新刊紹介:「歴史評論」1月号

・詳しくは歴史科学協議会のホームページ(http://www.maroon.dti.ne.jp/rekikakyo/)をご覧ください。小生がなんとか紹介できるもののみ紹介していきます。まあ正直、俺にとって内容が良く理解できず、いい加減な紹介しか出来ませんが。
特集『近世山里の山里の地域社会史』
■無高山村の支配と貢租:信濃国秋山をめぐって(白水智*1
(内容紹介)
 石高が設定されていないが山林からの収益を租税として納めていた信濃国秋山村(現在の長野県下水内郡栄村)が取り上げられている。日本の年貢研究はもっぱら水田を中心に研究されてきたが今後は山林からの年貢についても研究の必要があるとしている。


■近世後期の焼畑と村落構造(町田哲)
(内容紹介)
 阿波国木津村(現在の徳島県鳴門市)の焼き畑からの年貢が取り上げられている。


■町人地と山林用益権(多和田雅保*2
(内容紹介)
 信濃国伊那郡飯田町(現在の長野県飯田市)の町人地の山林用益権が取り上げられている。


■「山里」村落の社会構造:17世紀の信州虎岩村(牧原成征*3
(内容紹介)
 17世紀の信州虎岩村(現在の長野県飯田市)の社会構造について取り上げられている。


■丘陵地帯の村と山(後藤雅知)
(内容紹介)
 上総国山辺郡小山村(現在の千葉市緑区)の丘陵地帯が取り上げられている。


■科学運動通信『荒井信一さん*4を偲ぶ会に出席して』(斎藤一晴)
(内容紹介)
 2018年3月4日に開催された荒井氏を偲ぶ会について述べられている。

参考

https://japanese.joins.com/article/j_article.php?aid=193840
中央日報「日本、個人所有文化財の返還約束守らず」
「苦労して文化財を返還しても展示もしなければ、返還しないほうがましではないのか」。
 日本の良心とされる老学者、荒井信一駿河台大学名誉教授(88)の声には寂しさが感じられた。荒井教授は「朝鮮王室儀軌」などの返還を支援した市民団体「韓国・朝鮮文化財返還問題連絡会議」を日本で結成した後、今まで率いてきた。今年9月、東京で荒井教授に会った。
■インタビュアー
「連絡会議の発足の契機は」
■荒井
「ソウル大、ハーバード大などの学者とともに10年間、政治・外交・軍事分野などを研究してきた。そして2010年に韓日合邦100周年を迎え、文化財分野も研究するべきだという意見から扱うことになった。その頃、当時の菅直人*5首相が宮内庁の朝鮮王室儀軌を返還する動きを見せ、これを支援するための民間団体を結成することになった。それが連絡会議につながった」
■インタビュアー
「日本国内に韓国の文化財はどれほどあるのか。」
■荒井
「韓国文化財庁は6万点ほどと発表したが、30万点はあると思われる。多くが植民地時代に入ったものだが、徳川幕府時代の朝鮮通信使を通じて伝えられたものも多い」
■インタビュアー
「盗掘など違法な入手方法も多かったのでは。」
■荒井
「韓日合邦の後には総督府があり、むやみに盗掘できなかった。むしろ1904年の日露戦争後から合邦までの6年間の混乱期に、日本人が朝鮮人に盗掘させた」
 東京大西洋史学科出身の荒井教授は日本の右傾化を批判してきた代表的な知識人だ。学徒兵の経験が荒井教授の人生に大きな影響を及ぼし、日本の戦争犯罪および責任問題を研究した。2005年には乙巳勒約(第2次韓日協約)が国際法上無効であることを立証する史料を出したりもした。
■インタビュアー
文化財の返還がきちんと行われたと見るか。」
■荒井
「日本政府は65年の韓日協定で返還問題は終わったと主張したが、これは間違った見解だ。合意した議事録を見ると、『日本の個人所有の文化財を自発的に韓国に寄贈すれば、両国間協力増進に寄与するため、日本政府はこれを奨励する』となっている。しかし日本政府はこのような努力を全くしなかった」
■インタビュアー
「韓国側に言いたいことは。 」
■荒井
「多くの日本人は文化財返還に対する意識がない。したがって韓国側で政治的イシュー化すれば感情的に抵抗感が生じるしかない。忍耐心を持って慎重に接近しなければいけない」


