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↑私の本家サイトです↑
ブラックムービーが満載...な筈

観た映画全てではありませんが、ブラックムービーを中心に、なるべく最新作品、
そしてどうしても書きたい作品を中心に書いております。
99%自腹でお金払って観ておりますので、とても自由に書いております。
映画の邦題は私が観た・書いた当時のものです。
その後に日本公開となったりDVDが発売されて邦題がついている作品もあります。
「こちら」でリンクしてある私のサイトで最新情報を確かめてください。

最近はニュースや予告編等はツイッターが早めかも?訳す時と訳さないでRTだけの時もありますが...
なので若干古めの記事もあったりかもですが、ご了承くださいませ。

*映画秘宝EX 闘うヒロイン大図鑑にてパム・グリア&闘う黒人女優年代記を寄稿させて頂きました。(9/21/17)
*映画秘宝 11月号にて『チェイサー』のレビューを寄稿させて頂きました。(9/21/17)
*別冊映画秘宝アメコミ映画完全ガイド2017にて『スパイダーマン:ホームカミング』の舞台NYクイーンズについて寄稿させて頂きました。(8/3/17)
*映画秘宝 9月号にて『スパイダーマン:ホームカミング』の舞台NYクイーンズについて寄稿させて頂きました。(7/21/17)
*別冊映画秘宝 21世紀ホラームービー年代記(クロニクル)にて『ゲット・アウト』について寄稿させて頂きました。(7/20/17)

過去記事

直接質問のある方はこちらこちらへ!分かる範囲で答えますので、お気軽に!

Oct 17, 17 The Art of Organized Noize / アート・オブ・オーガナイズド・ノイ

The Art of Organized Noize / アート

DF特急に乗り遅れるな!アトランタ音楽プロデュースチームを追う『アート・オブ・オーガナイズド・ノイズ』

Grab your ticket, Come get wit it, Trans DF Express... という訳で、アトランタヒップホップを牽引するアウトキャスト&グッディ・モブなどを輩出したのが、ジョージア州アトランタのサウスウエストのレイクウッド通りにあるリコ・ウェイドの実家の地下室(ダンジョン)。音楽が好きというだけでレイ・マーリー&リコ・ウェイド&スリーピー・ブラウンは運命に導かれたように自然と出会いプロデュースヒップホップ・グループのオーガナイズド・ノイズを結成。そして後にアンドレ3000とビック・ボーイのアウトキャスト、そしてシーロー・グリーンとビック・ギブとクージョーとT−モー・グッティのグッティ・モブなどが集まっていくダンジョン。そんな彼らのドキュメンタリー映画

んもうダンジョンファミリーは大好き!オーガナイズド・ノイズアウトキャストもグッディもキラー・マイクもパープル・リボンジャネール・モネイも...フューチャーも曲だけは好きだ!私のツイッターアカウント所在地アンドレ3000の名言にしている程好きだ。彼らの歌詞が大好き。曲ももちろん大好き。たまにふざける所も大好き。変にカッコつけていない自然体な所も大好き。男前が大好きな私だけど、彼らの場合はまあ正直に書くとみんな酷いwww。でも大好き!大ーーーーー好きである。そんな中枢にいるのがオーガナイズド・ノイズアトランタにはジャーメイン・デュプリが居たけれど、オーガナイズド・ノイズはほぼ下地が何もなかったアトランタでゼロから100(そう、ドレイクのアレ)にまでした人たちだ。そんな3人が揃ってインタビューを受けていて、3人とも笑顔で懐かしい思い出話に花を咲かせている。そんな和やかな雰囲気で...と思いきや...

音楽が好き・音楽がやりたいと思う志はみな同じではあるが、成功した時にこそ壁にぶつかる。良い作品を作り続けるというプレッシャーと挫折。名声と欲。お金。そしてお酒パーティドラッグ。リコ・ウェイドの実家ダンジョンに集まったかつての仲間は、家にも帰らずに1週間もそこで過ごす事が当たり前で、家にはシャワーを浴びに帰る位だったいうが、そんな仲間たちも「お金」って奴で離ればなれになる。リコ・ウェイドだったかな?が、とてもうまく説明していた。アトランタで展開するラフェイス・レコードの元で活躍していたオーガナイズド・ノイズだけれど、ドクター・ドレなどで知られるLAのインタースコープ(ここの一番偉い人がドレとヘッドフォンビーツを作っている)と破格の20ミリオンドルという契約を交わす。彼らが常々感じていたプロデュースしていたアーティストは彼らの曲のお陰でトップにまで上り詰めたけれど、彼らはお金という見返りもなく成功した訳じゃなかったという悩みを解消出来たと思っていたのだ。しかし、インタースコーププロデュースしたアーティストが成功しなかったりと、彼らにとって苦戦が続いた。その事をリコ・ウェイドは「(インタースコープは、)より自由だった。(けれど我々への)理解度は劣っていた」と語っていた。

