琳派芸術 ―光悦・宗達から江戸琳派―@出光美術館


第2部〈転生する美の世界〉

金曜の夜間延長で。酒井抱一の銀屏風の使い方の美しさを伝える、というのが今回の展覧会のテーマかも。

しかし、鈴木其一の方がより気になる今の私にとって、一番印象的だったのが其一の芒野図の屏風。抑えた色使い、殆ど繰り返しの図柄ながら、(いつもの理知的な面白さだけでない)不思議な情感を感じさせる作品で、いつまでも立ち去りがたく、会場を一周した後は閉館までの残り時間、その前で過ごしていた。

館蔵品だけで展覧会が開けるのに、これだけ千葉市美術館から借りてきた美術館のセンスに賛同。こういう驚きを毎回、与えてくれるので、この美術館の展覧会は外せない。

福富太郎コレクション 近代日本画にみる女性の美


一ヶ月前でいつ行ったかもよく覚えていないけど、多分、この辺の日付。

サントリー美術館での「鏑木清方展」でも借りていたけど、清方の作品が充実。しかも魅力的な作品が多く、本当に好きだったことがよく分かる。中ではあの人魚の絵がやはり印象的。

その他の画家はよくも悪くも近代日本画での美人画の華麗さと野暮ったさを反映したコレクションという感じ。

普段見慣れていないからか、関西画壇の面々の方が面白かった気が。特に島成園のセンスにはどきりとさせられるものが。この人の絵画を一度まとめて見てみたい、と思った。

http://www2.sogo-gogo.com/common/museum/archives/11/0224_joseinobi/index.html

椿、咲く−絵画と工芸−@茅ヶ崎市美術館


保険会社の椿コレクション。茅ヶ崎の海岸側ではこの時期「椿まつり」。というわけで「椿」らしい。

椿の絵という切り口で、色々な画家の作品を見比べることが出来たし、椿の絵をまとめて見る、という事自体多分、初めてのことで結構、新鮮だった。

ん〜、椿というのは、ただ綺麗に描くのが意外と難しい花なのかも。描くべきポイントというのが分かりにくいというか。多くの人にとって「赤い」のがそこにあるという印象らしく、桜や牡丹のように、まずディテール有りき、という花とは違うことが分かった。あと、何か情念が入り込み易いというかw 赤に黒い色が混じっている人が多くて。

というか、椿といえば(地面にボトッと真っ赤なものが無残に落ちている様子からは)もっと怖い絵も有りそうな気がするけど、保険会社の椿コレクションにはそういうのは無し? まぁ、ある程度の大作でないと、そういう感情は盛り込めなさそうだけど。

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NODA・MAP 第16回公演「南へ」@東京芸術劇場中ホール


「ザ・キャラクター」「表に出ろいっ!」に続く『21世紀を信じてみる』戯曲の3作目は(相変わらずタイムリー過ぎる)火山測候所の話。

う〜ん… 正直に言ってしまうと、今回は(個人的には)ちょっと駄目だった。

「パイパー」「ザ・キャラクター」辺りの全体的な完成度に比べて、今回は「やろうとしている(らしい)こと」と「演じられていること」のギャップが見えてしまった。席が後ろで冷静に見てしまったせいも有るのかもしれないが。

今までの作品で言うと「オイル」を見終えた時の「……う〜ん」に近いかも。

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高嶺格:とおくてよくみえない@横浜美術館


横浜美術館での現代作家展というと、少し前の「外した」時の印象が強くて、どうも足が向かなかったのだが、帰りに横浜に用事があったので、ついでにみなとみらいまで乗ってもまぁ良いかなと。

結果的には、行って良かった。コレクション展の奈良美智ミニ特集(30点位)もお得感が有ったし。

横浜美術館

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運慶−中世密教と鎌倉幕府−@神奈川県立金沢文庫


有休の平日なら、と思ったのだが、果たして混んでいた。いつもなら5人もいれば「今日はやけに多いな」と感じる2階の展示室なのに、今日は何と6,70人以上はいる! 世の仏像ブームの凄さを改めて再認識させられた。

残念だったのは、平日の昼のため、入場者が中高年ばかりだったこと。白薔薇姉妹みたいな、運慶好きの女子高生(いるのか?)達が押し寄せる、とかそういう風景もちょっと見たかったです(^^;

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船田玉樹 現代日本画の精髄@ART FRONT GALLERY


ボタボタ冷たい雨が降る夜に代官山まで。黒い壁に見えるほど描き込まれた松の枝々の奥に透ける光に惹かれる。駅に戻る頃には、雨は雪に変わっていた。

船田玉樹 現代日本画の精髄|アートフロントギャラリー | ART FRONT GALLERY