地域ネットで活性化

先週の記事ですが、青森市中心市街地活性化策に関する新聞記事をクリッピング
日本経済新聞地方経済面(東北B)記事(2008/07/10)の「中心市街地、地域ネットで活性化、書き込みや買い物情報、青森市システム開発」より

10年度実用化めざす
 青森市は二〇〇八年度中にも、JR青森駅前の中心市街地の活性化を狙った地域SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のシステムを開発する。買い物客がネット上で店の口コミ情報を書き込んだり、ボランティアに参加したりすると、中心街で利用できる特典が付く。市バスや買い物に利用できるプリペイドカードの導入も検討する。情報技術(IT)の活用で市中心部に来街者を呼び込む。
 青森市はIT活用を後押しする総務省の委託事業の採択を受けた。〇九年度にかけて実証実験を進め、企業の協力を得て一〇年度にも実用化を目指す。
 計画では携帯電話やパソコン、中心街の店舗に設置した専用端末を通じて利用できるシステムにする。店側は特売やお勧めメニューなどの情報を発信し、客が感想を書き込むことで、店のサービス向上に役立てる。
 実証実験ではモニターとなる利用客がSNSへの書き込み、エコバッグの持参、ボランティアに協力した場合に利用客にポイントを付け、これをICカードに記録させる。ポイントに応じて、店舗での特典が受けられるようにする考え。
 青森市はSNSを実用化した時点で、買い物客が持つICカードに現金代わりとなるプリペイドカードの機能を持たせることを目指す。「買い物のほか、街なかへの足となる市バスや鉄道の支払いにも利用できる仕組みを検討したい」(中心市街地対策課)。
 青森市は昨年二月、改正中心市街地活性化法に基づく全国一号の政府認定を受けた。中心市街地には再開発の動きも出始めている。SNSを通じて、買い物客となる市民の中心街への関心を高めることを狙う。

地方自治体が地域SNSを用いて市街地の活性化を図るというのは、あまり例のない話ではないだろうか。個人的には、口コミの匿名性への配慮はあるのか、民間IT企業の活動を阻害しないか、などの点が気になっている。いろいろな意味で興味深い試みだと思う。

地域ネットの整備だけでなく、周辺の商業地区と中心市街地を結ぶ交通手段の連携も重要になるだろう。例えば、青森市営バス「浜田循環線」の活用などにより、大規模小売店が林立する大野地区と中心市街地との連携が深められないか。中心市街地の駐車場整備と併せて検討を進めてもらいたい。