今日の産経ニュース(11/24分)

民進党有志議員がIR推進議連を発足 党執行部のカジノ法案反対の姿勢を覆す勢いはなく…
http://www.sankei.com/politics/news/161124/plt1611240062-n1.html
 カジノのことを「IR」と言い換える辺りうさんくさいこと限りないですが、それはさておき。
 面子がカジノ推進派であることは勿論事実ですが

・議連会長の長島昭久・元防衛副大臣(野田内閣)
・議連幹事長の松野頼久・元官房副長官鳩山内閣
・議連メンバーの前原誠司*1元外相

というのは明らかに反主流派の集まりでしょう。彼らが蓮舫*2執行部相手に何をしたいのかよくわかりませんが。


■「ぼったくり追放」も合意 日中両国が観光拡大の覚書
http://www.sankei.com/world/news/161124/wor1611240041-n1.html

 石井啓一*3国土交通相と中国の李金早国家観光局長は24日、日中観光の活性化について意見交換し、観光交流の拡大や観光サービスの質向上に向けて協力するなどの内容を盛り込んだ覚書に署名した。また、来年の日中国交正常化45周年、翌年の日中平和友好条約締結40周年の節目に合わせ、共同イベントを企画する方向で合意した。
 覚書の合意事項は、(1)地方間交流や青少年交流、文化・スポーツ交流の3分野での観光交流促進(2)東アジア域外からの観光客誘致(3)観光サービスの質向上(4)「ぼったくりツアー」といった違法行為の是正など観光市場の監督と協力の強化(5)重要事項を定期的に協議するメカニズムの整備−の5点。
 会談で、石井氏は中国からの訪日客が10月までに551万人に達したと説明し、「双方向の観光交流を一層拡大することが重要」との認識を示した。

 まあ安倍政権ですらこのように「中国の観光客ウエルカム」のわけです。


■貯金は億単位!?AV女優転身組のギャラ事情 三上悠亜*4、高橋しょう子、坂口杏里
http://www.sankei.com/entertainments/news/161121/ent1611210005-n1.html

 11日に放送されたテレビ東京系「じっくり聞いタロウ〜スター近況(秘)報告〜」で、AVへの転身理由を、男性タレントとのスキャンダルが発覚したためと暴露した三上。アイドル時代の月収は「OLやサラリーマンくらい」だったが、AVデビュー作の出演料は「世田谷区の2LDKの中古マンションが買える額」と明かした。

 「AVへの転進理由=男性タレントとのスキャンダル(まあ不倫でしょうか*5)」だの「アイドル時代の月収が安かった」だの世知辛い話でげんなりしますが、「人気AV女優となり、深夜番組とは言え、キー局のバラエティ番組にも出演した」のなら「一応成功した」「三上さん本人もそれなりに満足している」という「それなりに幸せな話」になるんでしょうか。まあ当人、複雑な思いもあるかも知れませんが。高橋さんや坂口さんには記事はあまり触れてませんので特にコメントはしません。


■【正論】「反朴デモ」の首謀者・親北派が政権を握ることを阻止できるか 東京基督教大学教授・西岡力
http://www.sankei.com/column/news/161123/clm1611230007-n1.html
 ばかばかしくて話にならないですね。「支持率5%の大統領」「検察に犯罪者の共犯認定された大統領」を批判するデモの何が親北朝鮮なんでしょうか。むしろ西岡が言うべきは「朴は辞任してセヌリ党非朴派に実権を譲れ」でしょうに、正気じゃありませんね。


■【歴史戦】慰安婦資料は「ホロコーストをねじ曲げ」 記憶遺産申請で カナダ・ユダヤ人友好協会がユネスコに意見書
http://www.sankei.com/politics/news/161124/plt1611240010-n1.html

