いけばな-236

写景盛花様式本位 冬の近景描写
毎年この季節になると挑む水仙の様式。立日蔭を敷くのも大変だし、水仙を組むのも大変。本当はすべての水仙が奥の主枝のようにまっすぐなっていなくてはならないのだけど、手前の2本は葉がねじれて「Y」の字のようになってしまっている。まだまだ修行が足りない。

昨年もいけ方をここに書いたけれどそれを引用しつつ再度おさらい。まず水盤に七宝をこのように配置。そこに立日蔭を丁寧に敷いてゆく。夏の様式は「C」の字のように日蔭を敷き一部の水面を見せるが、冬の様式はこのようにすべてに敷きつめる。次に水仙の葉組。まずは茎をまっすぐに切る。

手のひらで水仙の茎をぐっと潰す。そうすると袴と呼ばれる白い筒と葉や花が離れて分解することができる。一番長い葉は器の直径+深さくらい。それから3cmくらい短い葉を重ねてペアをつくる。

そして、葉のねじれを矯正するために、重ねた2枚の葉の先を左手で摘んで、右手の親指と人差指で挟んで下に向かってしごく。同じようにもうひとまわり短いペアをひとつ作って、それらを重ね合わせ4枚の葉組みができあがる。奥の長さが違う2枚の葉の中間くらいの長さに手前の葉の長い方がくるくらいに。つまり、奥の長い方の葉→手前の長い方の葉→奥の短い方の葉→手前の短い方の葉の順番。さらにこの4枚を同じようにしごいて歪みを矯正する。2枚2枚の間に花を挟んで、分解していた袴に挿し直して完成。袴は爪とよばれる長くなっているほうが手前に来るように。同じように長さの異なる水仙を組んで、合計5本の組を作って、それぞれ七宝に挿す。最後に小菊を奥と手前にそれぞれ挿して完成。あー、何度やっても難しい。