”「スローフレイト(Slow Freight)」”を遊んでみました。

先日遊んだ”「スローフレイト(Slow Freight)」”の内容とかの話をします。
「ん? なにそれ?」って感じですが、このゲームはメーカー品というわけではなくて、アメリカのFunagainというお店でのみ発売されているショップ開発の商品です。でも作者はAlan R. Moon。大御所ですね。
ゲームはA4サイズの封筒に入ってます。中にはカラー印刷された厚紙が数枚(画像)。遊ぶためにはまずこれを切り取るところから始まります。マーカーやらなにやらで、200近くのパーツに裁断する必要があり、なんだかんだと結構な作業です。切り出したらもちろん量もそれなりなので、とりあえずは小箱を用意して収納することにしてみました。
そして作業だけでもなんですから、様子見も兼ねて二人プレイ。
ほどよい悩ましさもありながら、めくり運もありつつとても軽い仕上がりです。いつかどこかで見たことのあるシステム要素が満載(特に同作者の過去作品)、そこに新要素も加えて合わせ技一本というある意味Alan R. Moonらしいまとまり方。そんな感じなので、そこまで目新しさはないですが遊びやすさはあります。最初はちょっと煩雑かなという気もしましたが関連づいているので難しさはありませんでした。
どんなゲームかというとですね。再現されてもアレなので細々したところは省略しつつ。でも8割くらいはいきます。
目的は各人が自分の鉄道会社を持っている感じで、3種の貨物を自分の機関車で共通の目的地に運ぶことです。手番には、自社に新たな機関車(駆動部分)を配備するか、場に公開されている貨物車を自分の機関車に連結するか、完成した列車(機関車と貨物車のあつまり)を目的地に向かって移動させたりします。列車は貨物の組み合わせによって4種類に分類されます。
移動を選択すると自分の列車を移動させることができるのですが、その際移動カードを一枚引きます。そこには列車の車両数によって異なる移動距離が描かれていて一覧として並んでいて、指定の列車の移動できた距離はこれを参照して解決します。あまり貨物車を連結していない短い列車ほど移動量はく、逆に長い列車ほど移動量は少ないです。またカードごとに移動距離には幅が持たされていて、同じ車両数でも少なからず差がでるようになっています。規定の距離を移動した列車は目的に到着したこととなり、列車の車両数による得点と、列車の種類による先着順のボーナス点がもらえます。そのため、貨物車をどう構成するかも重要になります。
さらに移動山札にはゲーム終了に向かう時刻経過カードが一枚だけ混ぜられてもいて、これが出るごとに時間の経過が起こります。ちなみに時計が出るごとに山札はリシャッフル。この時計カードが規定回数取り出されるとゲームは終了になるので、適度な時間のゆらぎが与えられていることになります。ゲームが終了したら手元の得点と、さらにそれぞれの種類ごとの最長列車(ロンゲスト、ですね)にボーナスが与えられて、そこから目的地未到着の列車についての失点などを科せられながら、それらの総合得点で勝敗を争うわけですね。
ほかには列車の移動を加速させる追加の機関車とかの存在。これは移動を若干加速させる代償として、この列車が到着するまで移動以外の行動ができなくなったりします。すごく必死な感じだったので、頑張り機関車と呼び習わすことにしました。
まあそんなこんなあんな(他要素)で、いくつか平行して列車を手元で組み上げながら、機をみて出発させたりします。種類ボーナス狙いで短い列車を発車させたり、長い列車で一気に大量得点したり。列車の移動距離もある程度は目処が立つので考慮しながら計画的に、でもカードによる引き運もあるので「ちまちま走る短列車を超長列車が颯爽と追い越して到着、ボーナスもいただいちゃいました」みたいなこともあります。
貨物の編成、新規機関車の獲得、列車の移動。しかし手番に出来ることは限られているので、さあどれを優先しましょうか、という「得点方法は多彩だけど手の広がらない悩ましさ」のあるタイプのゲームです。普通にメーカー、それもデイズオブワンダーとかメイフェアあたりから発売されていそうなテーマ&レベルのカードゲームなんですが、これをショップ製作販売とは思い切ったことしましたね。ファナゲイン侮りがたしです。
それにしても手頃な価格設定はいいのですが、このコンポーネントだけはなんとかして欲しいところ。何しろペラペラなので猛烈にプレイアビリティが落ちます。慣れてくればまあなんとかなりますが、ゲーム内容がそう悪くないだけに非常に勿体無いです。すぐクシャってなりそうで怖いんですけど。
今回は2人プレイでしたので、週末にまた遊んでみるつもりです。ただ4人より3人向けな感じがプンプンします。ゲームの持ち味と思われる軽快なテンポが4人だとちょっと落ちそうな予感がするのです。遊んでみないとわかりませんけどね。

今回の十傑。

シップレックトは独特なプレイ感が目新しく2位にランク。あの競りともブラフともつかない謎進行はとても楽しいです。3位のラグーナはアクションパズルとしては出色のデキ。短時間収束のため、「もう一回!」を言いたくなるオモシロさ。4位のクロックタワーはちょっとドライな感じもあってこのあたり。7位のオルトレマーレは期待をしていただけに裏切りの挽歌。実力は高いと思います。フランドル1302はメビウスによる日本導入記念によりこの位置に残留。
次回更新は週明けくらいを予定してます。