追想・北島万次氏*6(堀新*7
(内容紹介)
 2018年5月に亡くなられた北島氏の追悼文。


■浜林正夫先生*8を追悼する(岩井淳*9
(内容紹介)
 2018年5月に亡くなられた浜林氏の追悼文。

*1:著書『知られざる日本 山村の語る歴史世界』(2005年、NHKブックス)、『中近世山村の生業と社会』(2018年、吉川弘文館

*2:著書『近世信州の穀物流通と地域構造』(2007年、山川出版社

*3:著書『近世の土地制度と在地社会』(2004年、東京大学出版会

*4:茨城大学名誉教授、駿河台大学名誉教授。日本の戦争責任資料センター共同代表。著書『原爆投下への道』(1985年、東京大学出版会)、『日本の敗戦』(1988年、岩波ブックレット)、『ゲルニカ物語』(1991年、岩波新書)、『世紀史を伝える』(1991年、同時代社)、『戦争博物館』(編著、1994年、岩波ブックレット)、『戦争責任論』(2005年、岩波現代文庫)、『歴史和解は可能か』(2006年、岩波書店)、『空爆の歴史:終わらない大量虐殺』(2008年、岩波新書)、『コロニアリズム文化財:近代日本と朝鮮から考える』(2012年、岩波新書)など

*5:社民連副代表、新党さきがけ政調会長、橋本内閣厚生相、鳩山内閣副総理・財務相などを経て首相

*6:著書『豊臣政権の対外認識と朝鮮侵略』(1990年、校倉書房)、『豊臣秀吉朝鮮侵略』(1995年、吉川弘文館)、『壬辰倭乱と秀吉・島津・李舜臣』(2002年、校倉書房)、『秀吉の朝鮮侵略』(2002年、山川出版社日本史リブレット)、『加藤清正朝鮮侵略の実像』(2007年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、『秀吉の朝鮮侵略と民衆』(2012年、岩波新書)など

*7:著書『天下統一から鎖国へ』(2009年、吉川弘文館)、『織豊期王権論』(2011年、校倉書房)など

*8:一橋大学名誉教授。日本科学者会議代表幹事、全国革新懇代表世話人、労働者教育協会副会長、憲法改悪阻止各界連絡会議代表委員など市民運動の役職を歴任。著書『イギリス市民革命史』(1959年、未來社)、『イギリス革命の思想構造』(1966年、未來社)、『魔女の社会史』(1978年、未來社)、『イギリス名誉革命史』上・下(1981年、1983年、未來社)、『現代と史的唯物論』(1984年、大月書店)、『イギリス宗教史』(1987年、大月書店)、『民主主義の世紀:人民のたたかいの歴史』(1992年、学習の友社)、『民主主義の世界史:「殺しあい」から「話しあい」へ』(1993年、地歴社)、『人権の思想史』(1999年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、『イギリス民主主義思想史(新版)』(1999年、新日本出版社)、『パブと労働組合』(2002年、新日本出版社)、『人権の歴史と日本国憲法』(2005年、学習の友社)、『ナショナリズムと民主主義』(2006年、大月書店)、『世界史再入門:歴史のながれと日本の位置を見直す』(2008年、講談社学術文庫)、『イギリス労働運動史』、『「蟹工船」の社会史:小林多喜二とその時代』(以上、2009年、学習の友社)など

*9:著書『千年王国を夢みた革命』(1995年、講談社選書メチエ)、『ピューリタン革命と複合国家』(2010年、山川出版社世界史リブレット)、『複合国家イギリスの宗教と社会:ブリテン国家の創出』(2012年、MINERVA西洋史ライブラリー)、『ピューリタン革命の世界史:国際関係のなかの千年王国論』(2015年、MINERVA西洋史ライブラリー)など