若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来

若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)

若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)

とっくの昔に破綻した年功序列システムという遺物を維持するためだけに、すなわち金持ちの年寄りを食わせるためだけに、現代の若者は一生下働きに使われる可能性が高い。そして、この事実が今の若者を覆う閉塞感の正体であると、相当の恨みを込めて筆者は主張する。このことを多くの若者に伝えることがこの本の第一の目的である。私も、日本の未来はもしかしたら明るくないかもしれない…と、なんとなく感じている。そのことを証明するかのような内容のこの本を読んでかなり重い気持ちになった。

ただし、やや極端な主張である感も否めない。筆者の文章からかなりの恨みを感じる。本の中盤で、体育会系の人間を社畜と呼ばんばかりの勢いでこきおろす箇所があるが、体育会系の人間にいじめられた過去でもあるのだろうかと勘ぐるほどである。それに、年寄りの誰もが誰も日本の未来をまったく考えていないわけじゃないだろうとも思う。まぁ、それぐらい強烈な表現を多発してでも伝えたかったのかもしれない。

この本の問題は、「では私達はどうすればいいのか?」という誰もが思う疑問に答えていないこと。「それは各自が見つけるのです」とでも言いたげだ。

どんな社会であろうと自分を磨くことを怠るわけにいかないので、4月からもちろん一生懸命働くつもりだが、そんな社会への一番現実的な対応法は、「贅沢をしないこと」じゃないかと思う。貧乏人は間違えてもベンツとかBMWに乗ってはいけない。(個人的な恨みも含む)。そういう意味では、お金を貯められない人が、将来への危機感を感じるためにこの本を読んでもいいかも。

もっと強烈なのに、こんなものもある。参考までに。
分裂勘違い君劇場 「さっさと次へ行こう。もう日本という物語は終わったのです。」
http://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20061227/1167212479