ライブをカスタマイズする


今週辺りからKinKiの「K album」のプロモが本格的に始まる。
世の中便利になったもので、今は海外に住んでいながらふたりの出演する番組を視聴することもできる。日本のTV番組が観られるペイチャンネルもあるし、ネットもあるし、ラジオならばサイマルラジオがあるし、裏ワザを使えば他のFM放送などを聴く方法もあるらしい。


そんな、一昔前と比べたら夢のような状況でも、今も唯一叶わないのは、当たり前ではあるが「ライブを観る」ということ。KinKiとか大物なら待てばDVDが発売されるが、それは「ライブ」と銘打たれてはいても、実は「ライブ」ではない。私が言うのは「リアルタイム」であることなのだ。それはたとえ国内であっても遠方に住むファンにとっては、どこでもドアーがなくちゃ不可能な、どうにもならない物理的な(そして経済的な!)壁である。


今日本でもUstreamなどを使ってライブを生中継することなどあるようだけど、あれは無料が前提ということで、3.11以降の何らかのメッセージを掲げたイベントだったり、プロモ色が濃いものが基本。
が、最近ネットで「イギリスのバンドがネットでライブの生中継を有料配信する」、というトピックを見つけた。これはそこそこ大きな会場からのライブらしいが、チケットがSOLD OUTでも、500円ほどの配信料を払えば(安っ)家のPCで「ライブ=生中継」が観られるというのだ。そんなサービスがいつかできないものかと常々思っていた私にはど真ん中ストライクな話で、思い切り食いつく。


もちろん、ライブの醍醐味は「リアルタイム」であるだけでなく、その会場の空気をアーティストとファンで共有することにあることは疑いようもないが、それが「プランA」とすれば、このネット<生>配信は、チケットが手に入らなかった、会場が遠い、など様々な事情でそこに参加できなかったファンには夢のような「プランB」だろう。有料となれば高画質が期待できるし、そのうち3D配信なんてのも夢じゃなくなるかもしれない。(大画面から3D剛がっ)
となると、もしかしたら最初からこちらを選ぶファンもいるかもしれない。家のリビングに友達を呼んで、ひとりでじっくりお酒でも飲みながら、自由に好きなスタイルで観る「ライブ」。


もちろん、これは例えば「十人十色」のような、チケット競争率の高いライブをリアルタイムで観たい、しかも海外で、なんていう一昔前だったら単なるとんでもない妄想が現実になる可能性について話している。そしてそれは同時に(言霊オン!)剛っさんの欧州公演が実現した時、現地まで行けないファンも日本にいながらライブを生中継で観られるという可能性でもある。


CDが売れないと言われて久しいが、その穴を埋めるためにレコード会社やマネージメント事務所は、悪評を買いながらも複数バージョンのCDやDVDを売り出したり、グッズの販売などに血道を上げている。
と、そこへ「ネットでライブ生中継配信」というサービスを追加してみるとどうなるか。確かに肖像権の侵害などの問題は増えそうではあるが、イギリスの例ほど配信料が安くなくとも、参加困難なライブをリアルタイムで観たいと願うファンは飛びつくだろうし、「7000円のチケット代金を払うのはちょっと・・。でも1000円の配信料金なら観てみたい」というポテンシャルなファンの開拓も期待できる。
ライブDVDとして後に売り出す場合は、配信日と別の日のライブを収録すれば売上げにはさほど影響しない気がする。特にジャニーズには、元々「観られなかったライブだから」という理由より「記録(orコレクション)」として購入しているファンって多いと思うし。
おまけとして、不当に高い値段でチケットをオークションに出すダフ屋のような輩が減ることも考えられる。


要は「ライブの有料ネット配信」というのは、商売として全く悪いコンテンツではないのだ。というよりむしろ、生活スタイルや好みの多様化した今、ファンサービス+エクストラとして、これから増えてくる可能性が高いビジネス形態じゃないだろうか。


ま、超アナログ派のあの事務所のこと、迅速な対応は望めないとしても、これが大きなビジネスに育てば可能性はゼロではないと思うし、何より剛っさんの好きそうなチャレンジではないかと思い、東方の空に念を飛ばしてみたりする。


<補足>
調べたらUstreamは最近有料会員サービスを開始。ペイパービュー配信などもする様子。その他にも、BBC(英国国営放送)が動画配信サービスを海外へ有料配信開始とか、Youtube Liveとか、この分野のレースはもう既にスタートしていますね。面白くなりそう♪