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memorandum

2009-10-19

[]SARVHに勝ち目はあるか

本田雅一氏がSARVHと文化庁を痛烈に批判しておられる。

【本田雅一のAVTrends】施行通知に矛盾した“文化庁著作権課見解”から見える、私的録画補償金問題に燻る火種 -AV Watch


ただ、私は、SARVHの主張が認められる可能性が、五分以上はあると考える。何となれば、著作権法上では、録音録画保証金対象機種は、政令で決定されることになっているからだ。

2 私的使用を目的として、デジタル方式の録音又は録画の機能を有する機器(放送の業務のための特別の性能その他の私的使用に通常供されない特別の性能を有するもの及び録音機能付きの電話機その他の本来の機能に附属する機能として録音又は録画の機能を有するものを除く。)であつて政令で定めるものにより、当該機器によるデジタル方式の録音又は録画の用に供される記録媒体であつて政令で定めるものに録音又は録画を行う者は、相当な額の補償金を著作権者に支払わなければならない。

著作権法


そして、著作権施行令の一部を改正する政令を読む限りでは、アナログチューナー非搭載のものを、録音録画保証金の対象機器から除外する様には、私には読み取れない。

光学的方法(波長が四百五ナノメートルレーザー光を用いることその他の文部科学省令で定める基準に従うものに限る。)により、特定の標本化周波数アナログデジタル変換が行われた影像又はいずれの標本化周波数によるものであるかを問わずアナログデジタル変換が行われた影像を、直径が百二十ミリメートル光ディスクレーザー光が照射される面から記録層までの距離が〇・一ミリメートルのものに限る。)であつて前号ロに該当するものに連続して固定する機能を有する機器

著作権法施行令の一部を改正する政令新旧対照条文

従って、政令に関しては、文化庁の「アナログチューナ非搭載DVDレコーダは私的録画補償金の対象である」という見解は、私は正しいし、文化庁としてはその通りに答えるほかないと考える。


それでは、本田氏が問題にしている施行規則に関して考えてみる。

施行通知が関係各所(この問題の場合、文科省だけでなく経産省も関わるため、通知には“両省は”と繰り返し書かれている)に示され、了承を得た上で政令が閣議にかけられる。閣議での承認を得る前提で作成されるもので、もっとも明確な政令の解釈指針と言える。

 その施行通知において、アナログチューナを内蔵していないレコーダの後ろにあえて“等”と付けて範囲を拡げた上で、デジタルチューナのみのレコーダに関しては、別途、話し合いをしましょうね。まだ合意はしていないですよ。と記しているのである。

政令が改正されている以上、経産省と文化庁はブルーレイを私的録音録画補償金の対象とする事に合意したと言える。経産省と文化庁が「デジタルチューナのみのレコーダー」に関しては合意していないのであれば、政令に反映されていなければおかしいが、政令を見る限りは、アナログチューナーデジタルチューナーを特別に区別しているわけではないようだ。つまり、デジタルチューナのみのレコーダーに関しても私的録音録画補償金の対象とする事に、経産省が同意していることになる。


著作権法に「対象機器政令によって決定される」と書いてある以上、施行通知で何を書こうが、政令が全てである。裁判所は該当の機器政令と照らし合わせて、録音録画保証金の対象かどうかを判断する。従って、権利者がメーカーを訴えた場合、裁判所が著作権法の条文だけを読んで判断するのであれば、権利者側が勝つ可能性が五分以上はあると考える。また、施行規則には以下のようにある。


アナログチューナーを搭載していないレコーダー等が出荷される場合、及びアナログ放送が終了する平成23年7月24日以降においては、関係者の意見の相違が顕在化し、私的録画補償金の支払の請求及びその受領に関する製造業者等の協力が十分に得られなくなるおそれがある。両省は、このような現行の補償金制度が有する課題を十分に認識しており、今回の政令の制定に当たっても、今後、関係者の意見の相違が顕在化する場合には、その取扱について検討し、政令の見直しを含む必要な措置を適切に講ずることとしている。

