aの助言とプライムブローカー事業が含まれる。

救済合併したは良いが、今度は自分の格付けが危なくなる。

格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)とムーディーズ・インベスターズ・サービスは17日、英バークレイズについて、破たんしたリーマン・ブラザーズの一部部門買収を受け、今後格下げする可能性があることを明らかにした。

S&Pは、バークレイズの長期カウンターパーティー信用格付けを現在の「AA」から引き下げる可能性があるという。また、ムーディーズは、同行の「Aa1」の債務および預金格付けを現行の「Aa1」から引き下げる可能性があるという。

救済合併のためのお金も必要になる

英バークレイズ、新株で約7億ポンド調達−リーマン部門買収代金(9/18)

英銀3位のバークレイズは18日、新株発行により7億100万ポンド(約1350億円)を調達した。破たんした米証券大手リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの北米投資銀行部門の買収代金の一部に充てる。

同行は2億2600万株を1株当たり310ペンスで売却したと発表した。発行済み株式は2.8%増えた。バークレイズ株はこの日、16.75ペンス(5.3%)安の301ペンスで終了した。

増資の幹事はクレディ・スイス・グループとドイツ銀行、JPモルガン・カザノブが務めた。

野村HD:リーマンのアジア事業買収で合意、3000人規模−国際強化(9/22)

日本、香港、シンガポールなど7カ国・地域で展開する株式、債券、投資銀行の各事業部門と3000人超の人員を継承する。

発表によると、インド、韓国、台湾、オーストラリアの同部門も買収する。トレーディング関連の資産・負債は対象外とする。買収金額は明らかにしていない。

米証券4位のリーマンの負債総額は6130億ドル(約64兆7900億円)と史上最大規模、リーマン日本も16日に東京地裁に民事再生手続開始を申請、関連3社を含む負債は約4兆7000億円と戦後最大の倒産となった。

野村HD、米リーマンの欧州と中東の投資銀行・株式部門を買収へ(9/23)

野村ホールディングスは23日、経営破たんした米証券大手リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの欧州・中東の投資銀行と株式事業部門を買収することで同社と合意したと発表した。同社はリーマンの欧州と中東地域の従業員約2500人の大半を引き継ぐ計画という。

野村の特別顧問サデック・セイード氏はこの日の記者会見で、野村はリーマンの欧州事業に対して「形だけの」金額を支払う意向だと明らかにした。野村はリーマンのアジア太平洋部門に対しては2億2500万ドル(約 237億円)を提示。同地域の人員約3000人を継承すると明らかにしていた。

野村はリーマンの2部門に対し2ドルを支払う計画で、来月からの人件費を負担する。野村の発表資料によると、今回の合意にはオランダとカタール、ドバイ、クウェートの投資銀行部門と株式部門も含まれる。一方、リーマンの欧州不動産と、トレーディング資産、もしくはトレーディング負債は継承の対象外としている。

今回の野村の合意に先立ち、英バークレイズ銀行は先週、リーマンの米投資銀行部門を2億5000万ドルで買収することで合意した。交渉に詳しい複数の関係者は22日、バークレイズはリーマンの欧州株式部門についてのみ、買収への関心を示していたと述べていた。

欧州と中東部門は2ドルって。リーマン欧州投資銀行部門は、よっぽど魅力がないんですね。


AIGが実質国有化へ

AIG:政府管理下に−株主価値は喪失との懸念で株価一時44%安(9/17)


米政府の救済案では、850億ドル(約9兆円)の融資の代わりにAIGの持ち分ほぼ80%が政府保有となる可能性がある。普通株と優先株の配当も停止される公算がある。

(略)

AIGへの融資の金利はロンドン銀行間取引金利(LIBOR)に8.5ポイント上乗せした水準となる。ウニクレディト・マーケッツのロンドン在勤チーフエコノミスト、マルコ・アンヌンツィアータ氏は顧客向けリポートで、「懲罰的な金利水準は、政府融資がAIGを無制限に存続させるための補助金ではなく、同社が既存契約は履行するものの存続は不可能にする縛りであることを明確に示している」と解説。「コントロールされた破たんを目指すものだ」と書いている。

(略)

AIGは米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン関連証券578億ドル相当を含む4410億ドルの債券についてクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)を販売している。

(略)

AIGは発表文で、政府との合意により「秩序ある資産売却」のための時間的猶予が得られたと説明した。

(略)

AIG債(表面利率5.85%、2018年償還)の利回りは13.8%となり、同年限の米国債を約10ポイント上回る。

詳しい経緯

破たんを免れたAIG (1)(生命保険 立ち上げ日誌)

"Bad Bets and Cash Crunch Pushed AIG to Brink"

(「悪い賭けとキャッシュ不足がAIGをギリギリまで追い込んだ」)

Wall Street Journal, 2008/9/18

・ 金曜の時点では、AIGはJPモルガンと買収ファンドのブラックストーンらと共同で、必要資金を計算していた。前日には200億ドル(約2兆円)とされていたが、不動産関連の証券が急激に値下がりしたことで、この日には倍の400億ドル(約4兆円)に膨れ上がっていた。

ニューヨーク州の保険監督当局は、同社に子会社から200億ドルの資金を調達することを許した。これによって、「あと200億ドルさえあれば破たんを免れる」とAIGは考えていた。

・ 土曜には、社内には安堵感が漂っていた。ファンドのKKRやJC Flowers(新生銀行の投資家)、同業のアリアンツやAXAも、同社オフィスにて資産買収を検討。夜には、ファンドと条件を合意さえできれば、資金調達の目途は着くと確信。

・ 日曜に、AIGは困った事実に気づいた。子会社の一つが、別途200億ドルの調達が必要となることが明らかになる。ファンドのKKRとTPGは、200億ドルで会社の50%を買収する案を提示。もっとも、条件として銀行ないしFedから何らかのクレジットラインが提供されることが提示されていた。

AIGはこの条件を飲もうとしなかった。日曜の夜にはアジアの市場が始まり、資産価格の暴落とともに600億ドル必要なことが分かってきた。

この時点では、財務長官のポールソンも、ニューヨーク連銀のガートナーも、あくまで民間セクターでの救済策を考えていた模様。

・ 月曜の朝、AIGはニューヨーク州保険監督当局に、破たんを免れるためには700億ドルが必要と連絡。それから午前中に政府の依頼でJPモルガンとゴールドマンが連銀のオフィスで検討した結果、必要金額は800億ドルと膨れ上がった。

1時半の時点で、ポールソンは「いまニューヨークで行われていることは、政府からのブリッジローンとは関係ない」と公的資金の投入を否定。しかし、午後が遅くなると、JPモルガンとゴールドマンも損がどこまで広がるか試算できず、救済できないことが明確になった。連銀と財務省は午前2時まで検討を続け、連銀のオフィスではモルガンスタンレーのチームが午前4時まで分析作業を続けていた。

