今日の産経ニュース(1/3分)ほか(追記・修正あり)

NHK民進 立民・希望との統一会派 党内でも意見分かれ交渉難航も』
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180103/k10011278231000.html
 さて、このNHKニュースについての枝野立民代表のツイート。

枝野幸男
 (ボーガス注:民進と立民の統一会派ならともかく)「希望の党」を含む三党の統一会派のことなら正式にお断りしていますので、「難航」でなく「終わった話」です。

 まあここまで言い切ってますから、「希望を含む統一会派」はないでしょうねえ。そもそも希望支持層と立民支持層は全くかぶらないでしょう。「希望に排除されたリベラル議員」が結党したのが立民で、一方、希望の幹部連中は玉木*1代表にせよ、大島*2代表代行にせよ、古川*3幹事長にせよ、長島*4政調会長にせよ、ほかの人間にせよ、むしろ「安倍自民に近い右派」のわけです。
 小池*5が代表を辞めたときに「ある程度リベラル的な議員」でも幹部にすれば、枝野氏の対応も変わったかもしれませんが、希望はその道をとりませんでした。
 「希望不支持=立民支持(立民不支持=希望支持)」の関係にある以上、統一会派などすればかえって立民の支持者が離反します。
 かつ立民の方が希望よりもずっと支持率が高く、今や希望は公明や共産すら下回る支持率なのだから、立民が希望と統一会派をつくる理由はどこにもありません。


【ここから産経です】
■【フジモリ氏恩赦】「ペルー史上最大の政治的地震」 フジモリ家で党3分裂も? 地元紙政治論説委員
http://www.sankei.com/world/news/180103/wor1801030052-n1.html
 まあ何というか健全じゃないですよねえ。
 「ペルーはフジモリ一族の私物なのか?」と言いたくなります。まあ、この一件でペルーの国際的評判も相当がた落ちになったことでしょう。


■台湾司法当局「統一派政党幹部に中国から資金」 スパイ事件で異例発表
http://www.sankei.com/world/news/180103/wor1801030055-n1.html
 現時点では真偽は不明ですが、それはさておき。先日の「岩波広辞苑への言いがかり」といい蔡英文政権は中国を挑発するようなことばかりしているので、今回も中国は「蔡への憤激」を募らせてることでしょう。「蔡英文ってバカなのか?」と思います。


■【2018大予測】消滅必至の民進、希望を横目に立民・枝野幸男*6代表vs共産・志位和夫委員長の暗闘始まる
http://www.sankei.com/premium/news/180103/prm1801030023-n1.html
 タイトルで吹き出しました。「消滅必至」だの「暗闘」だの、野党各党への悪意モロだしですね。
 まあ、確かに「いろいろと考え方が違う」ので立民と共産との間で、野党共闘のあり方を巡って「水面下での政治的駆け引き、綱引き」はあるのでしょうがそれを「暗闘」と表現するあたりさすが野党嫌いの産経です。これが「自民と公明」だったら決して「暗闘」とは書かないでしょうに。


■紅白の平均視聴率、歴代ワースト3位39・4%
http://www.sankei.com/entertainments/news/180103/ent1801030003-n1.html
 まあワースト3位といったところで「39・4%」ですからねえ。こんな視聴率がとれる番組は今はほかにはほとんどない。
 価値観の多様化が進む中
1)「歌番組は好きじゃない」つう人間も昨今は多いでしょうし
2)「老若男女が幅広く好む歌」つうのも減ってきたから、今後も低視聴率(?)は続くでしょう。
 ただそれでも「他局と比べれば高視聴率」つう状況は当面は続くかと思います。


■性犯罪者の顔写真、氏名などをWEBで公開 ポーランド政府 学校への職員雇用も禁じる
http://www.sankei.com/world/news/180103/wor1801030024-n1.html
 非常識極右が政権を取るとこうなるんだという話です。まあ、岡村勲、「名古屋闇サイト殺人事件被害者の母親」、産経とかだと「よくやった」といいそうですけど。
 まあ「学校への職員雇用禁止」は一定の合理性があると思いますが、氏名と写真をウェブで公開なんて人権侵害以外何物でも無いでしょう。


■【正論 新春対談】渡辺利夫*7 明治人を育んだ幕藩体制「明治150年、覚醒始まる」 新保祐司氏 強い民族に歴史回想の力「海道東征」はモーセ
http://www.sankei.com/column/news/180103/clm1801030005-n1.html

