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2008-06-22 日本のインターネットの悪ガキ、西村博之に会う(試訳版)

※WIRED VISIONにしびれを切らしたので勝手に翻訳します。元記事:http://www.wired.com/techbiz/people/magazine/16-06/mf_hiroyuki?currentPage=all

※元記事はウェブページごとの機械翻訳が出来ないようにしているようです。よって、当事者の方達に怒られたら削除するかもしれません。追記:ただし、私は空気を読まないのでごねるかも知れません。WiredNewsを勝手に翻訳したサイトは記事を削除していないようですし。例1:http://blog.livedoor.jp/fairypot/archives/50961003.html 例2:http://mkt5126.seesaa.net/article/97846922.html

※正確な訳の責任は請け負いかねます。ごめんね。カーチャン翻訳下手でごめんね。訳者の実力は昔取った英検3級未満だと思って下さい。日本語力もないからごめんね。

※記事中の太字装飾/YouTubeの動画とその解説/記事へのユーザーコメントなどはあまり意味がないと思い、訳していません(元記事をご覧下さい)。あと、記事が長すぎです。かなり時間がかかった。

※「ねとらぼ:米WIREDに「やる夫」の特大AA掲載 ひろゆき氏インタビューも - ITmedia News」へトラックバックhttp://www.itmedia.co.jp/news/articles/0805/21/news101.html

※さらに追記を修正:皆様のご意見について対応させていただきました。http://d.hatena.ne.jp/bin3336/20080623をご覧下さい。


2008年5月19日 By Lisa Katayama




 私は西村博之のために変りばえのない白い会議室に座って待っている。日本は3時17分着の列車が毎日3時17分に到着する国だ-3時16分でも3時18分でもない-そして、西村は45分遅れている。我々のインタビューを丹念に調整したPRアシスタント、髪の毛の後退した鼠色のスーツの典型的なサラリーマン氏は、ますます居心地が悪くなっているようだ。


 「今日は他に2つ打ち合わせがあったので遅れました。」とようやくやってきて西村は言う。それが、彼がベルクロサンダルを引きずり歩きながら部屋を横断して伝えた謝罪らしきものである。彼は少し鼻声の東京弁で、ビジネス上ではまずありえない、形式ばらない語法で話す。「朝起きられないし、時間通りに場所に着けないんですよ。いつも自分が人間として十分なのか不思議に思います。真剣に。」


 日本では、取り囲んで名刺交換をするという独特の儀式がある。わずかにおじぎをしている間に両手で自分の名刺を差し出すのが通例で、それから数秒の間、他の人の名刺をよく調べてからしまう。西村はカーゴ・パンツのポケットを手探りし、そっけない頷きと共に私の名詞を受け取って、自分の名詞を私の顔面に突き出す。


 日本のオフィス文化のステロタイプ-堅苦しく、儀礼的で、階層的-が、この国のほとんどではいまだにノルマになっている。西村はそれらのどの規則も遵守しない。それにもかかわらず、あるいは多分そのために、あごヒゲを生やしたやる気のない31歳が、日本のWeb界で最も影響力のある人物になった。


 我々はニコニコ動画(Smiley Smiley Video)と呼ばれるWebビデオサイトを運営する会社、ドワンゴの本部のある東京都心部にいる。ニコ動の愛称で知られるそれは、ちょうど一年で滞在時間が日本で5番目に大きくなり、ユーザーは一ヶ月に1200万時間以上をそのサイトに費やしている。ドワンゴはその成功の多くを西村の協力に負う。


 彼の「売り出し方」は控えめに言っても慣例に従っていない。「ニコニコ動画は完全な浪費です。」と彼は笑顔で言う。「もし、グーグルがなければトラブルでしょうが、ニコニコ動画がなくても死なないでしょう。しかし、浪費は日本では文化です;どのように我々が一つ一つのキャンディーを包装しているか見て下さいよ。」確かに-日本では、中に入っている一個一個が不必要に包装されたグミのパックを買うことになる。


 西村は全てのその包装を切り崩すツールを彼の同国人に与えている。彼は、1999年に自分で作成した掲示板サービスである2ちゃんねると共に動き出した。それは、日本の人々が体裁や礼儀作法と関係なしに正確に感じたことを言える数少ない場のひとつである。


