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貧乏卿日誌

2012-02-18

2月15日・水曜

13:43 |

一日薄雲り。其の割にはかなり暖かかった。午後出社。こうなれば覚悟を決めて自棄になって貧乏学院のチラシを方方の家に放りこむことにした。二時間ほど滅多矢鱈に歩き廻ったが、やはり呑気な散歩や山歩きや梯子酒よりは相当に疲れる。疲れた序でに立って少しだけ飲んで帰った。

2月14日・火曜

13:43 |

此処の所無かった夢の大地震が久久に起きる。今朝は職場が舞台で我先と慌てて飛び出したら、出入り口のブロック塀が壊れて来てあと少しで下敷きになる所であった。震災下の飛び出しは良くないと肝に命ず。

一日曇り又は小雨。雪でも降って来そうなお天気となる。火曜不出社。復興宝くじが売り出される。復興くじは過去数回は売り出されたが何れも売れ残って仕舞ったという。そこで一等前後賞合わせて5億円にして大大的に売り始めた。全部売れれば数十億円が被災地に送られると云う。亦震度3、4程度の地震はあちこちであった。

2月13日・月曜

13:42 |

御午過ぎの公共放送に他力と下山の思想を唱えている有名作家が出ていた。番組最後に視聴者からの質問に応える所があり、若い世代へのメッセージを求められたが、有名作家は暫し絶句し、絞り出すように出てきた言葉は、御気の毒、と云う物であった。曰く、人生の上昇期と社会のそれが一致した世代は幸運であったと。そうでない世代は、此れから益益厳しいであろうと。実に私も同意見だが、山にしろ坂にしろ緩やかに降りるのは難しい。其れに皆が降りよう降りようとしているのだから謂わば下山のラッシュアワーである。これから登ろうと云う若者を、下山の流れに巻き込んだりして谷底に落っことさない様にしなくてはならないと思った。その為に少し登山道を開けてやるのが年長たる者の務めである。尚二号機の温度計は遂に400度に達した。この段階で滔滔温度計が故障したと云う事になりこの件は一応の決着が付いた。

 午前中は晴れ。午後出社。貧乏学院の更なる転落を避けるべく寒い中チラシを入れて歩いた。二時間も歩くと足腰が疲れて仕舞い、授業をやっていても何だか頭がぼんやりする。授業中は立っているので流石に居眠りは出来ないが一旦座れば夢の中へ直通運転と云う感じであった。此れは丸で苦学生だなと思った。学校出の教える側も一向に生活が良くならない。だから金銭面で苦労しながら教える者を指し示す複合名詞も必要となろう。苦先生や苦教師では在り来りなので、何か良い造語は無いかと思案するも良い語は思い付かず。

退社後は立って飲むようなこともせず、缶詰を肴に樹脂壜入りの輸入焼酎を家で飲んだ。一升で千円也。お茶で割ったら案外行ける味であった。運賃未払いにつき東北急行も当面運休である。

2月12日・日曜

13:42 |

一日晴れ。北風が結構吹いたがその割には比較的暖かく感ず。此れが立春と云うものか。尤も震災以後、日日の気温や節気や電気使用量に矢鱈敏感となっているから、そう感じたのかもしれない。昨日に引き続き大きな外出無し。お金が無い時分は有り難いが、何処からも御声が掛からないと云うのは、それはそれで寂しい物である。

2月11日・土曜

13:41 |

復興庁が発足。しかし期間限定の令外官だからどの程度の権限があるのかは不明。また昨夜首相会見し瓦礫受け入れの拡大を要請した。今の所東京都以外に受け入れが殆ど進んでいないから不人情にも程がある。震災から11カ月たった。昨日づけの死者は1万5848人。行方不明者は3305人。今日も不明者の一斉捜索が各地で行われた。一日曇り。大きな外出は無し。ちなみに復興庁の看板は陸前高田の倒された松から作ったそうである。

2月10日・金曜

13:41 |

福島第一原子力発電所があるなら、当然第二発電所がある。いやしかし、第一原発とは不思議な命名である。福島第一原発は端から第一と云う名前だったのだろうか。益益原子炉を増設する事になり、前からある物を第一にし、後から作った物を第二と称したのか。其れとも当初から第二を作る前提で第一と命名したのだろうか。どちらにしても危険な物をよくも沢山作ったものだと思う。それらの考察はともかく、第二原子力発電所が事故後漸く公開された。津波には襲われたものの、幸い外部からの電気供給が一系統だけ残り、何とか冷温停止に持ち込めたと担当者は語ったそうである。それは丸で紙一重であったと。

