はてなブログでは未来日付の記事は「原則としては」書かないことにします、他(追記あり)

【最初に追記(2019年2/15記載)】
bogus-simotukareのブログということでココログにもブログを作ったので紹介しておきます。
ただ「今のところはてなの方が書きやすい(ココログだと脚注のつけ方がよく分からない、エンターキーで改行すればはてなだとそのまま改行になるが、ココログだとそうならない)」ということではてなの方で書くことが多いかと思います。
【追記終わり】
【2022年2月6日追記】
北朝鮮拉致問題で「大きな動きのあった年」に「何があったか」を振り返る - bogus-simotukareのブログとして未来日付の記事を書きましたが、「拉致が一定の解決を見た日(あるいは家族会が、蓮池透氏と和解し、救う会と絶縁し正常化した日)」には削除の予定です。
 https://bogus-simotukare.hatenadiary.jp/entry/2022/01/22/151801については「いったん書いた」ものの、「残しておくほどの記事でもないかな」と考えが変わったので削除することにします。
【追記終わり】
【2023年6月9日追記】
 「紙屋研究所」名義で俺に悪口雑言するコメントがつきましたが
1)「ブログでしか物が言えない内弁慶は黙れ」云々と「内容が無内容」
2)本物の紙屋がすこぶる怪しい(掲載してることが紙屋への風評被害になりかねない)
と思い削除しました。
【追記終わり】
 bogus-simotukareのブログでは未来日付の記事も書いていたのですが、はてなブログだと未来日付記事がたくさんあると、新規記事を書いてもそれが目立たず非常に見づらい気がするので、基本的には未来日付記事は書かないことにしたいと思っています。なお、この文章は2019年1月28日に書いています(これは、目立つところに置いた方がいい「お断りの文章」なので未来日付の記事ですが。なお、俺が勘違いしてるのかもしれませんが「あまり遠くの未来日付」だといろいろと作業が厄介な様なので「2019年1月28日の約1年後」にしています。しかし、当然ながら、冒頭にいつも表示される様に適宜、日付の設定は変更する予定です)。
 http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/25000101/1256334886:title(残念ながらはてなダイアリーが消滅したのでリンク切れ。sorarisu0088氏への謝罪文)ですが、id:Bill_McCrearyさんのご教示(2019年8/18)によれば結局はてなダイアリーは2019年7月末日でなくなったそうです(事前に連絡がなかったか、連絡があったが小生が見落としていたのでしょう。それにしても全削除の決定が随分早かったなと言う気はします。もちろん停止したサービスをそのようにすることは予想できたことではありますが)。
 id:Bill_McCrearyさんご教示ありがとうございます。
 以前、

1)はてな社の方針では当面、はてなダイアリー記事は「更新やコメントはできないが」記事自体は残る
(もちろん、最終的にははてな社が「やはり削除」という方針にする可能性もゼロではないでしょうが将来的な問題はひとまずおきます。その場合、さすがにはてな社は事前広報くらいするでしょう。その場合はこちらに謝罪文を移そうとは思います)
2)はてなブログにまで過去の恥をさらしたくない(まあ俺個人のくだらない感情論ですが)
つうことで、まあこの記事での「謝罪相手」である御仁が「どうしてもブログにまで謝罪文そのものを残せ」と言ってくるならまた話も別ですが、「ここにお断りの文章を載せること」で「謝罪文そのもの」はここにはひとまず載せないことにします。

としたので「弱ったな」というのが正直な感想です。本当に「過去のはてなダイアリー」がきれいすっかりなくなっている上に、小生はこの謝罪文を別に「ワード文書など他の文書」の形で保存していません。なので謝罪文を正確に復元しようがない。
 無理に思いつきででっちあげてもかえって問題でしょう。つうことでsorarisu0088氏から「こういう文面で乗せろ」つう要望がない限り、とりあえずこのままにしておこうかと思います(こちらから彼に問い合わせるのは挑発行為と認識される危険性がある気がするのでそれはしません。彼が小生に対して何のアプローチもしなければ、今の彼にとって小生が「どうでもいい存在である」ということなのでしょうから)。「sorarisu0088氏と小生が過去にトラブって、小生が非を認め謝罪文を掲載した」ということだけはここに指摘しておくので、それでご容赦、ご勘弁願いたいと言うのが正直な感想です。

【2019年1月29日追記】
 早速、移行後、コメント設定を修正。
 コメントは通常設定だと「はてなユーザー」という設定ではてなユーザーしかコメントできないようですね(コメントするときははてなのID、パスワードでログインする)。
 当然(?)ながら「俺にとってはてなユーザーにコメント者を限定する理由がない」、というか従来コメント頂いていた方々はおそらく「ほとんどがはてなユーザーじゃない」ので「ゲスト(誰でもコメント可能)」に変更します。しかし通常設定は「ゲスト」であるべきじゃないんですかね。
 俺みたいなうっかりは「はてなユーザー設定」に気づかず、「何で移行前にコメントしてくれた方たちがコメントしてくれないんだろうな」と悲しむという皮肉なことになりかねません。いや「はてなユーザーを増やしたい」という企業の立場からは、一理ある「通常設定」でしょうけどね。
 「はてなブログーユーザーの利便性をなんだと思ってるんだ!」つう反発は感じます。

北朝鮮拉致問題で「大きな動きのあった年」に「何があったか」を振り返る

 拉致限定であり、「金丸訪朝(1990年)」「南北朝鮮国連ダブル加盟(1991年)」「カーター訪朝による米朝合意(1994年)」「金大中金正日首脳会談(2000年)」「トランプ・金正恩首脳会談(2018年)」など『拉致と直接関係ない』北朝鮮ニュースは取り上げません(北朝鮮による日本人拉致問題 - Wikipedia参照)。赤字が朝鮮半島関係です。

【1977年:横田めぐみ拉致など拉致事件の発生(福田赳夫内閣:外相は日中平和友好条約(1978年)を締結した園田直氏(大平、鈴木内閣でも外相)など)】
1977年 - Wikipedia1977年の日本 - Wikipedia
◆1月20日
 カーター大統領就任。
◆1月27日
 ロッキード事件丸紅ルート初公判。31日全日空ルート初公判。
◆6月13日
 全米女子プロゴルフ選手権で樋口久子が優勝、日本人初の世界タイトルを獲得。
◆7月13日
 津地鎮祭訴訟の最高裁判所大法廷判決
◆7月17日
 キャンディーズ日比谷野外音楽堂で行われたコンサートで「普通の女の子に戻りたい」と解散することを宣言
◆8月12日
 文化大革命終結宣言
→なお、毛沢東の死去は1976年9月9日。四人組の逮捕は1976年10月6日。文革で失脚していた鄧小平の復活(党副主席、副首相、人民解放軍総参謀長への就任)は1977年7月。
◆9月3日
 巨人の王貞治選手が対ヤクルト戦でホームラン世界新記録の756号を達成
◆9月5日
 国民栄誉賞が創設される。王貞治が第1回目の受賞者
◆9月28日
 ダッカ日航機ハイジャック事件が発生。
◆10月1日
 経営難に陥っていた安宅産業を伊藤忠商事が吸収合併
◆10月15日
 長崎バスジャック事件で犯人1名を射殺、人質は全員無事
◆11月19日
 エジプトのサダト大統領がイスラエルを訪問(アラブ諸国の元首として初のイスラエル訪問)。
◆11月22日
 プロ野球ドラフト会議でクラウンライターライオンズが法政大学の江川卓を指名するも、江川本人が12月3日に拒否(江川事件の始まり)
◆12月3日
 横浜市飛鳥田一雄市長が日本社会党委員長就任を受諾。
◆12月25日
 喜劇王チャールズ・チャップリン死去(享年88歳)

【1988年:橋本敦質問及びそれに対する梶山国家公安委員長、宇野外相答弁(政府が初めて公式に北朝鮮拉致疑惑を認める)(竹下内閣:外相は宇野宗佑氏(後に首相))】
1988年 - Wikipedia1988年の日本 - Wikipedia
◆2月6日
 衆議院予算委員会浜田幸一予算委員長が日本共産党宮本顕治議長について「殺人者」と不規則発言。委員長辞任(2月12日)に追い込まれる
◆2月25日
 韓国の盧泰愚大統領が就任

◆3月24日
 中国で起きた上海列車事故で、修学旅行中の高知学芸高校の生徒と教師計28名が死亡。
→橋本敦質問ではこの件についても「日本政府の適切な対応」を求める質問がされたと記憶しています。
◆3月26日
 参議院予算委員会日本共産党の橋本敦が拉致疑惑について質問。これに対し竹下内閣国家公安委員長梶山静六北朝鮮による拉致の疑いが濃厚との見方を示し、真相究明のために全力を尽くす考えであることを表明した。これは北朝鮮による日本人拉致疑惑を政府が認めた初めての公式答弁である
北朝鮮による日本人拉致問題 - Wikipedia参照)
◆4月14日
 ソ連アフガニスタンからの撤退に関して合意(ジュネーヴ合意)。翌年2月15日迄に撤退を完了。
◆6月18日
 朝日新聞リクルートによる川崎市助役への未公開株譲渡を報道し、リクルート事件発覚
◆7月3日
 イラン航空655便撃墜事件。イラン航空655便がアメリカ海軍のイージス艦「ヴィンセンス」に撃墜され、乗員乗客290名全員が死亡。
◆7月23日
 なだしお事件。遊漁船「第一富士丸」と海上自衛隊の潜水艦「なだしお」が衝突、死者30名。8月25日には瓦力防衛庁長官(竹下内閣)が引責辞任
◆8月8日
 ビルマで、8888民主化運動が発生。
◆8月20日
 イラン・イラク戦争停戦が正式に成立。
◆9月17日
 ソウル五輪開幕(10月2日まで)

→前年(1987年)の「北朝鮮による大韓機爆破」はソウル五輪に対する妨害工作であったというのが通説的見解でしょう。
◆9月18日
 ビルマでソウ・マウン国軍総参謀長がクーデターにより全権掌握。国家法秩序回復評議会を設立。
◆11月8日
 米国大統領選挙でジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュが当選。
◆12月2日
 パキスタンベナジル・ブットが首相に就任。イスラム国家では初の女性首相となる。
◆12月9日
 宮澤喜一蔵相(竹下内閣)がリクルート疑惑で辞任
◆12月21日
 リビアによるパンアメリカン航空103便爆破事件。

【1997年:安明進証言(横田めぐみ拉致)とそれを契機とした家族会結成(橋本内閣:外相は小渕恵三氏など(後に首相))】
1997年 - Wikipedia1997年の日本 - Wikipedia
◆1月2日
 ナホトカ号重油流出事故
◆2月3日
 この日発売の産経新聞と週刊誌アエラ朝日新聞社)が「安明進証言(横田めぐみ拉致)」を報道
◆2月8日
 この日放送のテレビ朝日ザ・スクープ」が「安明進証言(横田めぐみ拉致)」を報道

(2月3日、8日の件についてはけっきょく「横田めぐみ拉致問題における安明進証言」などというものにのっかったのが、高世仁が会社をこかした淵源(の少なくとも1つ)ではないか - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)参照)
◆3月25日
 「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)」結成
北朝鮮による拉致被害者家族連絡会 - Wikipedia参照)
◆4月1日
 消費税増税実施(3%から5%に)
◆4月2日
 最高裁愛媛県靖国神社玉串料訴訟で違憲判決
◆4月22日
 ペルー日本大使館公邸に特殊部隊突入、人質全員解放(ペルー日本大使公邸占拠事件)。
◆5月1日
 イギリス総選挙で労働党が勝利。翌日、党首のトニー・ブレアが首相に就任、労働党は18年ぶりの政権奪還を果たした
◆7月1日
 香港返還
◆8月1日
 連続射殺事件の死刑囚で小説家として活動していた永山則夫の死刑が執行される。
◆9月11日
 第2次橋本改造内閣発足。ロッキード事件で有罪が確定した佐藤孝行総務庁長官で初入閣したが、世論の批判で9月22日に辞任。
◆9月18日
 ヤオハンが倒産、会社更生法を申請
◆10月8日
 金正日朝鮮労働党総書記に就任。

◆11月16日
 サッカー日本代表が延長戦の末3-2でイランを下し、ワールドカップ(フランス大会)初出場を決める。(ジョホールバルの歓喜
◆11月17日
 北海道拓殖銀行が経営破綻
◆11月22日
 山一證券が経営破綻
◆12月1日
 地球温暖化防止京都会議開幕。11日、京都議定書が採択される。
◆12月19日
 韓国大統領選挙で、金大中が当選

◆12月20日
 伊丹十三(俳優、映画監督)が自殺。

【2002年:小泉訪朝(第一次)&八尾恵『謝罪します』刊行(有本恵子拉致への関与を認める)(小泉内閣:外相は川口順子氏(小泉訪朝(第一次)当時))】
2002年 - Wikipedia2002年の日本 - Wikipedia
◆1月23日
 雪印牛肉偽装事件発覚。8月6日には日本ハムも発覚。
◆1月29日
 ブッシュ大統領が、一般教書演説で北朝鮮、イラン、イラクを非難する「悪の枢軸」発言