・ 火曜になると、AIGの経営陣は同社のクレジットラインを限度枠まで引きだしたが、それでもわずか39億ドルしかなかった。株価が2ドルを切り、もう限界に近づいていた。

午後3時半にポールソンとバーナンキはブッシュ大統領に報告し、4時にニューヨーク連銀と最終確認の電話をした。その直後、わずか3ページのタームシートがAIGに手渡しされた。政府からの提案内容は "draconian"、極めて厳しいものだった。850億ドルものつなぎ融資が、12%近い「懲罰的」な利子を伴うもの。ガートナーとポールソンは5時からのAIG取締役会の10分前にCEOに電話を入れ、「これが我々からの最終の提案だ。そして、条件が一つある。CEOのあなたには辞めてもらう」という最終通告を行った。

その後、AIG取締役会は提案を受け入れた。

数日前に指摘しましたが、個人向けファンドの中身が破綻した金融機関が組成した証券であった場合

運用各社、AIG関連債券を組み込んだファンドの購入・解約再開メドたたず(9/19)

米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の関連会社が発行する商品指数連動債券を組み込んだコモディティ投信について、運用各社が新規購入や解約の受け付けを停止しているが、19日現在再開のメドはたっていない。

AIG系列のAIGインベストメンツは「AIGコモディティファンド」と「同(1年決算型)」について、12日受付分以降の購入と解約を停止しているが、「今のところ再開の時期は未定」(投資信託本部)という。

中央三井アセットマネジメントも「中央三井コモディティファンド」について12日受付分以降の購入・解約停止を16日に発表したほか、住信アセットマネジメントが「住信コモディティ・オープン」62005237JP.LPの購入・解約を16日から停止。17日からは岡三アセットマネジメントと野村アセットマネジメントがそれぞれ3本のファンドについて、18日からは大和証券投資信託委託が1本について購入・解約を停止しており、すべての会社が「再開のメドはたっていない」としている。

これらのファンドは、AIGの関連会社が発行する商品指数連動債券に投資している。世界的な金融市場の混乱やAIGへの信用不安拡大による影響で、これらの指数連動債が適正に値付けされておらず、各社の投信についても適正な基準価額を算出できないことが購入・解約を停止している理由。

一方、CDSに関しては、フレディマック、ファニーメイ、リーマンはイベント発生ですが、AIGはイベント発生ではないそうです。また、62兆ドルというCDSマーケット規模に関しては違うんじゃない、という意見が。

一人歩きする数字


米財務省:FRBのバランスシート支援に向け新たなTビル発行へ(9/17)

米財務省は17日、連邦準備制度理事会(FRB)のバランスシート拡大を支援するため、通常の資金調達とは別枠で」財務省短期証券(TB)を発行すると発表した。

米政府は16日、保険大手のアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)を公的管理下に置くと表明した。FRBはAIGに850億ドル(約9兆円)を融資する代わりに、株式の79.9%を保有する。

ニューヨーク連銀は17日、新たな米財務省短期証券(TB)入札から得る資金は、最近の米連邦準備理事会(FRB)の融資・流動性供給策の影響を相殺すると述べた。

ウェブサイトに掲載された声明で「この日、財務省は一時的な補完的資金調達プログラムの開始を発表した。このプログラムは現行の借り入れプログラムとは別の、一連のTB入札で構成され、入札から得る資金はNY連銀の口座に保管される」と説明した。

また「この口座の資金は銀行システムからの資金吸収の目的を果たし、ゆえに最近のFRBによる融資・流動性供給イニシアチブの影響を相殺する」とした。

米財務省の(FRBの)代理吸収としての国債発行

FRBの要請を受けて国債(短期物)を臨時で追加発行するというもの。これは市場への流動性供給やら、AIGへの融資など大量の金を出さないといけないFRBの調節上の困難を緩和するため。これは突き詰めると、FRBが機動的な吸収手段を持たないことに起因する。このことは過去何度か触れたが、ポイントを簡単に整理すると以下の通り。

・AIGに融資するにしても、FRB(NY連銀)は資金を調達(市場から吸収)する手段がない

・大量に供給しても市場から機動的に資金を吸収できない(もっぱら保有国債の売り切り)

・財務省が代わりに国債を発行する(これは財政による吸収→日本でも国債発行日は資金不足要因)

・国債発行で調達した資金はFRBの政府預金口座に入れる(多分)。

技術的問題点

・国債発行はマクロ的な資金吸収に貢献するが、即時発行とかまでの機動性がないため、ざっくり吸収になる

・金融ひっ迫が薄らぎ、積み上がった超過準備が市場に流れるとき、うまく吸収できずに金利が下がりやすい(今もこの傾向が出ている)。場合によってはゼロ金利になる場面も。量的緩和に見えるかもしれない(金融政策がゼロ金利なれば問題ない・余剰な金は放置プレイ)

・国債発行(コストを払った調達)した金をFRBに預金しても金利が付かないので逆ザヤになる

今後想定される対応

・準備預金(or超過準備)への付利(この金利がインタバンクのフロアになる)。いくらでも超過準備積める。金利付き量的緩和に見えるかも。

一方、FRB自身が投資会社になりつつあるとNYTに書かれて・・・

9/17のゴールドは前日終値777ドルから高値869ドルまで10%の急騰、翌9/18も高値922ドルまで続騰しました。

FRBの資産内容が劣化(9/19)

補完的プログラムとしての臨時国債発行が行われる背景には、AIGに至る数々の救済策でFRBのバランスシートの質が悪化したことがある。

かつてリッチモンド地区連銀で金融政策顧問を務め、現在はカーネギー・メロン大学経営大学院教授のマービン・グッドフレンド氏は「FRBの融資余力は枯渇状態に近い」と指摘する。

年初7410億ドルだったFRBの米国債保有高は、信用不安の緩和に向けたさまざまな緊急オペの影響で減少、9月10日時点で4780億ドルとなった。

アナリストの試算では、AIGへの融資後、使途が決まっていないFRBの資産は2000億ドル足らず、終わりの見えない流動性危機への対応力は落ちる。

AIGで850億ドル使ったのですから、ニュースとしては出てきてないが私はヤバイと思っているシティバンクを助けるには1000億ドル以上必要でしょう。AIGが850億ドルで足りるかどうかも不明なんですがね。FRBの資金ショートの可能性もあります。ここの攻防が今回の金融危機のクライマックスです。助けることができるのは世界で唯一、日銀だけです。見物です。ワクワクします。

量的緩和に踏み切るか

今年春、FRBは流動性ひっ迫対策として、商業銀行の準備預金に金利をつけることができるよう議会に要請した。

議会が認めれば、FRBは政策金利を引き下げることなく、流動性供給を拡充するという、いわゆる量的緩和が可能。

公開市場操作を担当するニューヨーク連銀は8月、準備預金に金利をつけることが可能となれば流動性ひっ迫に対応する柔軟性が増すと指摘した。

最終的にはFOMCは量的緩和をとるしか金融危機を救う道はありません。今年初頭から私と春山さんはFF金利は1%以下になると言ってきましたが、量的緩和までは予想できませんでした。