著作権法施行令等の一部改正の概要


解釈によるのだろうが、この文章は、何の意味もなく、何ら実効性がないと私は考える。「関係者の意見の相違が顕在化」「取り扱いについて検討」「政令の見直しを含む必要な措置を適切に講ずる」と、何ら、具体的にはなっておらず、抽象的な表現に終始している。つまり、やってもやらなくてもいいのだと捉えるのである。


文化庁・権利者の立場としては「政令を変えたもの勝ち」であるだろうし、経産省も政令を変えることに同意した。一方、メーカー側は、法律政令では勝負にならないから、著作権法の趣旨をふまえた上でアナログチューナー非搭載のレコーダーを録音録画補償金の対象にする事は、著作権法の趣旨に反している。従って、違法である」事を立証しなければならないが、それは簡単なことではないと思うのである。


問題は、なぜ経産省がこのような文化庁の政令に合意したかであるが、個人的な推測では、双方とも嫌になったのではないかと考える。つまり、メーカー側の利害しか主張しないJEITA、権利者側の利害しか主張しないSARVHに経産省も文化庁も嫌気がさして、「当事者側で解決しなさい。解決できないのであれば、裁判を起こしなさい」と思ったのではないだろうか。


あまりにも自己中心的メーカー団体、権利者団体に嫌気がさして、経産省も文化庁も調整を放棄したのが、事の真相ではないかと思う次第である。

ichishohishaichishohisha 2009/10/21 10:48 はじめまして。
この補償金の問題は、私たち消費者が支払義務を負っている問題で、何だかメーカーvs権利者みたいに捉えられていらっしゃるのが悲しく感じまして、コメントをさせていただきました。

東芝やパナソニックは補償金を支払うのが嫌とは言っていないようで、記事(http://bit.ly/ndEZw)でも紹介されているように、「デジタル専用機が課金対象になるか明確でない以上、メーカーだけの判断で補償金は徴収できない」というスタンスのようです。
そんな中、文化庁次長名で現行の政令の改正を関係者に通知する文書で「両省は、このような現行の補償金制度が有する課題を十分に認識しており、今回の政令の制定に当たっても、今後、関係者の意見の相違が顕在化する場合には、その取扱について検討し、政令の見直しを含む必要な措置を適切に講ずることとしている」と言っていたのですから、アナログチューナー非搭載DVDの取扱は、この施行通知の時点では決まっていなかったのではないかと思います(少なくとも、私にはそうとしか読めないですし、本田記者やJEITAだけでなく、主婦連やMIAUも同じ読み方のようです)。

それにも関わらず、文化庁が経済産業省と検討することなく、見解を出したのは不思議な話で(検討なしに見解が出せるなら、施行通知の段階で出せますから)、本田記者のおっしゃっておられることはもっともな話ではないかと。