◆2月8日〜24日
 ソルトレイクシティ五輪
◆3月18日
 自民党鈴木宗男衆院議員が「ムネオハウス疑惑」などで離党
◆3月28日
 社民党辻元清美衆院議員が、秘書給与流用問題で議員辞職
◆4月2日
 鈴木宗男事件への関与から、東郷和彦オランダ大使を罷免
◆4月9日
 加藤紘一自民党幹事長が元事務所代表の脱税疑惑や自身の政治資金流用問題の責任を取り、議員辞職
◆5月3日
 朝日新聞阪神支局襲撃事件(1987年)の時効成立(当時、殺人の時効は15年、現在は時効が撤廃された)
◆5月5日
 フランス大統領選挙決選投票で現職のジャック・シラクが再選
◆5月8日
 北朝鮮からの亡命者が中国瀋陽にある日本の総領事館へ駆け込む事件が発生

◆5月20日
 東ティモールが独立。21世紀初の独立国。9月27日には国連加盟
◆5月28日
 経済団体連合会経団連)と日本経営者団体連盟(日経連)が統合、日本経済団体連合会日本経団連)が発足
◆5月31日〜6月30日
 2002 FIFAワールドカップ(日本・韓国の共同開催)

◆6月19日
 鈴木宗男衆院議員を収賄容疑で逮捕
◆8月9日
 田中眞紀子前外相が公設秘書給与流出疑惑の責任を取り、議員辞職
◆8月26日
 南アフリカヨハネスブルク持続可能な開発に関する世界首脳会議地球サミット2002)が開幕。
◆8月30日
 小泉首相が9月17日に、北朝鮮を訪問することを表明
◆9月2日
 日本海中部海域不審船事件。
◆9月17日
 小泉首相が訪朝。日朝首脳会談金正日国防委員長(朝鮮労働党総書記)が日本人拉致問題を公式に認めた。

◆10月8日
 小柴昌俊東京大学名誉教授にノーベル物理学賞が決定。翌日には田中耕一島津製作所社員にノーベル化学賞の受賞が決定
◆10月12日
 インドネシアのバリ島で爆弾テロ事件が起こり、202人が死亡
◆10月15日
 北朝鮮に拉致された日本人5人が帰国。

◆10月23日
 モスクワで劇場が占拠される事件が起こり、特殊部隊の強行突入で一般人129人が死亡。
◆10月25日
 石井紘基衆院議員刺殺事件
◆11月14日
 アルゼンチン政府が世界銀行向け債務の不履行(デフォルト)を発表した。
◆12月19日
 韓国大統領に盧武鉉が当選

【2004年:小泉訪朝(第二次)(小泉内閣:外相は川口順子氏(小泉訪朝(第二次)当時)など)】
2004年 - Wikipedia2004年の日本 - Wikipedia
◆1月19日
 自衛隊イラク派兵(初めての陸上自衛隊の戦闘地域への派兵)
◆2月12日
 秘書給与の流用による詐欺罪に問われていた辻元清美衆議院議員に対し、東京地裁が懲役2年、執行猶予5年の判決。検察、被告とも控訴せず、判決が確定
◆4月7日
 イラク日本人人質事件発生
◆5月7日
 年金未納問題で、福田康夫官房長官が辞任
◆5月22日
 小泉首相北朝鮮を再訪問。日朝首脳会談が行われ、拉致被害者・蓮池夫妻、地村夫妻の家族5人が帰国。

◆5月27日
 イラクで取材中の日本人フリージャーナリスト2名が乗った車が銃撃され、殺害される。
◆7月1日
 中国の「高句麗前期の都城と古墳」、北朝鮮の「高句麗古墳群」、日本の「紀伊山地の霊場と参詣道」などがユネスコ世界遺産に登録
◆7月9日
 インドネシアジャカルタ拉致被害者曽我ひとみが夫であるジェンキンスら家族と再会。18日には家族が日本に帰国(北朝鮮による日本人拉致問題 - Wikipedia参照)
◆7月21日
 小泉首相と韓国の盧武鉉大統領が済州島で会談。

◆7月30日
 扇千景が女性初の参議院議長に就任
◆8月13日
 アテネ五輪開幕(29日まで)。
◆8月13日
 沖縄国際大米軍ヘリ墜落事件。
◆9月14日
 2001年に発生した大阪教育大学附属池田小学校襲撃事件(8名殺害)で死刑が確定していた加害者の死刑が執行される
◆10月23日
 新潟県中越地震。死者68名
◆11月11日
 パレスチナ自治政府アラファト大統領死去。
◆12月17日
 小泉首相、鹿児島県指宿市盧武鉉韓国大統領と会談

【2014年:いわゆるストックホルム合意&横田夫妻と孫・ウンギョンさんの面会(第二次、第三次安倍内閣:外相は岸田文雄氏(現首相)、拉致担当相は古屋圭司山谷えり子国家公安委員長の兼務))】
2014年 - Wikipedia2014年の日本 - Wikipedia
◆1月13日
 アントニオ猪木参議院議員、2013年11月以来となる北朝鮮訪問

◆1月19日
 沖縄県名護市長選挙で、名護市辺野古地区への普天間基地からの米軍移転反対派で現職の稲嶺進が再選
◆1月28日
 下村博文文部科学大臣、中学校と高校の学習指導要領解説書を改定、中学校の社会科、高校の地理歴史と公民に、尖閣諸島竹島を「固有の領土」と明記したことを正式に発表。1月29日には韓国では慶尚北道が管轄する竹島に、金寛容・慶尚北道知事が上陸。前日に発表された学習指導要領解説書記載内容に抗議する声明を発表

 理化学研究所が「STAP細胞」の作成に成功したと発表(しかし、後に小保方研究員による捏造の疑いが発覚、発表が撤回される)
◆2月1日
 小学館の学年別学習雑誌に1978年から掲載されていた漫画『あさりちゃん』(室山まゆみ作)がこの日発売の小学二年生3月号を以って35年に及ぶ連載を終了
◆2月5日
 桐朋学園大学非常勤講師の新垣隆が、自らが作曲家・佐村河内守ゴーストライターを18年間務めていたことを発表したことを受け、予定されていた佐村河内の全国ツアーが中止となり、レコード会社の日本コロムビアがCDの出荷やインターネット配信を停止するなどの影響。
 ビッグコミックオリジナル小学館)に1973年から掲載されてきた野球漫画『あぶさん』(水島新司作)が41年間に及ぶ連載を終了
◆2月7日~23日
 ソチ五輪
◆2月9日
 東京都知事選挙で、自民党公明党の支持を受けた元厚生労働大臣舛添要一が初当選
◆2月17日
 北朝鮮の人権状況を調査した国連調査委員会が日本人拉致や公開処刑など残虐な人権侵害行為を挙げ、北朝鮮が国家として組織的に「人道に対する罪を犯した」と非難する最終報告書を公表。国連安全保障理事会に対し、国際刑事裁判所に付託するよう勧告

◆2月22日
 デモ隊が大統領府を封鎖、ヤヌコーヴィチ・ウクライナ大統領がロシアへの亡命に追い込まれる。議会は亡命したヤヌコーヴィチを正式に大統領から解任し、5月25日の大統領選挙開催を決定。2月24日、多数の市民を殺害した容疑で、ヤヌコーヴィチと側近を指名手配(2014年ウクライナ騒乱)。
◆2月24日
 外務省が『日本海が19世紀初頭から国際的に確立された唯一の呼称であり、近年になって日本海の単独呼称に異議を唱え「東海(トンへ)」併記を求める韓国の主張は根拠がない』とする主張を同省ウェブサイトにて開始

◆3月1日
 中国雲南省昆明市の昆明駅前で無差別殺傷事件発生、少なくとも29人が死亡。中国公安部は新疆ウイグル自治区の独立を狙う組織による計画的なテロ事件と断定、現場で容疑者の男女4人を射殺、女1人を逮捕
◆3月2日
 沖縄県石垣市長選挙で、陸上自衛隊石垣島配備に柔軟姿勢を取る現職の中山義隆が、配備反対派で元市長の大濵長照を破り再選
◆3月10~14日
 モンゴルのウランバートル横田夫妻が孫であるウンギョンさん(拉致被害者横田めぐみの娘)と面会
◆3月16日
 北朝鮮により日本海側に10発のロケット砲が発射

◆3月18日
 ロシアのプーチン大統領が、ウクライナからの独立を宣言したクリミア自治共和国のロシアへの編入を表明
 中国と台湾の間に結ばれたサービス貿易協定に反対する学生が台湾立法院(国会)を占拠。4月10日に退去(ひまわり学生運動)。
◆3月26日
 北朝鮮、中距離弾道ミサイル「ノドン」2発を日本海に向け発射

◆3月27日
 静岡地裁袴田事件の犯人として48年前に逮捕され、34年前に死刑判決が確定し拘置されている袴田死刑囚について、「重要な証拠が捜査機関に捏造された疑いがある」として、再審開始を認め、同時に「拘置を続けることは耐え難いほど正義に反する」との理由で刑と拘置の執行停止も決定、即日釈放。
◆3月31日
 国際司法裁判所、オーストラリアが日本の南氷洋における調査捕鯨国際捕鯨取締条約違反として訴えた裁判で日本の調査捕鯨は「研究目的ではない」と述べ、条約違反と認定、今後実施しないよう命じる判決を下す
 フジテレビ『森田一義アワー 笑っていいとも!』が放送終了。1982年の放送開始から31年半の歴史に幕を下ろす。
◆4月1日
 消費税が5%から8%に増税
 武器輸出三原則に代わる新たな政府方針として防衛装備移転三原則を制定
◆4月7日
 渡辺喜美みんなの党代表、化粧品会社DHCからの8億円借入金問題を受け、党代表を辞任
◆4月16日
 クルーズ旅客船セウォル号」が沈没、死者299人

◆5月22日
 タイ軍がクーデターを宣言。憲法を停止。
◆5月29日
 北朝鮮当局による拉致被害者再調査がストックホルムでの日朝協議により合意
北朝鮮による日本人拉致問題 - Wikipedia参照)
◆5月30日
 内閣官房内閣人事局を設置。初代局長には内閣官房副長官加藤勝信を任命
◆6月12日〜7月13日
 2014 FIFAワールドカップ ブラジル大会
◆6月16日
 石原環境相東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う除染廃棄物を保管する国の中間貯蔵施設建設をめぐり難航している福島県側との交渉について「最後は金目でしょ」と述べ、最終的に交付金など金銭で解決するとの見方を示したことに対し、佐藤雄平福島県知事らが批判。19日に発言を撤回し謝罪
◆6月21日
 富岡製糸場世界文化遺産登録決定
◆6月26日
 終戦前後に現在の北朝鮮地域で死亡した日本人の遺族9人が墓参のため北京経由で北朝鮮に到着、7月5日迄滞在
◆7月1日
 北京で日朝局長級協議

 臨時閣議において、集団的自衛権の行使を条件付きで認める憲法解釈の変更を閣議決定
◆7月3日
 習近平・中国国家主席国賓として韓国を初訪問。朴槿恵大統領とソウルの大統領府で会談。共同声明で、北朝鮮による「朝鮮半島での核兵器開発に断固として反対する」と明記。従軍慰安婦問題について、関係機関による共同研究を進める旨、声明付属文書に記載
◆7月10日
 1日に北京で開かれた日朝政府間協議の際、北朝鮮が複数の拉致被害者を含む約30人の日本人生存者リストを提示したと日本経済新聞が同日付朝刊で報じたことについて、菅官房長官が記者会見で否定
◆7月11日
  日本大使館自衛隊創設記念行事の開催会場として予定していたソウルのロッテホテルが、前日の10日夜に「国民感情に触れる」などとして取消を通知したことに対しホテルに抗議。菅官房長官、岸田外相が遺憾の意を表明。レセプションについては日本大使公邸に会場を変更し予定通り開催

◆8月1日
  前日に解党した日本維新の会の「石原グループ」が「次世代の党」、「橋下グループ」が「日本維新の会」をそれぞれ結党
◆9月18日
 スコットランドでイギリスからの独立を問う住民投票を実施。結果は「否決」。
◆9月28日〜12月15日
 香港で雨傘革命(2014年香港反政府デモ)が起きる。最終的に警察の強制排除で終了
◆10月7日
 ノーベル物理学賞受賞者に赤崎勇・天野浩・中村修二の3人が決定
◆10月20日
 公選法違反疑惑で小渕経産相、松島法相が辞任
◆10月24日
 アジアインフラ投資銀行(AIIB)設立の覚書が中国で21カ国代表により結ばれる。
◆11月16日
 沖縄県知事選挙で翁長雄志が現職の仲井眞弘多を破り当選
◆11月19日
 みんなの党が解党決定
◆11月27日
 ユネスコ無形文化遺産に「和紙」が登録
◆12月15日
 海江田万里民主党代表が衆院選(12月14日投開票)での「民主党の不振(63→73と10議席の増加にとどまった)」「海江田自身の落選」を理由に代表辞任を表明
◆12月17日
 アメリカ大統領バラク・オバマキューバ国家評議会議長ラウル・カストロが両国の国交正常化交渉の開始を発表

