biscoの地雷備忘録 このページをアンテナに追加 RSSフィード


ボードゲームの感想を綴るメモ。もしくは。
余談、推測、ムダ知識と飽くなき物欲を存分に迸らせながら、
何気ない構造に潜むオモシロをヒネた世界の見方で突付き回す、あるコレクターの備忘録。
全てのキッカケはボケ防止。脳力の衰えを感じる今日この頃。
改装中 改装中


【ご案内】
古き時代を物語る「クイズ!入れ忘れました(仮)」の過去問はこちらから。
当方イチオシの「地雷避けゲーム(カドゲ)」はこちら、噂の「地雷踏みゲーム(Flash)」はこちらへ。
また、雰囲気重視のプレイスタイル見本はこちらです。
画像が少ないブログですが、参考となる画像へのリンクは案外多いです。
お目当てのゲームを探す場合は、左にある日記内検索、もしくは索引からどうぞ。

2005-04-06

[]あれ。 あれ。を含むブックマーク

書いてみたら思ったより長文にはならず。いや、長いですが。

とりあえず今日はこれから花見に。

[]カピトール(Capitol) カピトール(Capitol)を含むブックマーク

”「カピトール(Capitol)」”

ミラクルにオモシロなAlan.R.Moonのちょっと昔ゲー。しかし、時が経つほどに取り沙汰されることが少なくなってきました。過去の名作(評価作)というものは、虚飾を帯びて誇張されていくか、幾ばくかの風評を残して風化していくかのどちらかだと思うのですが、このゲームはどちらかと言えば後者にあたるかと。

まずは一言で。

古代ローマを舞台に建築競争するゲーム。

本当に一言ですね。

ちなみに、ちょっと前に同作者から、本ゲームのシステムをよりシンプルに取りまとめてカードゲームへと転化した「クロックタワー」も発売されています。テーマを変わり、新要素も加えられて、別物と言えなくもないその変貌ぶりですが、大元となったその悩ましさの構造はたしかに息づいています。所感、コチラ

しかし、元ゲーであるところの、この「カピトール」の悩ましさ、その不安感たるや並大抵のものではないのですよ。

細やかな気配り(ゲームシステム上の)が端々にまで行き届いていて、構造マニアな私には感激モノなのです。

折角なので今回はかなり詳しいところまで言及してみます。それくらいオモシロ。

ではウダっといきます。ゲームと違って、整然さはないですけどね。



ゲームの手順。カードプレイによる建築に始まり、共通の施設に対する競りを経て、ラウンド決算、そしてカードの補充へと繋がる流れを計4ラウンド争います。

建築時にできる行動は次のとおり。建材の積み上げ(高さの増加)、屋根の設置(建物完成)、完成した建物の区画への配置、の3種。正確には「パス(脱落)」ってのもあるので、4種ですかね。これについては後述。

ボードには3色3サイズ計9ヶ所の区画がありまして。それぞれについて、建築した建物多い人1位2位で得点やら特典もらえます。手広くやるもよし、高得点地帯を独占するもよし。あと、手元では好き勝手に建物を準備できるのですが、ボードに配置する段には景観をそこなわない為の建築制限を受けるので、手元でどのように建物を準備するかってのがアヤだったりもします。

で、その建築制限!ですが。

プレイヤーはそれぞれ限られた数の丸屋根(かまぼこ)と三角屋根(厚揚げ)を持ってまして。ま、それはともかく。

その1。同じ区画には同じ屋根しか建ちません。だもんで、建築の後先や手元の準備次第で、「あの区画に絡めなくされたから、こっちに手を出すハメに・・・」なんて攻防が生まれます。

次、その2。区画最初の建物は常に平屋(建材1個と屋根)。以降は既に建築済みの建物と同じ階数か、一段だけ高い建物しか建てちゃダメ。だもんで、いくら凶悪な4階建てを準備しても、誰かが区画に3階を建築するまでは配置できないという罠。逆に言えば、意図的に阻害もできたり。手元で「完成した(屋根がのった)」建物は以降、増築も屋根変更もできませんから、どの段階で建物を確定させるかというのが非常に重要なわけで。

で、最後。その3。3色3サイズの区画にて。その1色3ヶ所において、屋根のカタチが丸、丸、ときたら最後は必ず三角です。全部同じはダメってことですね。これも概して阻害絡みの話になるので、ヤバそうだったら、早めに手を打たないといけません。

この3種の建築制限による攻防が極悪。制限については、やってみると理解はスンナリですし、見てもすぐわかる難度。さすが立体。が、地区からの阻害、特に中盤以降起こりがちな、ある地区での建築が次の制限確定をよぶという「連鎖」が恐い。まさに確定の妙がここに。手元で積み重ねた計画の変更を余儀なくされたりするなんてよくある話。また、屋根使用のペース配分間違えるとかなりゲンナリさせられます。

