1月2日新春ゲーム会第1弾、その顛末1本目。

ちうことで、いくぞー。ゴーゴー。
と勢いあるんだかないんだかの気合を入れつつヨレヨレと参ります。
まずは言い切りから。ベストオブ当日ゲーは、「メタルルーギー」に決まり。よし。
権威も何もあったもんじゃないですが。

"「メタルルーギー(Metallurgy)」"

金銀銅鉄の4種の金属をそれぞれ規定枚数以上連結させることで決算を発生させて得点していく錬金術系パズルゲー。
と書いてみたものの、パズルゲーっていうほどイゴイゴしてないです。むしろ「陣地を取り合って連結ボーナス狙い、一度決算したらその土地の価値下がるよー」みたいな感じ。本当になんとなくですが「王と枢機卿」を思い出したくらいですから。手札3枚が一緒だからってだけではなくて、配置制限の苦しさとかカードを使いまわしを思考する感じとかのニュアンスが似てる気がしましてね。当日は4人でしたが、3人くらいがバランス感が高まりそうな気もしますし。
金属はそれぞれ、下位から上位(鉄→銅→銀→金)になるにつれて連結が成立するのに必要な枚数が少なくなっています。得点は「決算を起こした回数」なので、手札枚数を考えると決算に必要な枚数が少なくてすむ上位の金属は有利です。が、当然それぞれのレア度は異なっていて上位ほど入手が困難になっていますし、なにより金を作る(配置する)ためにはその下地として銀が、銀には銅、銅には鉄が必要になります。錬金エリア(場のことです)の拡大については必ず鉄の配置から始まりますから自然、下位金属ほど配置機会が多くなるようになっています。使い勝手(攻め勝手)がイイ分、下位金属は決算に持ち込みやすいという利点(と同時に欠点でもあります)があるのです。
これらを鑑みながら新たに配置したり、既に配置されている金属を上手く錬金しながら頑張るゲームなんですけどね。ところでこの錬金という行動(下位→上位)、実は攻防を兼ねておりまして、他のプレイヤーの邪魔をするのにも有効だったりします。例えば、鉄の決算が成立しそうであれば一箇所を銅に変化させて連結を断ち切ることで不成立の状態にしたりとか。これまた諸刃なので上手く実施しないと自分の首を絞めることにもなりかねないのですが。なにせ、上位金属を下位に戻すのにはその金属についての決算を発生させる他ありませんから。
仕組みとしては、「決算が成立する」と連結した金属の一部が場から取り除かれます。その際、下地になっている金属が顕わになる、と。結果、上位→下位の移行がなされるわけですね。ちなみにここで、下から出てきた下位金属を連結させたりすると連続して決算を発生させることも可能です。なので、決算時の取り除くカードの選択は非常に重要になっています。
さらに、このゲームをオモシロくしているのは、1枚のカードの周囲に6枚のカードを敷設できるという斬新な配置。これによって、連結に至るまで攻防が非常にオモシロくなっています。連結を阻止したと安心していたら、思わぬところから連結を仕掛けてくるので油断大敵です。
その他オモシロなルールもありますが省略。結論ですが、カード運、兼ね合い、配置の攻防など、斬新さだけではないシステムの上手さがあり、個人的にはかなり高評価なゲームです。パズルっぽい(ここ重要)ゲームがお好きであれば、このゲームはグッとくるはず。見た目とそのイメージはキツキツムードですが、実際にプレイしてみるとそんなことはなく、むしろ遊びやすいレベルだと思います。「考える」より「悩む」感じ。根詰めて思考するよりも先に、配置の際に良くおこる「あちらをたてれば・・・・」なジレンマの方が強いです。
ちなみに、このゲーム、バリアントとして各プレイヤーが秘密裏に特定の金属を担当する(その金属の決算について得点が倍)ルールがあり、これを採用すると心の中で「私は鉄の錬金術師・・・」とか悦に入ることが可能です。まあ余談ですが。

"「利益廃液(Mull + Money)」"

