いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「龍盤七朝 DRAGONBUSTER 02」秋山瑞人(電撃文庫)

龍盤七朝 DRAGONBUSTER 〈02〉 (電撃文庫)
龍盤七朝 DRAGONBUSTER 〈02〉 (電撃文庫)

卯王朝、第十八皇女の月華(ベルカ)。感情が高まるとぐるぐる回る癖がある困った姫様。
とある夏の日のどぶ川の畔で、虐げられる民“言愚(ゴング)”である涼孤(ジャンゴ)の剣舞を目撃し自らも剣をとる。はじめは金持ちの道楽でしかなかったその剣術だが、あるきっかけからまさかの開眼をはたし――!?
一方、元都には武人が生死をも賭して真剣試合を行う大比武が近づいていた。頂点まで勝ち上がった者は「独峰(どっぽう)」と呼ばれ大変な名誉であり、そこに至らずとも武技優秀と認められれば相応の軍籍が与えられる。
涼孤の働く講武所の師範代・蓮空(デクー)や、一番手講武所の一番弟子・阿鈴(アレイ)など、それぞれの志を抱き出場を決める。
涼孤と月華は武の頂を目指す者たちを巻きこみながら、その運命を近づけていく。はたして二人の剣が交わる日はくるのか!?

約4年ぶり、待望の第2巻。



強く感じたのは自由奔放と狂気。月華の振る舞いも文章そのものも。
じゃじゃ馬ぶりに拍車がかかりやりたい放題暴れまわっている月華を中心に、この世界に生きる人々の日常を描いた群像劇。
コロコロ視点は変わるし名前は憶えづらいしで初めは読みにくかったりするのだが、祭り前の活気と裏社会のきな臭い匂いの両方を感じる街の雰囲気と多くの人間の様々な感情が交錯する展開、人々の生きざま切り取ったような感情剥き出しの文章に、いつの間にやら飲み込まれていて、読み終わった時は「え? あ、終わったのか」という感じだった。
特に、高揚や恐怖、内に潜む狂気がダイレクトに伝わってくるアクションシーンは圧巻。HPの謳い文句「秋山は死せず!」を実感した。
次で終わりなのか。月華の未来も涼孤の求めるものも分からなければ、あまり交わっていない他の登場人物も沢山いる。終着点が全く見えないのだけど、どうやって終わるんだろう。早く続きが読みたい。
……が、いつ出るんだろうね、ホント(^^;