「中国によるチベット侵略の方がホロコーストの概念により近い」とし「もっとひどいのは文化大革命だ」と強調した。
 また、慰安婦問題が東京裁判でも問題にならなかったことや、米当局の調査でも慰安所で働いていた女性のほとんどに給与が支払われていたなどとして「性奴隷説」が証明できていないと指摘した。

 言ってることがトンデモ過ぎて吹き出しました。産経新聞のお友達(歴史捏造右翼)なんですかね。少なくともこいつらがユダヤ人のイメージを大いに破壊していることだけは確かでしょう。「カナダのユダヤ人代表」面してるようですが、さすがにカナダ在住のユダヤ人のほとんどはここまでバカだとは思いたくないですね。

【追記】

エミコヤマ ‏@emigrl
・「カナダ・イスラエル友好協会がユネスコ世界の記憶遺産への慰安婦資料の登録に反対」という記事についてだけど、この「カナダ・イスラエル友好協会」の署名者の一人は、「正論」執筆者じゃん。なんでそれ伏せて記事にするの産経新聞さん?。名前出せばいいのに
・この友好協会理事は「正論」に執筆している人だし、日本人女性と結婚している。さらに友好協会と関係が深い別の日本人女性もいて、彼女はなでしこアクションの慰安婦否定派活動に講演者や翻訳者として関わっている。「ユダヤ人団体が応援してくれた」とか言ってるけど、実質的に日本の右翼。
・そもそもこの友好協会自体、よくある親イスラエルシオニスト団体ですらなくて、さらにかなり過激な右翼だよ。この理事自身、黒人やムスリムLGBTに対するヘイトを書き散らしているし、オバマのことを「ホワイトハウスにいるケニア人のレイシスト」と呼んでいる。
・それにしても日本の右翼って、(ボーガス注:ケント・ギルバートとかテキサス親父とか)こういう海外の(白人の)三流(自称)ジャーナリストとかコメンテーターを集めるの、好きだよね… 白人コンプレックスなの?
・てゆーかこの理事、「正論」ではジャーナリストとして紹介されているんだけど、著書は二冊とも自費出版。「ポリコレのせいで出版させてもらえない!」とか言ってクラウドファンディングやってたよw
・この自称ジャーナリストの友好協会理事と結婚している日本人女性、かれの翻訳をやっているだけかと思ったら、けっこう大々的に活動している人じゃん。なでしこアクションのイベントに出て講演したり、高橋史朗さんと対談したり。じゃあ名前だしていいかな…

 コヤマ氏のツィートを信じれば俺の予想以上に酷い連中のようです。こんなんが「カナダのユダヤ人代表」のわけがないでしょう。要するに「外人コンプレクスが酷いお仲間ウヨ」がだませれば産経はそれでいいのでしょう。ちなみにこのコヤマツィート、id:noharraがリツィートしていたので気付いたのですが、こういうツィートにリツィートしながら「河野談話否定」の「つくる会理事」三浦小太郎と親密交際できるid:noharraの脳みそは俺には理解不能です。


■女優をソープ嬢として紹介 AVプロ社長を職安法違反容疑で逮捕 警視庁
http://www.sankei.com/affairs/news/161124/afr1611240011-n1.html
 記事を読んでいても何がどう職安法違反だか良く意味がわかりません。「AV女優をソープ嬢として店に紹介」て、じゃあ「一般女性(?)をソープ嬢として店に紹介」なら問題ないのか?
 少なくとも「何がどう違反行為なのか」分かる記事を書いて欲しいところです。


■【北方領土 屈辱の交渉史(1)】12・15長門会談で歴史的決着なるか? その前に幾重もの罠が… 合意阻むプーチン「取り巻き」
http://www.sankei.com/premium/news/161124/prm1611240005-n1.html
 産経も日露交渉では「そもそもプーチンは返す気はない」「いや返す気はある」といろいろ意見が割れてるようですが、この記事はタイトルから見て「返す気はあるがそれを妨害しようとする政治勢力がある」という立場の記事でしょう。ただし表に出てる発言だけを見ればプーチンに返す気があるとはとても思えませんが。