 現在、ニコ動コミュニティ2ちゃんねるスタイルをWebビデオにもたらした。ニコニコ動画によって、幾多のアップロードされたビデオの重要な部分に対してユーザーが直接コメントで賛辞を浴びせるようになった。たまにポストが多すぎて、クリップが不明瞭になる。「ビデオが退屈なときでも、閲覧者はお互い一緒に楽しんでいますね。」西村は言う。


 「ひろゆきについて行けば解決している。実際、クソを与えられるのではなく、全く彼の言う通りなのだから。(訳注:自信なし。原文:Hiroyuki's figuring it out as he goes along, not really giving a shit, but he hit the nail on the head,)」と、クリエイティブ・コモンズCEOで、東京を本拠とするベンチャーキャピタリスト伊藤穣一は言う。「日本は不幸な文化だ。人々は孤独でふさぎ込んでいる。そして、インターネットはリリースバルブだ。」


 2ちゃんねるニコ動のオンラインコミュニティに対して、西村は民衆の英雄であり、ロールモデルである。(日本では、彼は単にファーストネームで呼ばれており、トップ層のポップスターやTVに映るあこがれの的へのみの特別な名誉を与えられている。) そして、「オーバーワークによる死」のための言葉を実際に持っている国においては、自身がたくさん働きもせずに成功と名声を達成しているという点で、西村が苦痛を取り除くのだ。彼はまさにぐうたらする方法をある国に見せるためのなまけ者なのだ。2007年の彼の本『2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?』において彼はこう書いている:「もし、サイトを運営するために毎朝9時に起きてスーツを着て、ゲームを遊べる時間を持てないなら、多分やめます。」


 「小学校のときにプログラムは独学しました。」西村は言う。「その後いくつか雑務を経て、今ここにいます。」彼は、会議室でジェスチャーし、自身のヒマな人生と成功への易しい道のりについて謝るように大げさな韜晦と共に頭を下げた。西村は知をクラックしている;彼は、自分のばかげたウェブサイトについてアメリカから海を渡ってインタビューしにきたジャーナリストのアホらしさについて考えている。2ちゃんねらの用語で言えば、私は「kuki yomenai」-「空気が読めない」人、冗談の分からない人間なのだ。(訳注:自信なし。原文:who isn't in on the joke.)


 西村は2ちゃんねるの重要性を軽く見ている。彼は9年前、アーカンソー中央大学交換留学生として簡単な掲示板システムを作った。「ヒマでした。」彼は言う。「暇つぶしのために作りました。」そのサイトは、その時、米国の一般的なBBSのセットアップと似たようなもので-技術的に注目すべきものは何もなかった。それは全く、タイムトラベルしてMosaicの時代に戻ったようなナビゲートなのである:ブルーのハイパーテキストリンクとバナー広告によって強調されたテキストとレンガの背景パターンのページなのだ!


 2ちゃんねるにおけるイノベーティブはオープン性である。西村は空気を読み、日本が必要としていた束縛のない表現のためのはけ口を実現した。2ちゃんねるでは、誰もがスレ立てと投稿が出来る-登録もログインもハンドルもいらない。検閲なし、フィルターなし、年齢確認なし、一つのスレを宣伝したり、別にコメントオーバーさせるための投票システムもない。(訳注:自信なし。原文:no voting systems that boost one thread or comment over another.) 「おいらは自由なスペースは作りましたが、何をするかは人々次第でした。(訳注:自信なし。原文:and what people did with it was up to them)」彼は言う。「どのメジャーな企業もそのような何かを提供していなかったので、自分でやる必要がありました。」


 お互いに働くための日々を無言で過ごしてきた日本の人々は、突然、話すべきたくさんのことを持っているのに気づいた。彼らは怒ることが出来、叱ることが出来、不満を言うことが出来、侮辱することが出来、意見を述べることが出来、自由につるむことが出来、あちこちでジョークを飛ばすことが出来、そしてお互いに完全匿名集団として自身のエンターテイメントの才能を大いに楽しむことが出来た。


 この醜悪で無法なサイトは一ヶ月あたり約5億のページビューを誇り、西村は約300人のボランティア管理者の助けを借りて運営している。「2ちゃんねるで金をもらっているのはおいらだけです。」彼は言う。「まあ、鯖代はおいらが払っているのでしょうが。」大体が広告収益で、1年に1億円-約100万ドル-を稼ぐ。「しかし、駅前でコンビニを開く幾人かの人達と全く違うとは思いません。」と彼はそっけなく言う。「彼らは一日100万(円)稼いでますよ。」