ただし、量的緩和の結果、インフレ抑制は犠牲になります。リフレ派はアメリカが量的緩和をしないとデフレになると言ってきましたが、日本とアメリカは違います。世界で最も安定した通貨の円だからデフレになったのであり、経常赤字のドルは信用がなくなり、ドルは通貨危機になります。その結果インフレになります。

この時に問題となるのが「ヘリコプター・ベン」という二つ名です。通貨の番人が最重要役割である中央銀行総裁にこのような名前がついているのは、将来の禍根となるでしょう。(ベン・バーナンキのマーケット指向は別の危機をもたらす)+(コメント欄参照

スタンダード&プアーズ(S&P)でソブリン格付け委員会の委員長を務めるジョン・チェンバース氏は17日、米連邦準備理事会(FRB)による保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の救済後、米国債の「AAA」格に対する圧力が増大している、と述べた。

(略)

S&Pはリポートの中で、「リセッションが深刻、かつ長期化した場合」、米政府が財政の安定性を維持するために支払う前払いコストは国内総生産(GDP)の24%に達する可能性がある、と述べた。

アメリカ国家自身の足元が・・・

一部のMMFは額面割れ

ニューヨークを拠点に運用されているMMF「リザーブ・プライマリー・ファンド」は17日、リーマン・ブラザーズ・ホールディングス<LEH.N>の発行した証券への投資で損失を出し、ファンドの基準価格が1ドルを割り込んだことを明らかにした。

「リザーブ・プライマリー・ファンド」は歴史のある大型MMF。同ファンドのブルース・ベント会長は1970年に共同パートナーとともに初のMMFを創設し「MMFの父」と呼ばれる。

会長によると、同ファンドの資産は8月31日時点の650億ドルから今月17日までに230億ドルまで減少した。

MMFの基準価格が1ドルを割り込んだのは、94年に機関投資家向けの小規模MMF「コミュニティー・バンカーズ」が0.94ドルとなって以来初めて。

MMFに含まれるABCPは推定2340億ドル、資産全体の約12%に=FRB高官

消滅しつつあるABCPがそんなにあるとは・・・

あわてて当局が介入です

米財務省:マネーマーケット・ファンドの保有資産保証へ-500億ドル拠出(9/19)

米財務省は19日、マネーマーケット・ファンド(MMF)の投資家を金融市場混乱から守るため、米国の為替安定化基金から最大500億ドル(約5兆3800億円)を投じる計画を発表した。

財務省の同日の声明によると、同省はMMFで、料金を支払って財務省のプログラムに参加するファンドの保有資産を1年間、保証する。個人向けファンドも機関投資家向けファンドも対象となる。

米FRB、MMF支援へ公定歩合で貸出−GSE債購入計画も発表(9/19)

米連邦準備制度理事会(FRB)は19 日、銀行がマネーマーケット・ファンド(MMF)の解約に応じる際の資金を融資する方針を表明した。また、金融市場の流動性を確保するため、プライマリーディーラー(米政府証券公認ディーラー)から政府支援機関(GSE)債を購入する計画も明らかにした。

FRBは銀行がMMFから高格付けの資産担保コマーシャルペーパー(ABCP)を購入する際の資金を融資する。融資の利息は現在2.25%の公定歩合を適用する。FRBは融資額の規模については言及していない。

マネー・ファンド・リポートによると、17日のMMF解約総額は過去最高の892億ドルに上った。


FRBは「市場の機能をさらに支援するため」、ファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)、米連邦住宅貸付銀行(FHLB)が発行する短期ディスカウント債を購入すると発表。ニューヨーク連銀は「今後数週間に競争入札により」、同債券の購入を実施するとの声明を発表した。

間違った処置ではないんですが、いろんな所にお金を使って足りるの?

しかも1000万円保証しかない銀行預金より金利の高いMMFの方が安全になっちゃうよね。銀行預金を引き出してMMFに預ける人が増えるんじゃないかな。

日本より社会主義ですね(9/19)


イギリスでも住専問題が起きて救済合併しましたが、ロイズTSB自体が要注意金融機関なんですよね

英ロイズTSB:英住宅金融最大手HBOSを救済合併(9/18)

英金融大手のロイズTSBが18日、英住宅金融最大手HBOSを買収することで合意したと発表した。買収総額は122億ポンド(約2兆3300億円)で、資金繰り難で株価暴落に見舞われたHBOSに対するロイズの事実上の救済合併。

買収により総資産は1兆500億ポンド(約200兆円)となり、英国最大規模のリテール(小口金融)銀行が誕生する。特に住宅関連融資だけで60兆円超と英市場の約3割を占め、単純合算の支店は3000に上る。

HBOSは01年、スコットランド銀行(BOS)が住宅金融で2割のシェアを占める最大手ハリファックスを合併して誕生。一方、ロイズTSBは95年、ロイズ銀行とTSBグループが合併して誕生した。

ロシアは元々08年5月頃から株価が下落し、外貨準備高世界3位(約60兆円)にもかかわらず通貨が売り浴びせられ、9月始めからはその流れがさらに加速し、通貨危機一歩手前までいきました。株価は08年5月の最高値から50%以上の下落でした。17日の昼から18日まで当局の命令により市場は売買を停止し、その間に、石油輸出で国家が稼いだ外貨を大手銀行に資本注入します。NY時間18日午後からNY株価が急反発したのを見て?、19日から市場は再開し大きく反発しました。


インターバンクがボロボロです

深刻なドル不足と信用収縮にあえぐ米欧市場、日本の役割に注目集まる(9/17)


前FRB議長アラン・グリーンスパン氏は15日「今回の金融危機は100年に1度あるかないかの深刻なもの」と語った。

ドルの短期市場では、期間3カ月を超える長めの資金に関し、調達不可能またはごく限られた金額しか調達できず、優良行でも1カ月物の資金は1度に5億ドル程度しか調達できないのが実情だ。ドルの流動性枯渇は「ドルが既に基軸通貨としての体をなしていない証拠」(エコノミスト)との指摘もある。

フェデラルファンド(FF)市場では、リーマン破たんを受けた15日の取引で、FFレートが7%まで急騰し、FRBの誘導目標の3倍を超える水準に達した。

全米の地区連銀による金融機関向けの窓口貸出(公定歩合を基準とする貸付)は、9月10日時点で過去最高の236億ドルに達した。

今年これまでに発行された金額は2兆5427億円で、過去最高だった2000年の2兆8567億円に迫る。

 直近では、米シティグループによる過去最大規模の3150億円のサムライ債をはじめ、豪ウェストパック銀、オーストラリア・ニュージーランド銀、クレディ・スイス・グループなど大手金融機関の発行が相次いでいる。