「あなたは本当は日本に来たいんだけど周りが許さないんだろう。それじゃあ昔のソ連のやり方だ。今はロシアじゃないか。それではいけない」
 森の直談判を受け、プーチンは、9月の訪米前後に訪日したいという考えを明かし、「それでは失礼にならないか」と逆に尋ねてきた。森は「それは一向に構わない」と笑顔で応じた。

 以前から言われてることではありますがやはりプーチンとのパイプの一人は森*6元首相のようです。


■【阿比留瑠比の極言御免・特別版】譲位を政争の具にするな! 有識者会議に異論唱える民進&朝日に漂う嫌な空気
http://www.sankei.com/premium/news/161124/prm1611240006-n1.html
 結局、阿比留は生前退位を認めたくないわけです。だから民進党*7や朝日から「当人が辞めたいというならその方向で話をすべきであって無理して摂政など生前退位否定の方向に動くべきではない」と言われると激高するわけです。

 民進党では、17日に1年5カ月ぶりに開かれた衆院憲法審査会で、枝野幸男*8憲法調査会長がやはり有識者会議を批判し、天皇陛下のご譲位について憲法審査会で議論するよう要求したのが目についた。

 これについては明らかに枝野がおかしいですね。生前退位には改憲は必要ない以上、憲法審査会で議論する必要もない。もちろん「これを機に憲法の皇室関係の条文について広く議論したい」と言う考えはあり得ますが、それは一つの考えに過ぎない。


■【産経抄】日本は受け身に回ったときの方が成功に恵まれてきた…「トランプショック」というピンチをチャンスに 11月24日
http://www.sankei.com/column/news/161124/clm1611240003-n1.html

 ペリーは、開国を迫る米国大統領の国書を携えていた。現在の首相に当たる老中首座を務めていた阿部正弘は、異例の判断を下す。受け取った国書を広く回覧したのだ。

 「当時としては阿部がかなり民主的だった」と見ることもできれば、「未曾有の国難と、幕府体制の揺らぎで、阿部が独断的に決定できる政治情勢ではなかった(有力大名の意見を聴取する必要があった)」と見ることもできるでしょう。阿部と違い「独断的方向で物事を処理しようとし」安政の大獄で反対派を粛清した井伊直弼は水戸浪士に暗殺されます。
 いずれにせよ、この阿部の行為は「有力大名が国政について意見を述べ、影響を与えようとする事態」のきっかけとなり後の「安政の大獄」「桜田門外の変」などの幕末動乱を産むことになります。
 まあ、阿部が独断的に決定すれば「安政の大獄」など後の動乱はなかったとは言えるかわかりませんが。

「どうも私たちは能動的主体的な国民ではなく、変化に対応してうまく身を処して行くのに長じた民族のように思える」。
 歴史学者の故会田雄次さんが、昭和50年1月の正論欄に書いていた。日本の歴史を振り返ると、受け身に回ったときの方が成功に恵まれてきた、というのだ。

 もちろん「欧米の植民地にならずにすんだ」「そして日本を近代化できた」と言う意味では「黒船対応は成功だった」と言えるかも知れない。
 ただ幕府の立場に立てば、「最終的には討幕運動を生み出してしまった」と言う意味では失敗だったわけです。
 また幕末動乱の過程で「安政の大獄(粛清事件)」「桜田門外の変(暗殺事件)」「戊辰戦争(内乱)」などが起こり人が多数死んだことに着目しても手放しで成功とは言えないでしょう。


