肩の内奥のリリース

数日前の施術でのこと。





肩の三角筋やその内側の部分に不調を訴える方の、
その部分にアプローチをしていきました。




今までも何度も繰り返しアプローチをした。


ですが相当にリリースが難しい。
カウンターストレイン的なこと、
マッスルエナジー的なことなど、
さまざまな手技療法は以前になしたが、太刀打ちできない。


むろん、徐々に進む改善は見られるが、
本人的にもその肩を重く動きを制限させられたり、
動くことにブレーキをかけるほどの肩関節のはまりの異常を感じ、
にっちもさっちもどっちもこっちも。。。


とりあえず、やれることというと腕ごと肩をまわしてゴリゴリというよりも、
もっとクラック音が激しいパキッパキィという状態。



実際の話し、指先でリリースを加えようとすると、
あまりの激痛で、ここは耐えることはできないし、
耐えたとしても、結局は指の圧で解けるほど柔ではない。


重篤なつらさがあるものなのです。





そのような状態を改善すべく、幾度も幾度も挑んでいくと。
どうにかこうにか自作ていしんでインパクト圧をかけると、
方向性や圧の量や質を精密に狙い、
箇所を定めて影響を与えられるようになった。


ただ以前のインパクト圧では、安定した方向性が一定しづらかった。
そこを改良して押さえ手部分をたくみに設定し、
押さえ手も打ち込み圧着へと導く。


それにより圧の精密度以上に、リリース力が当社比だが飛躍的に伸びた。
(当社比といっても、私しかやらないことではあるが・・・。)




その手を用いて、右肩のリリースに長時間をかけて挑んだ。
今までのリリース深度とは異なった様子に落ち着いていき、
硬く筋肉太り状態を維持したものが緩み始めてきた。
三角筋下が、いつもと比べるとほっそりとしたくびれが見え始めた。


施術後はある程度はその音は弱まるのだが、
数週間もすると、あのときの音へと近づいていく。


そのお客様の肩のコンディションが、
どのようにこれからなっていくのか?





ご本人も、ある程度動きやすくもなったと思いますが、
どうやら、その肩の硬さを作り出しているのは過去のダメージを防ぐためのプロテクター筋として
三角筋部分を固めてもいるようなのです。
一般的な硬さとは群を抜いたレベルの状態ですから。。。
そこまでいくということは、
本人が無意識の状態で固める必要がない状態のときにも、
ずっと固め続けて患部を酸欠状態に置いてしまっている。
おおよそそうした状態にしようと無意識ではさせている。



そういった場所では、神経部分に変な錯綜が生じており、
私が治療師の敏感な手にして肩の内側を触ると、
「びりびりびりっ!」とか、
「ちりちりちりっ!」とか、
微細だが電圧強く電気的な漏れがそこにありましたから。
これは内部的に神経が切れんばかりに引きつれた状態で、
きびしい状況が伝わってきました。


改めてそのことが理解できました。




ここまで肩の奥の奥まで掘らないと、
この電気的な痺れさえも伝えられないほど、
強烈なプロテクターを作り出していたとは!




多くの方々の電気的な漏れは、
普通に感じ取って、別段、それを口に出して指摘することはありません。
ただこの方はめったにないレベルです。



それにこの方は私と同様の施術者でもあるので、
正確に伝えてもうまく受け止めていただけます。






これからのお客様自身の対応として。
無意識の状態との折り合いを、
意識と良識ある自身の説得でつけていただけるかどうか。


そこは施術者ができる手助けではありません。
贈れるのはそこに気づいてくださいといってあげること。
それぐらいでしょう。




自身の、自己との対話が大切になるものです。


ときに、自己の体や心などと対話もせずに、
権威に治してもらおうという考えを持つ方がいれば、
私は「もっと自分の足で歩こうね」といいたいです。
間違っても
施術者が運転してそこへ連れて行くなどは考えないことです。


それは施術者側も、お客様側も、両者とも領分を知るべきです。





幸い、そのお客様はとある事故で顔から倒れたときに肩をしこたま打って、、、
等のシーンを思い出されて口に出していましたから。
おそらくそこの過去の恐怖の感情や身を守る衝動や、
さまざまとっさに三角筋を固めてショルダーで顔や頭や首を守りたいというなんらかを持っていたのでしょう。
そのようなすでに終わった過去のことですが、
そのときの出来事に感情的に処理が進んでいないため、
後々まで体の筋骨格形状のずれを生じさせている人は多いものです。


その方の右肩が特殊だというわけではなく、
人それぞれ、大なり小なり、そういったものを気づかぬままに背負い、
たまたまその方は命にもかかわりそうな事故から身を守ろうとしたため、
そのときの瞬間の危機回避をしたいといった感情が時間の垣根を越えて維持し続けている。
そういった様子も、見え隠れしているのでしょう。


そのこともなんとなく、もうそれは済んだ過去の衝動で、
「今までよく自身を守ってくれてありがとう。
これからは、もう大丈夫だから、ゆっくり、ゆっくり!休んでくれよな!」
といっていただけることでしょう。 ^-^;




意外なことですが、
そのお客様がおっしゃられるには、
どこに行っても僕の肩はそんなに問題はないといわれたとおっしゃられたとのこと。


基本、施術者が今の時点のそのものの施術の見識上、
問題ないように見えているだけです。


多くの場合、お客様が必死に訴えているところには、
その奥か裏手かどちらかの関連部位に問題があります。
ほぼほぼ100%そうだと考えたほうが、いい。


ただ多くの施術者がみても対処が難しい症状や状態については、
一般性がない特殊事項であると見える場合であるケースが多く、
それだから施術者自身がその状態を見ても反応できていない。
同時に特殊例であるため臨床例を自分が持つものでもなくて、
文献等で見受けられないほどのものも、まま、よくあります。



私自身の経験上、そういったものだと考えています。



そしてそう考えておかずに、
自分がわからないといえずに、
問題がないといってしまうと。
あとでたいそうな問題が見つかると、
恥ずかしい思いをすることもでてきます。


だから私としては、
そういった込み入った状態をお持ちのお客様のときは
言葉遣いを慎重にしなければと思うものです。




ただ、、、おそらく、自作ていしんがなかったら、、、新たな改良版のリリース法が編み出せてなければ。
そのままで塩漬けになって施術が停滞するのです。
結果的にそうなるでしょう。。。
それは、痛いほどわかっています。



無論、八方手を尽くして、そういった状況を打開するため調べつくそうと新たな学習をし始めるのですが。


そのときの施術で打つ手がないときにでも、
必死さをもって接することで、
次回にその対処が進むようなヒントやきっかけなどを得ようとしていく。
真剣そのものですから。こちらとしては。



そのような強烈なお客様への課題提出がなければ、
私の施術方法は、
独自の進歩はしていなかったでしょう。


個人目標としては、
最低でも一ヶ月ごとに施術法は化けて進化し続けること。
そのための時間も労力もあてて取り組んでいますから、
そうなってもおかしくないことです。





そして。
たとえばオーソドックスな施術のやり方で対処できるならば、
新規のお客様として施術をこれほど受けづらいところはない。
そのようなボディワイズに対し、
少しでも興味関心を持っていただけることって、
本当にありがたいことだと、感謝しております。 m__m