 実際、17日になってソシエテ・ジェネラルとドイツ銀がサムライ債の起債延期を決めた。

アメリカSEC、財務省だけでは手に負えなくて、日銀も借り出されております。

日米欧6中銀、ドル供給で協調 日銀、6兆円通貨交換(9/18)

日米欧の主要6中央銀行は18日、米金融危機の影響で欧米民間銀行を中心にドル資金調達が難しくなっているのに対応し、各国中銀が協調して総額1800億ドル(約19兆円)のドル資金を自国市場に直接供給する緊急対策を発表した。日銀は米連邦準備理事会(FRB)と総額600億ドル(約6兆3000億円)のスワップ協定を結び、外国銀行を含む金融機関に直接ドル資金を貸し出す。

本石町日記さんが解説

通貨スワップ協定を締結!=ポイントやら雑感やら


協定に至る背景

・リーマンの法的破たんで各種金融市場の流動性が一気に低下。

・為替スワップ市場も流動性が落ちる。

・邦銀は外貨融資が増大中で、その調達は円投が中心。

・為替スワップの機能低下で円投ルートの外貨調達がひっ迫。

・この影響でドルキャッシュのターム物金利がぶっ飛び始めた。

・FRBも困った。日銀も困った。で、協定に至る。

・決定会合に間に合わず、臨時会合を開いたのは状況がそれだけ切迫したため。


協定の補足

・ドル供給のためのスワップ協定であり、為替介入とは無関係

→為替介入(米国のドル防衛)するときの協定はどうするのか?


今後の関心事項

・ドルはいずれじゃぶじゃぶになる。

・FRBは吸収手段がない

・金利ゼロの容認? 量的緩和に移行。

・妄想だが、日銀のドル建て売手? 代理吸収?


教訓 世界の各金融センターにそれなりの拠点を持つグローバル金融機関を(ファジーな基準で)法的に破たんさせてはいけない。決済機能が部分的に麻痺し、デフォルトリスクを高め、世界中の市場参加者の疑心暗鬼を強め、流動性低下に拍車がかかる。

もう少しやさしい説明

政府・日銀は円担保で米国債を貸し出すクロスカレンシーレポを行え

カウンターパーティリスクが怖くて、疑心暗鬼で超短期の取引でもインターバンクで金が回らず。

市場参加者全員が手元流動性を出来るだけ確保しよう、としているので。

手元資金の過不足を金融機関でやりとりする、ドルのインターバンク市場が全く機能していない。


ここしばらく、日本企業の資金需要は強くなくて国内の貸金業務では儲からなかったメガバンクは。

海外でのローンポートフォリオを拡大させてきた。

というのも、国内貸出業務と違って、格付け対比でのスプレッドも厚く。

また、海外金融機関がサブプライム問題の影響を受けて、貸し渋り始めていたので。

資金需要も旺盛だったからだ。

というか、海外金融機関向けの貸出が一気に伸びた、という言い方が、適切かもしれない。


邦銀は、国内融資業務の低調さを補うために海外融資を増やしていたが。

ドル資金を調達するインターバンク市場が機能しなくなっているために。

外貨の資金繰りがかなりきわどくなっていて。

また、外貨資金コストが上昇しているために。

高収益だった海外融資業務が、儲からなくなっている。


通常は、様々な金融機関がドルの過不足を融通しあうインターバンク市場で借りるのだが。

それが出来ないと、円を誰かに貸してドルを代わりに受け取って、決められた期限に円を返してもらってドルを返す、という為替スワップ(FX FWD)で外貨調達する。


この取引はカウンターパーティリスクが伴うので。

また、アメリカの金融機関もドル資金の出し手にはもはやなれないので。

為替スワップの市場も、完全に壊れていて。

だから、日米欧の中央銀行が、通貨スワップ協定に入ったのだ。


かなり厳しい状況の中、リーマン、AIG、モノライン、国内不動産などなど、様々な与信費用が発生して資本を削られて。

さらに、新BIS規制で、ポートフォリオの内容が悪化すると、必要自己資本額は急激に増大することとなり。

欧州が来年から新BIS規制施行になるため、ただでさえ資本不足なのに資本の奪い合いになることは容易に予想され。

そうなると、当然国内も貸し渋りにならざるを得ない。

ただし、この人は外資系?なので、いつもポジショントークなんですよね。

実態はどうだったかというと、ドラめもん9/21下半分の日銀プレスリリース・記者会見などを読むと

ということですので、外銀は兎も角として、邦銀に関しては今般のドル資金市場のシュリンクで直接的に大変な騒ぎになっている訳ではないという話。即ちまあぶっちゃけてしまえば日本の足元は大丈夫ですが国際協調しないと市場が全然落ち着かないから国際協調するって所なのではないかと思料されます(^^)。

(略)

ということで、円投フォワードによるドル資金調達圧力の増大が円金利にも影響を与えかねませんという説明になっています。でもまあ実はその部分だけで言えば円の資金供給オペを親の敵のように打ち込んでいれば平均レートだけは下がりますけど、現状の問題ってオペをやたら打てばよいとか言う単純な話じゃなくて、必要な所に流動性を供給するにはどうしたらよいのかという話になりますので、そーゆー意味でドル供給の意味があるんでしょうかね。

こうして考えてみると、97年当時の日本は他国が助けてくれず自力で処理したのですから、日本は通貨が世界一強い国だと思いますよね。欧米格付け機関が国債格付け下げてもビクともしない、逆に債券価格が上昇する国ですから。今、アメリカ国債の格付けを下げたら、アメリカ終わるかもしらんなあ。

そういったスワップ協定によりドルのインターバンクは少し落ち着いたようです。

ドル建て翌日物LIBOR:3.84%に低下、中銀の協調行動を好感(9/18)

米連邦準備制度理事会(FRB)はスワップ協定により他の中銀にドル資 金を供給する。共同声明によると、日本銀行と欧州中央銀行(ECB)、イング ランド銀行、カナダ銀行、スイス国立銀行(SNB)が協調行動に参加する。

18日の英金融市場で、ドル建て翌日物金利 が急低下した。日米欧の中央銀行が短期市場の緊張緩和に向けた協調行動を発 表したことに反応した。発表によれば、6中銀はスワップ協定によって供給す るドル資金を2470億ドル(約25兆8700億円)に拡大する。

ドル建て翌日物ロンドン銀行間取引金 利(LIBOR)は前日から1.19ポイント低下し3.84%となった。17日は前 日比で1.41ポイント低下。16日には3.33ポイントの急上昇となっていた。

一方、ドル建て3カ月物LIBORは3日連続で上昇し1月以来の高水準 となり、懸念が払しょくされていないことを示唆している。

ドル建て3カ月物LIBORと同年限の米財務省証券利回りとの格差であ る「TEDスプレッド」は18日、11ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%) 拡大し313bpとなった。