 西村は最近のニュース記事の2ちゃんねるスレでケラケラ笑っている。「61歳の妻に竹刀で死ぬまで叩かれて殺されたこの66歳の男性がいました。」彼は言う。「これは、竹刀のクラシックさとインターネットモダンさのコントラストを楽しむ類のものです。投稿者はこのように書いています。じいちゃんは多分、ケツを気にしながら痛みの中にいた。」


 陰険さ、生意気なユーモア、いかがわしい味わい-2ちゃんねるの投稿はしばしばサイト上で発見するであろう恐ろしい何かのような口調の種類を持っている。(訳注:自信なし。原文:2channel posts often have the sort of tone you'd find on a site like Something Awful.) それはまたふざけた調子でもある:ファーストフードチェーンのロッテリアは新しい風味のミルクシェイクに投票するよう、客にお願いしていたオンライン投票所を持っていたが、2ちゃんねらはキムチ-発酵したキャベツ風味を投票箱に詰め込んだ。(ロッテリアは忠実にもそのひどい調合物を販売した)


 しかし、2ちゃんねるギークだけのものではない。確かに、プログラマPHPRuby on Railsを議論するスレや、最新の漫画やアニメを議論するスレがある。しかしまた、セックス、政治、スポーツやバイクのスレもある。ヒマな主婦がセレブのゴシップに花を咲かせる。先生と生徒は学校用のスレで、同輩と議論する。


 2ちゃんねらは自身のジャーゴンと簡略表現を発達させた。「kuki yomenai」と黙らせ、空気を読めない人の話の筋のなさを除去する。(訳注:自信なし。原文:There's that put-down kuki yomenai, a dismissal of the clueless who can't read the air.) そして、乱暴に訳すと「俺はお前であることを知ってるが、俺は何なんだ?(訳注:自信なし。ほとんどの人が同じ名無しさんになっていることを言っているのか?原文:I know you are, but what am I?) 」という即レス、キャッチフレーズ「オマエモナー」がある。「オマエモナー」はまた、2ちゃんねらがよく投稿するネコのようなキャラクターの名前でもある:(訳注:この文の左側にモナーAAがあります)


 2ちゃんねるはテキストオンリーではあるとは言え、ユーザーはASCII文字による絵画を芸術形式まで高めることによってその制限を回避し、しばしば顔文字より風刺漫画に近い精巧なイラストをタイプした。


 西村の原始的な掲示板はホットなブランドとなった。本の厚さもある投稿コレクションはベストセラーになった。そして、漫画になり、テレビ番組になり、映画になった。面白いスレを強調してコピペする専門の人気ブログもある。アニメ、禁止行為、NSFW(訳注:「職場ではちょっと・・・(not safe for work)」の意らしい)なもの全てが専門の米国本拠地のサイト、4chanは、いくつかある外国の2ちゃんねるの模倣者である。「その奇天烈さはインターネットを支配している」と、伊藤は言う。


 私は、西村が2ちゃんねるで見つけたニコニコ動画のビデオを見ている。リッチとは言えない身なりのかわいい女の子がベッドルームにカメラをセッティングして踊ったのを写している。突然、ビデオを横切ってスクロールするコメントの弾幕が始まる。「かわいい!」「最低 最低 最低 最低」「デブ」「俺の彼女よりかわいい」「この国で何が起こりますか?」「1:15におまえがワキ毛が見れたことを俺は信じてもいいのか?」


 多くの点で、ニコニコ動画はWebビデオポータルのスタンダードだ。ユニークな点は、閲覧者が幾多のクリップの重要な部分に、あたかも即興でメッセージをタイプしているようなテキストを簡単に挿入できる、特別なインタラクティブレイヤーを持ったFlashベースのビデオファイルであり、それは誰がいつビデオ再生してもそれらのコメントが流れる点である。YouTubeがTRL(訳注:MTVの番組のことか?)に出会ったと考えてみて欲しい。