ところで、私はグッディのクージョーの姿ない事に違和感を感じた。もしや...また...と思ったら、ローリング・ストーン誌によると健康上の理由という事で、仲たがいではない。クージョー交通事故してからは健康面が心配。

ダンジョンが好きな理由を上記のように子供みたいな理由しか書けない私ですが、この映画の中でラフェイスの大ボスLA・リードが大人の意見で答えてくれていました。私もそうそれぇええええええ!となったので書いておきます。「サンプルも使わない。彼らの音楽音楽そのものなんだ。クインシー・ジョーンズがやるみたいなね」と。この映画、実はクインシー・ジョーンズの息子クインシー・ジョーンズ3世が監督。なのにそんな風に息子の前で話したのが素敵。

このドキュメンタリーも深い時間に入ってくると、リコ・ウェイドの饒舌も深くなっていく。アウトキャストアルバムを作る度に、オーガナイズド・ノイズプロデュース曲が減り、自分たちプロデュース曲が多くなる。リコ・ウェイドは「俺たちが有名にしてやったのに」という恨み節を話し続ける。そういえば、ダンジョンファミリーの一つグッディ・モブも、シーローがナールズ・バークレイを経てソロアーティストとして成功した時に、グッディのメンバーとの確執が明らかになり、シーロー抜きのグッディは「One Monkey Don't Stop No Show」なんていうアルバムまで発売した事を思い出す。モンキーとはシーローの事。そんな事がありながらもその後グッディは再結成をした。そうだ、この人たちはもう音楽仲間・仕事仲間というのを超越した人たちなのだ。彼らが自分たちをそう呼ぶように、彼らはダンジョンファミリー家族なのだ。好きだからこそ、本心も話せるし、何でも言い合える仲なのだ。あのアンドレ3000だってこの映画にちゃんとコメントを寄せる間柄なのだ。何よりも、一時はバラバラになったオーガナイズド・ノイズの3人が仲良さそうに肩を並べ、そして同じ方向に揺れて一緒に音楽を作っている後ろ姿がなんとも微笑ましく最高だ。またダンジョンファミリー名義でアルバム作って欲しい!!!と心から願う。Now open up and say it, the D to the F's the greatest...

The Art of Organized Noize / アート・オブ・オーガナイズド・ノイズ (2016)(4.5点:1590本目)

Oct 13, 17 Def Comedy Jam 25 / デフ・コメディ・ジャム 25 (2017) (VOD)

Def Comedy Jam 25 / デフ・コメディ・

デフ・コメディ・ジャムという25年前の現象『デフ・コメディ・ジャム 25』

ヒップホップの老舗デフジャム。ランDMCのランの兄ラッセルシモンズリック・ルービンが大学で創設したレコードレーベル。彼らの苦労と努力は後にヒップホップと言えば、デフジャムと言われるまでになった。デフジャムが順調に勢力を伸ばしていた頃の1992年7月1日ラッセルシモンズは「デフジャム」という看板を引っ提げて、ドキュメンタリー映画監督スタン・レイサン(女優サナー・レイサン父)と共に黒人コメディアンスタンダップコメディライブを有料チャンネルHBOで放送する事を開始した。HBOと言えば、エディ・マーフィスタンダップコメディライブEddie Murphy Delirious / エディ・マーフィー/ライブ!ライブ!ライブ! (1983)』の実績もあり、HBOは放送禁止用語も寛容だったので、ファッ×やマザーファッ×ーなどの言葉もピー音無しで放送したのだった。