週始めから18日にかけて一部の金融機関株価が半分近くになったり大暴落していたので、イギリス・アメリカ・オーストラリアなどの金融当局が空売り規制をしかけます。

米SEC:現株裏付けのない「空売り規制」を全公開株に適用

新規制は18日午前零時1分に実施に移される。

これはあまり効果がありませんでしたが、さらに規制を強めます。

英金融サービス機構、金融株の空売りを年内禁止−持ち高報告も義務化(9/18)

英金融サービス機構(FSA)は18日、 金融株の空売りを年内禁止すると発表した。

FSAの発表によると、既存の金融株のショートポジションについては、普 通株の株式資本の0.25%を超える場合、情報を日々公開することが義務付けら れる。

米の3大公的年金基金:モルガンSとGS株の空売り用貸し出し停止(9/18)

米国最大の公的年金基金、カリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)とニューヨーク州公的年金基金の決定は、カリフォルニア州教職員退職年金 基金(CALSTRS)が17日に貸し出しを停止したのを受けたもので、CALSTRSは他の60の投資マネジャーに同様の措置を呼び掛けていた。

SEC:金融株799銘柄の空売り一定期間禁止−株安歯止めの緊急措置(9/19)

米証券取引委員会(SEC)は19日、金融株799銘柄の空売りを一定期間禁止すると発表した。

空売り禁止の規則は即日発効し、10月2日まで有効。英金融サービス機構(FSA)も18日に、同様の措置を発表していた。SECは17日に、ヘッジファンドに空売りポジションの開示を義務付ける可能性も示唆している。

SECの委員は空売り禁止の期間を10月2日以降まで延長することができる。今回の禁止は緊急措置で、30日を超えて継続することはできないため、暫定的に期限が設定された。

SECが空売りを禁止した銘柄には同社や米銀ワコビア、米S&L(貯蓄・貸付組合)最大手ワシントン・ミューチュアル、ゴールドマン・サックス・グループ、ウォーレン・バフェット氏のバークシャー・ハサウェイなどが含まれる。

アメリカは98年当時の日本の規制より社会主義ですね

しかし、プットオプションと裁定取引の為の空売り、ETFの空売りは規制対象外。大きな抜け穴。

オプション規制は、プットの権利行使、裸コールの売り、カバードコールの原資産外しの3つが不可。プットの買いは可。

しかし、ETFの空売りはうまくいかなかったようです。

空売り規制を機会にもう一度ETFの仕組みを考え直してみる

ETFは対象外

ところがETFは今回の措置の対象外でした。そこで「個別株を空売り出来なくても、ETFを空売りすればよい」という法の抜け穴が出来たわけです。空売りを仕掛けたい投資家にとって、これはラッキーな見落としですね。

ところが実際はETFによる空売りは必ずしも期待通りの成果を上げられない状況になっています。

それは折角ETFが金融株指数をなぞるように設計されていても、実際には空売り規制があるためにETFの値段を指数そのものに近づける作業に支障をきたしてしまったことが影響しています。


ETFはどうやって指数を追いかけるか?

毎日、場が引けた後、ETFは「ポートフォリオ・コンポジション・ファイル(=PCF)」という表を作成します。その表はそのETFの持ち株内訳とほぼ一致します。いま、指定参加者(AP=Authorized Participant)と呼ばれる金融機関(=証券会社などです)はこの表と一致するひと揃えのポートフォリオを指定された信託機関に届けます。これと引き換えにクリエーション・ユニット(=creation unit、通常はそのETF5万株ないしは10万株に相当します)と呼ばれる受益証券を受け取るわけです。

それでは証券会社はなぜそんな面倒なことをしてクリエーション・ユニットを貰いに行くのでしょう?

いま、仮に或るETFがザラ場中に凄く人気になって、そのETFのなぞるべき指数そのものより勢い余ってかなり上昇してしまったと仮定します。その場合、証券会社は「あ、ETFが割高になっているな」とわかった瞬間、そのETFを場で空売りするわけです。そうしておいて今度は指数そのもの、つまりそれは上の説明におけるPCFの持ち株一覧表に他ならないわけですけど、その「現物株」を自社の在庫、ないしは場で買い揃えるわけです。そして場が引けた後でそのセットを持ち込み、代わりにクリエーション・ユニット、つまり5万株ないし10万株単位のETF新株を受け取って、それで受け渡しを完了するというわけです。

上の議論は難しい言葉で言えば、一種の「鞘取り」、英語でいえばアービトラージです。

さて、ここで大事なことはそういう指定参加者による活発な鞘取り(=それはETFが指数を正確になぞってくれるためには無くてはならない営利活動なのですが)を促進するためには、ETFを自由に空売り出来ると同時に現物株も空売り出来る必要があるということです。


現物株の空売りが必要なケース

いま、ETFの場でついている値段が、指数そのものより大幅に低くなってしまったケースを考えてみたいと思います。その場合、指定参加者である証券会社の鞘抜き方法としては割安になりすぎているETFを場で買って、それと同時にPCFの一覧表に出ている銘柄を空売りしてやれば良いわけです。証券会社は場で拾い集めたETFを5万株、ないしは10万株という束にして「これを差し出す代わりに現物を下さい」と言うわけです。そして空売りした分の受け渡しを貰った現物株でつけるというわけです。この場合、場で拾った5万株、10万株単位のETFを束にして持ち込む動作をリダンプション・ユニット(=Redemption unit)と言います。


空売り規制のもたらす問題

さて、ようやく今日の肝心の本題になるわけですけど、今回のように「金融株の空売りは、まかりならぬ」という事が宣告されると上のリダンプション・ユニットを作る作業が出来なくなるのです。

また、ProShares Ultra Short Financials(SKF)の場合、2倍の逆相関の動きを保証する、証券会社が提供するデリバティブの現物ヘッジが出来なくなります。(これはノーツと呼ばれる店頭デリバティブを活用したETFの「変形」ですけど、議論が細かくなるので今日は割愛します。)

そんな、こんなで、空売り規制発表後の上記のETFはどうも値動きが指数から乖離しがちだし、鞘取りが自由にできないこともあってか、出来高的にも期待はずれでした。(一部略)

空売りを防ぐために、ヘッジファンドへの締め付けも強めます。

SEC:ヘッジファンドに金融株取引の報告義務-相場操縦の調査強化(9/19)

米証券取引委員会(SEC)は19日の声明で、ヘッジファンドと証券会社、機関投資家に対して宣誓の上、金融株の取引状況の開示を義務付けることを明らかにした。SECは金融株の相場操縦で調査を強化する方針。

SECによると、金融機関の証券やクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)で相当額の取引を行っている投資家はポジションを開示するとともに、他の情報を提供する必要がある。SECのスポークスマン、ジョン・ネスター氏はこうした要求をだれが受けることになるかコメントしていない。

ドッド上院銀行委員長や米証券大手モルガン・スタンレーのマック最高経営責任者(CEO)などはトレーダーが間違った情報を流し、企業を攻撃するために不正な戦術を用いている可能性があると指摘している。