 一日晴れ。割と暖かい。午後出社。午前中は調子が悪く何も食べていなかったので何か食べようと思った。商店街を歩くと牛丼が滔滔240円になっていた。貧乏人には有難いが、最近はこういう物ばかりが値下がりするので、低所得者層の方が却って太っているという。今日の貧乏人は麦の代わりに輸入物の油脂食品を食えと云う訳である。太れば病気にもなりやすくなる。貧乏な上に病気になったら大変なので、食べた分の運動をしなければならないと思った。幸い昨日で大方の入試が片付いたので、チラシを撒きに外に出る。久久の現場歩きで懐かしかったが、直ぐに暗くなってしまい近所を一回りして終わる。金曜会出席。

2月9日・木曜

13:40 |

出生率を上げるために若者の就業率を上げて収入を増やせと云う声があるが、どうも物事の後ろ前を取り違えている様な気がする。昔から貧乏子沢山ということはあるが、子沢山で貧乏になったと云う話は聞かない。それに結婚率や出生率を観れば、却って低所得層の方が高いぐらいであろう。大体、求婚にしろ子作りにしろ、まともに考えれば考える程面倒になる。こういうことは後先考えずに行い、その後から色色と予算なり計画なりを思案すると云う類のものである。少子化対策は別の方面から行った方が良い。

 再び冬型になり一日晴れ。私立高校一般入試の前日であるが、今更面接の練習などを行う。何もかも泥縄式以前の問題だが、かといってそうしない訳にも行かず。職業上最低限の職務を果たす。退社後再び月波君現る。序でに才媛の一人乾田さんを呼び出し一時間半ほど飲んで帰った。

2月8日・水曜

13:40 |

滅多に見ない株式欄を眺めていたら除染事業に注目せよとの見出しがあった。政府系の団体から巨額の発注があるので受注企業の成績と株価を注視すべしとのこと。経済の論理からすれば当然の成り行きだが、精精安くて良い所が受注して欲しいものである。

 午後出社。パソコンはようやく復旧す。営業員の訪問や来客多し。事務作業は進まず。退社後、月波君現れる。少し飲んで帰る。金曜会の井満さんが脳血管障害で倒れたとの報あり。幸い軽症との事だが、立ち飲み屋に集まり善後策を協議。見舞いと見舞金の段取りを定める。金参千円を支出佐渡でも地震あり。

2月7日・火曜

13:39 |

昨夜来ずっと雨。吹く筈の南風は滔滔吹かず一日寒いままとなる。拙宅のこの一ヶ月の電気使用量は前年比4割減の420キロワット、1万円余りであった。第一原発2号機で温度上昇。再臨界の可能性なしとの見立てだが、原子力事故も既に人人から忘れ去られつつある。何かあると困るが、ここらで少し何かあった方が却って良いのかもしれない。火曜不出社。

2月6日・月曜

13:39 |

日本海側の大雪も峠を越したそうだが、雪が降るのは仕方の無い事として、中でも困った事になったのが、雪掻きも雪降ろしもされない空き家の存在だと云う。放って置けば倒壊するが、家主が何処に居るのか分からないので対処の仕様が無いとのこと。人口減少は地方から都会に及んでくる。雪の重みで倒壊することは無いが、都内とて空き家は増殖中である。

 朝から小雨。午後1時には出社。只管パソコンに向うも素人では如何にもならず。専門家を呼びたい所だが貧乏会社にて碌な保守契約なし。重要情報の復旧は未だ成らず。亦本体を手頃な中古機に買い換える三、四万の予備費も無いとのこと。

退社後は少し立って飲む。愈愈飲むお金も尽きて来た。もう二ヶ月も無収入である。何故にこんな惨めな日日を味合わなければならないのかと思うと目の前が良く見えなくなる。立ち飲み屋のテレビが映していた地上波の番組が余りに詰まらない事を理由にして早めに退散した。

