「アンダルシアに憧れて」を検証する [アンタ誰やねん編]


この曲、THE BLUE HEARTSの真島昌利のソロ曲として知ってたけど、マッチさんも歌っていて、しかもジャニーズに「アンダルシアユニット」(赤坂晃、惜しいぜ)なるものまで存在し、長く歌い継がれている曲となっていることなど、全く寝耳に水でありました。


やっぱ個人的には同世代のマーシー版にシンパシーを感じてしまうおばはんですが、実は当時ワタシたちの間で、この曲の歌詞のわけのわからなさ、ツッコミどころ満載さが話題になったのですよ。

   1. 一見NYかシカゴ辺りのイタリアンマフィアの主人公がなぜ
     スペインのアンダルシアに憧れるのか
   2. メトロってスペイン語なんだけど、そこはどこなんだ
   3. マフィアが駅のホームでデートの待ち合わせするか
   4. スタッガーリーって誰だ
   5. マフィアの抗争に8時半は早すぎねえか
   6. タクシー使うか
   7. なんでボスたち全員先に来てんの
   8. この組、構成員少なすぎ&弱すぎ


ほとんどは単なるツッコミですが、今改めて聴いてみても1と2の基本設定が謎なんですね。はい、早速検証してみましょう。


まず最初に確認ですが、実は歌詞をよく読むと、「アンダルシアに憧れて」るのは、「バラをくわえて踊ってるカルメン」なのだ。憧れているということは住んだことはないらしい。彼の方も死に際にグラナダの詩が聴こえたくらいなんで、彼もまたアンダルシアに深い思い入れがあったことは確か。地下鉄を「メトロ」なんてスペイン語で呼んでるし。
となると彼らはスペイン移民3世くらいで、ばあちゃんあたりに聞かされた故郷の話でもって憧れている、そんなかんじか。


だが、ボルサリーノはイタリアンスタイルの帽子だし、拳銃はイタリアンマフィア御用達のコルトだとか、やっぱり彼はイタリア人っぽい。それがなぜアンダルシアなんだフラメンコなんだ。
危うくヒガシの伊達男ぶりにアッサリ説得されるとこでしたが(03-04 Johnny's Countdown、サイコー)、やっぱりそのへんが納得のいかないところ。


同じラテン系だからこそ、イタリア人とスペイン人はライバル意識があって、普通イタリア人は「アンダルシアに憧れ」たりしないし、フラメンコも踊らない。そしてスペイン人もまたボルサリーノでキメたりしないのである。ワタシのスペイン人の友人曰く「オレたちはマッチョだからオカマみたいに着飾ったりしない。それはイタリア人の専売特許だ」。※「ボルサリーノ」というフランス映画があるが、あれはボルサリーノ社がフランスに近いイタリアにあったため、スタイル的にフランス人には受け入れやすかったらしい。


さてそうなると、話はややこしくなるわけだが、まとめると可能性のあるのは以下のような状況。
   1.スペイン系移民の踊り子カルメンに洗脳され彼女の
     ばあちゃんの故郷アンダルシア移住を考える売国奴
     イタリア系マフィア組員。
   2.イタリアンマフィア組織で働くうち洗脳されオサレに
     なりはしたが、カルメンといつかばあちゃんの故郷
     アンダルシアで暮らしたいと考えるスペイン系組員。


調べてみると、イタリア系マフィア組織は基本的にはイタリア人(系)のみで構成されているが、一番下っ端の「テッポー玉」としては非イタリア系でも雇うそうである。
とすると<2>のケースということも十分あり得る。メトロの駅で待ち合わせ的ややショボいデートなのも、彼がだだのチンピラと考えれば納得がいく。


さて、じゃあ「舞台はどこなんだ」という疑問。
・・・あ〜ダメだ、長くなる。             <つづく>