今日の産経ニュース(11/17分)(追記・訂正あり)

■【パリ同時多発テロ】仏極右政党「移民受け入れを即刻やめろ」 反移民勢力、支持拡大に動く
http://www.sankei.com/world/news/151117/wor1511170052-n1.html
 これで欧州極右が伸張なんかしたら嫌だなあと思いますね。
 そこは欧州国民に冷静になってもらいたい。先ず第一に何でイスラムテロが起こるかといったらその理由の一つはこの種の右翼の存在ですよね。まじめなイスラム教徒だってこの種の右翼に酷い目にあわされれば憎悪からテロリストに生まれ変わることは充分あり得るでしょう。
 第二にそう言う意味ではこの種の極右の成長はISにとってむしろ「イスラム差別でテロリストを調達しやすくなって願ったりかなったり」でしょう。つうことで「どんどん移民を受け入れろ」とまでは言いませんがこの種の右翼に扇動されて排外主義に走るなど愚の骨頂だと思います。


■【野党再編】細野*1・馬淵*2・長島*3対談詳報(1)「SEALDsデモの先頭に立つなんて論外だ」「万年野党なら共産党の“左”に出る政党はない」
http://www.sankei.com/premium/news/151117/prm1511170009-n1.html

馬淵氏「私たちが歩んできた道筋をしっかり見定めなければなりません。そもそもどういう政党を目指したのか? 2大政党の一翼を担う穏健なリベラルな保守*4、その勢力をしっかりと形作っていくんだということが結党の理念ではなかったか?」 

 こういう人間が「現実的な安保政策」と言いだし、安倍の安保法制を容認する態度を示しているのだから唖然とします。馬渕氏の「リベラル」とは一体何なのかと言う話です。それが世間一般の「リベラル認識とは大きくかけ離れてること」だけは確かでしょう。

馬渕氏
「私たち3人は対案を示すべきだと言い続けてきました。」

 やれやれですね。「現状で何の問題もない(共産の立場)」つうのも「一つの対案」のわけです。


■【野党再編】細野・馬淵・長島対談詳報(2完)維新・柿沢氏*5が会場から細野氏に「マル」を出した!?
http://www.sankei.com/premium/news/151117/prm1511170008-n1.html