新刊紹介:「経済」2024年6月号

特集「社会保障:問われる生存権、新たな転換へ」
◆岸田・社会保障改革への対抗策を探る(岡崎祐司*1
◆介護:介護職・在宅サービスから見た報酬改定問題(日下部雅喜*2
◆介護:制度改定で介護事業所、高齢者はどうなる(西岡修*3
◆医療:診療報酬改定、医療制度改革の狙い(寺尾正之*4
公的年金:12年連続の実質削減(木田保男)
◆障害:障害児通所支援と報酬改定問題(中村尚子)


都知事選へ持ち寄る私たちの願い(山本由美*5佐藤和宏*6、野中郁江*7
◆東京の再開発・区画整理、何が問題か(遠藤哲人*8
◆動き出したEUのプラットフォーム規制(高野嘉史)
マルクスによる未来社会の探究と「自由な時間」:ディルク抜粋から『資本論』へ〔2〕(山口富男*9
◆シリーズ・マルクスエンゲルスの古典案内②『マルクスエンゲルス共産党宣言」(橋本直*10
◆シリーズ「現代のグローバル企業分析」第9回『インテルサムスン電子ルネサス』(内野一樹*11

*1:仏教大学教授。著書『現代福祉社会論』(2005年、高菅出版)

*2:著書『介護保険は詐欺だ!と告発した公務員』(2016年、日本機関紙出版センター)、『「次期」介護保険改悪と障害者65歳問題』(共著、2023年、日本機関紙出版センター)

*3:昭和女子大学特命准教授

*4:著書『後期高齢者医療がよくわかる』(2008年、リヨン社)

*5:和光大学教授。自治体問題研究所理事長。著書『教育改革はアメリカの失敗を追いかける:学力テスト、小中一貫、学校統廃合の全体像』(2015年、花伝社)、『小中一貫・学校統廃合を止める』(2019年、新日本出版社)等

*6:高崎経済大学准教授

*7:明治大学名誉教授。著書『現代会計制度の構図』(2005年、大月書店)、『国有林会計論』(2006年、筑波書房)、『私立大学の財政分析ハンドブック』(2020年、大月書店)等

*8:著書『豊洲新市場・オリンピック村開発の「不都合な真実」』(共著、2017年、自治体研究社)

*9:日本共産党社会科学研究所所長(党幹部会委員兼務)。著書『新しい世紀に日本共産党を語る』(2003年、新日本出版社)、『マルクス資本論』のすすめ』(2021年、学習の友社)

*10:鹿児島大学名誉教授。著書『「共産党宣言」普及史序説』(2016年、八朔社)、『1850年マルクスによる経済学研究の再出発』(2018年、八朔社)

*11:立教大学教授

新刊紹介:「前衛」2024年5月号

 「前衛」5月号について「興味のある内容」のうち「俺なりに何とか紹介できそうな内容」だけ簡単に触れています。「俺の無能」のため「赤旗記事の紹介」でお茶を濁してる部分が多いです。
特集「日本国憲法が問う日本政治のいま」
改憲動向の現状とそれへの対抗(奥野恒久*1
(内容紹介)
 安倍死後、「安倍ほどの改憲熱意が岸田にはないと見られること」「裏金問題で岸田政権支持率が低迷」を理由に「明文改憲の危機はない」と見る一方で「大軍拡」「(米国との武器共同開発と連携した)武器輸出規制の緩和」「訪米でバイデンと共に声明した日米安保の強化(沖縄米軍基地の拡充)」など「解釈改憲の拡大」とも言うべき事態については警戒をしている。
 「馬毛島基地問題」についての田村論文、「宇宙軍拡」についての金子論文と同様の問題意識と言える。


◆「政治改革」30年、日本の政治はよくなったのか*2選挙制度改革の課題(小松浩*3
(内容紹介)
 以前も別記事今日のしんぶん赤旗ニュース(2023年11/6~12日分)(副題:松竹伸幸の醜態を嗤う、ほか)(追記あり) - bogus-simotukareのブログ珍右翼・高世仁に悪口する(2024年1/6日分)(副題:失われた30年) - bogus-simotukareのブログで書きましたが「失われた30年」とは「経済不況でよく使われる言葉」ですが「政治改革(当時、ゼネコン汚職等で自民が批判を受けた)」を口実に導入された「小選挙区(自民一強による自民の無法を助長、中選挙区であれば、自民の支持率低下もあり、あれほどの巨大与党にはならない)」「政党助成金河井案里事件で公選法違反の買収に使用されるなど、事実上つかみ金)」が政治を浄化せず、「自民裏金問題」が表面化したことを考えれば「政治改革」もまさに「失われた30年」ではないか。その結果、筆者により「小選挙区の廃止(より少数意見を反映する選挙制度への変更)」「政党助成金の廃止」が主張される。なお、英国政治研究者として「二大政党制の英国」でも「第三勢力(英国自由民主党スコットランド地域政党など)が力をつけていること(事実上、二大政党制が崩壊過程にあること)」が指摘される。


◆パー券裏金問題:「政治とカネ」の何がいま問われているのか(上脇博之*4
(内容紹介)
 自民裏金問題追及で上脇氏が果たした役割(例えば裏金問題「終わらせない!」 上脇博之神戸学院大教授、検察捜査は「腰砕け」【政界Web】:時事ドットコム「自民裏金問題」浮上の立役者・神戸学院大の上脇博之教授が事件の背景などズバリ解説 新潟市中央区で4月7日オンライン講演会 | 新潟日報デジタルプラス参照)を考えれば、彼はもっと世間に注目、評価されるべき学者でしょう。
 Q&A形式で書いてみます。

 自民裏金問題は何を明らかにしたのでしょうか?
A
 小松先生も指摘していることですが、第一に「ゼネコン汚職中村喜四郎元建設相、竹内藤男茨城県知事、本間俊太郎宮城県知事、石井亨仙台市長らを訴追)」「東京佐川急便疑惑(金丸ヤミ献金)」などを契機に「政治浄化」を建て前に「小選挙区」「政党助成金」を導入した30年前の政治改革が「政治浄化」と言う意味では失敗だったことは明らかです。むしろ政党助成金は「河井案里事件での買収」など政治腐敗を助長した。
 小選挙区制も「自民一強」を招き、自民党の腐敗を助長した。「小選挙区」「政党助成金」は廃止すべきです。
 第二に現在の政治資金規正法の問題点を明らかにしました。
 今回、自民党政治家は「会計責任者がやったことで私は知らない」と会計責任者に全てを転嫁して逃げていますが、こんなことができないように連座制を強化すべきです。
 また、現在、パーティー券は「企業・団体の政治献金」と化していますが、建前は「政治家が支持者と意見交換等をする政治パーティーの参加費=パーティー券」なのです。
 従って「パーティー券の販売総額=パーティー開催に必要な費用とほぼ同額」であるべきだし、また「会場定員を明らかに大幅に超過するパーテイー券販売」もおかしい。
 また「意見交換等のためのパーティー参加」ということがあり得ない「企業・団体のパーティー券購入」は「企業・団体献金を肯定する立場(私個人は企業・団体献金を否定する立場ですが)」であっても否定すべきです。
 「企業・団体の政治献金」は「政治献金の規制逃れのパーティー券購入」ではなくあくまでも「政治献金」と言う形でされるべきです。
 「企業・団体のパーティー券購入」「会場定員を明らかに大幅に超過するパーテイー券販売」については政治資金規正法で明文で禁止してもいいのではないか。


辺野古新基地強行・軍事要塞化を許さない沖縄の声の広がり:沖縄県議選でのオール沖縄日本共産党の勝利を必ず(赤嶺政賢*5
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
赤旗
沖縄県議選まで2カ月 6月7日告示 16日投票/知事支える与党多数確保 必ず/共産党7氏全員勝利が不可欠2024.4.3
沖縄と日本の希望開こう/県議選7議席絶対確保 田村委員長訴え2024.4.4


馬毛島の巨大基地づくりは中止せよ:米追従で〝戦争準備〟、自然を丸ごと壊す暴挙(田村貴昭*6
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
赤旗
馬毛島基地/住民生活と自然壊す/田村貴昭氏 「ただちに建設中止を」/衆院予算委2024.2.23
マゲシカ確認/馬毛島基地建設進む中、ひっそり 生息域侵され絶滅の恐れ/本紙が撮影2024.3.7
“「宝の島」の未来売った”/馬毛島基地建設反対訴訟 原告側弁論/鹿児島地裁2024.3.14


◆宇宙空間にまで軍事ブロック拡大する愚挙:憲法を踏みにじり日本を軍拡競争に走らせる日米安保(金子豊弘)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
米国主導の軍拡を是認/「日米宇宙協力協定」が可決/衆院外務委で穀田氏反対討論2023.4.15
「宇宙の軍事利用」認める/JAXA法成立 吉良氏に文科相/参院文科委2023.11.30
自衛隊宇宙部隊を強化/航空宇宙自衛隊へ再編にらみ/赤嶺衆院議員調査2024.2.14


◆ 危険な経済秘密保護法案:セキュリティ・クリアランスの法制化の問題点(井原聰*7
(内容紹介)
 残念ながら「公安警察の暴走(冤罪「大川原化工機事件」)が発覚した」にもかかわらず#経済安保版秘密保護法案 への警戒が足りない。野党第一党の立憲民主党からも、報道業者からも。 - 村野瀬玲奈の秘書課広報室が批判するように、「マスコミの批判が弱く」また「最大野党・立民党が賛成している現状(その結果、4/9に衆院本会議を通過し、参院に送付)」では「第二、第三の大川原化工機事件」を生みかねない、この法案の4月内可決の可能性が高い(この拙記事は4/9執筆)のですが「仮に法案が成立しても闘いは続く」。
 成立した法について監視を続け問題点を指摘していく(第二、第三の大川原化工機事件の発生を許さない)という「新たな闘い」が続くわけです。
 いずれにせよ「俺が立民を支持しない理由」は「この件だけではない」ですがこの件だけでも俺のような共産支持者にとっては「立民不支持」の理由としては「必要にして十分」です。それにしても今日もkojitakenに悪口する(2024年4/8日分) - bogus-simotukareのブログでも批判しましたがこうした国会での論戦を「完全無視」して「東京補選」ばかり記事にしたがる自称「政治ブロガー」id:kojitakenには「お前は選挙にしか興味が無いのか、政策に興味が無いのか」と心底呆れますし、彼についてはその「政治センスの無さ(国会論戦を無視して東京補選ばかり記事にしたがることなど)」や「思い上がった傲慢で高飛車な態度」に「こいつはどうしようもないバカでクズだな」と「軽蔑」すらしています。

参考
赤旗
主張/経済秘密保護法案/「物言えぬ社会」の危険は明白2024.3.2
経済秘密保護法案 成立急ぐ政府・与党/米・財界が望む武器商人国家に/塩川衆院議員に聞く2024.4.4
経済秘密保護法案/戦争地ならし 危険な法案だ/国会前緊急行動2024.4.6
経済秘密保護法案 プライバシー丸裸/自衛隊員の身辺調査では/同級生・釣り仲間まで…2024.4.9
兵器共同開発へ「秘密」拡大/経済秘密保護法案 衆院通過/共産党反対「平和主義投げ捨て」2024.4.10
衆院本会議 経済秘密保護法案/塩川議員の反対討論2024.4.10


◆「世界一トヨタ」の社会的責任とグループ企業不正問題(佐々木昭三*8
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。不正を犯したグループ企業とは「ダイハツ」「日野自動車」「豊田自動織機(社名は自動織機だが現在は自動車部品も作っており不正は自動車部品に関するもの)」ですね(例えばダイハツ工業認証試験不正問題 - Wikipedia日野自動車エンジン不正問題 - Wikipedia参照)。
 なお、トヨタは「ダイハツ」「日野」以外にも「いすゞ自動車」「スズキ」「スバル」を「子会社」「業務提携」等で傘下に入れています。
参考

ダイハツの小型車、親会社のトヨタが開発・認証に責任…衝突試験の不正で体制変更 : 読売新聞2024.4.8
 トヨタからダイハツが委託を受ける形で、小型車の開発を担う形態にするという。

 「不正防止」を口実にトヨタが「ダイハツ支配」を強めただけではないのか。


◆人権・多様な視点を重視した被災者支援、復興対策と防災・減災(宗片恵美子*9
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

“避難所の運営などに女性の視点を” 防災力向上へ講演会|NHK 秋田県のニュース2023.11.22
 講師を務めたのは災害時に女性の支援などを行う宮城県NPO法人宗片恵美子さんで、12年前の東日本大震災での避難所運営の課題を説明しました。
 このなかで宗片さんは、避難所に仕切りがなく、授乳する母親が苦労したことや下着や生理用品など女性に必要な物資が届かなかったことをあげ避難所の運営を担ったのが男性が多かったことなどからこうした声が届きにくい現状があったと指摘しました。
 このため、宗片さんは女性に配慮した避難所の運営や防災知識などを学ぶ「女性防災リーダー」を育成する取り組みを始め、地域で防災や減災に取り組む女性を支える仕組み作りを進めてきたことを紹介しました。
 そのうえで、今後は女性にとどまらずお年寄りや外国人など災害時に支援を必要とする人にも視点を広げて、災害に備えていくことが求められると訴えました。