新保
 戦後の日本人は歴史を忘れ過ぎています。だから浮草になってしまう。弱い。神武天皇も知らなければ、神武東征も知らない。

 やれやれですね。それフィクションに過ぎないんですが。つうかむしろ知っておくべき歴史ってそんなもんより「日本の負の歴史」でしょうよ。南京事件とか慰安婦とか731部隊とか。
 被害者がよく知ってるのに加害者(日本人)が無知だってのはよろしくない。ましてや産経のように南京事件否定論だの河野談話否定論だの全く論外です。

新保
 アブラハムを知らないユダヤ人を想像できますか。

 「想像できますか」も何もユダヤ人について無知なので解りません。
 そして仮に「ユダヤ人=皆アブラハムを知ってる(ユダヤ教徒?)」と前提したところでそれは「日本人皆が神武の事績(まあフィクションですが)について知ってないと行けない」ということを意味しません。

渡辺
 その意味で「海道東征」の復活演奏会が日本各地で何度も開かれたのは本当に慶賀すべきことでした。
(中略)
 昨年の総選挙で自民党が大勝したのもその流れだと思います。

 復活演奏会も何も「ワーグナーの演奏が事実上、禁止されてる*8イスラエル」じゃないんで演奏を誰も禁止してないんですが。
 単にウヨ連中の世界において「『神武東征』が従来評価されてなかったので演奏されてこなかった」が最近になって突如評価が高まっただけの話でしょう。左翼の反対運動で演奏ができなかったとかそういう話では全くない。
 なぜ「右翼世界での『神武東征』評価が突如高まったのか」知りませんし、知る気も無いですが。
 なお、「神武東征」がどんな曲か知りませんし興味もありません(当然聞く気も無い)。
 ただし、新保や渡辺の言うような「右翼的な曲」ならそれこそ演奏すべきじゃないでしょうね。「ワーグナーの演奏が事実上、禁止されてるイスラエル」のように禁止しろとは言いませんが。
 それにしてもまさか本気ではないでしょうが「自民党の選挙勝利と俺たちの『神武東征』普及運動はつながってる」て。
 自民党支持者も「別にお前らの『神武東征』普及運動なんか支持してねえわ」でしょう。

新保
 日本人として生きてゆくため、より切実に日本人のアイデンティティーを求めているのではないでしょうか。

 仮に「日本人のアイデンティティー」とやらが必要だとしてそれが「歌舞伎、能狂言文楽、短歌、俳句」などといった伝統日本文化ではなく「戦前型ウヨ文化」でないといけないのか、新保も渡辺も何一つ説明できていません。

新保
 「海道東征」の演奏会は、アメリカ的なものに呪縛されている日本人にとって、モーセのような役割を果たしたのではないかと私は考えています。

 やれやれですね。「アメリカ的なものに呪縛されている日本人」て具体的にどういう意味でしょうか。

新保
 来年の皇太子さまのご即位を祝う曲として「海道東征」ほどふさわしいものはないのではないかと私は考えています。

 新保や渡辺らウヨにとってはそうなのでしょうがウヨ以外にとっては「お前ら、何、神武東征が事実だとか言いたいのか?。勘弁してくれよ」「即位と何一つ関係ねえだろ」ですね。

渡辺
 大学2年生のときに安保闘争があって、訳も分からず左翼的な風潮の中に身を委ねた。それから全共闘運動が始まりますが、じきにそれを支えている思想や論理がどうしてこうもいいかげんなのか、ということを肌身に強く感じるようになりました。

 まあそう思うのは渡辺の勝手です。しかしデマゴギー極右に劣化しなくてもいいでしょうに。西部邁なんぞもそうですが全共闘参加者がデマゴギー極右化するつうのはわけがわかりません。
 まあ戦前も田中清玄とか左翼だったはずが極右転向した人とかいますけど。これがリベラル保守ならわかるんですけどね。

渡辺
 諭吉の著作を中心に明治期の文献を読み漁るようになりました。そこで私は、凜とした気概と秩序のあった明治という時代を発見しました。

 福沢諭吉の著作研究で渡辺が右翼化したというなら、雁屋哲氏や安川寿之輔氏が『さようなら! 福沢諭吉:日本の「近代」と「戦後民主主義」の問い直し』(雁屋・安川共著、2016年、花伝社)などの著書で諭吉を批判するように「日本ウヨの大師匠=諭吉」「脱亜論は一時の誤りではなくあれこそが諭吉の本質。諭吉は民族差別者にして侵略主義者」「ウヨ批判者(典型的には左派ですが)は皆諭吉を批判しなければいけない」のかもしれません。

新保
 西南戦争が起こり、新政府は西郷を殺してしまった。私はこの負い目が為政者の道徳的堕落を防いだとも思います。為政者の堕落が始まるのは、西郷を殺したという記憶がなくなってからではないでしょうか。

