杉本博司 アートの起源 | 建築

会場:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館香川県丸亀市浜町80-1)
会期:
 1. 科学 2010年11月21日〜2011年2月20日
 2. 建築 2011年3月6日〜2011年5月15日
 3. 歴史 2011年5月29日〜2011年8月21日
 4. 宗教 2011年8月28日〜2011年11月6日
時間:10:00-18:00
休館:会期中無休
入場料:一般 950円

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館では、2010年11月から1年間にわたって4つの杉本博司展を開催します。1970年代半ばより写真家として活動を始めた杉本の、考え抜かれたコンセプトと最高の技術によって生み出された作品は、世界中の人々を驚かせ、絶賛されてきました。この突出した才能を持つ杉本の芸術をご紹介するにあたり、今回、一人の作家について内容の異なる展覧会を次々と開催するという、まったく新しい試みに取り組みます。優れた作品を脈々と制作してきた杉本だからこそ可能となったこの度の企画は、新作を含む作品を「科学」、「建築」、「歴史」、「宗教」の4つのキーワードで分類し、その全貌を明らかにしようとするものです。1年間、連続する展覧会は杉本の作品世界の起源を知るものであると同時にアートの起源、ひいては人間の意識の起源をも辿るものとなります。また、杉本が自身の制作を触発するものとして集めたコレクションも作品とあわせて展示します。この二つをともに見ることによって、起源を辿る道はさらに大きく私たちの前に開かれることでしょう。本展覧会シリーズでは、これまでの杉本の作品が時系列に展示されるのではなく、作家自身によって特別に組み合わされ、人間の意識の起源を照らしだすものとして今回限りの構成で展開されます。さらに展覧会ごとに世界初公開のシリーズや本展にあわせて制作された作品が出品されます。また当美術館展示室の大きな空間を活かした展示は、杉本作品の魅力をいっそう引き出した、他では見ることができないものです。
第2回目 「建築」概要
初回の「科学」に続き第2回展となる本展は、写真を主軸としながらもさまざまな表現に取り組む杉本の活動のうち「建築」をテーマとして取り上げ、敢えて焦点距離を「無限の倍」にずらして撮影した〈建築〉シリーズのほか、インスタレーションや立体作品などによって構成されます。とりわけ当麻寺三重塔の古材と写真作品を用いたインスタレーション《反重力構造》や、建築の起源を炎の記憶にまで遡り、1本の蝋燭の炎が燃え尽きるまでを写し取った写真を蝋燭の灯りのもとで展示する〈陰翳礼賛〉シリーズなど、当館の建築空間を活かして展示される作品は本展の大きな見どころとなります。杉本がいかに構造や空間を捉え作品へと昇華させてきたのか、本展はその手がかりを提示すると同時に、私たちにアートの起源、ひいては人間の意識の起源としての「建築」を問いかけるものとなることでしょう。
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(MIMOCA):http://www.mimoca.org/

1年間に渡ってこの美術館で杉本博司の作品を「科学」「建築」「歴史」「宗教」という4つのテーマに分けて行うという壮大な企画。
先週からその第2部となる「建築」が始まった。2005年に森美術館で開催された「時間の終わり」展が杉本博司の全体を網羅したボリュームあるエキシビションだったのでそこで見たことのある作品も多かった。20世紀の代表的な建築を無限大の倍の焦点で撮影した「建築」シリーズも見たことがあった。3階の展示室の「陰翳礼賛」シリーズは多分初見。展示室内でロウソクに火をつけているので、監視員の人は椅子の脇に消火スプレーを置いていてかなり気を遣っていた。大変そう。