いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「変態王子と笑わない猫。」さがら総(MF文庫J)

変態王子と笑わない猫。 (MF文庫J)
変態王子と笑わない猫。 (MF文庫J)

横寺陽人は頭の中身が煩悩まみれな高校二年生。ひょんなことで“笑わない猫像”に祈ったら、心で思ったことがいつでもどこでも垂れ流しになってしまった! 人生の大ピンチを救ってくれたのは、クールでキュートな無表情娘、筒隠月子――「頭の先から尻尾の終わりまで撫でまわしたくなる感じの子だなあ」「変態さんですね」「ち、違っ、褒め言葉の一種だよ!?」「裁判沙汰の多そうな変態さんですね」「!!??」とにもかくにも猫像のせいで喪われた本音と建前を奪還しようと、ふたりは協力してアニマル喫茶に行ったり水着を買いに行ったりお嬢様のペットになったり――ん?第6回新人賞<最優秀賞>受賞、爽やか変態×冷ややか少女の青春迷走ラブコメ


これは可愛い!
ヒロインズがめっちゃ可愛い。大事なところでヘタレる主人公には正直イラッとしたが、それを補って余りあるヒロインたちの可愛さ。
特に月子は久々のクリーンヒット。表情はなくなってしまったことになっているけど、その行動や言葉の端々には感情たっぷり。ちょっと変わった口調に、こんな主人公にめげずに付いていく健気さに、拗ねたようにヤキモチを妬く姿と、どこをとってもツボだった。
他の二人、寂しがり屋なツンデレの梓と鉄の女の皮を被った○○さんの部長もそれぞれに魅力たっぷりで、色々な属性の人がニヤニヤ出来ること間違いなし。
ただ、前述のように主人公が微妙かな。普段は勢いがいいのに大事なところで必ず一度尻込みする様子や、他人の機微に敏いくせに恋愛が絡むと急に鈍くなることに違和感がある。おかげで話の流れが少々不自然。変態度合いもそれほどでもなかったし・・・まあそこは、最高級の変態度で美味しいところを掻っ攫っていった人がいたから仕方ないかw


とにかく女の子たちが萌え要素たっぷりで生き生きしていて読んでいて楽しかった。素晴らしいキャラ小説。
次はちょっとでいいから主人公に色恋を気にする素振りが欲しいなあ。この終わり方なら当然続きが出ますよね?