この番組に対する愛は、常々このブログツイッターで語っていたと思う。元々、コメディアンデーモン・ウェイアンズを好きになって、この扉を開いた私だけど、私が黒人コメディアンをここまで興味を持って追うのは、この番組が一押ししてくれたように思う。この番組が無かったら、私はここまでコメディに関心を持っていたかどうか分からない。でも、私はあの頃この番組に出会ってしまい、こうなっている。日本のお笑いも好きで良く見ていたし、元々アメリカコメディ映画も大好きだった。けれど、この『デフコメディジャム』は私が観てきた笑いを超えていた。でもあの頃は今よりも英語力も不足していたし、そこまで黒人文化に詳しい訳でもなかったと思う。けれど、涙が出るほど笑った。お腹がよじれる程笑った。かなり過激で「えー!そんな事言っていいの?」って思う事もしばしばあったけれど、彼らの言葉が私が思う真実に近くて、そしてとてつもなく面白くて笑った。「明け透けにものを言う」...まさにそれだった。そして彼らは臆する事もなかった。そんな感じが私にはとてもカッコ良く見えて、すぐに好きになった。

あれから25年。デフコメディジャムが戻ってきた!92年7月に『デフコメディジャム』が始まる前の4月、アメリカではロサンジェルス暴動があった。そして今も心痛む事件や争いが続いている。今回は、25周年のお祝いムード過去の映像を見ながら和やかに行われると思っていた。しかしデフコメディジャムは相変わらずデフコメディジャムであった。自分たち黒人コメディアンを弄るジョークから、エディ・グリフィンマイケル・ジャクソンの物まねを今風に、そしてキャット・ウィリアムスは痛烈にトランプとその支持者たちを皮肉って、デイブ・シャペルとDL・ヒューグリーはプロンプター読みを失敗してアドリブを連発し、さらには「黒人の国歌」と言われる「Lift Ev'ry Voice and Sing」を歌い会場の観客と合唱してしまう。反応が良い観客は思わず立ち上がり手を叩いて笑ってしまう。この観客との一体感。そしてデイブ・シャペルは続きを歌うようにマイクを投げた(取ってしまったのは俳優ジェシーウィリアムスだが)歌手ジョーに対して、その場に居るものならば誰もが笑ってしまうジョー弄りをして、更に観客を沸かせる。

そして懐かしい当時の映像。マーティン・ローレンスの名司会ぷりから、クリス・タッカーマイケル・ジャクソン、お客さんの出川哲郎越えの大きなリアクション、そして故バーニー・マックの追悼。当時が一気にフラッシュバックする。この番組から大スターになったクリス・タッカーだけが当時の映像のみで、会場に姿もなく、お祝いVTRも無かったのが心残りではある。そしてあまりこの番組の印象が無いけれど、最近ブレイクしたティファニー・ハディッシュの出演が多かったも謎ではある。会場に居た他の縁のあるコメディアンたちの言葉も聞きたかった。でも当時そこまで大きくなかったデイブ・シャペルやエディ・グリフィンにキャット・ウィリアムスがその分盛り上げてくれた。

最後はあの時と同じようにラッセルシモンズ棒読みの「来てくれてありがとう。神のご加護を。おやすみ」で〆る。デフコメディジャムのあの現象は色褪せる事なく続いていく。次の25年後、デフコメディジャム50となった時、あの時出演したコメディアンは残り少なくなっているかもしれないが(もちろんそうならない事を願う!)、それでも色褪せずに語り継がれていくだろう。『デフコメディジャム』は永遠!そしてありがとう

Def Comedy Jam 25 / デフ・コメディ・ジャム 25 (2017) (VOD)(4.5点:1589本目)

Oct 10, 17 The Ernest Green Story (1993) (TV) and アーカンソー物語 (1981) (

The Ernest Green Story (1993) (TV) a

同じ事柄が描かれながも全く違う『The Ernest Green Story』と『アーカンソー物語』

1954年判決が出た「ブラウンvs教育委員会裁判」により、アメリカでの学校での人種による分離が違法となった。しかし実際には全く融合せずに分離のままが続いた。アーカンソー州の州都リトル・ロックも依然に分離のままの状態が続いていた。NAACPリトル・ロック支部のデイジー・ベイツを中心に対策が練られていた。アメリカ新学期が始まる1957年の9月、ベイツは黒人高校ホーラス・マン高に通う優等生9人を集め、アーカンソーで一番大きく、そして白人高校セントラル高校へ転校させる事にした。「リトル・ロックナイン」として知られる公民権運動だ。なぜ彼らはセントラル高校へ行きたかったのか?それはセントラル高は設備も良く、そして卒業後の進学や就職が非常に有利だった事が大きい。そして彼らはみんなセントラルの方が近かったのに、遠くのホーラス・マン高校に行かされていたのだ。
今年2017年は、その活動から丁度60年目になる。リトル・ロックのセントラル高校周辺では色々なイベントもあったようなので、私は、それを題材した映画The Ernest Green Story / 日本未公開 (1993)』と『Crisis at Central High / アーカンソー物語 (1981) (TV)』を観たので、2作まとめて。