 想像可能な、いかなる種類のクリップもニコ動の洗礼を受ける。日本のイルカ漁についての英国のニュース記事には、大量殺戮は恥だとするいくつかのコメントがついている;擁護側は、食べるために他の動物を殺すのと何も違いはないと言っている。最新のWebミームをリフ(訳注:おそらく音楽用語のリフ(楽節の切れ目のソロでやる反復的な即興演奏)の意味)するアマチュアビデオは、熱狂的な賞賛と編集テクニックの批判を同時に浴びる。


 米国のホームコメディの番組は完璧に翻訳されて、まさに放映した数時間後に注釈の準備が出来ており、そして日曜朝のアニメプログラムには午後までに数千のコメントがつく。多くの点で、ニコニコ動画はTVと二者択一出来るものではない。-実況のレイヤーを加えたからといって、TVよりすばらしいものになるというわけではないのだ。


 2ちゃんねる無礼講さと乱闘の感性を古風なBBSから本格的なWeb2.0アプリケーションへ移植する機会が、モバイルアプリケーションを開発するドワンゴCEO 川上量生に訪れた時、ニコ動は始まった。


 従業員約500人の株式会社であるドワンゴは、すでに西村と関係を持っていた。ドワンゴ2ちゃんねるに広告を出し、西村のBBSで西村がポピュラーなキャッチフレーズを暗唱する着メロさえ売った。2005年、ドワンゴニワンゴと呼ばれる子会社を作った時には、その子会社を日本で最も悪名高きBBSとさらにリンクした名前にした:「ニ」が「西村」の最初の音節であり、また日本語で2を表す言葉だ-「ni channeru」、つまり、2ちゃんねるのように。ニコ動ニワンゴフラグシップ・サービスである。


 西村は2ちゃんねるを独立して運営し続けているが、ニコ動の開発とプロモートの手伝いのためにドワンゴ本社に週2、3日姿を見せる。「ひろゆきは我々の会社のスティーブ・ジョブズです。」と、ニワンゴ取締役の溝口浩二は言う。「彼はアイディアマンですが、それを具体的に活かす仕事と関連性がありませんでした。」


 ニコ動のローンチは2007年1月だった。現在は600万人の登録ユーザーを持ち、130万人が携帯用のバージョンで閲覧している。ニコ動は一ヶ月に約10億回のページビュー-2ちゃんねるの倍-を誇っており、日本全体の使用帯域幅の8%を占めているとドワンゴ見積もっている。


 ニコニコ動画は日本語のトラフィックにおいてもまだYouTubeに遅れをとっているが、厄介さは二倍である-ファン達はいつも、自分達が好きなクリップがいかに他のサイトに恵みを与えてきたかをさかのぼって調べるのだ。幾人かのユーザーは、対話や音楽にタイミングを合わせて、コール&レスポンス感覚で創作したコメントをする。彼らは精密なASCIIアニメーションで画面を満たすためにスクロールスピードを予測する方法の算出さえしていた。


 川上はニコ動が日本において、欧米の概念を単にローカライズリバースエンジニアリングしたものではないサイトの、僅かな成功例の一つであると指摘する。それより前の2ちゃんねるのように、ニコ動は他の国が全く持たない文化的なカユみをぼりぼり掻くように見える。「アメリカの映画館では、エキサイトした時、誰もが大声で笑います。」と、ニワンゴの別の取締役である木野瀬友人は言う。「日本では絶対見られない光景です-もし、あなたが音を出したら多分パンチされます。しかし、一つ一つのシートのすぐそばに画面上に現れるコメントを打てるキーボードがあったならば、人々は狂ったようにタイプするでしょうね。」


 ニコ動で閲覧可能な100万以上のビデオのひとつが、西村自身についてのTVニュースのクリップだ。その動画は、2ちゃんねるでいくつかの名誉毀損を受けた女性、エイコ(訳注:A子?)のナレーターによる紹介と共に始まる。彼女は、自分に対するいかなるコメントも削除するようにと要求したが、彼女が個々の違反投稿を識別しない限り、難しいと告げられていた。


 「このサイトの責任者は正常な社会では非情に無責任な人間であると考えることが出来ると思います。」と、エイコはクリップの中で言う。「私は自分の知らない場所で中傷され続けます。このオンライン社会はとても不条理でつらいです。」あたかも、彼女は暴力的な犯罪の被害者のように見える:彼女のアイデンティティを保護するために音声は変更されており、我々が画面上で見る全ては、膝で包まれた彼女の手の、胸がしめつけられるようなショットだ。


