げんなりプレイヤーズ−1

"「五番街(Fifth Avenue)」"

Aleaの新作。ギガンテンでお馴染み?の作者。開発途上のニューヨークの街でアンテナショップを出店したり、その傍に自己資本のビルを建てたりしながら荒稼ぎすることが目的のゲーム。競りゲーム。プレイヤーの思惑によって動くマーカーの移動によって競りに突入するので明確な手順で競りに突入するわけではないのだけども、大きくわけると下準備、ビル区画の競りに分かれる。下準備中に各区画の価値をあげたり、競りの資源になるカードを集めたりする。そして競りラウンド。各区画は通常5色の建築予定地にわかれるので、そのどれに建てたいかを競る。競る際に使うカードが何色かで競り勝った際に建てる予定地が決まる。時々来る小決算をこなしながら、最後の大決算で得点して、終了。
まあ他にも細々といろんな要素があるんですが。
えー、地雷(小)。いや、別にそこまでひどいゲームでもないですけどね。ただ、私にはどうやら楽しめそうにはありません。まず要素が多い。すごく多いわけでなくて、「微妙に多い」。表現の違いですが、意味合いの差は大きいです。次に、プレイヤーの思惑に猛烈に左右されるゲーム展開。よく今回は早建てで逃げ切るぞ、とか、展開を遅らせて最終ボーナスで大逆転だ、とか、そういうゲームはありますが、ね。意識せずにプレイすると最短最速で「ああ・・、終了ですね・・・」という勢いで終了します。そこに戦いを終えた充足感はありません。おそらく現代のゲームで遊ぶ方は、私を含めて同じ罠に掛かるはずです。そういうバランス取りになっています。プレイヤーが一致団結して(ここ重要)展開を遅らせて様々な要素を楽しむようにプレイしなければいけない。これは「いろんなことができる」を目指して作ったものの、方向を誤って「手を打たないと終わってしまう」になった感がありました。なので、悪い意味でも良い意味でもゲーマーズゲームです。やりこまないと本当の駆け引きが見えにくくなっています。学んでわかる、教えられてわかる、というレベル。
とはいえ、個人的には「他にやるべきゲームがあるだろう」が本音。やりこむことによる面白みの開花の可能性は捨て切れませんが、とりあえず、今はいいです。

"「ラ・ストラーダ(La Strada)」"

コスモスの新作。蒸気の時代、ルネッサンスの君主でお馴染み?の作者。方々の都市を行脚しながら市場を開拓していくゲーム。都市の市場の利益は営業しているプレイヤーでほぼ頭割りのような状態になるので、当然独占した方が得点が高くなります。だもんで、もちろん邪魔のしあい。他人が歩いた足跡は歩くことができないので、相手をのけ者にするような軌跡を描いて街にたどり着くと。まさに攻防を兼ねた一手。行動というか移動の原動力になるのは、毎ラウンド与えられるアクションポイント。個人的にポイント消費型のゲームにはトラウマがあるのだけど、これは適度に設けられた制約のおかげで判断しやすく、軽いテイストを生み出すのに寄与していると思います。ちなみに繰越可能なので、大逆転、とまでは行かないものの、駆け足くらいの勢いで前方を歩くプレイヤーをぷいっと抜き去る感じのプレイができたりも。
人数による展開の差や手番による優劣は確かにあると思いますが、3〜4人で遊ぶ分には十分楽しめると思います。時にシビアな一面を見せたりもしますが、基本的には軽いテイストで非常に遊びやすいです。邪魔のしあいといっても「軽い」ので気楽にプレイできる。相手の包囲網を抜ける会心の一手を探す楽しさは「ブロックス」にも似た感覚。しかしパズルというほど堅苦しくもないので、わりにオススメ。マップは組み替え可能でイケてます。どこまで機能するかは微妙なところですが、このタイプのゲームならば確かに組み換えはあったほうがよさそうですね。地味といえば地味ですが、それもまた良しな佳作といったところ。