Shin Yamagata

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3月7日




坂がある。坂の下には水を湛えた場所があるのだがそこがなんなのかわかっていない。お堀なのか池なのか川なのか運河なのか。お堀だとしたら城でもあるのだろうか、あるとしたら何城になるのか。どうして今日この場所にいなければならないのだろうか、男は見たくもない看板の文字を目で追っていた。しかし文字が読めない。遠くから列車の走る音が聞こえてくる。しかしそれほど遠くはないはずだ。さっき電車を降りたばかりではないか。