 ひとりのニコ動の閲覧者が女性が話すように「これは怖い!」と投稿する。ほとんどのコメンテーターは寛大ではない:「お前が広めた、お前のネット社会がそれなんだよ。」「時間と共に人々の記憶は薄まる。あなたは非情に悩まされ続けている。」「お前の過ちは、書かれるほどバカな何かなのだ。」


 そのテレビ放送の西村へのカットになり、不吉な音楽が流れ出す。この男は、一日数千件ある彼のサイトへの投稿に対して審査することを拒絶した、とナレーターは低い声で説明する。「彼らは2ちゃんねるは間違っていると言うけれど、実際は2ちゃんねるが被害者だとおいらは思います。」西村はカメラに向かって言う。苛立ちを隠そうともせずに彼は続ける:「インターネットでコミュニケートするときには、このような何かが起こることを覚悟しなければなりません。」


 ニコ動でそのビデオクリップを流すので、コメンテーターは熱狂の渦だ:「あまりの正しさに言葉が出ない」「ひろゆき愛してる!」「若いな!」「鼻でけえな」


 オンラインの彼のファンは彼を崇拝するだろうが、2ちゃんねるはますます論争的な存在になっている。ストーキング事件や多分、2ちゃんねるで計画された集団自殺の契約が存在している。(ニコニコ動画はより管理されている。ユーザーはログインしなければいけないし、6ページにも上る契約事項があり、ドワンゴは分解通知にも応じている。(訳注:自信なし。削除要請か?原文:Dwango responds to takedown notices.)) クレームと名誉棄損の訴訟への西村の冷淡な反応は、多分、助けにならない。「よく法廷に行きましたよ。」彼は言う。「それで、ある日寝過ごしました。そして何も起こりませんでした。 それで、行くのをやめました。」


 西村は約50の訴訟に負けて数百万ドルの罰金を借金しており、それを払う意思が全くない。「もし、評決で削除要請が出れば、削除するでしょうね。」彼は言う。「ただ、金の要求には応じてきませんでした。誰かが脅しの電話を受けたら、携帯キャリアの責任だと感じますか?」


 日本は、ちょうど、十年前からアメリカを騒然とさせているオンラインの言論の自由についての論争をしているところだが、違う結論に達するようだ。政府パネリスト達は、最近、「広く読まれ、影響力のあるニュース関連のサイトは新聞や放送と同じ方法で取締る」という取締りをスタートさせることを提案した。この動きは2ちゃんねるの非道な行為がトリガーとなっていると多分に思う。


 西村は政府の取締りに対する期待をヘラヘラ笑っている。「我々の議員はそんなバカではありませんよ。」彼は言う。「加えて言えば、2ちゃんねるの鯖はサンフランシスコにあります。」


 彼は、東京スカイラインで10番目のフロアウィンドウの外を見ている。沈む太陽は高層建築を跳ね返っている。西村はすでに次の打ち合わせに遅れているが、気にしてないようだ。オフィスでの彼の勤勉な一日も終わりに近い。すぐに、彼は新宿のアパートに帰り、映画を見て、ファイナルファンタジーをプレイするだろう。


 例え、2ちゃんねるは愉快に遊ぶことを強制させたとしても、すでに目的をかなえていた:日本のWeb文化を広げることだ。ニコ動では、ホームメイドのビデオによってユーザーの顔がますます露出するだろう。ブログSNSのサイトでは、現在、沢山の若いユーザーが実名を明かしている。より多くのサービスがローンチをUCG(訳注:user-generated content.一応。)に頼っているし、何人かはニコ動こそががまさに日本のWeb2.0ブームの始まりであると言う。


 常に偶像破壊者である西村はその考えを嘲笑する。『2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?』の『明るい未来への誤解を解く』というタイトルの章において、もうWebには大きなイノベーションはないと予言している。彼は自分の成功がまぐれ当りだと信じており、彼を崇拝する若者達に漸減する大きな会社での仕事のうちの1つを得るべくトライし続けているように、と励ます。「誰もが書いていますが、スタートアップに加わるか、独力で仕事を始めるべきです。」と、彼は言う。彼は、とても無知だったり、とても「kuki yomenai」ような、そのために被害にあうような誰に対しても耐えうる忍耐を持っていない。「彼らはとてもアホです。実際、インターネットの読み物を信じるくらいに。」