話逸れました。

建築っていってもカードプレイによる進行ですから、必要な札がなければ行動できませんし、もう建築はいいです(戦略的に)、ってな状況もあります。そんな時は「パス」。建築からの卒業です。基本的には1手番、1プレイ。それがグルグルと手札ある限り何周でもするのですが、全員がパスしないことには次の競りに移行しません。1抜け2抜けすると、他者が好き放題するのを指をくわえて見ていることになります。

1手番1プレイについてのアヤについて。手番はカードが続く限り難度でも出来ますが、出来る事は常にひとつ。そのため、大掛かりな準備をしようとすると大抵の場合他者に邪魔されます。また、仮にある行動を行っても「プレイヤーB」が残っている限り、即座に今行った行動を水泡に帰されるという状況がままあります。ですから、一人残って「好き放題」ってのはかなり魅力的です。そのためにはお茶を濁しながら当り障りない行動をできるだけの余力(手札)が必要なのですけどね。

しかし。

あまり建築に入れ込みすぎると、続く共通施設の競りで戦い抜くことができません。なぜなら、建築で使うカードと同じカードを使って競りを行う為です。

ちなみに共通施設には「噴水」「闘技場」「神殿」の3種があり、それぞれ区画の基礎点を上げたり、手札量が増加したり、区画の得点が倍加したりするというグレートなものばかり。

これらの施設は特定のプレイヤーには従属せず、区画に属するのですが、区画の1位2位はその恩恵に与ることができます。その配置権を得るのが、この競りなのです。

ハッキリ言って、この共通施設を活用できないと、いくら建築がイケてても勝てません。かといって、共通施設だけでは得点にもなりません。スバラシイージレンマー。

建築時の早々の「パス」はここに生きてくるわけですね。兼ね合いを見据えた早抜け、後残りの見極めが非常にオモシロです。

ただ、カードを建築と競りに使うといいましたが、その価値は一様に同じではありません。カードの種類に関係なく、隅に描かれた数字だけが価値となります。その幅、なんと1〜8。ここから広がるジレンマと悩ましさたるや並大抵のものではなく、(後略)。

で、こういうのを一通り行ったら、ラウンド決算。これが4ラウンドあるんで、得点チャンスは4回ですね。ラウンド終了後にはカードの補充があります。

はい、また出ましたよ、悩ましさ要素が。これは是非ともお話せねばなりますまい。

カードの補充はプレイヤーごと。規定数はありますが、その他闘技場なので効果で手札が増えていることもあります。

で。補充はカード種類によって分けられた3つの山札から。任意に選べます。しかもカードが表向きです。必要なものを必要なだけ補充できます。カードに書かれた数字の大小も思うがままです。使わないカードだなと思っても邪魔のために取ることができますが、あんまり手札にゆとりがないので、ついででもない限りはやめるべきでしょう。

建築と競りのことを考えて、補充するわけですよ。しかも他者が見守る中で。

極端な話、カウンティングができますが、なにより面倒だし疲れるので私はしないです。漠然と見ている程度で十分。印象だけでも事足りますよ。まあ、特に重く遊びたい方はその限りではないですが。

この補充、必要なカードのめくり(特に地区が指定されている配置カード)がまた「むぎぎ」ってなります。終盤ほどある特定のカードが必要という局面が出てくるんですけどね、カードがないとどうにも絡めない。あの下か、あの下にあるのかとめくるキツさがステキです。その光景を傍から見ているのも「むひひ」となってとても楽しいです。

手札量について。もちろん多いほうがイイに決まってます。お茶も濁せますし、柔軟な対応もできますし。なにより競りも強い。だもんで、序盤に出てくる闘技場(手札増える)は結構重要。ですが、必ずしも手札が多いから(闘技場を取れたから)勝てるというわけでもないです。得点は1位だけでなく2位までもらえますし、上手く追随しておけば他人が競り落とした共通施設の効果の恩恵に与ることもできます。

しかも、手札を増やすという効果を得るためには「闘技場」のある地区で1位2位に絡んでおく必要があります。それなりの投資が必要です。また、既に「闘技場」が建っている地区には得点倍加の「神殿」は建たないので、新たな投資が必要になります。手札増加分をいかして上手く準備できていれば無駄も少なくなりますが、必ずしも「闘技場」万能、というわけでもないのです。

他にもコマゴマとありましてね。言い出したらキリがないくらいなんですが。そのうち、どうしてもこれだけは、ってことだけでも。とりあえず6つ。

その1。建材積み重ねカード1枚で建材2個を準備可能。その「2個」悩ましさたるや。振り分けも出来ますし、一極集中もできます。しかし、どう急いでも2個ずつしか追えないのです。

その2。噴水は地区の基礎点を上昇させますが、同時に地区に対する建物の最大建築数を減少させます。それにより他者の介入を防ぎ、地区得点を「固める」ことも出来るのです。固まった地区からは以降は継続的に点数が入るステキ地区です。絡んでない人間からすればゲンナリ地区。