拙文、失礼致しました。

bn2islanderbn2islander 2009/10/21 21:20 >ichishohishaさん

コメントありがとうございます

>何だかメーカーvs権利者みたいに捉えられていらっしゃるのが
>悲しく感じまして

今回の騒動はメーカーvs権利者です。消費者は今回に関しては、基本的には蚊帳の外だと思います。


>アナログチューナー非搭載DVDの取扱は、この施行通知の
>時点では決まっていなかったのではないかと思います

そうであれば、政令にその内容が反映されていたと思います。政令を見る限り、アナログチューナー非搭載のレコーダーに関しても、明確に補償金の対象ではないでしょうか。

なお、私は施行通知は基本的に無視しています。


>文化庁が経済産業省と検討することなく、
>見解を出したのは不思議な話

政令解釈に関しては、文化庁としての見解を出すことは不可能ではないと思います。文化庁がその政令をどの様に考えているか、と言うことに過ぎないわけですから。

経産省に聞いてみる手もあるかと思いますが、経産省としても結論は同じではないかと、私は考えています。

ichishohishaichishohisha 2009/10/22 11:36 お返事くださり、ありがとうございます。

> 今回の騒動はメーカーvs権利者です。消費者は
> 今回に関しては、基本的には蚊帳の外だと思います。

私は、メーカーは協力義務を負っているだけで、実際の支払いは消費者という理解をしています。そして、今回の争いでメーカーが負けてしまうと、自動的に消費者も支払いを強制されることになってしまうわけで、そういう意味ではまさしく代理戦争で、傍観者のようなつもりではいられないです。^^;
メーカーがどこまで消費者を代弁してくれるのかは分かりませんが、少なくとも現時点では、支払義務者である消費者を無視して権利者団体との訴訟が怖いからと勝手に徴収に協力するという判断をせずにいてくれているようで、そのこと自体はとても評価できると思っています。
もちろん、今後、手のひらを返したりしないように、私たち消費者やMIAU、主婦連のような団体は、ちゃんと目を光らせておく必要があると思いますが。^^

>>アナログチューナー非搭載DVDの取扱は、この施行通知の
>>時点では決まっていなかったのではないかと思います

> そうであれば、政令にその内容が反映されていた
> と思います。政令を見る限り、アナログチューナー
> 非搭載のレコーダーに関しても、明確に補償金の
> 対象ではないでしょうか。

政令でDVDが指定された段階では、無料放送にコピー制御はかけられず(←当時の総務省令によって)、状況に変化があるので、政令で限定がない=対象、というほど、簡単には行かないように理解しています。機器や媒体の指定は、国民の権利・義務に直接関連する事項で、制定当時に想定できなかったものについて自動的に拡大するわけにはいかないですから。

対象に含まれないならそのように政令を書くべき(変えるべき)というのはもっともなのですが、制定当時にはそれを想定した書きぶりにはできませんし、現時点で政令の書きぶりを変えてしまうと「決まってしまう」ので、施行通知という公文書を用いて「まだ決まっていない」というステータスにした(問題の解決にはなりませんが、いわゆる先送り)というのが真相ではないかなと思います。
例えば、「その取扱について検討し」というフレーズも決まっていないからこそ検討する必要があるということですので、割と素直に読んだつもりです。

拙文&乱文、ご容赦下さい。

zames_makizames_maki 2010/01/29 15:44 >これ自体が「朝日新聞政治部記者」とか「NHK報道局幹部」のリークで成り立っていると思うんだけど(bn2islander)
 おせっかいだと思うが読んだので一言書きます。

今の小沢一郎事件に関する大手メディアの問題は「関係者」としか書かず、取材源をまったく明らかにしない事にある。例えば小沢一郎に記事に「法務省によれば」「(東京地検ではなく)大阪地検によれば」などという取材源がある程度明示されていれば、情報の受け取り方は大きく異なる。
 捜査主体である東京地検以外から情報が出ていれば、情報のあるものには信頼性が、あるものには逆の意味が付与されるだろう。又リークの仕組みもわかるだろう。

 あなたはリークは全ていけないと勝手に思っているようだが、そうではない、これは議論されておらず無関心な方には難しいようだ。問題なのはその情報が捜査主体である検察のリークであり、それ故信頼性やバイアスがかかっているにも関わらず、信頼性があるもの、バイアスのないもの、として扱われてしまう事だ。

上杉氏の記事で言えば取材源を「朝日新聞政治部記者」と書かず「インターネット新聞記者」にすれば、上杉氏の記事に信頼性がないことにすぐ気づくだろう。しかし「関係者」だけであったら判断しようがない。朝日新聞の事を朝日新聞記者に取材するという当たり前のことができて初めて記事に信頼性が生まれる。

しかし今の小沢一郎事件ではそうした信頼性やバイアス排除がなされていない。こういう記事の理解の仕方を「メディアリテラシー」と言うと思うがいかがか?以下は私のブログです
「小沢一郎事件での検察リークはなぜいけないのか?」
http://d.hatena.ne.jp/zames_maki/20100125

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