食わず嫌いじゃないですが、見ず嫌いしていた映画です。理由は分からないけど。
所が...ですよ。ポール・ベンジャミンが出てるじゃないですか!映画界のブツブツ。「The Education of Sonny Carson/番長ブルースUSA(1974)」という映画や、「Deacons for Defense / 日本未公開 (2003)」に出ていた中年の俳優です。いつも主役級ではないのですが、どんな小さい役でも印象を残してくれる俳優。今回のこのポール・ベンジャミンの役が一番需要な役。悪役なんですが、健全な市民からではなく、悪からお金を巻き上げます。アンチヒーローでは決してないのだけど、どこか感情移入をしてしまうんですよね。ラストが最高です。「アメリカン・ギャングスター」のフランク・ルーカスとは全然違う。ポール・ベンジャミンが演じたジム・ハリスって男は、自分が最後どうなるべきであるかって事を分かってる。こうラストが素敵な映画を見ると、最後「うぉ〜、いい映画見た〜〜!」ってアドレナリンが放出されて、テンションが上がって後々まで感動が引き続きます。M-1の時のアンタッチャブルじゃないけけれど「ラスト30秒って本当に大事ですよね」...
と、ここまでポール・ベンジャミンを語りましたが...主役は飽くまでも警官のアンソニー・クインとヤフェット・コットーです。人種差別的なイタリア系のキャプテンを演じるのがアンソニー・クイン、そしてハーレムを管轄している誉れ高い人物がヤフェット・コットー。2人が衝突しながら...って感じなんですが、これもまたラストが素晴らしいんですよ。アンソニー・クインが出ていた名作「道」のザンパノそのままというか... 最後がいいんですよ、本当に。そのクインが製作に関わった事が大きく関係してるかもしれないですね。
また、ギャング闘争になっていくのですが、それも警官の2人と同じくイタリア系マフィアと黒人ギャングの戦いになります。普通のギャング映画としても見ごたえあるのですが、設定がかなりしっかりしているので本当に面白い。
台詞がこれまた凄くいい。イタリア系マフィアの男が窓から見えるセントラルパークを見つめながら「セントラルパークは、我々を黒人と離してくれる」とか、タイトルの110番街も「110番街交差点を越えると、別世界さ」。つまり、黒人コミュニティとの境目を意味しているのですね。ただ切なくなるばかりじゃない、しっかりとした内容がありました。
ま、所で最初のシーンに出てくるのが、ロッキーのどーしようもない(でもそれがまた泣かせやがる!)義理の兄ポーリー事バート・ヤングが出てました。
とはいえ、やっぱり一番いいのが、ボビー・ウーマックのタイトル曲。やっぱり一番しっくりくる。最高過ぎる。
感想はこちら。
(5点満点:DVDにて鑑賞)