■【歴史戦】仏博物館で「南京事件」展 記憶遺産の登録後初 日本軍の「残虐性」を印象付け 「中国の視点。真実かどうかは別」と館長
http://www.sankei.com/politics/news/161124/plt1611240003-n1.html
 産経は捏造常習なので本当にこんなことを「カン平和記念博物館」館長が言ったのかどうか自体が怪しいですね。
 「我々も全ての資料をいちいち細かくチェックはしてない。そこまでするマンパワーがないし、こういう問題で産経のような性悪説に立ち中国を疑うのは中国に無礼だろう。というかこの種の展示では中国に限らず他の展示でもそこまで疑ったりしない」
「しかし、さすがに中国側から展示についてそれなりの説明は受けている。その説明に疑問点がなければ展示する」
「大体、南京事件それ自体は東京裁判で認定されてるし、ユネスコ世界遺産登録もされたではないか。産経の言う否定論なんて論外だし、少なくとも展示資料のウチ、マギーフィルムなど、ユネスコ登録資料なら疑いの余地などないだろう」程度の発言かも知れない。
 いずれにせよ産経は「館長は中国の言いなりで偏向してる」と印象操作してるだけで、個々の資料のどこが問題なのか、何一つ指摘できないわけですが。
 産経愛読者はこれを読んで「中国のいいなりの奴らが許せない」と憤激するんでしょうが、そんなんが「カン平和記念博物館」に限らず外国側に影響するとも思えない。国内で「歴史戦」云々と雄叫びあげたところで何もどうにもならないわけです。

 南京大学の米国人教授マイナー・ベイツ、シーメンス社南京支社長だったドイツ人ジョン・ラーベら欧米人や、「虐殺」を伝える欧米メディアの当時の報道の紹介にも大きなスペースが割かれた。

 まあ、ヨーロッパの展示ならそうなるでしょう。不思議でも何でもない。かつこれらの証言や報道について中国の捏造なんてこともない。

博物館は日中開戦*980年にあたる来年、「集団犯罪」に関する国際シンポの開催を計画しており、日本の歴史家にも参加してもらい、議論する考えを示した。

 もちろん博物館がまともならそのとき呼ばれる日本の歴史学者には「南京事件否定」東中野や「河野談話否定」秦は呼ばれず、笠原十九司*10や吉見義明氏*11などまともな歴史学者が呼ばれるでしょうね。

*1:鳩山内閣国交相菅内閣外相、民主党政調会長(野田代表時代)、野田内閣国家戦略担当相など歴任

*2:菅、野田内閣行政刷新担当相、民主党代表代行(岡田代表時代)などを経て民進党代表

*3:小泉内閣財務副大臣公明党政調会長など歴任

*4:ググったところAKB48姉妹グループSKE48の元メンバーだそうです。

*5:この書きぶりでは男性の方が大物で彼女だけ割を食ったような感じですね。

*6:中曽根内閣文相、自民党政調会長(宮沢総裁時代)、宮沢内閣通産相、村山内閣建設相、自民党総務会長(橋本総裁時代)、幹事長(小渕総裁時代)などを経て首相

*7:と言ってもあくまでも野田幹事長の個人的発言ですが

*8:鳩山内閣行政刷新担当相、菅内閣官房長官、野田内閣経産相民主党幹事長(海江田、岡田代表時代)など歴任

*9:正確には「日中全面戦争となった盧溝橋事件(1937年)」から80周年、ですね。日中開戦というと「満州事変(1931年)が日中開戦じゃないの?」つう批判があり得ますから。

*10:著書『南京事件』(1997年、岩波新書)、『南京難民区の百日:虐殺を見た外国人』(2005年、岩波現代文庫)、『南京事件論争史』 (2007年、平凡社新書)、『「百人斬り競争」と南京事件』(2008年、大月書店)、『日本軍の治安戦:日中戦争の実相』(2010年、岩波書店)、『海軍の日中戦争:アジア太平洋戦争への自滅のシナリオ』(2015年、平凡社)など

*11:著書『従軍慰安婦』(1995年、岩波新書)、『毒ガス戦と日本軍』(2004年、岩波書店)、『日本軍「慰安婦」制度とは何か』(2010年、岩波ブックレット)など