今年の夏の甲子園は面白い。

単に接戦というだけでなく、内容のある熱戦が例年にもまして多いような気がします。これだけ大会前の下馬評やこれまでの常識が通用しない展開になっているのも、あまり記憶にありません。

久しぶりの1日4試合となった準々決勝も、大味な試合が1つもありませんでした。

10年ぶり準々決勝1日4試合 史上初の休養日で復活

第95回全国高校野球選手権準々決勝

 今大会は3連戦を回避する目的で準決勝前日に史上初の休養日が設けられたため、03年以来10年ぶりに準々決勝が1日4試合で行われた。

 かつては高校野球ファンの間で「準々決勝が一番面白い」と言われた通り、この日はすべてが1点差の好ゲームとなった。高野連関係者は「8校の中から優勝チームも準優勝チームも出るわけですからね。お盆も過ぎて週明けの時期でもお客さんが集まったのでは」と話した。

[ 2013年8月20日 06:00 ]

http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2013/08/20/kiji/K20130820006451220.html

NHKラジオ第1が18時50分で中継を打ち切るという非道を行なったためにラストシーンをリアルタイムで確認できなかった第4試合も、9回裏2死から大きく試合が動いた第3試合も、逆転に次ぐ逆転で最後まで勝負の成り行きが読めなかった第1試合も、それぞれ素晴らしい試合でしたけど、ベストゲームを一つ挙げるとすれば、明徳義塾日大山形の試合でしょう。

三度先行して三度追いつき、そして逆転して逃げ切るという手に汗握る展開の緊張感は、9回の表裏の攻防での甲子園の盛り上がりが物語っていました。ハイレベルな一戦だったと思います。

日大山形 優勝校3連破 もう最弱じゃない!県勢初4強入り

第95回全国高校野球選手権準々決勝 日大山形4―3明徳義塾 (8月19日 甲子園)


明徳義塾日大山形>ベスト4進出を決め、歓喜の日大山形ナイン
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 24年ぶりの東北旋風だ。準々決勝4試合が行われ、4強が決まった。日大山形明徳義塾(高知)を4―3で下し、山形県勢初の4強入り。1点を追う8回に3安打を集中し逆転した。花巻東(岩手)も8回の逆転劇で鳴門(徳島)を下し、09年以来4年ぶりに準決勝進出を果たした。東北勢2校の4強入りは89年以来、2度目。20日は大会史上初の休養日で、勝ち残った4校はいずれも初の決勝進出を懸け、21日の準決勝に臨む。

 破竹の快進撃が止まらない。日大三西東京)、作新学院(栃木)に続き今度は明徳義塾を撃破。いずれも甲子園で優勝経験のある強豪を次々に下して山形県勢としては初の4強入り。8回に決勝打を放った吉岡は「どこが来ても勝つという意識でやっている」と胸を張った。

 鮮やかな逆転劇だった。1点を追う8回。峯田の左中間への適時三塁打で同点に追いついた。なおも2死三塁。吉岡の目の前で4番の奥村が敬遠された。「なめられている。絶対打ってやろうと思った」。1ストライクからの2球目。内角の139キロ直球を思い切り引っ張った。打球はやや詰まりながらも右前へ。山形県の歴史に名を刻む劇的な決勝打となった。

 昨秋から徹底的に打力を磨いてきた。特に体幹強化に力を入れ、冬場は金属バットより100グラムほど重く、芯を外せば両手がしびれる1キロ近い竹バットを振り込んだ。この日は9安打中、三塁打が3本。鋭い打球が外野 を抜けていった。8回に同点打を放った峯田は「春先に金属バットを持った時に感覚が違うなと感じた。当たれば飛ぶ」と他県の強豪校と同じような速い打球に、手応えを感じていた。

 東北勢の一員としての意地もあった。07年から昨年まで山形県勢は6年連続で初戦敗退。夏の甲子園での都道府県別勝利数では全国で最下位だ。2年連続準優勝の光星学院(青森=現八戸学院光星)や、09年に菊池(西武)を擁して4強入りした花巻東(岩手)など近年躍進を遂げる東北勢の中で完全に出遅れていた。峯田も「毎年負けて“弱い山形”と言われるのが悔しかった」と振り返る。

 そんな意識を払しょくすべく、荒木準也監督は、ナインに高い目標を設定していた。8強入りを懸けた3回戦の作新学院戦前日のミーティング。「ベスト8、ベスト4ではいつか超えられる。次の試合に勝って塗り替えられない記録をつくろう」と語りかけた。「塗り替えられない記録」とは優勝を意味する。この言葉にナインは発奮し、まだ負けたくないという気持ちが生まれた。全国制覇まであと2勝。もう「山形が弱い」とは言わせない。


明徳義塾日大山形>8回2死一、三塁、吉岡が決勝適時打
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[ 2013年8月20日 06:00 ]

http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2013/08/20/kiji/K20130820006451130.html

気が付けば、大越基仙台育英と中川申也の秋田経法大付以来の東北勢2校のベスト4入りですか。近年、東北の高校野球レベルの向上はもう誰の目にも明らかですし、もしかしたら、そろそろ悲願の「白河越え」があるかも知れませんね。

仙台育英&秋田経法大付以来24年ぶり 東北勢2校4強入り

第95回全国高校野球選手権準々決勝 日大山形4―3明徳義塾 (8月19日 甲子園)

 東北勢2校が4強入りしたのは89年の第71回大会以来2度目で、前回は仙台育英(宮城)と秋田経法大付(現明桜)が勝ち進んだ。

 仙台育英はエース・大越基(現早鞆監督)が全5試合を1人で投げ抜いたが、決勝で吉岡雄二(元楽天)擁する帝京に0―2で敗戦。秋田経法大付は1年生エースの中川申也(元阪神)が準々決勝まで1失点の快投を見せたが、準決勝で帝京に0―4で敗れた。

[ 2013年8月20日 06:00 ]

http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2013/08/20/kiji/K20130820006451200.html