クッキーと紅茶と(南京事件研究ノート) このページをアンテナに追加 RSSフィード

2009-06-05

皇民化政策を「文明開化」と同一視する、「NHK抗議運動」のイデオローグ

(6/5 14時、改題しました)

「台湾研究フォーラム会長の永山英樹氏は、先月から続いている「NHKへの抗議運動」の急先鋒を担っている人物だが、

http://www.youtube.com/watch?v=ozulU0HmIcs


彼のブログを読むと首をかしげたくなるような発言にしばしば出会う。

例えば、以下のような記述

http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-715.html

■台湾の文明開化運動ではないのか

この運動を開始した小林躋造総督は三九年五月、「皇民化」を台湾の「工業化」「南進基地化」との産業経済政策上のスローガンと合わせ、それらを「三大標語」「三大政策」と位置付けた。

もちろん「皇民化」が、番組が強調したように、敵国と同じ漢民族を国内に抱え込むことになった日本の同化政策であったのは言うまでもない。しかしさらに言えば、当時の日本は戦時下においてアジアのブロック経済化(東亜新秩序)を進めており、それに台湾人国民の一部として参与させるため、国民意識の向上を求める運動だったと言うこともできる。

伊原吉之助氏は論考「台湾の皇民化運動」で、この運動を「戦う日本人との協力運動」とし、「戦時下における治安確保」「戦時経済への協力」「南進の尖兵」をその目的と指摘する。

「南進の尖兵」とは「真の日本民族の一構成員とし、南進の同伴者として錬成する」ことだが、当時「錬成」の組織として成功したものに青年指導者養成のための勤行報国青年隊があり、そこで「南方農民型のおっとりした青年を、近代工業社会適応型の規律ある青年に鍛えあげた」と言う。

これを見ても感じることだが、私は皇民化運動は、かつては日本でも明治時代に行われた近代国民化の運動だと思っている。文明開化殖産興業政策の下で不可避である住民の意識・生活改革運動であると。

伊原氏は、皇民化運動を「戦時下における治安確保」「戦時経済への協力」「南進の尖兵」といった、きわめて限定的な目的に基づく「戦う日本人との協力運動」と指摘しているわけだが、

永山氏はこれを「文明開化殖産興業政策の下で不可避である」「住民の意識・生活改革運動」に同一化している。

どう考えても論理のすりかえというか欺瞞的イデオロギーだだ漏れ、だと思うのですが。


この永山発言、強制的に「戦う日本人との協力運動」に動員させられた全ての台湾人を愚弄していると思う。

*1

*1:台湾に住む人間は、日本国民でありながら参政権がなかったので、「強制的」という言葉を用いた

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