良い研究と良くない研究の違い

今になってちょっとわかってきた

良い研究と良くない研究の違いをわかっておくことは研究者として大事。


んで、今まであまりわかってなかったけど、やっと「良くない研究」が理解できてきた。良い研究のやり方はわからないけど、「良くない研究」の条件を整理しておくのも大事だろう。

研究は、問いを立てて答えること

研究をする動機が好奇心にあるものとすると、研究の成果は、「問いに答える」ものであるはず。*1


良い研究とは、「良い問いにクオリティの高い答えを出す」ものと言える。じゃあ、良い問い、良い答えとはなにか?また、悪い問い、悪い答えをどうしたらよく出来るのか?

問いの良さ

社会的・学術的に答えて意味のある問いかどうか。その問いに答えることで、社会・学界にどれだけのインパクトがあるか。
知見を生み出す−学会発表準備の時に卒論生に意識してほしいこと - ある生物系博士課程大学院生の日記


良い問いはわからないけど、良くない問い・面白くない問いは似てる気がする。


「ナントカという遺伝子の発現量は臓器ごとにどう違うか?」
「ナントカという物質の濃度はどれくらいか?」


この問いは実験結果がそのまま答えになっちゃう。抽象的な問い→具体的な検証方法→具体的な実験結果→抽象的な答え、という流れじゃなく、実験→結果、で終わってる。*2


こういう問いは、その結果が意味するところを抽象的に捉えて一部分のパーツとし、そのパーツが使える全体像を大きめに考え直す。他に必要な問い・パーツに結びつけることで、一段階抽象度の高い大きな問いにできる。かもしれない。

示唆と答え

答え方は、直接的な答えと間接的な答えがある。


直接的な答えは、問いに対する完全な答え。十分条件な「結論」


間接的な答えは、問いに答えるのに必要な答えの一部分。必要条件であり、「結論」ではなく「示唆」。

最初に目指すところ

はじめに目指すべきは、答えを出しきること。問いの良し悪しはおいといて、その問いに少しでも意義と実験結果レベルではない抽象度があるなら、あらゆる検証方法を駆使しながら一つの問いに答え切る。


「やたらクオリティと新規性の高い問いに、示唆だけ出す」のもいいけど、それは発想力や妄想力次第。実力として身につけれるものとして計算がたつのは、「答えきること」なんじゃないか。


論文になってる多くの研究は、「実験結果そのものが答えになっちゃう具体的な問い」か「示唆でしかない答え」なんだと思う。ある程度抽象度のある問いに、しっかり答えきる。これが最初に目指すべきところであり、高インパクトファクターのジャーナルに載せる必要条件なのかな、と思う。*3

*1:ここでは「STAP細胞を作りました」、「TOF-MSを実現しました」みたいな技術的なのは除く

*2:めちゃくちゃ新規性の高いターゲットであれば「良い研究」として扱われるかもだけど、それは違う気がする。

*3:気づくのがちょっと遅かったけど今から頑張る