細野
「国際的にみると、共産主義を掲げる政党がこれだけの議席を持っている国っていうのは、先進国では極めて珍しい。」

 何故そうなるかと言えば日本には「ドイツ社民党や英国労働党」にあたるまともな社民政党が未だかつて存在したことがないからです。細野氏の物言いをもじれば

 国際的にみると、社民主義を掲げる政党が全然議席を持ってない国っていうのは、先進国では極めて珍しい

わけです。英国にもフランスにもイタリアにもドイツにも社民政党はあり日本に比べたらずっとたくさんの議席を持ってる。政権を奪取したこともある。
 まあ、アメリカなんかは保守二大政党制ですけど(とはいえ米国民主党は日本の民主党に比べたらずっと左派寄りだと思いますが)
 もちろん民社党なんて「自民党の二番煎じ政党」は社民党の名に値しない。民社党のような極右政党が社民政党を名乗っていたというのは日本政治の謎でしょう。
 社会党はどうか。あそこは「ガチのマルクスレーニン主義者がいて左派として活動していた」という政党でちょっと社民政党とは言えないでしょう。社民的な政治家はいたかも知れない。でも党全体としては社民政党とは言い難い。共産党と比べたら「共産の方が社民よりかも?」なんて政党が昔の社会党です。
 じゃあ「社会党の後継政党」社民党や「もうなくなってしまいましたが」社民連はどうか。まあ、党名に「社民」て入ってるし、一応「社民政党ではある」でしょう。しかし議席が少ない。もちろん「最大野党」民主党は社民政党ではない。
 維新や次世代、「もうなくなってしまいましたが」みんなの党といったいわゆる第三極も社民政党のわけがない。
 その結果、「社民政党的な性格を持つ共産党」に一定の支持が集まるわけです。昔も今も共産党は「共産主義は将来的課題」としており、「それなりに現実的だから」です。
 正直、「今後まともな社民政党*6が登場すれば」それは共産にとって脅威となるでしょう。その「まともな社民政党」に票を奪われる危険性が高い。今の共産支持は「共産主義支持」というよりは「社民主義的なものへの支持」でしょうから。
 悲しむべきは「共産にかわるまともな社民政党」の兆しが現時点では見えないことで、だからこその共産躍進のわけです。
 もちろん「共産党の社民化」が強まったのはいわゆる「1990年代のいわゆるソフト路線以降」である事は間違いないでしょう(この時期はイタリアでも「オリーブの木構想」がでるなどそういう時代の空気が世界的にあったわけですが)。
 1990年代以降は「陸前高田市長選での自共共闘(2003年)」「赤旗への元自民党幹部(例:野中広務*7)や保守派文化人(例:小林節氏)の登場(安倍政権誕生後の近年)」など信じられないほどのソフト化(従来共闘していなかった政治グループとの共闘)がいろいろと実現します(もちろん1990年代以前の共闘対象だった社会党(現在の社民党)が衰退していたという事情も大きいですが)。
 率直にいって「宮本氏→不破氏→志位氏」とトップが世代交代するにつれて「社民化が進行してる」様には思います(「繰り返しになりますが」トップの個人的価値観だけではなく、もちろん1990年代以前の共闘対象だった社会党(現在の社民党)が衰退していたという事情も大きいですが)。
 とはいえ「不破氏や志位氏はある程度ソフトだが、宮本氏がゴリゴリの左派か」と言ったらそれはおそらく正しくない。「共産党が支持した」美濃部都政などのいわゆる革新自治体や1970年代に宮本氏が提唱した「連立政権構想」や「いわゆる創共協定」を考えればそれは明白でしょう。
 美濃部都政などの革新自治体をどう評価するにせよ「共産主義万歳」で知事選に勝てるほど「日本人は共産主義に好意的ではなく」世の中甘くないわけです。知事選に勝つには「それなりの現実性」が求められる。そもそも美濃部氏は共産党員ではなく「それ自体、共産党にとってある種の妥協」のわけです。
 創共協定をどう評価するにせよ協定の相手方・創価学会は左翼ではあり得ないし、宮本連立政権構想では「共産的政策」は今回の志位連立構想同様、「将来の目標であり、連立政権の任務ではない」とされていたわけです。
 そういうことを理解しないで反共主義に邁進とは細野氏らの馬鹿さには呆れます。つうか彼らは安倍と似たり寄ったりの右翼政治家なので、共産党どころか「英国労働党やドイツ社民党レベルの社民政党」ですら共闘するかはなはだ疑問ですが。長島なんぞ「南京事件否定論河野談話否定論を公言する極右」ですから話になりません。そんな長島と対談して恥じない細野氏や馬渕氏も「長島ほどゴリゴリのウヨではないだけ」で似たり寄ったりの同類極右政治家なのでしょう。

長島氏
「安倍政権の終わる平成30年*8に照準を合わせて、もう一度、志のある野党の皆さんと再結集をはかっていく。」

 わざわざ記者会見まで開いて言う事が「平成30年までは成果が出ないかも知れない」ですからその神経には恐れ入ります。
 「来年(平成28年)には夏に参院選があるんですけど?。そこで民主党が大敗したら平成30年になる前に民主党消滅であんたらの出番なんかないんじゃないんですか?」「30年まで成果が出ないかも知れないなんて馬鹿話を記者に聞かせて恥ずかしくないんですか?」「そんな無策ぶりで岡田代表相手に解党とかほざいてたんですか?」て話ですよねえ。普通の人間なら「何とか夏の参院選までには何か成果を出す」というでしょう。
 「勉強会を始めて30年までには何とか成果を出したい」なんて能天気なバカを誰が支持するのか。よほど好意的な支持者でない限り支持するわけがない。
 「民主党は危機的な状態だ」と言いながら、これでは「危機感があってそんな能天気なのかよ、バカじゃねーの」と吹き出さざるを得ません。


■「生活水準下がるのは嫌」中国市民の過半数が第2子望まず 「一人っ子」撤廃、世論調査
http://www.sankei.com/world/news/151117/wor1511170041-n1.html
 だからこそ一人っ子政策が終わったと言う事でしょう。「制限しなくても1人っ子が多い」のなら制限する必要はどこにもないわけです。