 いやーぶっちゃけ負い目なんかないでしょう。西郷は「維新の功労者」ではあっても、兵を率いて乱を起こした反逆者ですからね。
 つうか「為政者の堕落」て具体的になんでしょうか?。


■【主張】明治150年 「独立自尊」を想起したい 国難乗り越えた先人に学ぼう
http://www.sankei.com/column/news/180103/clm1801030001-n1.html

 異国の船が日本に押し寄せた幕末と現代は、よく似ている。

 どこが似てるんだかさっぱり解りません。

 日清、日露という2つの戦争を明治人は戦った。2つとも、日本の国防にとって要衝の地となる朝鮮半島の安定化を目指すものだった。戦ってでも、日本の独立を守ろうとした。

 「韓国の植民地化」を「朝鮮半島の安定化」と強弁する産経です。

単なる回顧ではなく、先人の精神のなにがしかを学びたい。

 ただしその先人に「田中正造」のような明治新政府批判派を産経が入れないことは確かでしょう。

 明治がひとくくりに栄光の時代だったわけではない。急激な近代化により、伝統や環境の破壊が激しくなった時代でもある。
 急速な、ときには皮相な西洋化が進むなかで、明治の半ばには日本人のアイデンティティーを探そうとする人たちが現れた。

 「伝統や環境の破壊」と書きながらそこから「鉱毒事件という環境破壊に立ち向かった田中正造」ではなく「伝統維持を訴える陸羯南(明治の右翼イデオローグの一人)」が出てくるあたりが産経です。要するに「右翼的なことにしかいつも興味が無い」。


ユネスコ、「世界の記憶」を包括的見直し 「南京」登録後に紛糾…政治利用回避へ今春「行動計画」
http://www.sankei.com/world/news/180103/wor1801030003-n1.html
 まともな見直しなら問題ありませんが、日本(安倍政権)の圧力に屈した「産経らが望むような見直し(安倍がぐちゃぐちゃいうと南京事件*9慰安婦*10のような物が登録できなくなる)」ではお話になりませんね。まあそのあたりは今後はっきりすることでしょうから、今は特に評価はしませんが。
 ただ

昨年は日中韓の民間団体などが申請した慰安婦関係資料をめぐり、日本が政治利用になると懸念を表明。結局、審査延期が決まった。

というあたり少々ユネスコの現事務局に不安を感じるところではあります。

ユネスコの政治利用については昨年、米国とイスラエルが「反イスラエル偏向」を理由にユネスコ脱退を表明しており、国際的にも改革圧力が強まっている。

 おいおいですね。「反イスラエル」て単にユネスコが「パレスチナ自治政府ユネスコ加盟を認めた」だけの話ですが。産経は「自治政府ユネスコ加盟」に反対なのか。
 そもそも米国やイスラエルの「加盟反対」ってどう言い訳しようと「パレスチナを国として認めない」、つまりは和平合意の否定ではないのか。そんなことが適切だと産経は言うのか。

*1:民進党政調副会長、幹事長代理などを経て希望の党代表

*2:野田内閣総務副大臣民進党幹事長(前原代表時代)、希望の党幹事長(政調会長兼務)などを経て希望の党代表代行

*3:菅内閣官房副長官、野田内閣経済財政担当相などを経て希望の党幹事長

*4:鳩山、菅内閣防衛大臣政務官、野田内閣防衛副大臣などを経て希望の党政調会長

*5:小泉内閣環境相、第一次安倍内閣防衛相、自民党総務会長(谷垣総裁時代)を経て都知事

*6:鳩山内閣行政刷新担当相、菅内閣官房長官、野田内閣経産相民主党幹事長(海江田、岡田代表時代)、民進党代表代行(前原代表時代)などを経て立憲民主党代表

*7:著書『社会主義市場経済の中国』(1994年、講談社現代新書)、『新世紀アジアの構想』(1995年、ちくま新書)、『韓国経済入門』(1996年、ちくま学芸文庫)、『現代アジアを読む』(1999年、PHP新書)、『成長のアジア・停滞のアジア』(2002年、講談社学術文庫)、『新脱亜論』(2008年、文春新書)、『アジアを救った近代日本史講義』(2013年、PHP新書)、『士魂:福澤諭吉の真実』(2016年、海竜社)など

*8:「法律で禁止」ではなく「あくまでも自粛(ただし社会的タブー化してるのでまず演奏されない)」だったと思います。

*9:既に登録済みですが

*10:今後申請が予定されています。