今日の、お前が言うな、でした。

NY時間18日午後から空売り規制やヘッジファンド監視、現代版RTC(不良債権買取機構)の噂が出てきて、NY株式マーケットは大きく反発しました。

米政府、7000億ドルの不良資産買い取り権限求める−議会に提案(9/20)

米政府は20日、米金融機関から7000億ドル(約75兆2150億円)の住宅ローン関連の証券など不良資産を買い取る権限を付与するよう米議会に求めた。

同計画はポールソン米財務長官がまとめたもので、国債発行限度を現在の 10兆6150億ドルから11兆3150億ドルに引き上げることも盛り込んでいる。米財務省が新たな権限を行使してから3カ月後に、長官は議会に状況を報告し、それ以降は6カ月ごとの報告が義務付けられる。

不良資産の買い取りは入札方式で実施され、最も低い価格を提示した金融機関が対象となる。

同省による不良資産買い付けは米国内に本拠を置く金融機関に限られ、9月17日以前に発行・組成された証券などに限定される。

9/19頃から、7000億ドルの不良債権買取だけでは金融危機は収束せず、アメリカ政府による強制資本注入でしか解決しないだろう、という意見がマーケット関係者の間で散見されるようになりました。

シューマー米上院議員、RFC型の連邦機関設立を提唱(9/18)

シューマー米上院議員(民主、ニューヨーク州)は18日、金融危機の打開策として、復興金融公社(RFC)型の連邦政府機関の設立を提唱した。

RFCは大恐慌時代に設立された機関で、シューマー議員は「経営が悪化した金融機関の株式を取得する形で資本を注入する」ことを想定している。

金融機関に対する資本注入は、金融機関が「裁判所によるローンの条件変更」を認め、「破産裁判所の仲介による居住用住宅のローン借り換え促進」を受け入れることを条件とする。

同議員は、RFC型の政府機関を設立すれば、官民で協力して住宅ローンの条件変更を促し、金融危機の根本原因である住宅ローンの延滞と住宅の差し押さえを減らすことができると主張。

「金融機関から不良資産を取得する整理信託公社(RTC)型の機関では、米政府に過度なリスクが移転するだけで、住宅所有者の問題には対処できない」と指摘した。

関係筋によると、ポールソン財務長官は18日、RTC型の不良債権処理機関の設立構想を複数の議員に示している。

RTC構想受け株価反発、米銀資本不足の解消には機能せず(9/19)

RTCには金融不安の核心部分である米金融機関の資本不足を埋める機能がない。公的資金を資本注入に使うと米当局が決断するまで、米金融不安は収束しないとの見方がマーケットに出ている。

米金融情勢の動向に詳しい東海東京証券・チーフエコノミストの斎藤満氏は「RTCを設立して、不良資産を本体から切り離しても、米金融機関の資本不足を穴埋めする機能はない」と説明する。その上で「もし、米金融機関の資本が不足状態であるなら、資本を埋める対応が不可欠だ。世界中を見回しても民間資本での注入が難しいなら、公的資金の注入が決断される時期がくるのではないか」とみている。

公的資金による資本注入に関連し、新光証券・エクイティストラテジストの瀬川剛氏は、RTC構想は金融不安の対応策として一歩前進としながらも、「資本の問題に取り組むなら1930年代の大恐慌時代に米国が設立した復興金融公社(RFC)が必要だろう。優先株を引き受ける形で直接資本を注入することが最終的には求められる」と述べている。

また、RTC構想が米議会の承認を得ることができるのか、不透明な部分もかなり残されている。大規模なドルの供給策が米欧日の中央銀行から18日に発表され、ドルの短期金利は低下傾向を示しているものの、「平常には全く戻っていない」(邦銀関係者)のが実態だ。「突き詰めれば、欧米金融機関の資本不足への懸念が解消されていないことに行き着く」(同関係者)との指摘がある。

不良債権買取の仕組み

金融機関にとってみると、この入札には、当然ながら売却による損失に自らが耐えられる金額でしか応札できない。従って、この値段は結局資本の制約で決まることになる。入札によるから一見、市場原理で公平に値段が決まるのかと思いきや、さにあらず。この値段は、証券化商品の裏付け資産の時価によって決まるのではなく、その証券化商品を持つ金融機関が耐えられる損失の上限(=資本の余裕)によって決まるのだ。追加で調達する等、資本的に余裕がある所は、より安値を出してより多く売って損を確定できるだろうし、そうで無いところは、安値を出せないがゆえに、資産が売れず、苦しむことになる。

(略)

僕には75兆円の絶対額の多寡は断言できないが、この仕組みの根源的な狙いは、その様なメカニズムを金融機関に呈示することで、それぞれの金融機関に自力での資本調達をインセンティブ付けすることにあると思われる。このメカニズムは、政府が、「最も体力のある金融機関が出せる損失以上には不良債権価格は落ちません」と呈示するのと同等だから、それぞれの金融機関の今すべきことは、とにかく最も多くの資本をかき集めることになる。僕は、直感的には、75兆円は十分ではなく、一部の金融機関は売り切れずに減損を出し、その資本不足を政府が公的資金で最終的に埋めることになると読んでいるが、そこに至る過程で、各金融機関をして資本調達に奔走させておけば、投入すべき資本額は極小化させられるのである。

アメリカの金融制度はどこから来てどこへ行くのか

1932年、議会とフーバー大統領は、銀行の危機的な情勢に対応し、ついに行動を起こしました。RFC(復興金融金庫)を設立し、危機的な状況に対応するため、銀行への流動性を提供して資金繰り難を緩和し、取り付けを沈静化させるのが目的でした。しかし、当時の実質国内総生産比で約一・五%にあたる10億ドル近い資金供給があったものの、金融危機は終わりませんでした。無論、改善はしましたが。

1933年、RFCの貸し付けが問題になりました。議会では、その貸し付けが政治的影響下にあるのではないかという批判がなされ、RFCは自らが貸し出している銀行の名前を公表しはじめたんです。

結果は最悪でした。なぜなら、それは黙示録の角笛だったからです。RFCから借り入れをしている銀行は危険な状態だとアメリカ中に大声で触れ回るようなものでした。同じような間違いをちょっと前にしてたのに、ここでも同じ間違いを繰り返したわけです。

結果として、取り付け騒ぎが起こり、RFCから借り入れを極度に銀行は嫌がるようになり、最後の貸し手、あるいは流動性供給の最後の手段であったはずのRFCは機能不全に追い込まれたんです。(なんか最近のどっかの国の流れと似てますね)

(略)

ルーズベルト政権は、第一の目的として、銀行への信頼を回復させることを目標としました。これは、緊急銀行法によって達成されました。これは、1933年の政権発足後、わずか5日後にルーズベルトが署名して法律となりました。

この法律の中で、最も重要な点はRFCが銀行の優先株を購入することが認められたことです。最終的に、その後の7年間でRFCは11億ドル相当の自己資本を銀行に供給しました。

