韓国の、ベトナムとの向き合い方

完全に対立するわけではありませんが、保守‐進歩の括りがかなりの程度効いてくるトピックスではあります。

このへんの「決まり悪さ」を韓国社会に持ち込んだのは、金大中盧武鉉の「功績」であると思います。


記事入力 : 2013/09/10 08:31
ホー・チ・ミン廟参拝した朴大統領、「過去」には触れず

 朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は9日、ベトナム最高指導部との会談に先立ち、ベトナム建国の父、ホー・チ・ミン国家主席の廟(びょう)を黒のジャケットにスカートという服装で参拝した。

 献花兵が朴大統領の弔花を廟の入り口に置くと、朴大統領は現地の慣習に従い、弔花上の「大韓民国大統領・朴槿恵」と書かれたリボンを整えた後、黙礼した。朴大統領は廟の内部も訪れた。

 朴大統領は同日午後、主席宮で首脳会談を終えた後、チュオン・タン・サン国家主席の案内で付近にあるホー・チ・ミン元主席が生前使用していた執務室に立ち寄った。サン主席が朴大統領を同執務室まで案内したのも異例だった。

 過去にホー・チ・ミン廟を訪れた韓国の大統領としては、1998年12月の金大中(キム・デジュン)元大統領、2004年10月の盧武鉉ノ・ムヒョン)元大統領、09年の李明博(イ・ミョンバク)前大統領がいる。金大中盧武鉉元大統領は韓国のベトナム戦争参戦について謝罪し、李明博前大統領は廟を参拝しただけにとどまった。

 朴大統領には、父親の朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領が1964年にベトナム戦争への派兵を決定したという「決まりが悪い因縁」がある。ベトナム戦争による特需は韓国経済発展の基盤になったが、両国の軍隊が銃を向け合ったことも歴史的事実だ。

 朴大統領は7日夜、ハノイ入りした後、公の席では過去の歴史に触れなかった。サン主席は予定より20分延びた拡大首脳会談で、「真の友人が来た」「韓国は姻戚関係にある国だ」と述べた。背景には今年1月現在で韓国人と結婚したベトナム人女性が約3万9000人いることがある。

 朴大統領は9日の共同記者会見で、「ベトナム国民に韓国国民の温かなメッセージを伝えたい」として、ベトナム語で「カムウン(ありがとう)」と述べ、発言を締めくくった。

 朴大統領は同日、対外的にベトナムを代表するサン主席、党序列1位のグエン・フー・チョン書記長、行政を統括するグエン・タン・ズン首相、グエン・シン・フン国会議長という最高指導部4人と全て会談した。

ハノイ=崔宰赫(チェ・ジェヒョク)記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/09/10/2013091000595.html

[社説]日本に歴史直視訴え、ベトナムにはだんまりの矛盾
登録 : 2013.09.10 00:50修正 : 2013.09.10 06:09

 朴槿恵大統領がベトナム国賓として訪問している。7日から11日まで何と4泊5日の長い日程だ。ベトナムは米国、中国、そして主要20ヶ国首脳会議が開かれたロシアに続き、朴大統領が就任以後に訪問した4番目の国だ。朴大統領が周辺4強国の他にベトナムをいかに戦略的に重視しているか察することができる。

 我が国とベトナムは1992年の修交以来、政治・経済・文化など多方面にわたって緊密な協力関係にある。金泳三大統領が1996年大統領として初めて訪問して以来、金大中,盧武鉉,李明博ら歴代大統領は在任中に全員がベトナムを訪問した。両国を規定する関係も、中国、ロシアに続き三番目に2009年に‘戦略的協力パートナー’に格上げされた。我が国の男性と結婚したベトナム女性の数も現在3万9000人余りで、中国に続き二番目に多い。このような状況でなされた朴大統領の国賓訪問は両国の協力と絆を一層強化する契機になるだろう。

 だが我が国とベトナムの間には‘大きな宿題’が残っているのも事実だ。まさに我が軍のベトナム戦参戦と市民虐殺問題だ。ベトナム政府が修交して、‘戦勝国として謝罪を受ける必要はない’という姿勢を示したものの、それですべてが済んだわけではない。戦争当時、激戦地だった中部地域のあちこちに韓国軍憎悪の慰霊碑がまだ並び立っているという事実がそのことに対するしこりが残っていることを示している。我が国と日本が1965年に結んだ請求権協定がまだ過去の歴史のあつれきを解消できずにいることと同様だ。

 こうした事情のために金大中大統領は就任中にベトナムを訪ねてホーチミン墓地に献花し、首脳会談で「ベトナム国民に心ならずも苦痛を負わせて申し訳なく思う」と謝ったし、盧大統領はホーチミン墓地を献花・参拝して「韓国民には心の負債がある」と一層謝意を高めた。しかし保守指向の李大統領は献花だけして「ベトナムが逆境とつらい過去を乗り越えて未来に向かっていることに敬意を表わす」と話すにとどまった。

 朴大統領は9日午前、ホーチミン墓地に献花だけして何の言及もしなかった。そして首脳会談では原発輸出と自由貿易協定締結などのセールス外交にだけ注力した。あえて相手から要求もされていないのに謝罪を繰り返す必要があるかとの意見もあるが、これは私たちが日本に歴史直視を要求していることと矛盾する。自分が受けた被害は是正を要求しながら、自分が負わせた加害は知らんふりする態度ではどこの誰からも本心からは信頼を得られない。

