池宮中夫ダンス@blanClass

今週の+night↓
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7月31日(土)
池宮 中夫 [Wüst ー 我々の巨大な僻地]
開場:18:00 開演:19:30
入場料:2,000円/学生 1,800円

體ふゆらル、雨手のおか小さな山、ひくいステップ、掌。じゃあメシでも、時はワケあって、ひら、向こう、とぼした手は篠突く雨。耳に当てる手、待つ手、折り畳む手、置かれている手、猟場。ページを開くと露天。引きあける手、不凍の手、打ち明ける手、そと縁(べり)。


 6月3日(木)、千駄木の喫茶店で昼ビールを、きっちり1杯と半分、池宮さんとシェアーしながら、あれやこれや昔話とこれからのことなど久々にゆっくりとした時間を過ごした。池宮中夫ダンス@blanClassをこれまでにない試みにしようという作戦会議でもあった。池宮さんにはじめてお会いしたのは、1996年の4月頃だったと思う。熊谷さんと3人で、たしか渋谷の喫茶店でお話ししたのだった。そのときはBゼミの日曜マンスリー・ゲストゼミへのお誘いだった。
 その後、池宮中夫氏は、熊谷乃理子氏と共にDance Company Nomade〜sとして、1997から2002年度まで、Bゼミの講師をしていただいていた。ノマド〜sゼミは、現代美術の学び舎のなかで、あえてダンスや舞踏の基礎、呼吸法を用いた動きを学生たちに促し、その身体感覚の覚醒をモチーフに、実験的な身体表現教育を実践した。
 2002年と2003年の2月にノマド〜sゼミの発表会をこの場所でおこなった。それぞれタイトルは「SIX PIECE SIX SENTENCE」、「アナロギッチュ」。きっと、現代美術の文脈のなかで形骸化されてしまったパフォーマンスという形式を、自らの身体に立ち返って考える、とても良い機会になったからだと思うのだが、その内容は忘れ難いものであった。
 ゼミの運営以外にも、1997年10月におこなったBゼミ30周年事業でのスリー・パフォーマンス「からだからからだへ」、2000年の越後妻有トリエンナーレに参加したサマーセッションでのパフォーマンス・マラソン「からだからからだへ2」、谷中の初音スタジオでおこなったサマーセッションでのサーカス・パフォーマンス「音連れの余韻-響きのサーカス」(藤枝守監修)などにパフォーマーとして参加していただいた。しかし当たり前の話でもあるのだが、思い返してみると、この場所ではノマド〜sのパフォーマンスというのはやってもらっていないのだ。
 7年ぶりに同じ場所で、池宮中夫氏のソロパフォーマンスが実現することは、一度休止していた協同のプロジェクトの再始動を意味する。先ほどのコラムにも書いたことだが、これからの文化をよってたかってつくっていかなくてはならない。やり残していることはたくさんあるのだ。


こばやしはるお