女性と防災について考える講演会 “女性の視点を取り入れて” | NHK | 東日本大震災2024.3.2
 宮城県NPO法人「イコールネット仙台」の宗片恵美子さんが東日本大震災で女性への支援活動や調査を行った経験を語りました。
 当時は、避難所に仕切りがなく、授乳や着替えをするスペースがなかったほか、生理用品や下着など女性に必要な物資が届かなかったということで、宗片さんは「避難所の運営リーダーは男性が多く、女性の声が届きにくい状況があった」と指摘しました。


レポート「能登半島地震・被災者の思いにこたえた支援に全力:各団体の活動から」
◆農民連「支援物資届け、炊き出し、食料支援を続けて」(水越久男*10
◆全商連『「生業を守りたい」:能登で営業し、暮らす支援策を求めて』(池田法仁*11
◆民医連「医師、看護師、職員の人的支援つづけ、地域も職員もケア」(岸本啓介*12
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。
【農民連】

農民連が輪島に支援物資/水・食料積んで「少しでも力に」2024.1.22
 農民連常任委員の水越久男さんは、「石川には雄大な自然があり、畑も多い。地震によって、中心街を含め大変な被害を受けている様子に心を痛めています。農民連として引き続き、現地のみなさんに必要な物資を配布するなど、できることをやっていきます」と話しました。

能登半島1.1地震/「心あたたかくなる」/奈良県農民連 炊き出し支援/石川・和倉温泉2024.3.21
【全商連】
【能登半島地震】会員も甚大な被害 石川県連など 救援活動に全力|全国商工新聞2024.1.15

全商連三役石川・能登民商と懇談し激励|全国商工新聞2024.2.26
 全商連からは、太田会長の他、橋沢政實副会長、岡崎民人事務局長、池田法仁常任理事が同席しました。一行は翌15日、被災の実情を把握しながら被災会員を訪問して激励。石川県庁で要請行動に取り組み、県宛てに義援金を手渡しました。

【民医連】
石川・能登半島地震で甚大な被害 ささえ、つながり、全国支援を – 全日本民医連2024.1.23


シリーズ「戦争と平和の岐路に問う」
◆戦時下の演芸の実態と告発:「新しい戦前」をつくらないために(柏木新*13
(内容紹介)
 演芸評論家の筆者が戦前の「禁演落語」「国策落語、漫才、浪曲(愛国落語、漫才、浪曲)」について論じていますが、小生の無能のため詳細な紹介は省略します。
【参考:国策落語】
国策落語はこうして作られ消えた 柏木新著 本の泉社 2000円 : 読売新聞2020.3.15
戦時下の悲しき国策落語 埋もれた事実の発掘に奔走 資料や聞き手の声集め、戦争の愚かさ伝える 柏木新 - 日本経済新聞2020.8.13

(天声人語)かなしき国策落語:朝日新聞デジタル2020.8.15
 「日本の陸海空軍の鮮やかな活躍ぶりは偉いもんでやすな。米英もあきまへんわ。アカンベーエー(ボーガス注:「アカン米英」と「あかんべえ」をかけている)」。
 大戦末期、寄席ではそんな落語が演じられた。面白くないのを通り越して痛々しい。

国策落語 - Wikipedia
 柏木新によれば、記録に残る国策落語の初見は1933年に雑誌『キング』5月号の別冊付録に掲載された柳家金語楼の「御国の為」とされる。1934年に金語楼は陸軍恤兵部から派遣される形で満州軍の慰問をしており、軍部との繋がりが強かったと考えられる。また、同じ頃に初代桂小春団治*14が第一次上海事変(1932年)での戦死を美談とした「爆弾三勇士」をテイチクレコードから出している。
 2016年に映画『サクラ花:桜花最後の特攻』に出演した2代目林家三平は、劇中で祖父の7代目林家正蔵がつくった「出征祝」を演じた。さらに2019年にはBSフジの番組『落語家たちの戦争:禁じられた噺と国策落語の秘密』の中でも「出征祝」を通して演じ、戦後初めて国策落語を復活させた。2代目三平はNHKのインタビュー落語家 林家三平が笑えない落語を披露するわけ | NHK | WEB特集で「ケチな人がどんどんケチっていって失敗するとか、人間の弱さや愚かさを認めたうえで、人間らしさを描き出すことこそが落語ですが、国策落語はそれをねじ曲げて、国のために無理やり美談にしようとするので笑えない。」と評し、「当時にタイムスリップすることで戦争の恐ろしさを感じてほしい。祖父や父親は本当に命をかけて戦争の時代を生きていた。こういう時代を決して繰り返してはいけない。」と国策落語を演じる意義を語っている。
【演目】
 以下に雑誌などの文献に残る国策落語の一部を記す。ただし一部の落語は名義貸しにすぎず、真の作者は別人である可能性もあり、また、実際に演じたのかも不明。
【テーマ:出征・軍人賛美】
◆出征祝(1941年)
 7代目林家正蔵:若旦那の出征を祝う噺。「日本酒を2本買った(日本勝った)」がサゲ。
◆落語家の出征(1941年)
 2代目桂右女助*15:落語家の出征先での噺。見送りで「死んで来いよ」のセリフ。
◆結婚建設(1941年)
 柳家金語楼:立派な働きをして帰還した勇士を称える噺。
◆大陸の花嫁(1943年)
 6代目三遊亭圓生:在外邦人に嫁ぐ大陸の花嫁を賞賛する噺。
◆大陸の花婿(1943年)
 5代目蝶花楼馬楽*16:若者が好きな娘が大陸の花嫁になると言うので、大陸について行って結ばれる噺。
◆慰問袋(1943年)
 2代目桂右女助:慰問袋を送った兵士から感謝の返事が届く噺。
【テーマ:国民の戦時体制】
◆となり組(1941年)
 初代柳家権太楼:国民総動員体制としての隣組についての噺。
◆防空演習(1941年)
 3代目三遊亭金馬:防空訓練をテーマとした長屋噺。
隣組(1942年)
 昔々亭桃太郎*17靴屋と下駄屋が隣組で揉めるが仲直りする噺。
◆大東亜戦の激励常会(1943年)
 初代柳家権太楼:隣組の集まりである常会で、日本軍の活躍を賞賛する噺。
【テーマ:貯蓄・国債購入・献金の奨励】
献金(1937年)
 2代目桂右女助:献金を奨励する噺。「銃後の後援」に掛けて15歳が5円を献金するサゲ。
献金長屋(1938年)
 柳家金語楼:大家が店賃の半分を献金すると提案し騒動になる長屋噺。
◆貯金夫婦(1940年)
 柳家金語楼:夫婦のどちらかが腹を立てたら貯金する痴話噺。
◆報国妻賢(1940年)
 4代目柳家小さん:戦時国債購入を奨励する噺。債券と妻賢を掛けている。
◆裏店銀行(1940年)
 3代目三遊亭金馬:貯金を奨励する長屋噺。
◆債券万歳(1941年)
 3代目三遊亭金馬:店の小僧が女中に債券購入を諭す噺。
◆弾丸切手(1943年)
 5代目古今亭今輔:弾丸切手(戦時郵便貯金切手(郵便貯金の債券で「切手」とはいうものの郵便切手とは異なる)の愛称)を買う子供を賞賛する噺。
【テーマ:国民に貧乏を強いる】
箱根温泉(1941年)
 柳家金語楼:成金家族が慣れない贅沢で難儀する噺。「こんな事に金を使うなら債券を買おう」がサゲ。
◆切符制(1942年)
 柳家金語楼:切符制を平等な制度と賞賛する噺。
◆贅沢殲滅戦(1942年)
 5代目古今亭今輔:大家が賞品に出した債券を目当てに店子が贅沢排除を競う長屋噺。
◆興亜奉公日(1943年)
 初代柳家権太楼:興亜奉公日(後に大詔奉戴日)に廃品回収で贅沢品を集める噺。
【テーマ:食料増産の奨励】
◆百姓指南(1940年)
 8代目桂文楽:隠居が国策に沿うために農業を始める噺。
【テーマ:金属類提出】
◆黄金動員(1943年)
 6代目三遊亭圓生:貴金属の回収を奨励する噺。
◆看板(1944年)
 2代目桂右女助:看板を降ろせと言われて怒った魚屋が、大家に金属類回収を諭される噺。
【テーマ:生めよ育てよ】
◆子宝部隊長(1941年)
 柳家金語楼:多子家庭を奨励する噺。男の子を産まない妻に対し「憲兵隊へ訴える」のセリフ。
◆子宝計算(1942年)
 2代目桂右女助:娘の厄年の結婚を危惧する夫婦に、早婚して子を沢山産む事を勧める噺。
◆三児誕生(1943年)
 5代目蝶花楼馬楽:三つ子を産んだ家庭を祝う噺。
【テーマ:国民の体力向上】
◆体力向上(1943年)
 6代目三遊亭圓生:体力のない倅とそれを心配する父親の噺。
【テーマ:スパイ防止】
◆スパイ狩(1941年)
 2代目桂右女助:隣組で防諜について懇談する噺。
◆スパイ御用心(1942年)
 柳家金語楼:盗まれた機械図を取り戻す噺。
【テーマ:日本軍賛美や侵略戦争の正当化】
◆北支見物(1937年)
 3代目三遊亭金馬:北支(中国北部)での日本軍の強さを賞賛する噺。
◆北支よりの報告(1938年)
 柳家金語楼:工作兵が自らの小屋を壊して傷兵の寝台を作った事を美談にした噺。
◆亡者会議(1942年)
 2代目桂右女助:日本兵が余りに強く、胆をつぶした米英の亡者が集まって懇談する滑稽噺。
◆南方みやげ(1942年)
 5代目古今亭志ん生:領土拡張による資源獲得と欧米列強からの解放を賞賛し戦争を正当化する噺。
昭南島(1943年)
 5代目蝶花楼馬楽昭南島シンガポール)での進撃を賞賛する噺
【テーマ:日独伊三国同盟の歓迎】
◆緊めろ銃後(1941年)
 3代目三遊亭金馬:ドイツの電撃戦を賞賛し日本の銃後の緊張を奨励する噺。「重刑(重慶)がいい」がサゲ。
◆親獨時代(1942年)
 柳家金語楼:ドイツとの同盟を祝う男女の噺。出鱈目なドイツ語に独り言を掛けたサゲ。
◆三こく同盟(1943年)
 3代目春風亭柳好:頑固者3人が欧米戦線で揉めたが仲直りする噺。いっこく(頑固者)を掛けている。
【テーマ:古典落語の改作】
◆時の氏神(1940年)
 初代柳家権太楼:古典落語「時の氏神」(「締め込み」、「盗人の仲裁」とも呼ばれる)の改作。戦地に行った弟を思って喧嘩する夫婦を事の発端である空き巣が仲裁する噺。
◆新芝浜(1943年)
 3代目春風亭柳好古典落語「芝浜」の改作。工場でもらった特別手当を嫁が亭主に嘘をついて債券購入する噺。
◆藪入り(1943年)
 3代目春風亭柳好古典落語「藪入り」の改作。多額の金を手に入れるくだりが、「愛国債券で得た」と変わっている。