効率化を図りながら工場経営するゲーム。地味ですがオモシロですね。カード運と手番の巡りはありますが、その分重過ぎないのでビジネス系の中ではかなり遊びやすい部類に入るのでは。ゲームの終了がプレイヤー任意なのでキツキツしてそうと思ったのですが、意外にそうでもない感じ。産廃の告発が起きる「汚染」が完全ランダムだったり、アクションを起こすためのカードがランダム分配だったりと、なにかと胃にやさしいです。まあ、欲しいアクションカードが出てこないとかなりゲンナリ、選択すらできないってどうよとも思いますが、現実でも「機会」ってのはそんなものですからね。何度もラウンドが繰り返されて、その都度選択順も変わりますからカード運についてもかなり平坦化されていっているはずですし、あまり文句は言えますまい。
後は何を優先していくかですね。そこで生じる利益の差を積み重ねていく、と。各々の方針によって、「地球にやさしいエコ路線」だの「リストラを繰り返しオートメーション化」だの、ワーワー言いながら分岐。こうした差別化を図りつつ手元で自分の工場を育てていくという作業は結構楽しいもので、工場に愛着出てきます。
見栄えも地味なのがアレですが、あまり派手なビジネス系ってのもそう多くはないみたいですし、このくらいで丁度いいのではないでしょうか。目立たない感じですが、もっと遊ばれてもいいと思うのですが。群は抜きませんが、確実に一歩前に出ているオモシロさ。きっとしみじみと遊びたくなる類のゲームですよ、これは。

"「リスの冬ごもり(Winhard)」"

なんだかよく分からず始めて、よく分からず終わってしまいました。というくらいに呆気なく終わります、このゲーム。今思えば、ひたすらに締めあいゲーだったんじゃないかなあ、と。いやこれが、遊んだ時はどうもピンとこなかったのですよ。ルールとか感覚とか。で、各自が模索しているうちに終わっちゃったものだから、まあいいか、みたいな感じで。キツキツに突き詰めて遊ばないとオモシロさが見えてこない気がするので、また別の機会に試してみます。
ということで大した説明もなく。

"「エクゼキュオ(Xe Queo!)」"

これはもっと評価されるべき。心理戦オンリーの裏のかきあいゲー。ガイスターの要素を抽出して、より短時間に決着が付くように調整。それを複数ラウンド繰り返させることで、特有の疑心暗鬼な読みあいを持たせるに至っています。見た目がアブストラクトっぽいので、もしかすると誤解されている方もいるやも知れません。が、これは高度な心理戦が要求される、れっきとしたとしたブラフゲーだと声を大にして言いたいのです。しかもイカス2人用。「ガイスター」に価値を見出せない方にはオススメできませんが、斬った斬られたのチャンバラみたいなゲーム感がお好きな方にとっては猛烈オモシロゲーのはず。マストバイ。

"「海賊、甲板、ペセタ(Piraten, Planken & Peseten)」"

コンポーネント大きいゲー。組み立てると一抱えくらいある船が出来上がり、凝ったつくりの海型インナーの上に浮かびます。ニョキニョキと船からは甲板が突き出し、そこで、海賊たちがくんずほぐれつの突き落としあいを演じるという。大小の宝箱の前に立った、大小の海賊がその宝箱から宝を受け取って・・・・という感じ。
なんといいますか、アクションポイント系はやはり鬼門でした(私含む周辺)。ゲームとしても全体が見えている上、限られたアクションポイントでの宝獲得の兼ね合いなんかを考え出すと・・・・ですよ。メンバーとその日の勢いもあったとは思いますが、想定していた&見た目よりもかなりの重厚感がそこらかしこに溢れでていました。たぶん、呑んだくれた時のような浅はかな思考とテンションでワーワー言いながら荒くれるべきゲームだと思います。狙いもわかりますし、悪くは無いのですが、なにしろテーマゆえの直接攻撃感が激しく、またそのダメージが意外に甚大なのがネック。出してくる状況とメンバーを選ぶゲームなのは間違いないです。惜しいなあ・・・・。地雷(小)。ゲンナリ

"「力持ちくまさん(Baren Stark)」"

メンバー変わればゲーム変わるとはよく言ったもので。本日ゲーマー戦。時に高みを目指し、時に非道に相手を蹴落とす、悪意ある展開バンザイ。なぜそうまでして積んでくれるのかというほどにグラグラ、それでもなお天に届けとばかりに高く積みあがっていくあたり、ゲーマーってのは違います。もう必死です。ここまでチャレンジ精神に溢れていれば、ゲームも本望でしょう。すごくオモシロでした。でも、民間戦の時のようなヌル湯な感じも好きですけどね。


といったところで、続きはまた明日早朝に、です。
"「フランドル 1302(Flandern 1302)」"がオススメなわけですよ。