■【岡田浩明の野党ウオッチ】社民党に未来はあるか… 脚光浴びるのは過去ばかり、止まらぬ“右肩下がり” 
http://www.sankei.com/premium/news/151117/prm1511170006-n1.html
 タイトルだけで「ただの悪口雑言だ」ということは想像がつきます。
 そして「党勢が振るわない→展望が厳しい」というなら、「次世代の党」の方がもっと厳しいのですが、次世代に対してはこういう悪口雑言はしない辺り実に産経らしい。
 さて産経は社民党が振るわないのを「護憲などその主張が支持されてないのだ」とウヨらしい決めつけをするわけですが、その理屈だと「過大評価はできないが」、共産党議席を増やしてることが説明できません。
 結局社民党が振るわない理由は
1)最大の支持基盤である労組「連合」を民主党に奪われた、その結果、労組以外の支持者まで民主支持に移行し、それが「社民党から民主党への議員移籍(例:辻元清美)」を助長した
2)「次世代が自民党との右翼競争に負けたように」、「社民党共産党との左翼競争、あるいは反自民競争に負けた」
ということでしょう。
 共産の場合、いい悪いは別にして支持労組「全労連」が連合のような動きをしない点が社民党のような事態をまねかずに済んだという面はあるでしょう。

(ボーガス注:社民党副党首の福島瑞穂*9は安倍政権を)「政府がやっていることは『沖縄いじめだ』。沖縄が(県内移設は)『嫌だ、嫌だ、嫌だ』といっても殴る“DV(ドメスティック・バイオレンス)政権”だ」と批判した。

 全くその通りだと思いますね。相手が嫌がることをおしつける安倍の精神構造は「DV夫」「ストーカー」「体罰親(虐待親)」「ブラック企業経営者」などと同じでしょう。これに対し「ミニ政党の癖に」という低レベルなことしか言えないのが産経です。
 そこは「DVとは違う」と言うべきでしょうに。

 10月の宮城県議選も議席を(ボーガス注:4から8に)倍増させた共産党に対し、社民党は2議席減らして1議席となった。
 党関係者は「支持者の中には『今度は共産党に投票した』と公言する人もいて、社民党の票が共産党に食われている」と漏らす。

 繰り返しますが「社民党共産党との左翼競争、あるいは反自民競争に負けた」ということでしょう。

崖っぷちの社民党の中で唯一、意気盛んなのが社民党初代党首の村山富市元首相だ。戦後70年の今年、「村山談話」を絶賛する左派系の会合に引っ張りだこのようだ。

1)自社連立政権の談話であり、
2)「渋々踏襲している安倍も含み」歴代自民党政権が談話を踏襲し
3)河野洋平*10のように評価する右派もいるのに
産経曰く「村山談話支持は左派」だそうです。心底呆れます。

11月5日には都内で開かれた安倍首相の「戦後70年談話」を検証する(ボーガス注:村山氏らが執筆した本『検証「安倍談話」戦後70年・村山談話の歴史的意義*11』(2015年、明石書店)の)出版記念シンポジウムに出席(中略)、その後のパーティーでは民主党菅直人*12元首相、共産党志位和夫委員長ら政界の“左打者”が来賓としてそろい踏み。

 やれやれですね。志位氏はもちろん左派ですが菅氏のどこが左派なのか。「社民連時代はともかく」今の彼はどう見ても「河野洋平氏のような穏健右派」でしょう。つうか「村山談話を評価し安倍談話を批判する集会に出席する程度で左派呼ばわり*13」て単に産経が極右なだけじゃないですか。


中国経済減速、8割の企業が「日本経済に悪影響」と回答 「輸出半減した」の声も
http://www.sankei.com/west/news/151117/wst1511170059-n1.html

 大阪商工会議所は17日、中国経済の減速が及ぼす影響について会員企業に行った緊急調査結果を発表した。それによると、8割以上の企業が「悪影響がある」とし、半数近くが中国経済は「深刻な状況にあり、今後さらに悪化する」とみている。