落語家 林家三平が笑えない落語を披露するわけ | NHK | WEB特集2021.11.4
「一升瓶を2本買ってきた」
「若旦那様は縁起がいいなあ」
「そんなに縁起がいいか」
「はは、だって一升瓶を2本。2本買った、日本勝った!」
 「2本」と「日本」をかける笑えないオチ。
 戦意高揚のために作られていた国策落語の一部です。戦後、誰も語り継ぐことなくひっそりと消えていきました。
 しかし、戦後76年がたった今の時代、戦争のない平和な日本に国策落語をあえて復活させた落語家がいます。(ボーガス注:初代林家三平の次男である2代目)林家三平さんです。
 人を笑わせる落語家がなぜ笑えない落語を披露し続けているのか、その胸のうちを今回明かしてくれました。
ラジオセンター瀬古久美子、坂本和輝)
 国策落語は、三代目三遊亭金馬や三平さんの祖父でもある七代目林家正蔵など、当時の人気落語家によって戦意高揚のために作られました。
 出征を名誉としてたたえたり、軍事費確保のために国民に貯蓄や債券購入を勧めたりする内容で、当時発売されていたレコードや雑誌で確認することができます。
 演芸史研究家の柏木新さんによると、昭和15年から盛んに作られるようになり、現在およそ140の演目が確認されています。
 柏木さんにお借りして今回実際にレコードをきいてみました。
 柳家金語楼の「献金長屋」では、出囃子の代わりに勇壮な軍歌が流れたあと、噺が始まります。
「表を歩いてみな、えー、飛行機献納とか戦車、機関銃の献金が盛んじゃねえか。何か1つ献金するか献納しようと思うが、みんな、そんな気持ちはねえか」
 「戦車」「機関銃」といった落語とは思えないことばが次々と出てきて正直つまらないのですが、当時のスターが披露しているだけあって、思わず聞き入ってしまいます。
 三平さんは、6年前、祖父の七代目林家正蔵*18の名前で発表された「出征祝」という噺が掲載された本の存在を知りました。
林家三平さん
「最初は祖父がやっていたということで当時どんな気持ちだったのかな、よし自分もやってみようと思い立ったんです。ところがものすごく怖い内容だった。祖父がこういうことをやっていたんだと総毛立つような思いでした」
 「出征祝」はある店の若旦那に召集令状が届き、父親である大旦那や周りの人たちがどのような思いで送り出すのかといったはなしです。
 NHKでは、ことし9月、ラジオで初めて三平さんに出征祝を披露してもらいました。
 若旦那に召集令状が届くと番頭が父親である大旦那にこう呼びかけます。
番頭
「大旦那様、大旦那様も、さぞ…」
大旦那
「さぞ、さぞとはなんです、さぞとは。え、そのあとを聞きましょう。いいかい、私はね日本男児だ。及ばずながらうちのせがれがお国のために役に立つ。こんなうれしいことはないじゃないか。
 よく考えろ、いいかい。天子さまの子だ、国家の干城だ。私の心はめそめそしない。私の心は日本晴れだ。はははは、そうだろう番頭さん」
 面白いどころか、息子を戦地に送り出す父親の思いを想像すると複雑な気持ちになります。
林家三平さん
「噺を始める前に『面白くなくてどうもすみません』って言ってしまうくらいなんです。
 立川談志師匠も言っていましたが、『業の肯定』といって、ケチな人がどんどんケチっていって失敗するとか、人間の弱さや愚かさを認めたうえで、人間らしさを描き出すことこそが落語ですが、国策落語はそれをねじ曲げて、国のために無理やり美談にしようとするので笑えないんですよね。
 ただ、面白くないと思えるだけ、今は平和ということなんです。当時はこれで笑っていたそうです、せつないですよね」
 三平さんは5年前からこの「出征祝」を全国各地で披露しています。
 三平さんの母でエッセイストの海老名香葉子さんは東京大空襲で家族6人を亡くし、慰霊の活動を続けていることで知られますが、父である初代林家三平さんは、学徒出陣で本土に上陸してくるアメリカ軍を迎え撃つために肉弾特攻として千葉県で訓練を受けていたといいます。
 実は、こうした国策落語、NHKの前身である社団法人・日本放送協会のラジオでも放送されていました。
 当時の放送記録を調べたところ、昭和15年から終戦までの間に、少なくとも430回、落語が放送されていました。
 そのうえで、演芸史研究家の柏木新さんに依頼して演目を調べたところ、長屋で銀行を開業し貯金を勧める「裏店銀行」や、日本軍の強さを賛美した「空中戦」、それに七代目林家正蔵の「満州行」といった、少なくとも14の国策落語が19回にわたって放送されていたことがわかりました。
 当時の記録を読んでいると、ラジオも戦争一色に染まっていて、ぞっとしました。
 ときにお上を揶揄して私たちを笑わせてくれるはずの落語、そしてラジオ放送までも戦争に協力していた事実は、私自身、放送に関わる人間として、重く受け止めないといけないと感じました。

 日本テレビ笑点大喜利コーナーのメンバーを降板し、桂宮治に交代した「2代目林家三平」の「落語家としての才覚」はともかく、こうした言動は俺的に大変好感が持てます。しかし「当たり前の話」ですが、愛国落語だと出てくる名前が「昔の人間ばかり」ですね。もはや落語ファン以外にとっては「七代目林家正蔵(1894~1949年)、三代目三遊亭金馬(1894~1964年)、柳家金語楼(1901~1972年)*19」は「過去の人」でしょう。
 この点は愛国漫才も「横山エンタツ花菱アチャコ」「ミス・ワカナ玉松一郎」で同じですが。

ミキが蘇らせる幻の漫才「国策料理」、戦争とエンタメの歴史紐解く - お笑いナタリー
 明日2021年7月14日(水)放送のNHK「歴史探偵」は「戦争とエンターテインメント」がテーマ。ミキが漫才「国策料理」を演じる。横山エンタツ花菱アチャコらの漫才台本を手がけていた漫才作家・秋田實による「幻のネタ」を、残された台本をもとにミキが現代に蘇らせる。

「戦争と笑い」 - 音で訪ねる ニッポン時空旅 - NHK(2023年8月26日)
 戦前戦中には戦争や軍隊を描いた落語、漫才が多数作られました。
 ゲストのミュージシャン、廣瀬拓音さんと、昭和初期から戦時下にかけての落語、漫才の世界を旅します。どんな規制がかけられ、演者たちはどんな演目を披露したのでしょうか。
柳家金語楼噺家の兵隊・靴磨き」昭和7年録音。
▽北村栄二郎・立花六三郎「朗らかな兵隊 手紙の巻」昭和8年録音。
ミス・ワカナと玉松一郎「国策百貨店」昭和15年録音。


◆論点『「群馬の森」朝鮮人追悼碑撤去:歴史の事実と碑に込められた思いを受け継ぐ』(朝岡晶子)
(内容紹介)
 ネットの記事紹介で代替。
朝鮮人追悼碑が撤去されて1カ月…歴史修正の波に抗う市民の信念 「忘れてはいけない事実がある」:東京新聞 TOKYO Web2024.3.7
赤旗
主張/朝鮮人追悼碑撤去/歴史修正に屈した行政代執行2024.2.21
朝鮮人追悼碑撤去に抗議/宗教者ネットが国会内集会2024.3.14


◆暮らしの焦点『「あきたこまち」の消費者と生産者の選択を保障するために:「あきたこまちR」をめぐる混乱と論戦』(加賀屋千鶴子*20
(内容紹介)
 あまり良い記事が見つからなかったのですが記事紹介した上でコメント。

「放射線」に過剰反応 コメ新品種「あきたこまちR」の開発手法に誹謗中傷、福島瑞穂氏も - 産経ニュース
 「不安をあおる情報や、県内農業者などに対して誹謗中傷と受け取れる発信が目立っている」
 秋田県は12月4日、ホームページ(HP)で「あきたこたちR」の安全性を説明した上で、こう懸念を訴えた。

ウェルネスデイリーニュース | 第21回「食の信頼向上をめざす会」 【2/7】放射線育種と『あきたこまちR』~何が画期的なのか?
 『あきたこまちR』は、カドミウムをほとんど吸収しない新品種「コシヒカリ環1号」と「あきたこまち」を交配させて誕生した新品種。
 日本人は欧米諸国に比べて、コメからカドミウムを摂取している量が高いため、カドミウムの含有量の少ないコメが求められていた。それを実現したのが、カドミウムをほとんど含まないとされる同品。
 秋田県は2025年から全面的に『あきたこまちR』を作付けする方針を固めている。しかし、県議会で社民党共産党から反対意見が出たり、一部生協や市民団体からも反対の陳情や抗議が出ている。「コシヒカリ環1号」は育種の最初の段階で放射線を当てて生まれたという経緯があり、反対の裏には、放射線を用いた育種への誤解があるようだ。

 ということで「秋田県」は「誤解」「安全面に問題は無い」とするわけですが、上記記事にあるように共産等は「懸念」を表明し「少なくとも全面作付けは辞めるべき(R以外のあきたこまちを作付けすることを認めるべき)」とするわけです。この問題については今のところ全く無知なので、特にコメントはしません。なお、秋田には過去「阿仁銅山(北秋田市)」「尾去沢鉱山鹿角市)」「花岡鉱山(大館市)」等(現在は全て閉山)があり、これらの鉱山の運営でカドミニウムが発生したとされます。


メディア時評
◆新聞『平和国家か、「死の商人」への道か』(千谷四郎)
(内容紹介)
 武器輸出拡大を目指す岸田政権に肯定的な右派新聞(日経、産経、読売)を批判し、一方でそうした動きに懸念を示すリベラル紙(朝日、毎日、東京、北海道など)を評価。


◆テレビ「取材でたどり着いた真実を映像化」(沢木啓三)
(内容紹介)
 以下の報道番組を評価。
・TBS報道特集「群馬の森」朝鮮人追悼碑が撤去に 「記憶 反省 友好」の思いはどこへ【報道特集】 | TBS NEWS DIG(2024.2.10放送)
・沖縄米軍基地のPFAS問題を取上げた沖縄テレビ(フジテレビ系列)OTV報道スペシャル 続・水どぅ宝 | OTV 沖縄テレビ放送(2024.2.13放送)
ハンセン病問題をライフワークとする歌手「沢知恵*21」を取り上げた山陽放送(TBS系列)沢知恵 私は闘いたい~ 「隔離と歌」の旅~|RSK地域スペシャル メッセージ(2024.3.13放送)
参考
(インタビュー)ハンセン病療養所の園歌 歌手・沢知恵さん:朝日新聞デジタル2023.10.25


ジェンダー覚書『G7が残した「ジェンダー主流化」:宣言と日本政府の乖離』(藤田文*22
(内容紹介)
 広島G7サミットの宣言で「ジェンダー主流化」を盛り込みながらジェンダー平等に後ろ向きな岸田政権を批判。


文化の話題
◆音楽「驕る人間社会への黙示」(宮沢昭男)
(内容紹介)
 オペラ「ニングル」の紹介。
オペラ「ニングル」10日初演 東京チケット完売、出演者ら抱負「倉本さんのメッセージ伝える」:北海道新聞デジタル2024.2.9
<ステージ>日本オペラ協会「ニングル」 自然と人間の共生問う:北海道新聞デジタル2024.2.17
倉本聰 原作 新作オペラ「ニングル」本当の豊かさを、地球の未来を問いかける力作 | シアターテイメントNEWS2024.3.2


◆映画「映画は記憶となり歴史を形づくる」(児玉由紀恵)
(内容紹介)
・最近獄死したロシアの反体制活動家「ナワリヌイ」を描いた映画『ナワリヌイ』
ウクライナ戦争を描いた映画『マリウポリ20日間』
土井敏邦*23監督の最新作『津島 福島は語る・第二章』
・映画『標的の村』『沖縄スパイ戦史』の三上智恵*24監督の最新作『戦雲 (いくさふむ)』
・映画『三池・終わらない炭鉱の物語』『作兵衛さん*25と日本を掘る』の熊谷博子監督の最新作でハンセン病患者・宮﨑かづゑさん*26を描いた『かづゑ的』
の紹介。

参考
土井敏邦さんに聞いた:パレスチナから福島へ――「人間が生きるってどういうこと?」と問いかける――映画『津島 福島は語る・第二章』 | マガジン92024.2.21
特集ワイド:「集落の暮らし、切り捨てないで」 福島原発事故から13年 ふるさと奪われた浪江町民の声、映画に | 毎日新聞2024.2.28
同級生から「近づくな放射線」 原発避難者の悲しみや怒りを映像で:朝日新聞デジタル2024.3.1

戦雲(いくさふむ) : 作品情報 - 映画.com
 「標的の村」「沖縄スパイ戦史」の三上智恵監督が、沖縄など南西諸島の急速な軍事要塞化の現状と、島々の暮らしや祭りを描いたドキュメンタリー。
 日米両政府の主導のもと、自衛隊ミサイル部隊の配備や弾薬庫の大増設、全島民避難計画など、急速な戦力配備が進められている南西諸島。2022年には台湾有事を想定した日米共同軍事演習「キーン・ソード 23」と安保三文書の内容から、九州から南西諸島を主戦場とする防衛計画が露わになった。
 三上監督が2015年から8年間にわたり沖縄本島与那国島宮古島石垣島奄美大島などをめぐって取材を続け、迫り来る戦争の脅威に警鐘を鳴らすとともに、過酷な歴史と豊かな自然に育まれた島の人々のかけがえのない暮らしや祭りを鮮やかに映し出す。

ハンセン病回復者・宮崎さんを追った8年の記録 3月2日公開ドキュメンタリー「かづゑ的」 私、病気から逃げなかった:東京新聞 TOKYO Web2024.2.29
(評・映画)「かづゑ的」 生きる勇気、元患者にもらう:朝日新聞デジタル2024.3.8
宮崎かづゑ「長い道」書評 療養所での樹木のような70余年|好書好日2018.6.8


◆演劇「音楽劇『母さん』(俳優座劇場プロデュース):サトウハチローの母への思い」(水村武)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。
サトウハチローとその母・春をめぐる音楽劇「母さん」に土居裕子が再び出演 - ステージナタリー2024.1.21