(略)

フーバー政権の下では、10億ドルの流動性が銀行に供給されました。これで銀行の資金繰りは助かりますが、銀行にとっては負債が増えるだけのことで、財務体質はむしろ劣化します。そのため、預金者は一層、銀行から預金を引き出そうとし、銀行間の疑心暗鬼は解消されません。そのため、金融危機は終息しないわけです。(これは現在の金融危機に際しても極めて多くの教訓を含んでいます)

しかし、RFCによる優先株の購入は、即座に銀行の自己資本を増やし、財務体質を強化します。その結果、銀行のバランスシートは劇的に健全になるので、預金者は、銀行に対する信頼を回復するわけです。

また、銀行間の疑心暗鬼も取りのぞかれます。そうすれば、銀行間の融資が復活し、取り付け騒ぎがいくつか起こっても、銀行同士の短期融資で支え合うことが可能になります。金融システムは再び回り始めます。デフレへの連鎖は、ここで終わるわけです。

ここが肝で、大恐慌において、流動性供給が失敗し、優先株方式が成功した理由です。

RTCは税金を使って金融機関を救う法案ですから議会からかなりの制約を受ける可能性があり、たとえ法案が通ったとしても実効性に疑問が生じるかもしれません。また、9/23頃から破綻した金融機関にFBIの捜査が入ったため、金融機関幹部は自分の身の安全を考えRTCを利用するのに躊躇するかもしれません。日本では金融不安が生じた95年頃に同様の法案ができましたが、自発的に使う金融機関は少なく、97年の金融危機まで時間を浪費しました。アメリカでも同様でしょう。政府による強制がないと動かないと思われます。

また、日本で金融危機を脱したのは政府による強制的な資本注入であり、それは世界大恐慌の時のアメリカで1932年2月設立の復興金融公社RFC(ReconstructionFinanceCorporation)が1933年3月から銀行発行優先株を買入れたことと同じです。よって、今回の金融危機も現代版RFCによる資本注入まで解消しないことになります。ちなみにRFCは1932年にフーバー大統領によって設立されましたが、1933年3月4日に大統領に就任したルーズベルトが就任後5日の3月9日にRFCによる優先株買い入れ法案(緊急銀行法・緊急銀行救済法)に署名・議会成立するまでは、RFCは危機に有効ではありませんでした。最終的にRFCにはGDP比4.4%の資金が使用されました。これを現在の米の実質GDP1200兆円に当てはめると、約60兆円の資本注入が必要だということになります。

しかし、現在の状況では政治的にはRFC設立は不可能です。より大きな危機、つまり、リーマンよりさらに有力な金融機関の破綻がないとアメリカ議会は動きません。また、その際には、ウォールストリートのインナーであるポールソンの主導ではアメリカ議会は動かないと思われます。なぜなら、ポールソンの保有する株式資産はゴールドマンサックスの株価と連動しており、8億ドル(2007年1月)の資産が現在5億ドルまで減少しているからです。

よって、次期政権成立の来年1月半ばになるまでは金融危機は解決しないと推測できます。(9/25記)

参考

RFC(復興金融公社)のみが金融危機の解決策」9/25エントリー参照のこと

日本の金融危機に関する1998年10月記事

『急がれる早期健全化スキームの実効性確保』(PDF注意)

http://日本総研.jp/thinktank/research/category/policy/1998/f19981019rfc.pdf

世界大恐慌の時の米国の政策(PDF注意)

経済史2(経済史 B)平成 17 年度京都大学経済学部講義(担当:坂出健)PDF注意

ウォール街の大物の株式資産


投資銀行がアメリカから消えます

ゴールドマンとモルガン・スタンレーが従来型の銀行持ち株会社に(9/21)

証券売買とアドバイザー業務を手掛ける独立系証券会社は、預金と貸し付けを行う昔ながらの銀行と比べると規制が少なく、長い間ウォール街の代名詞だったが、今回のFRBの動きにより、消滅することになった。ウォール街で最も権威ある2社は、国の銀行監督当局の厳重な管理下に置かれ、新たな資本規制とさらなる監督を受け、その収益性も従来より大幅に低下することになる。

ゴールドマンとモルガン・スタンレーは、米証券取引委員会(SEC)だけでなく、今や数々の連邦機関による、一層厳しい監視にも直面することになる。FRBが親会社を、通貨監督庁(OCC)が全国銀行免許をそれぞれ監督する。また、両社がより大量の預金を求める見込みであることから、米連邦預金保険公社(FDIC)の役割が大きくなる見通しだ。

ここ数日間でFRB高官らの目には、現在の市場では投資銀行モデルが機能しないことがより明白になっていた。証券会社は、資金を調達する上で短期金融市場に依存しているが、リーマンの経営破たんを受けてこれが一層困難になった。モルガン・スタンレーとゴールドマンは、銀行持ち株会社になれば、より安定的な資金調達源とみられる顧客の預金を取り込むことができる。

GSとモルスタが銀行持ち株会社に、投資銀行モデル終えん

GSの発表によると、現在の中核的自己資本(Tier1)比率は11.6%。しかし、市場から割安の資金を得られなくなりつつあるとの指摘もある。「ファンディング(資金調達)の根源的手段は、自分自身で預金をかき集めることだ」と、別の邦銀幹部は説明する。

もう1つの仮説も、東京市場の中でささらかれている。米銀の動向に詳しいある市場関係者は、今回の2つの投資銀の業態変更とも言える銀行持ち株会社への移行の先に、自己資本への公的資金注入というスケジュールが見え隠れすると話す。その市場関係者は、この先に米銀への公的資金注入というイベントがあると指摘する。その際に自己資本への公的資金注入を受けられるのは「金融システムに連結した銀行に限るということになる可能性がある。その時に備え、銀行になったと言う理屈が成り立つ」と述べる。

アメリカ版マーチャントバンクの終了ですね。規制によりアメリカ全体の収益性の低下が見込まれます。

次の問題点は同じ資金調達手段をもつファンド勢です。ブラックストーン・グループカーライル・グループ、コールバーグ・ クラビス・ロバーツ(KKR)の3大ファンドのどれかは近いうちに解散するでしょう


野村が破綻したリーマンのアジア部門、欧州部門を買収。三菱UFJがモルガンスタンレーに20%の出資。

三菱UFJ、モルガンに20%出資 最大9000億円(9/22)

三菱UFJフィナンシャル・グループは22日、米証券大手モルガン・スタンレーの第三者割当増資に応じ、最大20%出資すると発表した。出資額は9000億円規模と、海外金融機関を対象にしたM&A(合併・買収)では過去最大となる見通し。

三菱UFJの出資比率は10―20%で今後協議し、1―2カ月後をめどに確定させる方針。約15%の出資で筆頭株主。20%出資すればモルガン・スタンレーは三菱UFJの持ち分法適用会社になる。モルガン・スタンレーに取締役を少なくともひとり派遣する。