 まあ当たり前の話です。それほど日本の景気は「中国に頼るところ」が大きかったわけです。そう言う状況下で「極右連中のように」中国を敵視することがいかに馬鹿げているかは言うまでもないでしょう。


■【主張】GDP連続減 停滞脱却へ攻めの戦略を
http://www.sankei.com/column/news/151117/clm1511170002-n1.html

 7〜9月期の実質国内総生産(GDP)が年率で0・8%減となり、2四半期連続のマイナス成長に陥った。

 安倍はいわゆる「アベノミクス新三本の矢」で「GDP600兆円」をぶちあげましたが、そんなことは「日本はサッカーW杯で優勝を目指します」レベルに非現実的であることが分かるニュースです。何しろ「2四半期連続のマイナス成長」です。プラス成長しないでどうやって「600兆円」にするのか。
 それも安倍在任中に「600兆円を目指す*14」のだというならこんな足踏みをしていてはそれは到底不可能です。
 安倍応援団・産経としては焦って「政府はなんとかしなさい」とこういう記事を書かざるを得ないわけです。
 で産経の回答は何かというと

税制、規制緩和などで企業の経営マインドを好転させる具体策に知恵を絞るべきだ。

ですからねえ。抽象的すぎて具体性がまるでありません。しかも産経にとって重要なのは「企業の経営マインドを好転させて企業投資を増やす」であって「消費税減税などで国民の消費意欲を向上させよう」では何故かないから弱ります。「企業投資>国民の消費」らしい。国民の消費が増えないでは企業投資も増えないと思うのですが。
 その上、文章の中で

企業の責任は重い。経団連榊原定征*15会長は「景気刺激策を導入してほしい」と語ったが、主役はあくまでも民間だ。政府の対症療法を期待する前に、自ら需要を開拓する前向きな経営を根付かせるよう求めたい。

と財界相手に逆ギレする始末です。安倍が「GDP600兆円」とぶち上げてしまった以上「主役はあくまでも民間だ」で済む話じゃないでしょうに。
 政府にも「消費税減税などで需要を刺激すること」が求められるわけです。

*1:野田内閣環境相民主党幹事長(海江田代表時代)を経て、現在政調会長

*2:菅内閣国交相

*3:南京事件否定論河野談話否定論を公言する極右政治家。鳩山、菅内閣防衛大臣政務官、野田内閣防衛副大臣を歴任。

*4:そもそも民主党において「リベラルな保守を目指す」なんてことは「全党員が支持する目標」じゃないでしょう。松原仁のような極右もいれば、旧社会党のような左派もいる「反自民非共産」以外には何の共通点もない集団が民主党でしょう。

*5:「維新の党」前幹事長

*6:現在の「社会党の流れを汲む社民党」の躍進に話は限定されません。

*7:村山内閣自治相・国家公安委員長小渕内閣官房長官自民党幹事長(森総裁時代)などを歴任

*8:「今民主党は危機的な状況だ」という人間が「安倍政権を約3年後の平成30年まで倒す意思も能力もない、続いても仕方がないと思ってる」なんて主旨の事を公言してるんだから呆れて二の句が継げません。

*9:鳩山内閣少子化男女共同参画消費者問題等担当相

*10:中曽根内閣科学技術庁長官、宮沢内閣官房長官、村山、小渕、森内閣外相、衆院議長を歴任

*11:せっかく産経が「紹介してくれた」ので後で読もうかと思っています。

*12:社民連副代表、新党さきがけ政調会長、橋本内閣厚生相、民主党代表代行(鳩山代表時代)、鳩山内閣財務相などを経て首相

*13:もちろん出席者には左派もいるでしょうが穏健右派だっているでしょう。当たり前の話です。

*14:まさか安倍もあと5年も10年もやる気はないでしょう(まあ今のていたらくでは安倍が死ぬまで総理をやろうと目標達成は無理だと思いますが)。仮にあと3年程度やって5〜6年程度やる気だとして月刊『経済』(新日本出版社)2015年12月号記事によれば「毎年、年6%の成長率達成が必要」だそうです。そんなことは到底不可能でしょう。だからこそ安倍も「目標の実現期限にしている」のでしょうが。

*15:東レ会長、日本化学繊維協会会長などを歴任。2014年9月から経済財政諮問会議委員