まずは『The Ernest Green Story / 日本未公開 (1993) (TV)』から。
こちらは、リトル・ロックナインの一人アーネスト・グリーンを描いた作品で、ディズニーが制作。『Black Belt Jones / 黒帯ドラゴン (1974)』や『地球最後の男 オメガマン』などに出演していた俳優で後に監督に転身するエリックラニューヴィルが監督学校資料にもなっている映画である。私はその学校資料になるDVDを昔リトルロックのセントラル高校に実際に観光した時にそこの土産屋で購入した。
まず、なぜ9人居た学生の中でアーネスト・グリーンがこの映画の題材に選ばれたのか?という事だと思う。アーネストは最年長で唯一の4年生(日本の高校では3年に値する最上級生)だったからだ。それ故に、彼はセントラル高校を初めて卒業した黒人学生でもある。そんなアーネストを中心に、セントラル高校へ通うまでの闘い、そして通ってからの闘いもあった壮絶な1年間をアーネストを通じて描かれている。もちろん他の8人の苦悩や苦境も描かれている。この映画の優れた所は、黒人の間にも恐怖心から反対したものが居たという事を描いている点だ。そんな女性を演じていたのが名女優ルビー・ディ。そんな彼女を諭すのが実生活の夫オシー・デイヴィス業界きってのおしどり夫婦だった2人が意見も気も合わない隣人を演じているのが面白かった。誇らしい孫アーネストの写真を撮りたがる可愛いおじいちゃんをオシー・デイヴィスが好演。もちろんいつも通りに名台詞も飛び出している。

そして『Crisis at Central High / アーカンソー物語 (1981) (TV)』。
こちらはセントラル高校の日本で言う所の教頭に値する女子学生の教頭だったエリザベスハッカビーが書いた回想録を元にTV映画化され、ハッカビーを演じたジョアン・ウッドワードエミー賞ゴールデン・グローブ賞ノミネートされた作品。監督は『リップスティック』等のラモント・ジョンソン
セントラル高校で迎える教師たちも大変でしたのよ!的な作品。真っ二つになっている学校内外をどうにかまとめようとしていた努力垣間見れる作品。

と、2作品ともに同じ事柄が描かれているしラストはアーネストの卒業式になるが、視点は全く違うし、制作された年が10年違うのでその差も著しく表れている。『アーカンソー物語』の方は、とにかくリズム感が悪い。どうでもいい事を長い時間描いているので間延びするシーンが多かった。名台詞も見当たらない。観ているのが苦痛になるほど見どころもない。そして、観る者に感動や希望を与えるようなシーンも無い。淡々に回想録を伝えているだけで心に残る物がなかった。けれど『The Ernest Green Story』の方は希望があった。アーネストの卒アルシーンは暖かく希望があった。1年間大変だったけれど、セントラル高校に通えた事は大学入学という事だけじゃなくて、白人とか黒人とかいう人種を超えた人間を知り触れ合えた事も出来たんだなって心から思えるシーンだった。そんな事もあって、この映画を観ると「正義は...時間掛かるかもしれないけれど...絶対に勝つ!」と確信出来た。トランプ政権とかNFLの国歌時の抗議運動とか相変わらずの警察によるマイノリティへの暴力とか色々あって心が折れそうになっていたので、この映画でそれを改めて知れた事は有意義だった。オシー・デイヴィス演じるおじいちゃんが言っていたように「変わる時!」であるし、「君たち若い子がここリトルロック歴史を築いているんだ。歴史を築くのは容易な事じゃない!」んだ。

ちなみに今年は60周年ですが、50周年の2007年の時には『Little Rock Central: 50 Years Later / 日本未公開 (2007)』というドキュメンタリーが作られております。リトル・ロックナインで唯一退学してしまったミニージーン・ブラウンがセントラル高校を50年後に訪れていて、リトル・ロックの今が見える。

写真のまとめ
The Ernest Green Story / 日本未公開 (1993)(4.5点:1587本目)
Crisis at Central High / アーカンソー物語 (1981) (TV)(2.5点:1588本目)

