今日もちと長めでさぁ。

”「イッツマイン(It's Mine!)」”

1998、knizia作。テカリ感あるビニールライクなキャラクターが描かれた得点カードを奪い合う集めゲー。同作者「ラー」をシンプルにした感じ。ま、正確には「ラー」の元になったので、言えば逆ですけどね。アクション系パーティゲーの趣ですが、実は的確な判断が問われる少人数向けゲーム。もちろん5人でもワーワーとオモシロですが、本領発揮は4人以下。特に3人はかなりシビアで全く別のオモシロゲーになります。で、内容。
カードにはとにかく独特なキャラクターが奇妙なポーズを決めており、そのついで(?)に得点が描かれています。カードによって得点の大小も得点方法も異なるのですが。
例えば。「そのカード単独で得点」「2枚集めないと得点できない」「最多所有者のみ得点」「集めた枚数に応じて得点変動」などなど。あとはここに「カード単独でマイナス得点になる」「2枚集まるとマイナスになる」「マイナスにくっつきたがるワイルドカード」などがあります。他にもあったような気がしますが、まあ大体こんなものです。
これらのカードを山札として親が受け取り、次々と場にめくっていきます。で、「親以外の人」はもう十分かなと思ったら「イッツマイン」とか言ってテーブル中央のイッツマインボードをバシっと叩くわけです。いち早く叩いた人が場に公開されたカードを全て受け取って裏向きの獲得山札に。そして今度はこの人が親になってカードをめくってゲームを続けると。3人時のみ異なりますが、各プレイヤーはゲーム終了までに3回しかボードを叩けません。叩き終わってしまうとあとは見てるだけ。徐々に脱落して最後の一人になったら残りの山札をごっそり受け取って終了。計算して得点が多い人が勝ち。
めくられるカードは多様なので、カードがめくられるほどに得点が増えることもあれば減ることもあります。他者のカード獲得状況や自分が集めたカードを漠然と思い出しながら、自身はより高得点に、そして他者の妨害になるように、より良い叩きどころを考えていかなければなりません。
なにしろ「早叩き」ですから、認識力に長けているほうが少なからず有利なのは間違いないです。しかし「じゃあ、やっぱりただのアクションゲーか」というわけでもありません。何度か遊んで慣れてくると認識の早さや叩く敏捷性はあまり問題ではないことに気付かされます。
それは他人が欲しいと決断する前に叩けばいいという単純にして明快な真実。このゲームはいつ叩いてもいいのです。同時に叩き合えば敏捷勝負ですが、先手を打って動きだせばまず負けることはありません。良いカードが沢山出れば獲得したくなるのは誰もが一緒。それを敏捷性や認識力で負けて根こそぎ持っていかれる前に、戦略的に「妥協して」獲得するわけです。次の1枚を堪えて叩く。いろんな意味で「損して得とれ」ですよ。このゲームはこうした思考を以って遊ぶようになると急激に印象が変化します。オモシロはここからなのです。
この「リアルタイムに叩ける」という状況が、プレイヤーに的確な判断を要求してきます。甘い状況はほとんどなく、大抵厳しい選択ばかりですが、それでも決断しなければなりません。たとえ多少なりと痛みを伴ったとしても、他プレイヤーに得をさせるわけにはいかないのです。
前述の通り、基本的に叩けるのは3回(3人だと4回)。しかし全て叩いてしまうと、ゲームからは脱落して見ているだけになりますから、ゲームに参加し続けるためには2回(3人なら3回)まで。プレッシャーを与えるという観点からも、よほどの状況(序盤に高得点カードが集中したりとか)が揃わない限りは早々に脱落するのは得策ではないです。残った人間からすれば人数が減るほどに判断にゆとりが生まれるのです。まして3人プレイで一人が早々に脱落するのは致命的。1対1。あげくに親は「叩けない」ですから、やりたい放題されてしまいます。
この「親は叩けない」というのも考えてみれば苦しい制限。戦略的に獲得!とカードを受け取ったら、一緒に親役も受け取り、さきほど堪えた次の1枚を自分でめくることになるのです。安堵かゲンナリか。とてもドキドキします。もちろん親としてそのカード以降も「めくっていくだけ」ですから、言ってしまえば1回休み。目の前にどんなに欲しいカードが並んでいったとしても、どうにもできないのです。頼むからほどほどに獲得してくれと祈るのみ。バシッと叩いたら、必ずこの生殺しの状態が待っています。悶絶しそうです。
「叩く」ことのリスクを常に意識して慎重に場を見ながら、しかし時に大胆に行動する。リアルタイムでの進行はアクション性ではなく、過酷度を高めているのです。
3人ともなると、一人あたりの獲得枚数を増えますから、組み合わせ得点や組み合わせ減点も増えます。これは一様に均一というわけでもないのです。3人なら計4回叩けますから、3回の時に比べて小刻みに手を出せます。「止め」も「攻め」も小分けにできます。結果として、カード選別次第で点差が大きく開くことも少なくありません。判断がかなりシビアとなり、とても緊張する展開となります。
とまあかなりツライ感じの話ばかりしましたが、全ての状況においてメモリーやカウントが絡むので、どうしても曖昧な部分が出てくるもの。不安に駆られる何となく叩いてしまうこともあれば、特定のカード欲しさのあまり衝動的に叩いてしまうことだってあります。これがこのゲームの救いであり、ワーワー言える楽しさの源だったりします。誰もが完全ではないからこその「ゆらぎ」がオモシロ。妙に緊迫して楽しいのはこの曖昧さがあるからに他なりません。
特異なイラストと「早叩き」という獲得時のシステムが印象的なので、不遇にもアレな位置づけをされがちなゲームですが、ポイントを意識した遊び方をすればかなり遊べるオモシロゲーに変貌します。巷では「ラー」ばかりが取り沙汰されていますが、構造も似通っていてかつシンプルで遊びやすいこのゲームももう少し見直していただきたいところ。短時間でサックリ遊べてこの緊張感と悩ましさですから。

そういえばまた。

昨日。また某国からゲームが届きました。といっても今回は珍しく少量。6つ。
これまたちょっと欲しかったゲー揃い。こういう思考&行為が自分を苦しめることになるのです。
自覚済み。
にしても、このままでは遊ぶことすらできないので、和訳は急務。
でも最近なんだかコレばっかりで、ちょっと飽きてきましたぞ、と。
始めると猛烈に集中してしまうので、気がつくと結構時間を持っていかれてしまうのが、難。
やりたいこと山積みなのに。困りました。

むむむ。

うすうす気がついてはいましたが、私、カテゴリー分けがあまり上手くないです。
完全に機能しているのは[知識]くらいなもので、あとは微妙に境界線がハッキリしません。
しっくりこないのでどうにかしようとは思うのですが、
過去をいじるのは面倒なもので、つい。
今からでもキッチリしてみようかしら。
なんて夢想。