吉田基巳『水の色 銀の色』#01「恋のまなざし」(週刊モーニングNo.32)

『水と銀』1巻発売が2000年7月、間に恋風の連載を挟んで5年ぶりの復活。しかし微妙にタイトルが変わっているって事は続編であり仕切り直しと言うことで、せっかく『水と銀』の単行本に「1巻」ってちゃんと入れていたのが何か他人事ながら勿体無いような気も多少したり。『水と銀』って短いシンプルなタイトルにファンとして愛着もあったし。旧作をあらためて読み返してみると、荒さが残る絵のタッチと、人間関係のギスギスさのある内容とがマッチしていてイイ感じなのですが、恋風を経て吉田基巳自身の内面にも変化があったのか、絵柄も話もマイルドな方向に転換している模様、これは意識しての作風の変化なのか無意識で変わったのかちょっと興味深いかも。今回主役の月海(つきみ)くんは、旧作ではショートカットの「ぼく」少女にも見えたのですが(笑)、どうやら男の子であると判明。気分転換にベットの下から本を取り出したりしてるし……、恋風のクンクンとか、吉田基巳ってこういう描写が好きだねえ(苦笑;。佐和子さんって本来こんな和み系キャラだったんだ、旧作ではもっとスレたキツいタイプだと思っていたのに。それとも、月海視点だからこう見えているのか,環境が彼女を変えたのか。次回以降この辺りも描かれるかな?。次回掲載は、36・37合併号。どうやら月一掲載の模様

こしのりょう『Ns'あおい』#61「タクの土曜日」(週刊モーニングNo.32)

この手の話で涙腺が刺激されるのは自分がオッサンな歳になった所為ですかね。いや親の側に感情移入しているのではなく、もしかしたらかつての鍵っ子少年の古い記憶が呼び起こされて心に染みているのかも。「若い看護士が金欠でイベントの救護班に参加したがる」ってのは去年秋ぐらいの『白衣でポンDX』とネタ被りしてるんですが(『白衣でポンDX』は柔道大会、『Ns'あおい』は相撲大会)こちらではあおいと小峰が実は…ってどんでん返しがあるし別にいいか。出来過ぎのオチにも見えるけれど、20ページ分で綺麗にまとめてあると思いました。単行本でまとめて読むとどう感じるのかな?。