*1:龍谷大学教授。著書『人権論入門』(2019年、法律文化社

*2:勿論「いや良くなっていない」という反語

*3:立命館大学教授。著書『議会制民主主義の現在:日本・イギリス』(2020年、日本評論社

*4:神戸学院大学教授。政治資金オンブズマン代表。著書『政党国家論と憲法学』(1993年、信山社出版)、『政党助成法の憲法問題』(1999年、日本評論社)、『政党国家論と国民代表論の憲法問題』(2005年、日本評論社)、『ゼロからわかる「政治とカネ」』(2010年、日本機関誌出版センター)、『議員定数を削減していいの?:ゼロからわかる選挙のしくみ』(2011年、日本機関誌出版センター)、『財界主権国家・ニッポン:買収政治の構図に迫る』、『誰も言わない政党助成金の闇』(以上、2014年、日本機関誌出版センター)、『告発!政治とカネ』(2015年、かもがわ出版)、『追及! 安倍自民党・内閣と小池都知事の「政治とカネ」疑惑』(2016年、日本機関誌出版センター)、『日本国憲法の真価と改憲論の正体』(2017年、日本機関誌出版センター)、『ここまできた小選挙区制の弊害:アベ「独裁」政権誕生の元凶を廃止しよう!』、『内閣官房長官の裏金』(以上、2018年、日本機関誌出版センター)、『逃げる総理、壊れる行政:追及! 「桜を見る会」&「前夜祭」』(2020年、日本機関誌出版センター)、『政党助成金、まだ続けますか?:安倍自民党本部主導選挙・河井議員夫妻「1億5千万円買収事件」から』(2021年、日本機関誌出版センター)、『憲法の破壊者たち:自民・国民・維新・勝共日本会議改憲案を検証する』、『日本維新の会の「政治とカネ」:「身を切る改革」の正体を暴く』(以上、2022年、日本機関誌出版センター)、 『なぜ「政治とカネ」を告発し続けるのか』(2023年、日本機関誌出版センター)等

*5:衆院議員。党幹部会委員(党沖縄県委員長兼務)(役職は中央委員会の機構と人事(第29回党大会)|党紹介│日本共産党中央委員会参照(以下も同じ))

*6:衆院議員。党中央委員

*7:東北大学名誉教授。著書『経済安保が社会を壊す』(共著、2024年、地平社)等

*8:著書『「世界一トヨタ」の社会的責任と労働者のたたかい』(2010年、学習の友ブックレット)

*9:NPO法人イコールネット仙台常務理事

*10:農民連常任委員

*11:全商連常任理事

*12:民医連事務局長

*13:著書『はなし家たちの戦争』(2010年、本の泉社)、『落語の歴史』(2012年、本の泉社)、『落語こぼれ話』(2016年、本の泉社)、『国策落語はこうして作られ消えた』(2020年、本の泉社)、『明治維新噺家たち』(2022年、本の泉社)、『戦争と演芸』(2024年、あけび書房)

*14:1904~1974年。後に日本舞踊(花柳流)に転じ、花柳芳兵衛を名乗り、落語家を引退。舞踊家に転向後は「落語界とは一切の縁を断つ」と誓約させられた。このため、師匠の初代・桂春団治(1878~1934年)の葬儀に参列することが許されなかった。2代目春団治は、初代桂福団治(1894~1953年)が継ぐことになった(桂小春団治 - Wikipedia参照)

*15:芸名は当時。後の「6代目三升家小勝

*16:芸名は当時。後の「8代目林家正蔵林家彦六

*17:1910~1970年。人気絶頂時の1943年(昭和18年)に召集され、満州に渡る。終戦後、シベリアに抑留され、1947年(昭和22年)に復員。復員後は既に人気は三代目三遊亭歌笑(1916~1950年)や、初代林家三平(1925~1980年)らに移っており、往年の人気は無く、今日では彼の存在はほとんど忘れられており、戦争の被害を受けた落語家であった。柳家金語楼(1901~1972年)は兄(昔々亭桃太郎 - Wikipedia参照)

*18:初代林家三平の父。9代目林家正蔵(初代林家三平の長男。2代目林家三平の兄)の祖父

*19:正蔵、金馬はともかく金語楼は『1922年、新作落語噺家の兵隊』を発表」(柳家金語楼 - Wikipedia参照)ということで以前から兵隊落語をウリにはしていました。

*20:秋田県議(共産党

*21:著書『うたに刻まれたハンセン病隔離の歴史:園歌はうたう』(2022年、岩波ブックレット

*22:党常任幹部会員(党ジェンダー平等委員会事務局長、人権委員会事務局長兼務)

*23:著書『アメリカのユダヤ人』(2002年、岩波新書)、『ガザの悲劇は終わっていない』(2009年、岩波ブックレット)等

*24:著書『証言・沖縄スパイ戦史』(2020年、集英社新書)、『戦雲 (いくさふむ):要塞化する沖縄、島々の記録』(2024年、集英社新書)等

*25:山本作兵衛 - Wikipediaのこと

*26:著書『長い道』(2012年、みすず書房)、『私は一本の木』(2016年、みすず書房

新刊紹介:「経済」2024年5月号

特集「マルクス資本論』で社会をつかむ」
◆「資本論」が面白い(上瀧真生*1
◆社会を科学的につかむとは(増田正人*2
◆人が働くのは何のためか*3(浜矩子*4
◆貧困・格差と『資本論』(松丸和*5
ジェンダー平等と現代社会(姉歯*6
◆気候危機の時代と『資本論』(野口義直*7
◆利潤第一主義とのたたかいと資本主義の変革(江口健志*8
◆GAFAM*9を解き明かす:巨大情報プラットフォーム企業と社会科学への問い(坂木雅彦*10
マルクスによる未来社会の探究と「自由な時間」:ディルク抜粋から『資本論』へ〔1〕(山口富男*11
◆新シリーズ・マルクスエンゲルスの古典案内①『エンゲルス「空想から科学へ」(1880年)(牧野広義*12
◆シリーズ「現代のグローバル企業分析」第8回『Enel*13、EDF*14東京電力』(松田真由美*15
(内容紹介)
 小生の無能のため紹介はせず(というか、できず)、但し上記の通り「論文名」「著者名」はメモしておきます。


◆裁判所と巨大法律事務所との関係深化を暴く:「国に責任はない」最高裁判決以降6連敗の避難者訴訟(後藤秀典*16
(内容紹介)
 新刊紹介:「経済」2023年5月号 - bogus-simotukareのブログで紹介した◆「国に責任はない」原発国賠訴訟・最高裁判決は誰がつくったか:裁判所、国、東京電力、巨大法律事務所の系譜(後藤秀典)の続編。小生の無能のため詳細な紹介は省略します。

参考

後藤秀典
 後藤秀典『裁判所と巨大法律事務所との関係深化を暴く:「国に責任はない」最高裁判決以降6連敗の避難者訴訟』が月刊誌『経済5月号』(新日本出版社)に掲載されました。6月17日最高裁判決以降の避難者訴訟の動向とさらに明らかになった巨大法律事務所、裁判所、東電、原子力規制庁の関係を暴きます。

後藤秀典
 現在発売中の月刊誌『経済』5月号に、最高裁各小法廷の判事の構成とともに「原告たちが恐れているのは、ある日突然、最高裁から一通の通知が届き、『上告不受理』を伝えられることだ。」と記した。この通りになってしまった。こういうのは当たってもうれしくない。

後藤秀典
 いわき市民訴訟を上告棄却した最高裁判事。宇賀判事のみが反対意見。2年前のスカスカな6月17日最高裁判決に続き、最高裁は恥の上塗りをした。
・宇賀克也  元東京大学教授、行政学専門
・長嶺安政  オランダ大使、韓国大使、英国大使を歴任
・渡邉惠理子 元長島・大野・常松法律事務所*17弁護士
・林道晴   最高裁首席調査官、東京高裁長官を歴任
・今崎幸彦  最高裁事務総長、東京高裁長官を歴任

*1:流通科学大学教授

*2:法政大学教授

*3:タイトルからして近著『人が働くのはお金のためか』(2023年、青春新書インテリジェンス)とかなり主張がかぶっているのかもしれません。「労働疎外」について触れています。

*4:同志社大学名誉教授。全国革新懇代表世話人。著書『経済は地球をまわる』(2001年、ちくまプリマーブックス)、『グローバル恐慌』(2009年、岩波新書)、『恐慌の歴史』(2011年、宝島社新書)、『新・通貨戦争』(2013年、朝日新書)、『超入門・グローバル経済』(2013年、NHK出版新書)、『地球経済のまわり方』(2014年、ちくまプリマー新書)、『国民なき経済成長』(2015年、角川新書)、『窒息死に向かう日本経済』(2018年、角川新書)、『「通貨」の正体』(2019年、集英社新書)、『強欲「奴隷国家」からの脱却』(2020年、講談社+α新書)、『「共に生きる」ための経済学』(2020年、平凡社新書)、『人が働くのはお金のためか』(2023年、青春新書インテリジェンス)等

*5:中央大学教授

*6:駒澤大学教授。著書『豊かさという幻想』(2013年、桜井書店)、『農家女性の戦後史』(2018年、こぶし書房)、『コルチェスター日記:イギリスの人、くらし、福祉』(2019年、野島出版)

*7:摂南大学教授

*8:労働者教育協会常任理事

*9:グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、マイクロソフトのこと

*10:立命館大名誉教授

*11:日本共産党社会科学研究所所長(党幹部会委員兼務)。著書『新しい世紀に日本共産党を語る』(2003年、新日本出版社)、『マルクス資本論』のすすめ』(2021年、学習の友社)

*12:阪南大学名誉教授。著書『現代唯物論の探求』(1998年、文理閣)、『自由のパラドックス弁証法』(2001年、青木書店)、『「資本論」から哲学を学ぶ』(2007年、学習の友社)、『現代倫理と民主主義』(2007年、地歴社)、『人間的価値と正義』(2013年、文理閣)、『環境倫理学の転換』(2015年、文理閣)、『世界は変えられる:マルクスの哲学への案内』(2016年、学習の友社)、『ヘーゲル論理学と矛盾・主体・自由』(2016年、ミネルヴァ書房)、『「資本論」と変革の哲学』(2017年、学習の友社)、『マルクスの哲学思想』(2018年、文理閣)、『マルクスと個人の尊重』(2019年、本の泉社)、『人間の尊厳と個人の尊重』(2022年、学習の友社)等

*13:イタリアの大手電力会社

*14:フランスの大手電力会社

*15:政治経済研究所主任研究員

*16:著書『東京電力の変節:最高裁・司法エリートとの癒着と原発被災者攻撃』(2023年、旬報社

*17:「長島・大野・常松」は株主代表訴訟での東電側代理人

新刊紹介:「歴史評論」2024年5月号

特集『「ポスト・トゥルース」時代のドイツ現代史研究』
ヴァイマル共和国研究の現在:「一九二三*1」「一九三三*2」のアクチュアリティ(小野寺拓也*3
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

【書評】『ナチズムは再来するのか? 民主主義をめぐるヴァイマル共和国の教訓』(慶應義塾大学出版会、2019年6月)アンドレアス・ヴィルシング、ベルトルト・コーラー、ウルリヒ・ヴィルヘルム編、板橋拓己・小野寺拓也監訳 | 研究プログラム | 東京財団政策研究所から一部紹介
第四章<有権者> 抵抗の国民政党「右派政党台頭の政治的分析」
 ナチ党はたった数年間で1929年の得票数を20倍以上に増やし、それは後にも先にも例がない上昇率であった。近年のAfDでも類似した得票率の上昇が見られると指摘され、ナチ党の躍進と類似していると説明されている。そしてナチ党とAfDの支持層の比較も試みられている。ナチ党の支持者は中間層の急進主義者であるとされてきたが、実は最近の研究では支持者の40%は労働者であり、特に熟練労働者であったことが判明している。つまり支持層としてもAfDと類似点がある。ナチ党とAfDは、前者は反ユダヤ主義、後者は反移民・難民の人種主義的な扇動という共通点がある。こうした傾向は、フランスやイタリア、ハンガリーの右派のポピュリスト政党にも同様に見られる。こうした右派政党が影響力を拡大して選挙で成功する危険性と、自由民主主義的な連邦共和制を脅威にさらす可能性があると結論付けている。
おわりに 警戒を怠らないということ
 本章では、(中略)ナチ党が最初から反ユダヤ主義を掲げていたわけではないように、AfDに投票する人が全て右派急進主義者ではないと述べている。だからと言って安心できるわけではなく、「エコーチェンバー」現象や「フェイク・ニュース」、著しい社会不平等がもたらす危険性を警告している。