その3。得点を倍加させる「神殿」は爆発力があるので後発新規建築にもなお可能性を与えています。最後まで油断の出来ない4ラウンドの攻防が実現されています。もちろん積み重ねが必要なゲームですので、「神殿」だけではなんともなりません。念のため。

その4。競りは口頭ではなく、ストップカードを使用したカードでの競りです。先に仕込んで、順番にめくり、ストップが出たら、それまでを合計するという方式。やっていることは握りこみですが、カードゆえの「手の中に隠れない」弱点をこれにより克服しています。厚みによる推測はできても真意までは見えないのです。

その5。1位2位の判定方法。特有の建築制限が印象的ですが、基本的な判定基準は「配置されている自分の建物の建材量」なので、ギリギリ他者を上回って1位や2位というのが理想的。しかし建築は建物単位というのがまた歯がゆい制限。

その6。地区得点の分配基準。1位は基礎点2点+噴水の数、2位は噴水の数のみ得点、というもの。ですから、噴水がなければ2位は点数すら入りません。投資に見返りがないのです。噴水の設置は1位2位ともに点数の向上に繋がるという事実。これがまた痛し痒し。1位の基礎点2点というのは聞くと小さいもののようですが、その2で説明したとおり、権利を持続できれば得点も継続するのです。小さな点差の積み重ねがとても重要なのです。

ああもう。もっと書き綴りたい。という衝動を抑えて。とりあえず仔細についてはこのくらいで。

全般通して感じるのは、先にも述べていますが、そのシステム構造が細部まで相関して機能しているステキさ、オモシロさ。

原因と結果、行為とその効果が割合ハッキリしているので、それほどの難解さはありません。ルールだけ取ってみれば、平均的な大箱ゲームと同等ですし、それでいてこの洗練具合を考えればもはや驚異的な部類。

なんといいますか、「ボードゲームをしているなあ」という充実感に満ち溢れたゲームです。

ボード上から得る情報と、プレイヤー間で生じる駆け引きや憶測、そして思惑。それら様々なモノを統合した判断を要求してくる、その程度がとてもイイ。取捨選択してゲームとの関わりあいを持つという作業のし甲斐があるというか。どちらかと言えばゲーマーズゲームに属すると思うので、誰彼かまわずインスタントにオモシロというわけにもいきませんけども。

「悩ましい」「苦しい」が端々に効いていて、それでいて辛くない。苛立ちを感じない。

というかですね、「環」ですよ。このゲームの流れというか、環の中に入らないとオモシロさが見えてこないゲームではあります。視覚的に木製ブロックがギッシリとボード上に立ち並ぶ光景は結構壮観ですが、それを見るだけではこのオモシロを感じ取ることは難しいでしょう。かといって、圧倒的な「引き」がないゲームなので、遊んだ事ないけど率先して試してみよう、という方は少ないはずです。

いや、しかし。しかしですね、それではもったいない。実にもったいないわけで。

作者のボドゲ魂を存分に味わえるこの一作。

なんとしてでも遊んでいただきたいところ。

この妙味、もうサイコーです。

[] を含むブックマーク

けがわさん

一押しも一押し、もうえらくオススメですよ。

ちなみに得点ボードっていうか、雰囲気豊かな「ローマの柱型得点バー」が使いにくいというのは真実です。えらくデリケートなので、ゲンナリ大雑把な私はかなり難儀しますね。滑り止めをあてがうなど、なんらかの改良が必要かと思います。

あと、ムーンの同年作ノミネートというと、アムレット、サンマルコ、カピトールのイナズマ三部作勝手に呼称)でしたね。この中ではカピトールが一番「何かに似ている感じ」の仕上がりです。他の2作ももちろんオモシロですが、システムの洗練という意味では、過去作を消化して新要素も加えた今作が一番。魂を見せてくれた作者の手腕を高く評価したいと思うわけで。マシン性能を限界まで引き出した(?)って感じでスバラシイのです。

さらに。解決策について。

ははー。こんな情報をサックリ探してこられるあたりさすがですねえ。

マグネットシート買ってくれば簡単に作れてヨサゲな感じ。しっかり固定されて、ブレたりグラグラ動いたりもしないみたいですし。いいかも。

ゲームとはこうした工夫の積み重ねですなあ(謎)。

けがわけがわ 2005/04/06 13:04 カピトールは丁度安かったんで一週間くらい前に注文したばかりです。biscoさん一押しのゲームなんですね。これは遊ぶのが楽しみ。ところで付属の点数尺は使いにくいと言う噂は本当ですか?
当事のムーンは確か3つくらいノミネートされてある意味絶頂期だったのではないでしょうか?サンマルコも面白いですし。

けがわけがわ 2005/04/06 18:09 3つ目はアミュレットでしたか。忘れてました。
ところで下の解決策はどうでしょうか?
http://www.thegamesjournal.com/articles/FixingCapitol.shtml