いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「米澤穂信と古典部」米澤穂信(角川書店)

米澤穂信と古典部
米澤穂信と古典部

ある日、大日向が地学講義室に持ち込んだのは、鏑矢中学校で配られていた「読書感想の例文」という冊子。盛り上がる一同に、奉太郎は気が気でない――。
書き下ろし新作短編「虎と蟹、あるいは折木奉太郎の殺人」の他、古典部メンバー四人の本棚、著者の仕事場や執筆資料も初公開!
氷菓』以来、米澤穂信と一五年間ともに歩み、進化を続けている〈古典部〉シリーズについて「広く深く」網羅した必読の一冊。

古典部〉シリーズのムック本。
対談記事4つに加えて「米澤穂信に30の質問 作家声優漫画家編」も対談形式風なので、非常に対談の多い一冊となっている。
特に面白かったの記事はその「30の質問 作家声優漫画家編」。谷川流健在にビックリ(←おい。但し最後の質問の闇が深い(^^; さらに直後の賀東さんの初めの質問とのテンションのギャップが凄い。
さて、お目当ての短編は、、、


虎と蟹、あるいは折木奉太郎の殺人
内容:名作感想文『「走るメロス」を読んで』を書いた折木先生の新作二編。
「わたしたちの伝説の一冊」を読んだ時にも思ったのだけれど、学生の頃にこれを読みたかった。自分にこんな遊び心のある文が書けるかは別にして、苦痛だった読書感想文がかなりマシなものになっていただろうに。まあ流石に三年生の方は遊び過ぎだけど。というかこれ、里志の言うとおり相当手間のかかる作業だよね? 省エネ主義の奉太郎らしくない文章なのは間違いない。そう考えると大日向説もあながち間違いじゃないのかもしれない。
えるの数学的な強さをという設定上は知っていたけど初めて見る側面が読めたのも良かった。おかげで奉太郎が地獄だったわけだけど。奉太郎に共感して読むと悶絶死するので注意。