ヴァイマル共和国の教訓――分断された社会とポピュリズムとしてのナチズム | 研究プログラム | 東京財団政策研究所(板橋拓己*4
※本稿は、2022年3月9日に開催されたウェビナー「歴史から考えるポピュリズム戦間期ヨーロッパの経験から」で報告した内容の一部である。
 近年、ドイツのメディアでは「ヴァイマル状況(Weimarer Verhältnisse)」や「ヴァイマルの亡霊(Gespenst von Weimar)」といった見出しをよく目にするようになった。ヴァイマル共和国(1919-1933年)とは、第一次世界大戦の敗戦と革命のなかで成立し、当時世界で最も先進的な民主憲法を備えていたドイツの共和政のことである。その共和政は、世界恐慌のなか左右の反体制勢力の挟撃に合い、ナチ政権の成立によって打ち倒された[1]。つまり、「ヴァイマル状況」という言葉が意味するのは、(ボーガス注:極右政党がドイツで躍進する)われわれの現在の状況がヴァイマル共和国と似ているのではないか、すなわち、民主政が危機にあり、ついには倒れてしまうのではないかという問い*5である。
 その問いに対して、多くの論文、研究書、一般向け書籍が著されている。一例を挙げれば、筆者が小野寺拓也氏とともに監訳した『ナチズムは再来するのか?*6』(原題は『ヴァイマル状況?』)という本がある[2]。同書は、2017年4月から7月にかけてドイツのバイエルン放送と『フランクフルター・アルゲマイネ新聞』でメディアミックス的に展開された企画を書籍化したものであり、5人の歴史家と2人の政治学者がそれぞれの専門的知見に基づいて、現代とヴァイマル時代を比較したものである[3]。
 そうした研究の成果については後述するとして、ここではまず、なぜ「ヴァイマル状況」という言説が出てきたかを確認したい[4]。
 ヴァイマル共和国と現代を比較する言説が頻繁に飛び交うようになったのは、およそ15年前である。まず2007年の世界金融危機が、1929年の世界恐慌との比較を誘発した。そうした新聞記事は検索で無数に見つかるが、たとえば2010年5月17日の『南ドイツ新聞』には「1929年と2008年」という論説が掲載されている。また、ユーロ危機で示されたドイツの徹底的な緊縮志向は、容易にブリューニング内閣との連想を呼び起こし、各紙に「ヴァイマルの亡霊」という言葉が並んだ(ブリューニングは世界恐慌時の首相であり、議会ではなく大統領緊急令に依拠して危機を乗り切ろうとし、緊縮財政とデフレ政策を進め、かえって左右の反体制派の躍進を招いた)。
 そして、この10年でヴァイマルの類推は政治や社会の領域にまで広がった。ドイツにおいても「民主主義の危機」が危惧されたからに他ならない。それは、まずもって「ドイツのための選択肢(AfD)」の台頭に起因する。2013年に結成された同党は、当初は反ユーロ政党だったが、次第に右傾化・排外主義化を強め、とりわけ2015年の難民危機を背景に右翼ポピュリズム政党となり、勢力を伸ばした。2017年の連邦議会選挙では12.6%を獲得し、一気に第三党(結果的には野党第一党)に駆け上がり、21年の総選挙でも旧東側を中心に勢力を維持している。これで連邦議会議席を有する主要政党は(ボーガス注:左翼党、社民党緑の党自民党キリスト教民主同盟、「ドイツのための選択肢」の)6党となり、中道の二大政党*7の凋落も相まって、多党化現象が生じた。
 そうした政党政治レベルでの変容とともに、社会レベルでも排外主義が高まっていることが、いっそうヴァイマルとの比較をもっともらしいものにしている。「民族の裏切り者(Volksverräter)」や「民族共同体(Volksgemeinschaft)」といった、ヴァイマル共和国およびナチ体制時代の遺物であり、とうの昔にドイツが「克服」したかに思われた語彙が復活した。
(中略)
 ヴァイマル共和国には、三つの「宗派化」した陣営、すなわち、①社会主義陣営、②カトリック陣営、③プロテスタント陣営があり、それぞれの陣営内に民主派と非民主派がいるという状況であった。投票行動の変化は基本的に各陣営の内部で起こり、陣営の境界を越える変化は少なかった[8]。
 また、メディア史家ウーテ・ダニエルが指摘するように、ヴァイマル共和国ではメディアも政治的・イデオロギー的に分断されていた[9]*8。全体を包括するような主要メディアは存在せず、新聞は党派によって分断されており、それぞれ「エコーチェンバー」を作り出していた。ある陣営にとっての真実が、他の陣営にとってはフェイクになる。そんな状況が生み出されていたのである。
 さらに、地域間の分断、都市と地方の分断も見逃せない。とりわけ、大都市ベルリンは他の地域の怨嗟の的となった。地方からみたベルリンは、「共和主義、多元主義、機械化、アメリカ化、派閥主義、教育実験、道徳の退廃、とりわけ性別の適切な境界の混乱という退廃」の象徴であった[10]。
 また、ベルリンには外国人も多く、ユダヤ人に関しては、ドイツ全体では人口の1%に満たない割合のところ、ベルリンでは7%を占めていた。こうしたなかでユダヤ人は「エリート」「資本主義」「共産主義」のシンボルとなり、反ユダヤ主義は反エリート、反資本主義、反共産主義の意味をもつようになった。
 こうしたなかで台頭したのがナチ党だが、しばしば指摘されるように、ヒトラーは選挙によって首相の座についたわけではない。とはいえ、ナチ党が、1928年の総選挙では得票率2.6%に過ぎなかった状態から、わずか数年で30%台を獲得するようになったことも、忘れるべきではない。こうした急速なナチ党への支持拡大なくして、1933年1月にヒトラーが首相に任命されることもなかったであろう。
 古い研究ではナチ党は中間層の運動と捉えられてきたが、ユルゲン・ファルターらの統計的手法を用いた歴史研究により、実際にはナチ党は、党員においても支持者においても、従来考えられてきたよりもはるかに多様な人びとから構成されていたことが判明している。たとえば、ナチ党に投票した者のうち3分の1は労働者層であった。
 こうした点をふまえて、ファルターはナチ党を「中間層の傾向が強い国民政党」と規定している[12]*9。ここで「国民政党」とは、広範な社会層に満遍なく支持される大政党を意味する。
 加えて注意すべきは、ナチ党に投票した人びとの多数が、「経済的敗者」や「社会的な根無し草」と呼ばれるような人びとではなかったことだ。たとえば、ナチ党に投票した者のなかで、失業者が占める割合は全体の平均よりも低い。それに対して、それまで棄権していた人びとが、1928年から33年のあいだに投票所に足を運び、ナチ党の成功に貢献している[13]。
 1920年代の深刻な農業危機、29年に始まる世界恐慌など、危機が次々と訪れるなかで、ヴァイマル共和国の既成政党は安定した連立政権を樹立できずに無力をさらけ出していると有権者には思われた。既存の政党が、各々の支持勢力の個別利益を優先したことも、ナチ党には有利に働いた。多くの人は、抗議の意味でナチ党に投票したのである。このような状況を指して、トーマス・チルダースはナチ党を「抵抗の国民政党」と形容する[14]。
 ナチ党の戦略面にも巧みなところがあった。ここでは、共和国政府の貿易政策によって苦境に立たされ、不満を抱いていた農村地域に目を付け、1930年以降、「フォルク(人民、民族)」を強調して農民層に訴えかけたことを挙げておこう。この農村進出戦略は功を奏した。
 こうして、ファシズム研究者のケヴィン・パスモアが述べるように、「ナチは、それまで多くの政党がなろうとしてきた政党、すなわち、対立し合っているような集団までも単一の運動のなかに融合してしまうような国民政党になる、という点で、最も成功を収めた」のである[15]*10。石田勇治*11も、「ナチ党躍進の鍵は、この政党が国民政党となったことにある」と指摘している[16]*12
 とはいえ、ナチ党が単独では政権を握れなかったことは忘れるべきではない。多くの研究が指摘する通り、保守派の助力なくしてヒトラーが権力を握ることはなかった。さらに言えば、保守派は、首相就任後もヒトラーを引きずり下ろすことができた数少ない勢力であった。しかし、彼らはその機会を逸したのである。ヴァイマル共和国の保守派は、自己の利益や権力や名声を守るために、民主主義を放棄してナチと手を組むことを選んだのであった

 反共極右政党「維新」にすり寄り、共産から距離を置き野党共闘を破壊しようとする今の立民は「板橋文章をもじって」あえて言えば

立民党執行部は、自己の利益(選挙の勝利)を得るために、民主主義を放棄して維新と手を組むことを選んだのであった

ではないのか(但し、結局ナチスに政治的実権を奪われて衰退した戦前ドイツ保守派同様、そうした路線は立民にとってむしろ有害でしょうが)。そんな「立民批判派」の俺にとっては維新に批判的とはいえ「社民、れいわ」が「共産に比べ」党勢が弱すぎてお話にならない以上、もはや「共産支持、この道しかない(維新にすり寄る点では自公、国民民主は立民と変わらず論外)」ので
あって未だに「立民党のリベラル派」に空しい期待をし、共産に不当な悪口を加えるid:kojitakenには心底呆れます。


◆激動の20世紀を「良き教師」として生きる(小玉亮子*13
◆ナチ時代のドイツ女性を再考する(井上茂子*14
◆抵抗と再建のはざまで:「ドイツ零時*15」における社会運動(土肥有理*16


◆「ナチスの発明」の起源:源泉徴収をめぐる俗説と「一九四〇年体制」論(田野大輔*17
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

