2006-07-18
■[南京事件]捕虜殺害/死体の揚子江投棄を目撃した早尾乕雄陸軍中尉
「現代歴史学と南京事件」13頁所収、最近になって防衛研究所戦史部図書館で公開された、早尾乕雄陸軍中尉(金沢医科大学教授)が1938年5月に書いたレポート『戦場心理ノ研究−総論−』の一節を転載します。
余ガ南京へ入ツタノハ陥落後一週間デアツタカラ市街ニハ頻々ト放火ガアリ見ル間市内ノ民家日本兵ニヨリ荒サレテ行ツタ。下関ニハ支那兵屍体ガ累々ト重リ是ヲ焼キ棄テルタメニ集メラレタノデアル。目ヲ揚子江岸二転ズレバ此処二山ナス屍体デアッタ。其ノ中二正規兵ノ捕虜ノ処置ガ始マリ海軍側ハ機関銃ヲ以テ陸軍ハ惨殺、銃殺ヲ行ヒ其ノ屍体ヲ揚子江へ投ジタ。死二切レナイ者ハ下流二泣キ叫ビツ、泳ギユクヲ更二射撃スル。是ヲ見テモ遊戯位ニシカ感ジナイ。中ニハ是非ヤラシテクレト首切リ役ヲ希望スル将兵モアル。
〔中略〕揚子江二沈ンダ正規兵ノ屍体ハ凡二万人位ト言ハレル
以下、メモ。
・海軍の殺害関与を明記
・殺害死体の揚子江投棄を明記
・殺害を遊戯化する将兵の存在
■[南京事件]阿南惟幾・陸軍省人事局長の報告/田中新一・陸軍省軍事課長の所見
同じく「現代歴史学と南京事件」13頁より、田中新一・陸軍省軍事課長の記録「支那事変記録 其の四」(防衛研究所戦史部所蔵)の、1938年1月12日の陸軍省局長会議における阿南惟幾・陸軍省人事局長の報告を紹介します。
阿南大将は、(秦幾彦「南京事件」を読んだ方はご存知と思いますが)38年年頭に南京現地に不軍紀問題の調査に赴き、中島師団長にも会っています。38年1月12日という日付から鑑みるに、その帰国報告でしょう。
軍紀風紀の現状は皇軍の一大汚点なり。強姦、掠奪たえず、現に厳重に取り締まりに努力しつつあるも部下の掌握不十分、身教育補充兵等に問題なおたえず。
これを受けての田中軍事課長の所見。(「ウンジョウ」は原文漢字。あとで変換予定)
陸軍内部における多年の積弊が支那事変を通じて如実に露呈せられたものとみるべく、その百弊ウンジョウの深刻さには改めて驚かされる次第なり