おいうちメタグロスの予測方法から学ぶリスクの考え方・伝え方

まず以下の問題を考えてみてください

  1. 海鮮盛り合わせでメタグロスがおいうち持ちかどうかの画期的な予測方法が開発されました
  2. この予測方法はとても優れていますが、しかし完全ではありません
  3. あるメタグロスが追い打ち持ちであるなら、その予測方法を使えば90%の確率で「おいうち持ちである」という結果がでます
  4. ただしおいうちを持っていなくても1%の確率でおいうちを持っていると予測してしまいます
  5. メタグロスのほぼ1%が実際に追い打ちをもっているとします
  6. 流星群に後出ししてきたメタグロスがこの予測方式では「おいうち持ち」ということになりました。本当にこのグロスが「おいうち持ち」である確率は何%か?


高校数学で似たような問題で演習していたから楽に理解できたという人もいるでしょうが
この問題を読んだだけで「なるほど、この予想方式で「おいうち持ちである」と出たら○○%の確率で正しいのか!」と瞬時に理解できる人は少ないと思います。
もしそうならこのブログを読んでいる人は数字音痴の人が多いということなんでしょうか?
確かに正しい答えを出すことができないのであれば数字音痴に違いありません。

では次の問題ならどうでしょう?

  • 100匹のメタグロスがいると考えてください。このうち1匹は実際においうちを持っており、予測方式を持ちいればほぼ「おいうち持ちである」と予想されます。残りの99匹のうち1匹もやはり「おいうち持ち」と予測されます。「おいうち持ち」という予測がでたメタグロスのうち本当においうちを持っているのは何匹中何匹でしょうか?


これならすぐわかると思います。
2匹中1匹ですね。つまり約50%の確率で正しいということになるわけです

ではなぜ最初の問題はわかりにくかったのでしょうか?
それは確率にして表現しているため計算が複雑になるためです。

確率を情報として与えられると一見わかりやすそうに見えますが実際は理解できていないのです。
実際は理解できてないのに理解した気になってしまう。

頻度であらわされているのならば数字情報を生かした推計をすることが容易です
ただ確率だあらわされた場合では掛け算をしなければならない
これが「認識の誤り」を生む原因なのです


私たちはリスクの考え方を身につけることと同様にリスクを伝達する表現の工夫も求められているわけです

「難しいものを難しいままで伝えるのではなく、難しいものを簡単に伝える」
ここのようなブログ記事でもその考え方を忘れないようにしたいですね

もしこの記事の内容に興味ある方は

この本を読むといいかと思います
この記事の内容もこの本を参考にしています



医療関係などの具体例を材料にリスクについての誤った認識から正しく理解するための方法までを解説しています。
丁寧にわかりやすい文章で解説しているため数学の苦手な方にでもおすすめの一冊。。
我々は如何なる状況においてでも不確実な選択肢を選ばなければなりません。
そんなときにリスクと正しく認識するための本書の考え方が役にたつでしょう





とりあえずこんな形で本の紹介も兼ねた記事を週1ぐらいで更新していきたいですね
続くかどうかわかりませんが