「源泉徴収はナチスの発明」というウソ(田野 大輔) | 現代ビジネス | 講談社(1/6)
 ナチスの政策のなかにも「良いもの」はあった。ネット上を中心にしばしばそんな主張を見かける。
 しかし実はそうした主張の多くは少なからぬ事実誤認を含んでいたり、政策の全体を見ずに一部だけを切り取っていたりする。そうした巷間の「ナチス擁護論」の杜撰さと危うさを指摘した『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』(小野寺拓也・田野大輔)がベストセラーとなっている。
 「ナチスは良いこともした」という主張の根拠の一つとしてしばしば持ち出されるのが、「源泉徴収ナチスが発明した」という説だ。同書の著者の一人である甲南大学教授の田野大輔氏が、この説の虚実、そして、なぜこの説が広まったのかを検証する。
注:本記事は、田野大輔「『ナチスの発明』の起源:源泉徴収をめぐる俗説と『一九四〇年体制』論」『歴史評論』2024年5月号(予定)の内容の一部を再編集したものである。
【田野】
 新書やビジネス書、雑誌などでもこの説がまことしやかに紹介されているのを目にする。
 代表的な事例としては、2006年に出版された武田知弘*18フリーライター)の『ナチスの発明*19』が挙げられる。武田は同書のなかで「税金の『源泉徴収』をはじめたのもナチス・ドイツである」と述べ、この制度をナチスの「人類への功績」の一つに数えている。最近では舛添要一国際政治学者)も、2019年の『ヒトラーの正体*20』の冒頭でヒトラー源泉徴収の考案者と名指しし、出版時のインタビューで「源泉徴収という考え方はヒトラーが初めて導入しました」と断言している(『スポーツ報知』2019年8月31日)。
 だが一部の読者には驚きかもしれないが、実はこの「ナチスの発明」という俗説はまったくのデタラメである。所得税源泉徴収はイギリスではナポレオン戦争期の1803年に、アメリカでは南北戦争期の1862年に導入されており、ドイツでも第一次世界大戦直後の1920年に導入されている。
 ドイツの源泉徴収制度はヒトラーが政権を握る13年前、ワイマール共和国のエルツベルガー財務相が1919年から翌年にかけて行った包括的な税制・財政改革の一環として導入したものである。第一次世界大戦の敗戦による深刻な財政危機に直面していた共和国政府が、大衆課税による増収と税務行政の効率化をはかる目的で行った改革だが、これによって今日につながるドイツの租税・財政制度の基盤が確立されたというのが、研究者の間で一致した見方となっている。このとき採用された源泉徴収を、ナチスはただ受け継いだにすぎない。
 それにもかかわらず、源泉徴収を「ナチスの発明」とする謬説が広まったのはなぜだろうか。その原因は何よりも、日本が1940年にドイツに倣ってこの制度を導入したという歴史的経緯にありそうだ。当時のドイツはヒトラー政権下だったから、源泉徴収を「ナチスの制度」と誤解してもおかしくない。多くの論者の発言を精査すると、そのような誤解や歪曲が「ナチスの発明」という謬説の成立に深く関わっていることがわかる。彼らは源泉徴収の起源をより強くナチスと結びつける方向で、発言の内容を徐々に変化させている。
 このことをはっきりと示しているのが、最初期に主導的な役割を果たした(ボーガス注:ライフコーポレーション創業者の)清水信次(実業家)の発言である。清水は早くも1989年に源泉徴収ナチスの関係に言及したパイオニア的存在だが、この時点ではまだ「ナチス・ドイツを範にして1940年に所得税の給与源泉徴収制度を導入した」との説明にとどまっていた(『世界』523号)。だが1993年のインタビューで「源泉徴収ナチスの遺産」とトーンを強めると(『週刊ポスト』1993年9月10日号)、その翌年に出版した著書では「この制度を考えだしたのは、ナチスドイツのヒトラーであった」という主張に移行している(『時短は国を滅ぼす*21』)。
 同様の変化は加藤寛*22(経済学者)の発言にも見られる。政府税制調査会会長も務めた加藤は1987年の共著では戦後の所得税法改正で源泉徴収が採用されたと述べていたが(『「決定版・税制改革」』*23)、1987年と1999年の対談で源泉徴収導入にドイツの影響があったことを知ると(『法令ニュース』487号、『対論「所得税一律革命」』)、2002年の論説で「ナチスドイツに範を求めた」と説明を変えている(『日本経済新聞』2002年1月28日)。そして最終的に、2005年の雑誌インタビューで「ヒットラーが便利だからと作った」と主張するにいたっている(『週刊東洋経済』2005年2月5日号)。
 このように多くの論者の発言は何かに導かれるように徐々に内容を変化させ、やがて一線を踏み越えて完全な謬説に移行している。「ドイツに倣って」が「ナチスを真似て」となり、「ドイツの税制」が「ナチスの制度」とされて、最終的に「ナチスの発明」という主張に行き着くのだが、そうした不可逆的な変化をもたらした原因は何だったのだろうか。
 まず指摘できるのは、話を誇張して読者の関心を引こうとする動機である。本当はドイツに倣って導入されただけなのだが、それでは弱すぎる。「ナチスが作った」と言い切ってしまった方が、インパクトは大きいはずだ。おおよそこのような理由から、多くの論者は「ナチスの発明」論を唱えるようになったと考えられる。だがもう一つ、「ナチスの発明」論の成立・拡大に――間接的にではあるものの――大きな影響を与えたものがある。1995年に出版されベストセラーとなった野口悠紀雄*24(経済学者)の『1940年体制*25』である。ただし野口は1940年に源泉徴収が導入された事実には言及していたが、そこにドイツの影響があったことは指摘していなかった(その代わりに「世界ではじめて」導入されたという勇み足の指摘を行っている)。この点を補足し、現代につながる連続性の起点をナチスにまで延長しようとした論者の代表格が、斎藤貴男*26(ジャーナリスト)である。
 斎藤は1996年に出版した『源泉徴収と年末調整*27』のなかで、野口の「1940年体制」論を紹介しながら日本の税制を検討し、源泉徴収導入の背景に「ナチス・ドイツの強い影響」があったことを強調する。だが源泉徴収ナチス以前に導入されていたから、これは間違いとは言えないまでも誤解を招く説明である(なお、彼は年末調整もナチスの影響によるものと説明しているが、ドイツでこの制度が導入されたのは1948年なので、こちらは明らかな誤りである)。
 (ボーガス注:左派の)斎藤は戦時体制の所産である源泉徴収に批判的な議論を展開しているのだが、ナチスの影響を強調することでそうした批判の説得力を高める意図があったのかもしれない。
 ところが2000年代半ばになると、こうした論調は一変する。その最大の原因こそ、冒頭で挙げた武田の『ナチスの発明』にほかならない。同書のそれまでにない特徴は、源泉徴収ナチスによる「偉大な発明や発見」として、もっぱら肯定的に取り上げている点にある。
 源泉徴収は納税を効率化する「先進的な社会制度」なのだから、たとえナチスが作ったものであろうと「人類への功績」として正当に評価されるべきだというのだが、このような主張は一般世論の保守化、とりわけ「過去を一方的に断罪するのはおかしい」という風潮の高まりにも後押しされて、源泉徴収をめぐる議論を急速に間違った方向に導いていく。2008年にはさっそく戸矢学*28(作家)が源泉徴収を「ナチスが開発したもの」と断定し、「当時としては比較するものもない圧倒的な『先進国』ということです」と発言している(『カリスマのつくり方*29』)。
 この時期の変化としてさらに注目されるのは、かつて源泉徴収の起源について比較的慎重な説明を行っていた斎藤と舛添が、武田に背中を押されるように一線を踏み越え、「ナチスの発明」論を唱え始めることである(もともと源泉徴収について武田とは反対の評価をしていたにもかかわらず、である)。斎藤は2014年に出版した著書のなかで「源泉徴収ナチスのしくみ」と説明し(『ちゃんとわかる消費税*30』)、さらに2016年のインタビューで「もともとはナチスドイツが戦費調達のために発明したもの」と発言しているし(『マガジン9』2016年9月14日)、舛添も上述の通り2019年の著書とインタビューで源泉徴収ヒトラーの考案によるものと断定し、この制度の利便性と効率性を強調している。
 過去30年あまりにわたって積み上げられてきた源泉徴収をめぐる俗説の系譜をたどってみると、あらためて悪の象徴=ナチスの「情動に訴える力」の大きさに気付かされる。(ボーガス注:左派の斎藤のように)容赦なく税金を取り立てる源泉徴収の非道さを印象付け、不条理な税制への怨嗟をかき立てるためであれ、(ボーガス注:歴史修正主義右派のように)逆に納税の手間を省いてくれるこの制度の先進性と先見性を強調し、それによって「ナチスの時代をただ真っ黒に塗りつぶしてきた歴史観」を修正するためであれ(『ナチスの発明』)、ナチスを引き合いに出すことが喚起する感情は強力で、歴史的事実の認知さえ歪めてしまいがちである。
 「ナチスはこんな凄い発明もしていた」といった人目を引く主張に心動かされ、「やっぱりそうだったのか」と納得してしまう前に、それが事実認識として間違っていないか、立ち止まって考えてみるべきだろう。
 武田や戸矢の主張が示しているように、「源泉徴収ナチスの発明」という主張はナチスの免罪化、少なくともその犯罪の相対化につながる危険性をはらんでいる。そうした謬説が広まるのを防ぐためには、専門家による粘り強い批判が欠かせない。実は筆者もSNS上でこの種の発言を見つけては間違いを指摘し、「源泉徴収ナチスの発明ではありません」というステッカーまで作って啓発に取り組んでいるのだが、次から次へと現れる発言を前に途方にくれることが多い。根拠のない間違った俗説であっても、いったん活字になって世間に流布してしまうと、これを打ち消すのは非常に困難である。著述を業とする者の責任は重いと言わざるをえない。


天保期の福井藩用水改革と地域社会(黒滝香奈)

*1:この年にヒトラーミュンヘン一揆があった。

*2:この年に「国会議事堂放火事件を口実にしたナチス共産党弾圧」「全権委任法可決によるナチ独裁の開始」があった。

*3:東京外国語大学准教授。著書『野戦郵便から読み解く「ふつうのドイツ兵」:第二次世界大戦末期におけるイデオロギーと「主体性」(2022年、山川出版社)、『検証・ナチスは「良いこと」もしたのか?』(共著、2023年、岩波ブックレット)等

*4:東大教授。著書『アデナウアー』(2014年、中公新書)、『黒いヨーロッパ:ドイツにおけるキリスト教保守派の「西洋(アーベントラント)」主義、1925~1965年』(2016年、吉田書店)、『分断の克服 1989~1990:統一をめぐる西ドイツ外交の挑戦』(2022年、中公選書)等

*5:こうした問い(現在の状況が戦前日本と似ていないか?)は「戦前美化勢力=自民党安倍派など」が政治において強い影響力を発揮し、また「参政党」という右翼ミニ政党が国会に進出した日本にも該当するでしょう。

*6:2019年、慶應義塾大学出版会

*7:社民党キリスト教民主同盟のこと

*8:ウーテ・ダニエル「政治的言語とメディア」ヴィルシングほか『ナチズムは再来するのか?』

*9:ユルゲン・W・ファルター「抵抗の国民政党」ヴィルシングほか『ナチズムは再来するのか?』

*10:ケヴィン・パスモア『ファシズムとは何か』福井憲彦訳、岩波書店、2016年

*11:東京大学名誉教授。著書『20世紀ドイツ史』(2005年、白水社)、『過去の克服[新版]:ヒトラー後のドイツ』(2023年、白水社)等

*12:石田勇治『ヒトラーとナチ・ドイツ』講談社現代新書、2015年

*13:お茶の水女子大学教授

*14:上智大学名誉教授

*15:1945年5月8日のドイツ国防軍の無条件降伏によってナチス・ドイツ体制が崩壊し、ドイツ戦後史が始まったことを指す言葉(零時 (ドイツ史) - Wikipedia参照)

*16:明治大学講師

*17:甲南大学教授。著書『魅惑する帝国:政治の美学化とナチズム』(2007年、名古屋大学出版会)、『愛と欲望のナチズム』(2012年、講談社選書メチエ)、『ファシズムの教室:なぜ集団は暴走するのか』(2020年、大月書店)、『検証・ナチスは「良いこと」もしたのか?』(共著、2023年、岩波ブックレット)等

*18:著書『ヒトラーケインズ』(2010年、祥伝社新書)、『戦前の生活:大日本帝国の「リアルな生活誌」』(2013年、ちくま文庫)、『大日本帝国の経済戦略』(2015年、祥伝社新書)、『ヒトラーとトランプ』(2017年、祥伝社新書)、『ヒトラーの経済政策』(2020年、祥伝社黄金文庫)等

*19:彩図社

*20:小学館新書

*21:文春ネスコ社

*22:慶應義塾大学名誉教授

*23:国際商業出版社

*24:一橋大学名誉教授

*25:東洋経済新報社

*26:著書『源泉徴収と年末調整:納税者の意識を変えられるか』(1996年、中公新書→後に『大増税のカラクリ』と改題し、2006年、ちくま文庫)、『プライバシー・クライシス』(1999年、文春新書)、『梶原一騎伝』(2001年、新潮文庫→2005年、文春文庫、後に『「あしたのジョー」と梶原一騎の奇跡』と改題し、2016年、朝日文庫)、『小泉改革と監視社会』(2002年、岩波ブックレット)、『バブルの復讐:精神の瓦礫』(2003年、講談社文庫)、『安心のファシズム:支配されたがる人びと』(2004年、岩波新書)、『国家に隷従せず』(2004年、ちくま文庫)、『希望の仕事論』(2004年、平凡社新書)、『不屈のために:階層・監視社会をめぐるキーワード』(2005年、ちくま文庫)、『ルポ改憲潮流』(2006年、岩波新書)、『住基ネットの「真実」を暴く』(2006年、岩波ブックレツト)、『「非国民」のすすめ』、『報道されない重大事』(以上、2007年、ちくま文庫)、『消費増税で日本崩壊』(2010年、ベスト新書)、『東京を弄んだ男:「空疎な小皇帝」石原慎太郎』(2011年、講談社文庫)、『「心」と「国策」の内幕』(2011年、ちくま文庫)、『強いられる死:自殺者三万人超の実相』(2012年、河出文庫)、『安倍改憲政権の正体』(2013年、岩波ブックレット)、『分断される日本』(2013年、角川文庫)、『戦争のできる国へ:安倍政権の正体』(2014年、朝日新書)、『民意のつくられかた』(2014年、岩波現代文庫)、『民主主義はいかにして劣化するか』(2014年、ベスト新書)、『「東京電力」研究』(2015年、角川文庫)、『ジャーナリストという仕事』(2016年、岩波ジュニア新書)、『機会不平等』(2016年、岩波現代文庫)、『国民のしつけ方』(2017年、集英社インターナショナル新書)、『「明治礼賛」の正体』(2018年、岩波ブックレット)、『日本が壊れていく』(2018年、ちくま新書)、『ちゃんとわかる消費税』(2019年、河出文庫)、『カルト資本主義(増補版)』(2019年、ちくま文庫)など

*27:1996年、中公新書→後に『大増税のカラクリ』と改題し、2006年、ちくま文庫

*28:著書『陰陽道とは何か』(2005年、PHP新書)、『三種の神器』(2016年、河出文庫)等

*29:PHP新書

*30:2014年、河出書房新社→2019年、河出文庫

中北浩爾のなりすましについて&「松竹伸幸に悪口する」ほか(2024年4/15日分)

はらまこと(原誠)日本共産党・愛知県瀬戸市
 中北氏*1のなりすましです。
 中北氏はツイッターのアカウントを持っていないので、なりすましで通報できないことに目をつけたのだと思います。
◆野口周治日本共産党・北海道森町議
 #中北氏 、論文を書く人かと思っていたけど、#ヘイトスピーカーだったのですか……

野口周治・日本共産党北海道森町議
 ありがとうございます。ダマされてしまった。申し訳ないこと‼️

はらまこと(原誠)日本共産党・愛知県瀬戸市
 時間はかかるけど、すでに情報開示請求しましたからね。(ボーガス注:なりすましは)共産党の人間はどうせ何もやらないとタカをくくってるのかもしれないが、私は違いますから。せいぜい結果を楽しみに待っていなさい。

 原氏を「在日朝鮮・韓国人呼ばわりするヘイトスピーカー(中北のなりすまし:中北を何故か敵視する反共デマ右翼?)」を巡るやりとりです。
 しかし、これ、原氏が「情報開示請求」する以前に中北が名誉毀損等で提訴するように思いますが、その当たりどうなのか。
 そして

こたつぬこ*2
 みなさんのご協力のおかげで、中北浩爾氏のなりすましアカウントに一時制限がかかりました。凍結させるために引き続き通報をお願いします。

など一部を除き、「中北の共産党批判本」を持ち上げてた連中(kojitakenなど)が「中北に対するこうした迷惑行為」について俺の知る限り全く触れてないらしいのが何ともかんとも。
 「中北に興味があるんじゃなくて、共産叩き(例:中北の著書『日本共産党』(2022年、中公新書))なら何でも乗っかるだけなのか?」と言いたい。

*1:中央大学教授。著書『現代日本の政党デモクラシー』(2012年、岩波新書)、『自民党』(2017年、中公新書)、『自公政権とは何か』(2019年、ちくま新書)等

*2:勿論俺は「立民・泉シンパ」「反共右派」のこたつぬこ(木下ちがや)を政治活動家としては全く評価していませんが、「この件」に限れば「なりすまし(しかもヘイトスピーカー)」を批判する「正当な行為」です。