2月5日・日曜

13:38 |

地中海に面した国国の放漫と気まぐれに付き合わされては堪らないと、欧州連合は財政規律を守らない国を罰する条約を作るそうである。思えば通貨は統合したのに財政を統合しなかったのが拙かった。無駄の削減が進まないのなら、いっそ日本も欧州に移動して此の条約に入るとよい。福翁も驚く入欧宣言である。世界地図を眺めながら、切り取って来た日本列島を、欧州の何処らへんに貼りつけるべきか思案す。アイルランドの上あたりか。いや北海は何だか寒そうだ。然し地中海には入らない。緯度から考えるとポルトガルの横あたりになる。北海道は其のままにし本州以南を左右逆さまにして張り付けると丁度イベリア半島に寄り添うようになって按配が良い。となれば矢張り南欧州に分類されることになるだろう。地理的にも財政的にも。一日曇りだが、先週よりかは暖かい。

2月4日・土曜

13:38 |

立春。昼は幾分暖かく感じた。一日大きな外出は無し。物を壊したりはせずに、大過なく過ごす。与党の幹部などは消費税は10%でも足らぬ足らぬと言い始める。まだ昼食も食べてないのに、夕飯の支度に取り掛かるようである。当然請求書は国民もちである。

2月3日・金曜

13:37 |

 今日は節分である。節分の食べ物と云えば昔は豆か鰯だったが、最近は太巻きが加わった。学生の時分丁度奈良かどこかの関西方面に居て、あちこちで太巻きを恵方巻きと称して大売り出していて、随分と可笑しな事をやっていると感心したものだが、程無くして関東にもその習慣が持ち込まれた。此れも何とかして売り上げを伸ばそうと云う流通小売業の努力の結果である。デフレーション時代の申し子なのだろうが、丸齧りで無言で食べると云うのは御行儀が悪いのでご容赦願いたい。

 一日晴れ。午後出社。事務作業をしている内に職場に一台しかないパソコンを壊す。線を繋ぎ直そうとした瞬間、指先からの閃光一撃で此れを破壊す。煙までもくもくと出て丸でマジックショーの如きであった。貧乏学院の数少ない有用な備品を壊してしまい恐縮す。以後修理人を呼びたて、何とか記憶回路が無事であることを確認。予備の機械に記憶を移し暫定復旧さす。昨日は無責任社長に談判し意気上がるも、その翌日に此の不慮の事故を起こして仕舞い誠に跋が悪い。退社後は、金曜会の残党を探し出し本日の不遇に付き合って貰った。

2月2日・木曜

13:37 |

電気機械大手が軒並み大赤字になった。円高や内需減退が主な理由だが、そもそも最近の電化製品と云う物は、産業機械が云い付けられた通りにさっさかさっさかと何でも作ってしまうので、人の手足が関与出来る所が元から少ないのだと何処かで聞いたことがある。日本の労働者が幾ら優秀であっても、それじゃあ駄目だなと思う。誰が作っても同じなら、物価の安い所で作ることになる。グローバル化と人口減少に加え産業の自動化が、最悪の間合いで日本を襲いつつあるのであろう。将に三重苦である。

 一日異様な程晴れる。そして寒い。日中でも5度程度。午後出社。教室閑古鳥ばかりが鳴き叫ぶので、そろそろ家賃の安い所へ縮小移転したらどうかと無責任社長に意見具申す。すると引っ越し及び原状回復の費用が無いとの御答であった。商売も戦争も結婚も進出より撤退の方が難しい。私立中学の入試終わる。退社後月波君現れる。二千円と少しばかり飲んで帰る。

2月1日・水曜

13:36 |

女川町の多層建ての仮設住宅は気密性と遮音性が良く評判が良い。入居者は長く避難所で我慢した甲斐があり、最後の最後に建った仮設住宅に福があったと喜んでいるとのことである。僅か数ヶ月の期間であっても、直ぐに良い物を用意する日本社会は矢張り大したものだと感心す。一日晴れ。但し西南の大風吹く。気温は久久に二ケタに達す。

午後出社。流行性感冒に因る学級閉鎖等多し。元来風邪が流行る時期だが、少し前までは風邪と流感の区別はつかなかった。最近は検査技術が進んだので、流感かどうかを態態検査し、流感ならば出席停止とさせるそうである。風邪も流感も拗らせなければ2、3日も寝ていれば自然と治る筈である。其れなのに寝ている子どもを態態叩き起こし、鼻か何かに検査薬をねじ込み、高額の抗ビールス薬を処方しているのだから、国の医療費が足りなくなるのは当然の道理である。少し立って飲んで帰る。滔滔年金基金から借りて来たお金も底をつく。