Oct 06, 17 Who Shot Biggie & Tupac? / 日本未公開 (2017) (TV) 1586本目

Who Shot Biggie & Tupac? / 日本未公

複雑に絡み合う2人の運命『Who Shot Biggie & Tupac』

いい出来かどうかは置いておいて、今年は完全にトゥパック&ビギー年!『All Eyez on Me / オール・アイズ・オン・ミー (2017)』がそうさせた。映画は決して良い作品ではなかったけれど。でも、そのお陰で、彼らの死がどれだけのインパクトを残したかを示し、そしてまた彼らの作品や生涯にスポットライトを浴びているのは歓迎したい。そして、これはぁあああああああーーー!!私にとっては正直ジョン・F・ケネディ暗殺やザプルーダー・フィルムの真相よりも気になる、「誰がトゥパックとビギーを殺したのか?」。未だに犯人は正式には特定されておらず、逮捕者も出ていない。誰?どうして?なんで?犯人はなぜ捕まらないの??すべての疑問と怒りをこの映画が解決してくれたああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!

CNNのジャーナリストのソルダッド・オブライエンと、ラップ界の重鎮アイス・Tがそのトゥパック・シャクールとノートリアス・B.I.G.の死の真相に迫っていく。ま、実際にはオブライエンが情報を集めて、アイス・Tがラップ界の窓口になってお伺いを立てた感じ。アイス・Tの前だとみんな率直に、そして尊敬を持って話す。だからこそオブライエンが鋭く切り込んでいく。この真相に迫るのに、良いコンビだった。

そんな2人はファヴ・5・フレディなどのヒップホップ界の大御所から、実際に事件現場に居た2人のボディガードやロサンジェルス市警にビギー殺しのマスターマインドと噂されているレジー・ライト・ジュニアや刑務所に居るシュグ・ナイトにも電話インタビューをしている。レジー・ライト・ジュニアのインタビューが見物。ガンガンと核心に迫っていく怖いもの知らずのオブライエンと、顔にすぐ出てしまうレジー・ライト。完全にオブライエンの勝利で面白かった。

そしてトゥパック射殺事件に関しては、銃のプロの人たちと再現し検証していく。その時に重要になるのが、一緒に車に乗っていたトゥパック在籍レーベル創設者シュグ・ナイトが、トゥパック射殺事件の黒幕ではないか?という長きにわたってある噂だ。実は私もこの説を信じていたし、トゥパックの映画『オール・アイズ・オン・ミー』もその仮説の元で作られた感じを凄く受けた。しかし今回の再現により、それは完全に否定された。銃のプロの人たちがトゥパックとシュグが乗っていた車と殺害に使われた銃、そして射撃された距離など全て同じにして検証し、その後に銃のプロの人がランダムに撃った所、トゥパックが座っていた位置などもあり、シュグが撃たれなかったのは本当に偶然の結果だった事が分かったのだ。この検証は、本当に目から鱗であった。

ならば、誰がトゥパックを殺したのか?その答えはロサンジェルス市警(LAPD)のギャング・ユニットの警察官が知っていた。と、ネタバレになるので書きませんが、彼らは証拠も掴んでいで、トゥパック殺害事件を捜査するラスベガス警察にもその証拠を知らせている。が、何故か逮捕には至っていない。というか、もう逮捕も出来ないのである

そしてビギー殺害事件。こちらも様々な証拠や証言から、犯人は特定されている。が、警察を巻き込むスキャンダルにより、それも逮捕は出来ていない。シュグは、刑務所内から電話でインタビューを受けており、こんな事を話している。「時として最初の事件を解決すれば、次の事件は自ずと解決される事もある。だけど、そうなったか?ならなかっただろう?」と。この2つの事件の場合、ビギー殺害事件が明らかになれば、トゥパック殺害事件も明らかになる。だけれど、2つが複雑な問題に絡み合ってしまった。トゥパックとビギーが生前に複雑な問題に絡み合ってしまったように。

ヒップホップ歴史の生き字引のファヴ・5・フレディとアイス・Tが2人でこんな会話をしていた。ファヴ「今頃2人が生きていたら仲直りして、一緒にスタジオで録音していたかもしれない」、アイス「一緒にツアー」とかね。この2人がこんな会話をしているのを聞いて、そうかもしれないなーと私の目からは涙が止まらなくなった。数奇な運命を辿った2人の死の真相に迫った事で、彼らが生きて遺した軌跡を知る事になった。

Who Shot Biggie & Tupac? / 日本未公開 (2017)(4.25点:1586本目)