今日の産経ニュース(7/14分)

■【「生前退位」ご意向】元号は平成から変更に
http://www.sankei.com/life/news/160714/lif1607140008-n1.html
 現行の元号法は「生前退位を想定していない」ので「元号が変更になるかどうか」はわかりません。「死ぬまで同じ元号であるべきだ」として改正論が出る可能性もありますので。
 まあそれ以前に「生前退位が通るかどうか」もわかりませんが産経は特に反対はしないんでしょうか。


■【東京都知事選】野党、次期衆院選にらみ枠組み優先 参院選結果で勝機ありと皮算用
http://www.sankei.com/politics/news/160713/plt1607130087-n1.html
 産経記事なので割り引く必要がありますが「宇都宮氏が出ても四野党擁立の鳥越には勝てず、自民の増田を有利にするだけだから彼は身を引くだろう」との判断*1から四野党が、宇都宮氏に取るべき礼を尽くさず、鳥越擁立を強行したつう話です。
 全く無礼な話です。特に前回、宇都宮支持した共産、社民は確実に評判を悪くしたんじゃないか。
 今からでも宇都宮氏にそれなりの礼儀を示すべきでしょう。


■【阿比留瑠比の極言御免】都知事選、野党候補は大丈夫か?
http://www.sankei.com/premium/news/160714/prm1607140004-n1.html

 鳥越氏は自身の戦争体験について語り、「戦争を知る世代」だと強調する文脈でこんな発言をしていた。
 「私は昭和15年の生まれです。終戦の時、20歳でした。もちろん、空襲も防空壕(ごう)に逃げたことも覚えています」
 誰だって勘違いや言い間違いはあるし、いちいち揚げ足を取る気はない。だが、これはそんな問題だろうか。話の核心部分でこんな間違いは普通しない。

 ただの言い間違い(ちなみに昭和15年生まれ、5歳が正しい)でここまで悪口できる阿比留もなかなかくだらない男です。むしろ安倍の「私は立法府の長」発言の方が言い間違いとしてあまりにも無様ですが。


■【産経抄】未来の世界史の教科書には 7月14日
http://www.sankei.com/column/news/160714/clm1607140003-n1.html
 南シナ海の中国敗訴判決をネタに中国に悪口してるだけの駄記事です。

■【緊迫・南シナ海国際法上の「島」の要件を厳格化 仲裁裁定、専門家が注目 沖ノ鳥島にも影響の可能性
http://www.sankei.com/world/news/160713/wor1607130065-n1.html
 南シナ海での中国の領有権を否定した12日の仲裁裁定で、裁判所が示した国際法上の「島」の解釈が(中略)注目されている。裁定では、排他的経済水域EEZ)などを設定できる島と認められる要件を厳しく解釈しており、沖ノ鳥島などの法的地位に影響を及ぼす可能性もあるためだ。
(中略)
 「新しい判断が示された」と指摘する東北大の西本健太郎准教授によると、裁定は、島で人間集団が安定した共同体(コミュニティー)を維持できることや、外部に依存しないで「経済的生活」が保てることなどを要件として示した。
(中略)
 坂元茂樹・同志社大教授は「(島の要件の)ハードルを高くした印象だ」と話す。日本は最南端の沖ノ鳥島EEZを設定しているが、「法的地位の議論に影響を与えかねない」(坂元氏)との見方も出ている。(塩原永久)

を考えればこの裁定は「沖ノ鳥島EEZを設定できる島だ」という日本の主張を事実上、否定した可能性濃厚です。いやそれどころか「外部支援無しで生活できるとは思えない竹島」も「国際法上、EEZを設定できる島じゃない*2」ことになりかねない。産経のように素直に「ざまあ中国」と喜べる話ではない。
 「中国はこの裁定を受け入れろ」ということは少なくとも日本に限れば「日本は沖ノ鳥島竹島を岩だと認めろ」ということになる可能性濃厚で「そこをどうするのか、岩だと認めるのか」を詰めないで「中国は受け入れろ」ということは愚劣です。まあ「中国は受け入れろ」というならおそらく「岩だと認めるしかない」でしょうし、「岩だと認めない」なら「この裁定は不当な部分がある(全て不当というか一部不当*3というかはともかく)」というしかないでしょうが。
 また中国の主張は「中国共産党オリジナル主張」ではなく「蒋介石中華民国主張のほとんど引き継ぎ」であり台湾もほとんど同じ主張*4をしています。
 そのため台湾は
■【緊迫・南シナ海】「岩」判定に反発、台湾も裁定を「受け入れない」 蚊帳の外に不満

http://www.sankei.com/column/news/160714/clm1607140003-n1.html
 台湾の総統府は12日、南シナ海をめぐる仲裁裁判所の裁定に対し「絶対に受け入れない」との声明を発表した。
 声明は、仲裁裁がスプラトリー(中国名・南沙)諸島で台湾が実効支配するイトゥアバ(太平島)について「岩」だと認定したことに反発。裁判の過程で台湾側の意見が求められなかったこと*5にも不満を表明した。

となるわけです。産経は台湾の主張をどう考えるのか。まあ「中国は受け入れろ」というなら「台湾の主張は不当」というしかないでしょうし、「台湾を支持する」なら「この裁定は不当な部分がある(全て不当というか一部不当というかはともかく)」というしかないでしょうが。そう言うこと(台湾の主張や沖ノ鳥島の問題)を全く考えないでただ中国罵倒に走る産経です。

【追記】

http://b.hatena.ne.jp/entry/www.sankei.com/world/news/160712/wor1607120041-n1.html
edo04
 南沙諸島を台湾に付属させたのは大日本帝国だから、今の中国・台湾の主張のもとは大日本帝国の主張。産経的には、この部分はどう対応するのだろう?

 まあそういう問題もありますよね。


■【経済裏読み】日独米の製造業を呑み込む!!中国企業…『核心的技術』買い漁る建国100年の野望
http://www.sankei.com/west/news/160714/wst1607140006-n1.html

 中国企業に事業が買い取られていくことは、再編やリストラを通じた日本の国力回復の活路か。あるいは技術流出と国益毀損を招く、危険な道につながるのか。よくよく、注意が必要である。

 「余計なお世話のお節介」ですね。「国益毀損」はともかく「それが企業利益に繋がるかどうか」は日本企業もきちんと検討してるでしょう。
 国益毀損云々について言えば「国益がやばい」と思うのなら「国や日本経団連が買収する」なり「法律で規制する」なりすべき話で各企業に「売るな」という話じゃないでしょう。


*1:結果的には宇都宮氏が出馬辞退し、その見込み通りになったわけですが。

*2:その意味でこの裁定は韓国にとっても素直には受け入れられないでしょう。

*3:もちろん「沖ノ鳥島竹島は島と認めたいし台湾の太平島についての主張は支持したいが、中国を有利にしたくないから一部不当という」なんて論理性のない代物では批判でボコボコになりますので一部不当と言うには「全部不当」以上の緻密な論理構成が必要でしょう

*4:中国が「裁定を受け入れない」と豪語してるのは「台湾も受け入れないだろう→台湾支持の反中国ウヨ連中も裁定を支持しがたいだろう」という判断もあるのかも知れない。

*5:「台湾の意見」を求めないで「台湾について触れる」判決下していいんですかね?