2009年東北吹奏楽コンクール・一般職場の部

朝、東新宿を9時前に出て、新幹線に乗り継ぎ、12時頃山形駅に到着。
駅にして東新宿から8駅目。時間にして約2時間。
そう考えると、移動中ゆっくり寝れるというメリットも手伝って、意外に山形も近く感じてしまいます。
そして山形県民会館では、吹奏楽コンクール東北大会の一般職場の部が開催されていました。
東北大会を聞くのは、実に初めての経験です。
一番びっくりしたのは、アナウンスが、団体名と指揮者名しかない事。つまり、プログラム等を持っていないと、何を演奏するか、わからないのです。
ところ変われば・・・・って感じですね。

では、出演団体の中から、金賞団体の感想などを簡単に。
まずは、名取交響吹奏楽
指揮者は今年随所でお見かけする近藤久敦氏です。課題曲5番のスタートから、やはりサウンドが完成されているなという印象を強く感じました。特に中低域の充実ぶりは、さすがです。自由曲は、スパークの宇宙の音楽。冒頭のSE的シーンの演出等見事でしたが、やや随所に綻びが見られたのと、会場のせいもあってか、やや打楽器が音量過多だったのが残念でした。にしても、この会場のステージは、学校の体育館の造りで、演奏する側も、戸惑いは多いのでしょう。全体を通して、アンサンブルの妙も心地よく、コラールの後半の荘厳な響きは圧巻でした。

続いて、秋田吹奏楽
実は今日は、所沢で西関東大会が行われていて、常任指揮者の佐藤正人氏は川越奏和を振るために、秋田吹奏楽団は自由曲の作曲者、天野正道が棒を振りました。課題曲は、マーチがお得意のこの楽団、サウンドのバランスもマーチの推進力も申し分なく、そのレンジの広いサウンドを余裕で堪能させて頂きました。自由曲は、天野氏の書き下ろし作品。日本の童歌をベースに、様々な世界観が錯綜して行く楽曲です。作曲家自身の棒という事で、今日の演奏が最も作曲者の意図を反映させたものとなったのでしょう。それにしてもこのバンドの揺るぎないサウンドの安定感にはいつも脱帽です。これで初の3出を達成しました。

そしてもうひとつの代表団体は、泉シンフォニック・ウィンド・オーケストラ
美しく艶のあるファンファーレでスタートした課題曲4番でしたが、全体を通して、まったり感が漂い、マーチとしての推進力に欠けていたのが残念でした。この辺の音楽作りは修正の余地有りという感じでしょう。一方で、自由曲の眠れる森の美女では、この艶のあるサウンドがうまくマッチングして、流麗な世界観を作り上げる事に成功していました。ただ、堅実に作り上げた感が強すぎて、大人ならではの音楽的な主張か感じられなかったのが残念でした。

その他代表からは漏れましたが金賞を受賞した3出明けの大曲吹奏楽
課題曲は3番を選んでいましたが、4番5番に比べると、今年は3番や2番は鬼門楽曲になったかも知れません。何を選択するか・・・・も接戦になって来ると、非常に大切な要素のひとつになるようです。それにしてもこのバンドも非常に中低域のサウンドが充実していて、音楽が非常に安定しています。特に自由曲ではその効果がよく現れていて、程よい緊張感と中間部の流麗な旋律の対比が見事でした。また全体を通して、パーカッション群のレベルの高さも音楽に程よいアクセントを与えていました。

さ、こうして演奏が終了して、15分後には新幹線に乗り、一路東京へ。帰りは2時間かからずに到着。
3日前までは、所沢に行く予定にしていましたが、レベルの高い14団体の演奏に触れられて、急遽山形行きに変更した甲斐があったというものです。