韓国語原文入力:2013/09/09 18:33
http://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/602715.html 訳T.W(1163字)

http://japan.hani.co.kr/arti/opinion/15580.html

過去の記事としては、こちらなどが参照に値するでしょう。ソウルにある戦争紀念館のベトナム戦争関連の展示も、要チェックのポイントですね。

ベトナムと韓国との「和解」

ベトナム訪問した李大統領、金大中盧武鉉両氏は謝罪したが…
2009年10月21日12時57分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]

ベトナムの国民に対し敬意と尊敬の意を表明したい」−−。

5泊6日にわたる東南アジア3カ国(ベトナムカンボジア・タイ)歴訪のため、20日にベトナム入りした李明博(イ・ミョンバク MB)大統領が、ベトナムの国営テレビとのインタビューでコメントしたものだ。

李大統領はベトナムの大学生との対話でも「人々は未来が重要だと語りながらも、常に過去に縛られているが、ベトナムは非常に未来志向的だ」「韓国と同じ歴史意識をもっていると考える」「韓国人はベトナム人を最も好む。ベトナム人も韓国人を最も好むだろう」と親近感を示した。

李大統領は特にベトナムの「国父」とされるホー・チミン(胡志明)元主席について「歴史は人を輝かせるという言葉を残した。全的に同感する」とした。韓国はベトナム戦争に約31万人の兵力を派遣した参戦国家だ。いまでも激戦地だったベトナム中部のあちこちには憎悪の慰霊碑が残っている。国交正常化から17年を迎える両国が痛ましい過去の歴史をのり越え、未来の同伴者として進むため、李大統領の取り組み方や協力強化策が何かが注目を集める理由だ。

李明博大統領とグエン・ミン・チェット大統領(国家主席)の首脳会談は21日に予定されている。青瓦台(チョンワデ、大統領府)は▽経済通商・エネルギーの分野▽韓流など社会・文化の分野−−での協力、強化に焦点を合わせている。しかし隠された懸案がひとつある。ほかでもなく過去の歴史問題だ。李大統領がベトナムを訪問する直前に、両国間に展開された「ベトナム戦争に関連した文言をめぐるトラブル」がそれを証明する。

政府が進めた「国家有功者優遇法」改正案に「世界平和の維持に貢献したベトナム戦争の有功者と…」という文言が含まれたのが、ベトナムの激しい反発を呼んだ。辛うじて収拾したものの、過去の問題は依然「揮発性」の高い雷管だった。

◇保守派の反発招いたDJの謝罪=故金大中(キム・デジュン、DJ)元大統領は、在任中の98年にベトナムを訪問し「本意とは異なり、ベトナムの国民に苦痛を与えた点について申し訳なく思っている」と初めて公式に謝罪した。共産党を創設したホー・チミン元主席の墓地も初めて訪れた。

当時ハンナラ党の副総裁だった朴槿恵(パク・クンヘ)元代表はホームページを通じ「韓国戦争(1950〜53)に参戦し、自由民主主義のため戦った16カ国の首脳らが金正日キム・ジョンイル北朝鮮国防委員長に謝罪したのも同然なこと」と非難した。同氏は当時「(DJの謝罪が)が参戦した勇士らの心と大韓民国の名誉を大きく傷付けた」とまで書いた。

DJはしかし、01年に訪韓したチャン・ドゥック・ルオン国家主席に「不幸な戦争(ベトナム戦争)に加わり、本意とは違ってベトナムの国民に苦痛を与えた点について申し訳なく思っている」と再び謝罪した。92年に国交正常化を実現し、96年にベトナムを訪問した金泳三(キム・ヨンサム、YS)元大統領は、過去の問題には全く触れなかった。ホー・チミン元主席の墓地にも訪れなかった。

04年にベトナムを訪問した故盧武鉉ノ・ムヒョン)前大統領は「韓国民の心に借りがある。それだけにベトナムの成功を切実に願っている」とのみコメントした。その代わり、ホー・チミン元主席の墓地に献花をし、韓国大統領としては初めてホー・チミン元主席の遺体が安置されたガラスの棺の前で10秒間にわたり黙祷した。

◇MBの解決策は=韓国とベトナムは92年の国交正常化当時「韓国軍のベトナム参戦など過去の歴史を問題視しない」ということで一致した。「(派兵は)冷戦体制の下で止むを得ないことだった」というレベルの意見交換にベトナム政府が同意したのだ。ベトナム政府は「勝利した国として敢えて謝罪を受ける必要はない」という立場であり、韓国との国交正常化から得る実利も重要視した。

李大統領は21日、ホー・チミン元主席の墓地に献花をする。青瓦台高官は「現在としてはベトナム側が先にこの件を持ち出す前に、李大統領の方から先に触れる可能性はそれほどない」とした上で「ベトナムが取りあげれば、応対はするだろう」と話した。いったんホー・チミン元主席の墓地に献花することで過去の歴史について誠意は示すものの、積極的な言及は控えるという「戦略」である。

http://japanese.joins.com/article/819/121819.html