2種類の意見がある。

一つは、三菱UFJのモルスタ出資は奉加帳で経営権は取れないから否定的だが、野村のリーマンアジア部門買収は経営権をとれるから良いという意見。ただし、野村のリーマン欧州部門買収はアジア蔑視の欧州人職員が逃げ出すから否定的意見。(おかねのこねた

もう一つは、三菱UFJのモルスタ出資は良いディールだが、野村のリーマンアジア部門はリーマンのアジアでのプレゼンスの弱さと世界全体ではなく一部門のみの買収は効果が薄いという意見。(踏み上げ太郎

マーケットの反応(NY・ADR)は、三菱UFJが下落、野村が上昇でした。しかし東京マーケットでは、三菱UFJが4.23%上昇、野村が5.24%と大きく上昇しました。


米NY州、CDS市場を一部規制へ(9/22)

米ニューヨーク州は22日、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場(62兆ドル規模)の一部を規制する新たな対策を発表した。発効は来年1月1日としている。

SEC委員長:議会は当局にCDS規制権限を「早急に」付与を−証言(9/23)

コックス米証券取引委員会(SEC)委員長は23日、上院銀行委員会で証言し、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場を規制する権限を当局に付与するよう議会に求めた。CDS取引が世界的な金融危機をあおっていると懸念する声がある。

これでCDS市場は完全に終わりました。今、発表したらまずいのでは?。年末に向けて資金収縮が始まると思います。


週明け22日になって、先週末発表の7000億ドルの不良債権買取政策の高揚感は落ち着き、今度は実現性の確認とその資金源となる財政赤字が注目されるようになりました。その結果ドルが対ユーロで2.1%下落、米国債も下落、それにともなってNY原油期近が高値130.00ドルと前週末比25ドルも上昇、終値120.92ドル(15.7%高)となりました。上昇幅はNYMEXに原油が上場して以来、最大です。理由は売り玉の現物がなかったためと思われます。

Patient money(我慢強いマネー)

NY原油先物市場で歴史的なshort squeezeが起こった。決済期限日となった10月渡しの価格が120ドルへ急騰。日中の高値は130ドルまであった。ところが11月渡しとなると109ドル。高値も110ドル。受け渡しが来年以降の先物価格も軒並み10月渡しを遙かに下回る現象。これは専門用語でbackwardation(バックワデ―ション)と呼ばれるのだが、足元で現物が超不足したときに起こる。一昨日の場合は、市場に先安観が支配する過程で10月渡しにも大量のショート(空売り)が溜まっていたのだが、いよいよ決済期日になって現物の受け渡しを迫られる。ところが空売りとはよく言ったもので現物が手元にあるわけではない。そこで足元みられ、先述の海千山千の連中は知らん顔しつつ、買いを入れて10月限の価格を吊り上げる。売り方はパニックになって買い戻しに走る。これがショート スクイ―ズと言われる現象で、その教科書的な例が一昨日起こった。一部にはこれで商品にマネー再び大量流入とは囃す人たちもいるけど、それは違う。

22日に株価が最も大きく下落した有力金融機関はJP Morgan Chaseの13.28%下落。18日に流動性危機に陥った金融機関があったそうだが、ここか?(不明)。AIG救済は他の有力金融機関が危機になったからではないかという噂。JPM=アメリカであり、今後のチェックポイント。


23日もNYダウは1.47%下落します。


米FRB議長:「大き過ぎて破たんできない」問題、予想以上に深刻(9/23)

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は23日、上院銀行委員会で、保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の救済と、大手金融機関の混乱が引き起こしたシステミックリスクについて以下の通り発言した。

AIGについては、「非常に苦しい決断だった。AIGを救済したのは納税者を保護するためだ」と発言した。

「米国には大き過ぎる金融機関は破たんさせられないという深刻な問題がある。危機が展開するにつれ、この問題は考えていた以上に悪くなっている。この問題に対処するための手法を考えなくてはならない」

いやいや、それを言ったらまずいでしょう。破綻しないのではなくて、破綻させられないって。

だからバーナンキは金融当局者としては無能なんです。

FBI、リーマンやAIGなど捜査 経営陣に詐欺の疑い(9/23)

米メディアは23日、米連邦捜査局(FBI)が破綻した証券大手リーマン・ブラザーズなど、経営危機に陥った金融機関4社の捜査に入ったと報じた。政府の管理下に入った保険最大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)、政府系住宅金融会社の連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)、連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)が対象。

当局者によると、捜査は初期の段階だが、会社と経営陣に詐欺の疑いが浮上しているという。FBIは発表していない。リーマンを除く3社は公的資金で救済されただけに、当局が世論に配慮し、不正行為の摘発や経営責任の明確化に動いた可能性がある。

米メディアによると、FBIは今年7月に破綻した地銀大手インディマック・バンコープにも既に捜査に入っている。AP通信は当局者の話として、FBIが捜査中の金融機関は26に達したと伝えた。

ちょっとタイミングが早すぎ。これでは怖くて金融機関は政府に頼ることができなくなります。

ゴールドマン、75億ドル増資 バフェット氏投資会社50億ドル支援(9/23)

米証券大手ゴールドマン・サックスは23日、総額75億ドルの増資を実施すると発表した。米著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社、バークシャー・ハザウェイが優先株50億ドル分を引き受け、残りの25億ドルは公募増資で普通株を発行する。バフェット氏側は優先株とは別に、50億ドル相当の普通株購入権も取得する。

ウォーレン・バフェットのバークシャー・ハサウェイがゴールドマン・サックスに出資(9/23)

バークシャーはゴールドマンの発行する配当利回り10%の永久優先株を購入します。この永久優先株はゴールドマン側に資金の余裕が出来たら、10%のプレミアムで買い戻してよいという条項が付いています。さらにこの永久優先株にはバークシャーが今日の引け値より8%低い$133.20で50億ドル分のゴールドマンの普通株を買えるワラントが付いています。

米ゴールドマン:100億ドル増資、バフェット氏と市場から調達(9/24)

米証券大手ゴールドマン・サックス・グループは、公募増資で50億ドル(約5280億円)を調達した。調達額は当初計画の2倍。同社は資産家ウォーレン・バフェット氏からも50億ドルの出資を得た。

ゴールドマンは24日、普通株4065万株を1株当たり123ドルで売却したと発表した。23日の終値(125.05ドル)に比べ1.6%の割引価格となる。新株の全額を自社で引き受けた同社は、さらに610万株を売却するオプションを有する。

バークシャーは、ゴールドマンの永久優先株を購入する。優先株の固定配当率は10%。バークシャーは5年以内にゴールドマンの普通株50億ドル相当を1株当たり115ドルで購入できる権利も得る。

この報道の後のNY時間23日(水)夜のNYダウ時間外取引は上昇しました。



金融安定化法案からの金融危機いろいろ」に続きます。

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